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クリストフが亡くなったあと、3週間休んでいたチーズ屋の息子さんが朝市に戻ってきた。「ご愁傷様」はもうメッセージで書いたし、なんと言えばいいだろう、「大変でしたね」とか?と思いながらお店に行くと、息子さんが出て来て両手を広げ、わたしたちは抱き合うことになった。言葉にできないときはこのテがあった。どんな言葉より雄弁だ。息子さんの話によると、急性白血病は猛威を振るい、肝臓も侵されて黄疸が出て、血小板が殆...
朝市の“クリストフのお店”でチーズを買うようになったのは、娘がお腹にいたときだから27年前 。当時はクリストフと奥さんと、品のいい中年のおばさんの3人で店を仕切っていた。クリストフが夏のバカンスを取る40日間は、他のチーズ屋に行くけど、それ以外は浮気をせず、毎週日曜日、顔を合わせていれば仲良くもなる。「息子さんはコンテ、娘さんは固めのロカマドゥール、あなたはあまり熟成していないロブロション、ご主人は・・・・...
朝市の商店主たちは重労働だ。午前3時に起き、冷蔵室の商品をトラックに積み、市場に着くのが5時。それから出店を設置して商品を並べ値段をつけ終わると7時。早起きのお客がやってくる…とクリストフから聞いた。商品数が多い八百屋のエルザおばさんは午前3時出発と言っていた。店じまいは午後2時ごろ。残った商品をトラックに積み、帰って冷蔵室に入れると午後4時を過ぎている。2か所の市場で週に2回ずつ、それを17歳の時...
日本にいる間、日曜日ごと(2回だけ)に夫にチーズ屋さん、クリストフの容態を聞いていた。1回目は「長時間の放射線治療が効いている」という希望の持てる知らせだったけど、2回目は「え、院内感染!?」放射線で弱っていたところへ黄色ブドウ球菌に感染。家族もガラス越しでしか会えない隔離された病室だったのに、なぜ?息子さんは夫に「もう父に会うことはないでしょう」と言ったそうで、「どういうこと?もう望みはないって...
前回、ご紹介した、 パリで行きたい!アール・ヌーヴォー様式のレストラン で、ランチを楽しんだ後、 カフェに移動する前に、 腹ごなしも兼ねて、我々 一行が向かっ…