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(この週はところどころポッドキャストの方ではカットされている箇所がある) 今週は「アオハルとカレイ」。 書店の棚には、様々な年齢に分けて生き方を問い、どうこの人生を生きるかの賢者、或いは成功者、そういうインフルエンサー達の人生読本のヒット作品がズラーッと並んでいる。 いろんなことで成功なさった方達。 その中で「(今朝の)三枚おろし」にするには誰がいいかな?と迷ったのだが、まずは近い年齢の方の本を探してみたら「老いの整理学」という(著者は)外山滋比古さん。 老いの整理学 [ 外山 滋比古 ] (この本は文庫と新書があるが番組で取り上げたのがどちらなのかが不明だったので、本文中のページ..
これの続きです。 二冊の本を三枚おろしに乗せている。 一冊は外山滋比古さん。 「知の巨人」と言われた方だが、この方の「老いの整理学」から。 そしてもう一冊が20代の方の為に書かれた「20代で得た知見」という、 Fと名乗る覆面作家の方。 Fという作家さんがお書きになった、若い方、20代の方に対する箴言、知恵ある言葉。 これは名言だけでなくショートエッセー、ページがあって、その中で武田先生が気に入った話。 Fという覆面作家がお書きになったショートエッセイ。 「あながたいなくなった後の椅子」というショートエッセイ。 齢五歳の彼の息子が、最近好きなアニメの話やキャラクター..
今週のまな板の上は一度語り尽くした人ながら、それでもまだこの人に関しては語り伝えられていないところもあるかと思ってもう一度まな板の上に置いた。 (以前のものは2020年9月7〜18日◆ドナルド・キーン) ドナルド・キーンさん。 漢字で「鬼怒鳴門」と名乗っておられたらしいのだが。 (番組では「院」の文字に言及しているが、「キーン」を「奇院」と書くこともあったようだ。日本に帰化した時の名前は「院」の字が入らない「鬼怒鳴門」) この方はご存じの方は多かろうと思うが、日本文学に魅了された、惹かれたという方で、アメリカの方なのだが、何故これほど惹きつけられたか? 文藝春秋、角地幸男さんが..
これの続きです。 ドナルド・キーンさん。 日本文学の研究者。 角地幸男さんが書いた「私説ドナルド・キーン」。 角地さんとドナルド・キーンさんがどういう知り合いかというと、ドナルド・キーンさんはエッセー等々はもちろん自分で日本語でお書きになるのだが、文学論に関しては英語。 英語で書いておいて、それを日本語に訳した人がこの本の著者、角地幸男さん。 それで日本語に訳したのをキーンさんにもう一回チェックしてもらう。 ドナルド・キーンの仕事の本質とは何か? 日本語がわからない外国人に英語で日本のことを伝えること。(194頁) 「西洋の人が読むんだ」ということを前提に書かないと..
この本は実は去年の秋口ぐらいの頃に見つけて読んだという一冊。 本のタイトルは「謝罪論」 謝罪論 謝るとは何をすることなのか (本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) テレビで連日、謝罪するというシーンがやたらワイドショーなんぞで取り上げられたという時期もあったものだから、そのワイドショーのシーンなんかを見ていた時に本屋で見つけた本。 「謝罪論」柏書房で古田徹也さんという方の著。 タイトルを使わせてもらう。 「謝罪論 謝るとは何をすることなのか」 謝り方が上手い人と下手な人がいると思う水谷譲。 壇上に数名の人が並び「申し訳ありませんでした!」深々と頭を下げる。 すると..
これの続きです。 古田徹也さん(著)「謝るとは何をすることなのか」という「謝罪論」。 「謝る、謝罪とは一体どういう意味があるのか?」「謝罪は何を目的としてやらねばならないことなのか?」という謝罪の根本について。 本当に謝罪は昨年もそうだが、日本では大流行で、あっちこっち謝罪会見が行われて、それでかえってまた騒ぎが大きくなる、と。 謝罪しているのに「あの謝罪はなってない。謝罪しろ」と謝罪を重ねたりするということが多発しているが、謝罪、その本質が失われているのではなかろうか? 理由は簡単で、謝罪というのがどんどん複雑になってきている。 その複雑な謝罪のいい例を挙げる。 もちろん近..
2023年12月11~22日◆かんぴょうにスイカ(豪徳寺のドイツ人)(前編)
「かんぴょうにスイカ」 これは番組が進んでいけばわかる。 もう一つタイトルを考えた。 「豪徳寺のドイツ人」 だから今週のテーマは二つあって、「かんぴょうにスイカ」「豪徳寺のドイツ人」。 「日本宗教のクセ」 日本宗教のクセ これはいただいた本。 何と著者の方からいただいた。 内田樹先生。 ミシマ社から出ている。 日本の宗教というのが「変わっている」ということで、日本の宗教の「クセ」みたいな 「クセ」という名前の付け方が内田博士らしい。 「習合文化」 武田先生もそんなことは気にしたこともないのだが 釈 日本宗教文化が「習合」をひとつの得意技にしている、ひと..
