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飯を食おうと近所にある沖縄居酒屋に入った。注文を済ませたあと店内をひと回り見渡すと目の前の柱に切れ込みがあり、今にも折れそうに見えたので何となくアイフォンで写真を撮った。確固たる目的意識を以て撮るのではなく何となく撮るというのはボクの写真の常である。アイフォンのシャッター音がすると向かいに背を向けて座っていた中年男性が振り返りボクをひと睨みした後こちらに寄ってきた。そして彼はボクのテーブルに手を付き、今何を撮ったのか?撮った写真を見せてくれと言った。決して喧嘩を売ってくるような言い方ではなかったけれど、あえて面倒くせえなという素振りで写真を見せてやった。すると彼は、あ、いや、俺の後ろ姿を撮られ…
映画用のモノクロフィルム、ダブルXをおかわりした。400ftを巻くのは面倒だけれど、とても36枚撮り1本2900円のトライXを買う気にはなれない。毎回このロールが終わったらもうやめようと思いつつ、それでも装填が完了したたくさんのパトローネを見ると妙に気が大きくなって幸せな心持ちになってしまう愚か者である。 当然400ftを一気に巻くことはせず100ftローダー用に切り分けるのだけれど、完全暗室では100ftに分けられない。そこでガムテープの芯径がほぼ100ft巻に近いので、これを型として手探りで径を合わせている。完全にカン頼りの作業だけれどこれが意外に正確で詰め替えたパトローネ数は毎回ほぼ同じ…
猛暑がやってくる前の曇りの土曜日、暑さに耐えられなくなる前に作業を進めた。構想2年、やっとミジェットの夏対策がすべて完了。ジッパー付き幌とヒーター撤去、パーコレーション対策ブロア設置。この3点で快適に夏を乗り越えられる。本当はオイルクーラーを付けてコンプリートだけれどとりあえずこれで様子を見ることにする。インラインブロアは3インチ。キャブの下部へ向けてエキマニの熱を押し下げる。かなり強力だけれど風向きが走行方向と逆になるので渋滞時しか使えない。しかし必要になるのは渋滞の時だけなのでこれでヨシとする。配線はヒーターファンの配線に繋げるだけなので設置も撤去も楽である。ひとつ弱点として強力なブロアフ…
山手通りの渋滞の中、非常停止板を出して止まっているミニを見かけた。近づくと比較的新しい12吋のローバーミニだった。ボンネットを開けていたのでエンジントラブルらしい。何かお役に立てればとも思ったけれど、インジェクションだろうから手が出せないだろうなと思い素通りしてしまった。昔は路上エンコ車をよく助けたり、助けられたりしたものだった。それこそ女性が止まっていたら全力で助けるなんてことをやっていたけれど、壊れない今の車ではあり得ないなと、そういえば思う。そういえば以前、雪とアイスバーンで立ち往生した車を助けようと、バックホウで引っ張るつもりでバケットを差し出しながら近づいたら、勢い余ってキャタピラが…
東京写真美術館で先週からはじまった本橋成一とドアノー展へ。難しい事はわからないけれど写真を鑑賞することはできる。炭鉱からはじまる二方の仕事の共通点を認識しつつ、決してメジャーではないマイナーな場所からのルポタージュは気当たりすることなく実に落ち着いて見ることができる。この心地よさ、写真を落ち着いて観ることができるというのはなぜだろうかと考えてみる。それは写真が過去の出来事の記録だからだろうか。ノスタルジー視点で観ているからだろうか。既に知っている写真だからだろうか。そして最後に展示されていた昨年撮られた奈良美智とアトリエを撮った写真にはドキドキするようなものが詰まっているように感じられたのであ…
朝起きて、ニュースサイトを読んでいると視野に芥川龍之介の歯車が発生した。2年ぶりである。これが出ると1時間位は動けない。このクソ忙しい時に厄介だなと思いロキソニンを飲む。ちょうど昨日、歯医者で神経を抜いてロキソニンを処方されていた。思えば結構カラダにガタが来ているなあとつくづく。 僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――と云ふのは絶えずまはつてゐる半透明の歯車だつた。僕はかう云ふ経験を前にも何度か持ち合せてゐた。歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞いでしまふ、が、それも長いことではない、暫らくの後には消え失うせる代りに今度は頭痛を感じはじめる、――それはいつも同じことだつた…
写真に撮りたくなる風景は考える前に撮るようにしている。しかし全く考えないのは無理であり、撮りたくなるからには脳に何らかの反応があったという場所でシャッターを押している。しかしその何らかの反応というのは好みの景色ということであり、何が好みなのか、それは都市はかくあるべしという視点なのか、自分の美意識なのか、そしてそのフォーマットに当てはまった場合はこういう構図でこういう撮り方をすればよい、という風に一瞬にして考える。結局考えてしまっている。そして撮られた景色は自分の中の都市のフォーマットにおさまり類型化される。そうか、自分の写真はタイポロジーなのか、ドイツ写真的だったのかと考えつつも、過去に多く…
冷えた暗い部屋に引き籠もること一ヶ月、やっと作業が終わった。さすがに150分尺は果てしなく長く、編集点は3000を超えた。さすがにM2macも徐々に動きが微妙になりバックアップをいくつも取り過ぎてどれがどこまでのファイルかわからなくなるほどの混乱ぶりは我ながら小心者だなと思いながらも無事ゴールに辿り着けた事に安堵する。とはいえおそらく明日のMAプレビューでうっかり点を発見して後悔するのは毎度の事、まあそれでも所詮自分はこんなもんだと飲み込めるような齢になってきた。
気温33℃。赤旗再スタートの決勝レース、再スタートを切るまでの待ち時間、それまで全開走行でガンガンに熱せられたエンジンルームでは燃料が沸騰しはじめている。再スタートから1コーナーを抜けるくらいまでの、燃料が入れ替わるまではみな沸騰燃料・パーコレーションとの戦いである。我がチームはインラインブロアをキャブとタコ足に向けて設置してあるので対策は万全だった。この対策をそっくりそのまま流用したのが先日の我がミジェットである。猛暑の中の筑波からの帰路、東北道上りも渋滞上等と構えていたけれど、まあそういう時は大抵スムーズに流れるものである。
都心32℃。これくらいの気温ならまだ快適走行でいつもの会合へ。 この日の乗せてもらっていいですかコーナーはシムカ1000GLS。シムカ自体が日本では珍しい上にオリジナルという貴重車。ラリーは何度かご一緒したことはありますが素の1000はお初。素とはいえメーター周りはラリー以上にモデファイされておりやる気ムンムン、、ですがシートへ座ると仏車ならではの極楽フカフカ、うな丼君風に言えば大トロです。 ククライスラー傘下になった直後の車になるのだろうか、そういえばなクライスラーマークが国籍不詳な錯覚に陥る。フィアットやアバルトなどのコラボも多いシムカだけれどこの車に限っては純粋なフレンチの匂いがあるよう…
ロケ弁はだいたいシウマイ弁当か金兵衛と決まっている。しかしごくまれにこの津多屋ののり弁が配給される。よほど予算が取れる時にしか配給されないのでボクにとっては最上級のご馳走である。これがまた絶品で、おかずどの品をとってもメインになるのではというウマさ。しかしボクにとってはツチノコ級の弁当なのでその存在をすっかり忘れかけていたら、同僚が澁谷のデパチカで買ってきてくれたのである。現場で慌ただしく掻き込んでも旨いけれど、落ち着いてゆったり食っても旨い。当たり前か。