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月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人58 BL小説 「くだらん揚げ足取るなや! 文子さんにも、お前に今つき合うてる彼女いてるかて、聞かれたから、いてないて言うたった」 千雪は京助を睨み付けながら言った。 「ほう? いつの話だ?」 「飲み会の夜や。文子さんはやっぱお前のこと好きみたいやし、より戻したったらええんや。
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)4までアップしています BL小説 霞に月の(工藤×良太)4までアップしています。 春雷の後のエピソードになります。 季節がなかなか追いつけませんが、どうかご容赦くださいませ。夏休み(工藤×入社3年目の良太)14まで、 真夜中の恋人(京助×千雪)57までアップしま
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人57 BL小説 完全に三田村の中では、京助はそういうポジションでインプットされたようだ。 顔を上げると京助がエレベーターの前で千雪を睨みつけている。 これで逃げ出したりしたら、京助は周りの目もお構いなく連れ戻しにかかるだろうとは、思いあがりでも何でもなく、容易に想像できた。
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人56 BL小説 「絵に描いたようなデートコースの相手は女の方がええんちゃう?」 京助はそんな皮肉にも答えようともせず、千雪の腕を掴んだまま、エレベータに乗り込み、フロントデスクのある二階のボタンを押す。 「ええ加減、離せよ」 ムスッとしたまま千雪は京助の手を振りほどく。 間も
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人55 BL小説 「これからやけど」 「食いに行くぞ。着替えろよ」 相変わらず命令口調で、京助は見下ろした。 「めんどいな……」 「俺もまだなんだよ」 仕方なく千雪はジャージを脱いで、椅子にかけてあったジーンズを履き、Tシャツの上にジャケットを羽織る。 アパートの門の前には築二
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人54 BL小説 「お前ら、どういうおつきあいしてんのや?」 真っ向から問われた千雪は一呼吸置いて三田村を見返した。 「どういうも、ないで? ほな、俺、講義あるから」 ごまかしは効かない、三田村に気づかれたと千雪は思ったが、三田村なら今さらどうでもいい。 千雪は空の紙コップを持
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人53 BL小説 だが、問題は別のところにあるのだ。 結局、三田村に押し切られて学食で定食を食べた後、コーヒーを持ってカフェテリアへ向かう。 その間も、千雪を見た特に女子学生の反応が三田村を笑わせた。 「出た、ヘンタイジジィ」 「やだ、クサいのがきた」 「クサいセンセの横にいる
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人52 BL小説 雑誌の原稿は何とか上がって送ったのだが、レポートがちんたらして進まない。 それでも午後の講義があるので帰るわけにもいかず、キーを叩いているうちに二限目終了のチャイムが鳴った。 昼か。 カフェテリアあたりをうろついていると、速水と顔を合わせる可能性があるし、何と
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)94、ラストまでアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)94、ラスト、夏休み(工藤×入社3年目良太)8、真夜中の恋人(京助×千雪)51までアップしました。 春雷、最後までお付き合いいただきありがとうございました。 次回は、また季節は追いついていませんが、「霞に月の
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人51 BL小説 田辺は几帳面な性格で、仕事ぶりもまじめで評判もいい、何も問題は見当たらない。 さらにこの田辺が老女を殺す動機がないのだ。 だが、老婆のかかりつけの病院に足を運ぶうち、待合室で集う老人たちの中に老婆をよく知る者がいて、渋谷は気になる話を聞いた。 「そういえば、昔
