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日本近世における従者と主君の情緒的な結合関係:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第四章メモ3
近世武士の「法」と「意地」の二元性の話が続いてるんですが、今回はまず本願寺教団から話が始まってます。十五世紀から十六世紀にかけて日本社会に推移的なツリー状組織が成立したらしく、浄土真宗の本願寺教団が一番早いそうです。これに関連して詳しい説明があるのですが省略させてもらいます。それまでの「知識」-「門徒」関係を破壊して、救済をきめるのは内心の正しい信仰という救済論を展開したのが蓮如です。蓮如の本願寺...
日本の武士の主従関係におけるルール性の欠如:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第四章メモ2
前回は近世の武士の心性に「意地」と「法」の深い緊張関係があるという話でした。今回はそれの続きで伝統中国の士大夫との比較から始まっています。以下、だいたいの要約です。儒教社会の社会秩序を実現する手段として「礼」のプログラムがあります。「礼とは、日常生活の基本的局面において関係者がいかにふるまうべきかを、特にその行為の外形に注目して規定した規則集である」。儒教は個人の倫理であるとともに、周囲にも礼を守...