2023年12月11~22日◆かんぴょうにスイカ(豪徳寺のドイツ人)(後編)
これの続きです。 「かんぴょうにスイカ」 もちろん元ネタがあって 内田樹先生と釈徹宗さんが対談なさっている、ミシマ社から出ている「日本宗教のクセ」。 でも相当、武田先生の自説も入っている。 取り交ぜてお送りしている感じ。 内田先生の言に救われながら生きている。 日本習合論。 接ぎ木して文化が繋がってゆくというような、それを「習合」というのだが。 内田先生は「ここで必要なのはレンマの知恵である、直感である」とおっしゃっている。 この「レンマの知恵」というか「直感」「身体的知」というようなことをおっしゃるが「これからは世界を支配するのは頭の知ではないんだ」と。 体の知識なん..
(二週間で三冊を取り上げたのだが、その中の一冊目の本の箇所に該当する三日間の部分だけを抜き出した形で掲載する。二冊目は「放っておく力」三冊目は「極意を目指して」) (これが放送された当時)夏休みの最中ということで、もしお聞きの若い方がおられたらこれから二週間、君達の為の「(今朝の)三枚おろし」にするので是非聞いていただきたいというふうに思う。 この本、面白いなと思った。 「ひとりあそびの教科書」河出書房新社、(著者は)宇野常寛さん。 ひとりあそびの教科書 (14歳の世渡り術) 副題は「14歳の世渡り術」。 (副題ではなく、この本を含むシリーズの名称) この宇野さんという方..
まな板の上は「ストーカー」だが、昨年あたりも皆さんはどこかでお思いになったと思う。 「理解できない犯罪」というのがニュースで流れている。 ワケのわからないニュースがある。 水谷譲は子供をいじめて親が殺してしまうとかは全く理解できない。 それから少年達が2、3人集まってトンカチを持って盗みに入って盗もうとしたらお店の人が叩き出したので慌てて逃げるみたいなのがある。 あの少年達は盗みに入ったそのお店の人が反撃しないとでも思っているのか? 羅列されてゆくニュース。 よく出てきそうなのがストーカー、児童虐待、そして少年、或いは少女に対する異常性愛。 これも先生が、或いは芸能界で、という..
これの続きです。 (著者は)ブラン・ニコルさん、青土社から出ている「ストーカーの時代」。 これを三枚におろしている。 大変申し訳ないが、このブランさんがアメリカに於けるストーカーのことを語っておられて、アメリカでのストーカー映画の紹介をしているのだが、そのうちの50本話しているとすると3、4本しか見ていないものだから、何が書いてあるのか全然わからない。 だからストーカーを事細かく分析した映画のところは説明する能力がないのでスッ飛ばしている。 ただ、この方がストーカーの本質について語り出したところから急激に面白くなる。 このブランさんは、現代のショービジネス、日本の芸能界でもそう..
(二週間で三冊を取り上げたのだが、その中の三冊目の本の箇所に該当する四日間弱の部分だけを抜き出した形で掲載する。二冊目は「放っておく力」) 三冊目。 これは同じく少年や少女の為に書かれた一冊だろうが「(古武術に学ぶ)子どものこころとからだの育てかた」。 古武術に学ぶ 子どものこころとからだの育てかた (著者は)甲野善紀さん。 時々番組で取り上げるが武術研究家。 古武道、古武術から学びの作法を説く甲野師範の理説。 違う意見の方は勘弁してください。 甲野先生という武道家の方がおっしゃっている。 コロナ禍進行中に書かれたこの本は、感染対策に汲々とする医療や学校の慌てぶりを武道家..
(今回は一週目のタイトルは「60歳のトリセツ」で二週目から「最後のおつかい」なのだが、続いている内容なので「最後のおつかい」に統一する) まな板の上に置いたのは黒川伊保子さん。 60歳のトリセツ (扶桑社新書) 滅茶苦茶今回は分量がある。 これは多分二週では終わらないと思う。 こういう取れ高のいい回もある。 これは何かというと武田先生自身にとっては身近な問題ということ。 だが一つ問題なのはもう武田先生は60(歳)をとっくに超えているので、そんなにビタッとくるワケではないが、黒川さんの「トリセツ」シリーズの切り方のよさ。 それが70歳になっても使えるという感じなので敢えて..
これの続きです。 黒川さんの著作をお借りして、その老夫婦の折り合い、これをどうするかというのを真剣に考えないと。 そんな事件が多発しているワケではないが、80、90(歳)になって夫婦で刃傷沙汰みたいな、暴力事件みたいなことも時折新聞、或いはテレビで見かけたりすると悲惨。 50年も60年も一緒に生きてきて、最後は「亭主の首絞めた」とか「女房を殴りつけた」とか、そういうことで人生が終わってしまうのは非常に無残な。 ここらあたりで油断せず、ちゃんと老いなければ老人になれない。 そういう時代に我々は生きているのではなかろうかなと思う。 多少先週と重なるが、先週最後にお話ししたお話は..