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人50 BL小説 朝から雲ひとつない青空が広がっていた。 時折、こんな日に部屋の中にいなければならない状況を嘆きたくなる。 パソコンの画面を睨みつけながら、思わずあくびが出てしまう。 仕方なく、缶コーヒーを買ってきた千雪は、椅子に座るとプルトップを引いた。 「随分お疲れのようだ
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人49 BL小説 「初対面が最悪だったんだよ。実際、あんな……きれいなやつには会ったことはなかったからな。驚いたのと………ちょっとお前をやっかんだんだ。で、どういう関係なんだと勘ぐりたくもなるだろう」 「言っとくが、最初に酔っ払ったあいつをベッドに押し倒してイイことしようとした
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人48 BL小説 「開けろ、話がある」 実物は思った以上に不機嫌な顔で速水を部屋へ入れた。 ボサボサの髪を引っ掻き回しながら、「何だ、話って」とリビングに向かう京助は、上下黒のジャージ、裸足でフローリングの上を歩いている。 リビングのソファから床から、グランドピアノの上まで資
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人47 BL小説 「アイドルまがいによその学校の女にまで追い掛け回されよったりして、懲りたんやないですか? 弁慶が離れてしもたこともあるしな」 三田村は軽く説明した。 「弁慶?」 速水は眉を寄せて聞き返す。 「ああ、ガキの頃からずっと千雪のガードしてたみたいなやつがいて、大学進
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人46 BL小説 ………千雪くん? 速水は聞き流せない名前に訝し気な顔になる。 「携帯は切ってるし、家にもいないし、ひょっとしてこっちにいるかと電話したらいるっていわれたから。工藤さん、すみません、ちょっと千雪くんを借りたいんです。緊急で!」 ガタイの大きさに似合わない、甘めの
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人45 BL小説 「なるほど、それは知らなかったとはいえ、すまなかった。桐島さんのことはそもそも俺の一方的な話だから仕方ないとしよう。だが、そこの彼に、彼女の前で俺を侮辱するような発言をしたことに対する弁明をしてもらうのとは別の話だ」 この男が皮肉屋で性格は曲がりくねっていそう
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人43 BL小説 速水はホテルNのラウンジから自分の滞在しているホテルへと戻る道すがら、京助を呼び出して文句を言わないではいられなかった。 ひどくイラついていた。 あんなガキにしてやられるとは。 あんなガキに。 あの類のガキは躾けなおしてやる必要がある。 世の中そうそう甘い人間
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)87までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)87、Vacances(工藤×入社2年目良太)26、真夜中の恋人(京助×千雪)42、までアップしました。BL小説です。 真夜中の恋人、は、メリーゴーランドより以前の話になります。
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人42 BL小説 寿々屋通いが最近日課になりつつあった。 「女将、もう一本」 「はいはい、どうぞ」 女将から酌をしてもらい、京助は厚揚げを追加で頼む。 「この里芋、美味いな」 里芋の煮物は女将のおすすめだったが、この店の煮物はどれも美味い。 味付けや食材など、女将は惜しげもなく
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人41 BL小説 空を見上げると、明るい月がぽっかりと浮かんでいる。 そのまま視線を下げると、青山プロダクションのビルが見え、二階のオフィスにはまだ煌々と灯りがついているのに千雪は気づいた。 「まだ、誰かいてるみたいやな」 千雪がそう呟いた時、ちょうど傍らを滑るように走り込んで
