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「赤報隊=野村秋介黒幕説に違和感あり」元朝日新聞キャップの異論
戦後の未解決事件の一つ、警察庁広域重要指定116号事件(赤報隊事件)をめぐる報道に新たな動きがあった。 文藝春秋2023年6月号の〈朝日襲撃「赤報隊」の正体〉と題した特集記事に対し、元朝日新聞116号事件取材班キャップでノンフィクション作家の樋田毅が違和感を表明。同誌が展開した野村秋介黒幕説は本当に事件の真相を指し示しているのか、と疑問を投げかける長文記事を会員制月刊誌「FACTA」に寄稿したのである。(オンライン版はこちら) 文藝春秋の特集記事については、この僕も大いに興味をそそられ、前回の投稿で詳しく紹介した経緯がある。なので、今回は樋田の異論をじっくり読み解いてみることにしよう。
昨日発売された 文藝春秋 2023年6月号に、〈 朝日襲撃「赤報隊」の正体〉と題した特集記事が掲載されている。同誌取材班が20年にわたって進めてきた取材の成果を一挙に吐き出した25ページにわたる渾身のレポートだ。(ウェブ版はこちら) その核心部分を要約すると―――― 1987年 5月の朝日新聞阪神支局襲撃事件の発生直後、東京・浜松町に事務所を構えていた大物右翼・野村秋介から、彼のスポンサーである盛田正敏なる人物に電話が入った。「 急いで3000万ほど現金で持ってきてくれないか。えらいことになった。もう後には引けない」という内容だった。 当時、六本木で「サム・エンタープライズ」という不
鈴木さんはかつて、「SPA!」の連載で「赤報隊に会ったことがある」と書きましたよね? 僕がこう問いかけると、鈴木邦男は「ありましたねえ……」と頷いた。表情はあくまで穏やかだ。 ――――会っただけじゃなく、かなりやり取りを書いていますね。ただ、その後、朝日新聞や週刊文春の取材に「あれは文学的表現」「筆が滑った」などとコメントしています。 「ははは……」 ――――実際のところはどうなんでしょうか? 「赤報隊でしょう、多分。僕は結構、いろんな犯罪者と会っているんですよ。それはどこか信用されているのか、何かあったら殺すよと脅されてるのか、分からないんだけども」 鈴木はこともなげに言った。
【赤報隊に会った男】④ 第3の接触~「統一教会は僕らの敵だ」
前回までの記事で、鈴木邦男がかつて週刊誌「SPA!」の連載「夕刻のコペルニクス」で「告白」した、赤報隊との2度にわたる接触について紹介した。しかし、話はこれだけで終わらない。 彼は連載の中で、さらにこんな文章をつづっている。 阪神支局で朝日の記者が殺傷され、しばらくしたころだった。神田の喫茶店で本を読んでいた。その時、店の電話で呼び出された。ここにいるのは誰も知らないはずなのに変だなーと思いながら電話に出た。ギクッとした。例の男だった。また仲間に僕を尾行させていたのだろう。 「SPA!」1995年10月11日号「夕刻のコペルニクス」第49回 赤報隊からの抗議電話 この電話で謎の