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これの続きです。 「アフォーダンス理論」なのだが、「環境から影響を受けて人間は人間らしくなったんだ」というこの理屈が何となく武田先生は惹き付けられた。 人間の体もそんなふうにできているそうで、私達はその環境から学んで体を作った。 その体が心を作った、とそう言う。 では「人間の体についてみてみましょう」というワケだが、人間というのは骨というものがあって、その骨に中心棒がない。 中心の棒が無くてバラバラの骨が筋肉・筋(すじ)で結ばれていて 筋は、−中略−ゴムのように伸び縮みしている。運動に使われる横紋筋も、骨を「引く」ことはできるが、柔らかいので「押す」ことはできない。力..
2024年2月19日~3月1日◆なぜ世界はそう見えるのか(後編)
これの続きです。 人間というのは実に複雑な動きをしている。 これもJ・ギブソンの説だが、生まれてからまだ一年経っていない乳幼児がいる。 そのママが「違う違う、あそこよ」と指をさす。 生まれて数か月だと、赤ちゃんはその「あそこよ」という指さす指を見る。 ところがこれが一年にも満たないうちに「指がさしているものを見るんだ」という、その指が示唆しているということを理解するという。 考えたらもの凄く抽象的な体の動きを理解するようになる。 このあたりから爆発的に知識が増えるという。 例えば時間。 「時間」という抽象概念の場合は、豊富な経験のある「距離」の概念に似たものとみなして..
アフォーダンス概念で子どもの言語獲得を考える:ホームページ用メモ3
『新・子どもたちの言語獲得』第10章「「ことばの獲得」を包囲していること」をまとめれば、ホームページのアフォーダンスページに続きを書けそうな気がします。メモをすでにとっているので、それをもとに構成を考えることにします。第10章は佐々木正人が書いていて、3節構成になっています。1節が「「ある」からはじまる」で、ソシュールの引用から始まっていて、簡単にまとめると下の感じです。いったん成立した言語は我々の言...
周りにある「意味」の配置からのことばの獲得:小林春美、佐々木正人編『新・子どもたちの言語獲得』第10章メモ3
第10章最後のメモです。3 意味にたどりつくまでアフォーダンスの配置された環境で子どもはことばを習得します。重要になるのは、どうやって周りにある意味に出会うかです。子どもは他の誰かと一緒にいます。子どもの養育を行う大人がまず行うのは、多様な仕方で子どもの「注意を引く」ことです。「養育者と呼ばれる特別の人たちがまずすることは、循環するインタラクションのループによって、大人も含めて周りにあることに注意す...
子どもたちを取り囲んでいること:小林春美、佐々木正人編『新・子どもたちの言語獲得』第10章メモ2
第10章2節のメモです。2 子どもたちを取り囲んでいること大人の視点で、ことばを獲得しようとしている0歳児の周りを見ると、乳児を取り囲む環境は雑多なものに思えます。大人が子どもの前で一つの言葉を発したとき、その煩雑な周りの状態で何と対応しているか、大人の視点からは一見わからないように写ります。この本のそれまでの方法とは別に、子どもの周りにはどのようなものがあるか、よく観察してから考察しよう、という感じ...
子どものまわりにことばがあるということ:小林春美、佐々木正人編『新・子どもたちの言語獲得』第10章メモ1
佐々木正人による第10章「「ことばの獲得」を包囲していること」のメモからとっていきます。章タイトルから『アフォーダンス入門』の終わりの方の章と連続しているのがわかります。アフォーダンスの視点で子どもの言語獲得を説明してみよう、という内容です。第10章 「ことばの獲得」を包囲していること1 「ある」からはじまる1節はソシュールの引用から始まっています。佐々木による引用部分の内容を簡単にまとめると下のように...