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人40 BL小説 「授業中は当てられてもわかりません、言うといてお前、試験は満点取るし、あいつが何言うても無視やったし、お前がそういう態度取るからみんなも真似しよって」 三田村に言われて、千雪も当時のことを思い出した。 「逆パワハラか? イジメてもたんかな、やっぱ、俺」 「白々し
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人39 BL小説 第一、どこをどうしたらそういうことになるのか、小、中、高と三田村にはイジメに近いいじられ方をしてきた千雪にはさっぱり理解できない。 「小林くん、三田村くん、お待たせ」 何だか妙な話になりかけたところへ、桐島が現れた。 「おう、早かったな」 隣に座る桐島に、三田村が言
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)83まで連載中です BL小説 春雷(工藤×良太)83、Vacances(工藤×入社2年目良太)22、真夜中の恋人(京助×千雪)37まで、BL小説連載中です。
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人37 BL小説 東京に出てきてからの、黒渕眼鏡にダサい見てくれの理由は、千雪が女の子に家まで追いかけられたからだけではなく、男に襲われそうになったということのトラウマも多分にある。 別に三田村を笑わせるためにやっているわけではないのだ。 そういえば、どうしてあの思慮深そうな文
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人36 BL小説 部屋の電話が鳴った時、チェストの上の時計は十一時を示していた。 割と夢中になって原稿に向かっていたので、千雪はどれだけ時間が過ぎたのもわからなかった。 「え? まだ締め切りやないやろ? あ、ひょっとして三田村か」 携帯は電源を切ってあることも多いので、三田村に
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人35 BL小説 「お前の素性を知らないから、あいつは誤解しているんだ」 「ふーん、素性を知らなければ、俺はお前に援交目的で近づいたタチの悪い援交ボーイってわけや?」 思い切り皮肉って千雪は京助を睨み付けた。 「そんなことは言ってねぇだろ?!」 「少なくともお前のご学友はそうと
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人34 BL小説 「うわ、もう、昼休み終わってしまうやんか!」 腕時計を見て、千雪は焦って二人に背を向けた。 「ほんまに、くだらないことで大騒ぎして、ようも恥ずかしないな?! 先輩方!」 ちょっと振り返り、そう言い放つとたったか次の講義のある教室へと足早に向かう。 やってられへ
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人33 BL小説 「どうしたの!? 京助さん! 速水くん!!」 騒ぎを聞いて、コーヒーを取りに行っていた文子が慌てて駆けつけた。 その頃、二限目の講義のあと教授に質問があって時間をくってしまった千雪は、三限目が始まる前に図書館に行くつもりもあり、カフェテリアで手早く昼を済ませよ
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人32 BL小説 明け方ようやく部屋に戻り、ちょっと仮眠した程度でシャワーを浴びて着替え、研究室に戻ってきた京助は、さすがに疲労困憊状態だった。 自販機で買ってきた栄養ドリンクを一気飲みして自分のデスクに足をかけ、椅子にもたれて腕組みをしたまま目を閉じていると、牧村らがやってき
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人31 BL小説 「……はい、わかりました」 緊急ですぐ来るようにという教授のお達しである。 「それ、食ったら、ちゃんと帰れよ」 のんびりと、クレーム・ブリュレを口に持っていく千雪にそう言うと、コーヒーを一口飲んでから京助は慌てて席を立つ。 と思いきや、千雪に覆いかぶさるように
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人30 BL小説 「あとは、お任せしますので、よろしくお願いします」 千雪はヘルメットを手に立ち上がった。 「あら、千雪さん、バイクなの? じゃあ、工藤さん、車変えた?」 万里子が小首を傾げて工藤を見た。 「まだ動くものを変える必要はないだろ」 「ふーん、じゃあ、志村さんの?
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人29 BL小説 いかにもオフィスに用があるような顔で、京助はガードマンに会釈をしてオフィス下の螺旋階段あたりへ歩く。 朝から降っていた雨は上がったが、木立を抜ける風は少し冷たかった。 京助はエントランス横の壁に凭れて、やがて現れるだろう千雪を待った。 二十分ほど経ったろうか、
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人28 BL小説 雨は朝になってもしとしとと降り続いていた。 ドアを開けて雨が降っていることに気づいた千雪は、傘を持ってドアを閉めた。 気分は絶不調だ。 あまり雨は好きではないが、理由はそれだけではないだろう。 できれば出かけたくはないが、欠かせない講義があった。 ここのところ
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人27 BL小説 一呼吸おいて、速水は続けた。 「いくらでも女がより取り見取りだろう? ゲイってわけじゃないんだ。何も坊やなんか選ばなくてもいいだろ? いったいどこで知り合った? ニューヨークあたりでもよくいるが、あの手合いは絶対援助目的だぜ? お前の素性知ってるんだろ?」
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人26 BL小説 六本木の大通りから少し入ったところにあるバー「サンクチュアリ」は、富裕層が利用する高級会員制クラブの系列で、VIPルームもあるシックな店だが、京助や速水にとっては高校時代からのたまり場で、加えて大抵何人もの遊び仲間が屯していた。 久々にドアをくぐると、久しぶり
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ45 BL小説 「おい、だからそんな恰好で寝るな」 いきなり首に引っ掛けていたタオルで頭をガシガシやられた千雪は目を覚ました。 ぼんやりしているうちに寝てしまったらしい。 「ほんまにお前の兄貴、クエナイやつや」 千雪はボソリと言った。 「だからそうだってっだろ? 兄貴のやつ、
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人25 BL小説 「桜木? 政治家というと、まさか何年か前、贈収賄事件で起訴された桜木代議士?」 「そうだ。君の言う通り、引き裂かれて自殺なんて、今時はやらないよな」 小田は苦笑いしながら振り返った。 「いえ、境遇とかは違うかもしれませんが、俺の両親、駆け落ちやったんです。母親
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人24 BL小説 「ああ、ちょっと話をした時にね。それに君の小説を映画化するという話じゃないか、工藤にしてみれば結構大きな仕事になるようだし、私も影ながら応援くらいはさせてもらうよ」 ワハハと豪快に笑う小田からは誠実な人柄が窺えた。 「工藤さんとは今も親しくされてはるんですね」
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人23 BL小説 さすがに切れ者の弁護士というだけあって、その表情からは何も窺い知れない。 「刑法と処罰について、考えているところなのですが、弁護士として実際の事件を扱っておられる先生に、差しさわりのない程度でお話を聞かせていただけたらと思いまして」 もちろん、自分が携わってい
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)70までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)70、真夜中の恋人(京助×千雪)22、Vacances(工藤×良太)7(良太入社2年目くらい)までアップしました。真夜中の恋人、Vacances は、エピソード―風薫る頃、からどうぞ。
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人22 BL小説 「捜査一課の刑事だ。だいたい、こないだは千雪を容疑者扱いしといてどの面下げて来やがるんだ! 厚顔無恥な連中だ。千雪なんかに頼らず、ちったあ自分の頭を使ってみたらどうだ?! へっぽこデカどもめ!」 むしゃくしゃしていた京助は、ちょうど現れた渋谷に当り散らす。
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人21 BL小説 頭から工藤をヤクザと見下しているその正義感面にはかなりムカついたが、千雪のことを見下したいが故に工藤のことを持ち出している速水に対して、反吐が出る思いがして、千雪は立ち上がる。 「根拠のない噂話なんかに踊らされて、仮にも心理学者ともあろう人が、そう知らん他人を
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人20 BL小説 「あ、先輩! こんなとこにいた!」 お前は猛禽類か。 千雪は眼鏡の奥からよく見知った男を睨み付けた。 今日は天気もいいので南側のテラスへ続く扉が開かれ、オープンカフェになっていた。 できればこのうるさい後輩とは顔を合わせたくないし、ちょうど隅の木陰のテーブルが
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人19 BL小説 よりによって、顔を見たくもない相手とどうしてこんなところで出くわしてしまうのか。 「ええ、一応、雑誌で連載なんかやってるんで、色々忙しいんです」 振り返ると速水とその後ろには文子が立っていた。 「まあ、連載? 何ていう雑誌ですか?」 にこやかに尋ねられて、千雪
月夜の猫-BL小説です 真夜中の恋人18 BL小説 一限目の講義のあと、千雪は図書館に出向いた。 飲み会の時の宮島教授の言葉が気になっていたのだが、ここ数日忙しくて時間が取れなかったので、いつの間にか週末になってしまった。 実は三羽じゃなかったんだ、ということはつまり、他にまだ誰かがいた? 荒木志郎、小田和義、工