これの続きです。 十月下旬のこと、「60歳のトリセツ」と題して黒川伊保子先生の新書だが、これをご紹介して好評いただいた。 自分の説も交えて、男も女も60歳を境にして個人を離れて人類になっていくというボーボワールの言葉を紹介して締めくくって「めでたしめでたし」ではなくて、実はその後、もっと重大なことを武田先生も最近、短期記憶が本当にダメでもう忘れてしまう。 それで整理していたら「これ、喋ってないな」と思って慌ててもう一度「60歳のトリセツ」を読み直した。 それで年末に向かって「女房の不機嫌」というタイトルでお話をしてみたいなと思う。 武田先生は女房との口喧嘩をネタにしているワケでは..
これの続きです。 (新年の挨拶から始まる) 昨年、一家心中の話で年末終わって「新年明けまして」ということで。 年が明けて今週は更にその続きを。 流れで言うと去年の十月の下旬にお送りした黒川伊保子先生、扶桑社から出ているが「60歳のトリセツ」。 60歳のトリセツ (扶桑社新書) そして武田先生の説を混ぜてお送りした「女房の不機嫌」。 三つ目、これが終章でタイトルが「星の王子さま」。 (昨年はどうだったかということを)語ることもなく年末、(番組を)締めくくってしまった。 (昨年は)あんまりいい年ではなかった水谷譲。 (武田先生も新型コロナに)かかったし、友人も逝くし..
朝の実に小さなラジオ番組で扱うネタであろうかと随分考えたが、これは目の前にある現実なので、もう「やっちゃおうかな」と思って。 何かというといわゆる台湾問題。 「完全シミュレーション 台湾侵攻戦争」 完全シミュレーション 台湾侵攻戦争 (講談社 α新書) (著者は)山下裕貴さん、講談社+α新書。 台湾侵攻だが、そうとう重い話、暗い話になりがちなのだが、自衛手段としてもの凄く大事なことだと思う。 向こうが何を考えているか先に言い当てるという。 小さな番組のささやかな国際情勢に対する試みだと思って聞いていただければ十分。 これはもう全部、お知恵の方は山下さんという、元自衛官だった..
これの続きです。 本の方は「完全シミュレーション 台湾侵攻戦争」。 山下裕貴さん、講談社+α新書。 中国が台湾に侵攻した場合、その戦争はこういうふうになるんだという完全なシミュレーションが書いてある。 もの凄く細かい。 それで余りにも細かすぎるので中途をブッ飛ばしている。 山下さんはさすがに自衛隊の幹部をお勤めだったらしくて世界情勢なんかも触れておられて。 この中国の台湾侵攻があれば世界、アメリカ・日本・インド・オーストラリア・そしてアラブ諸国等がどう行動するか? これが全部シミュレーションしてある。 余りにも膨大過ぎるのでここは触れない。 とにかく日本・アメリカ・中国..
(タイトルは異なるが内容は「孫氏の兵法」の続き。タイトルを「台湾侵攻戦争」と言ったり「完全シミュレーション 台湾侵攻戦争」と言ったりしているが、「台湾侵攻戦争」にしておく) 前にご紹介した本「完全シミュレーション 台湾侵攻戦争」。 完全シミュレーション 台湾侵攻戦争 (講談社 α新書) 中国が台湾に侵攻を開始するというシミュレーションをお書きになった山下裕貴さん。 講談社+α新書から出ている。 前も「後半がありますんでちょっとお待ちくださいね」と申し上げたが、陸自元陸将の山下さん。 だから戦争の展開に関しては、もの凄く細かい。 前半を聞いただけで皆気持ちが暗くなったというのが..
元ネタはあって「熟睡者」 熟睡者 サンマーク出版。 (著者は)クリスティアン・ベネディクト、ミンナ・トゥーンベリエルさん。 スウェーデンの方。 スウェーデンの健康本がやたら最近本屋に並んでいる。 眠りは眠りでもただの眠りではない。 「熟睡者」というところが何となく惹かれる。 武田先生ももう高齢者だが熟睡に対する憧れがある。 もうジジイになると熟睡はあまりない。 「眠たいのに眠れない」という状況がまだ理解できない水谷譲。 それをどんなふうに説明していいのかわからないが、とにかく「眠れる森の爺さん婆さん」ということで「高齢者の眠り」というものを考えてみたいなと。 お..
これの続きです。 眠りについて考えようという二週目。 元ネタがある。 「熟睡者」サンマーク出版、クリスティアン・ベネディクトさんと、ミンナ・トゥーンベリエルさん。 スウェーデンの男女の学者さんらしいのだが、この方々が「眠りとは何か」、その眠りのシステムというか構造を明かしたという。 武田先生達高齢者世代にとっては大事な出来事なので、とことん考えてみようというワケで。 昔、読んだ本の中で「眠れる森の美女」という。 眠れる森の美女 シャルル・ペロー童話集 (新潮文庫) 「眠り姫」 何で「眠り」なのか? 若い子は眠らないといけないそうだ。 やはり「寝る娘は美女になる」と..
2023年11月20~12月1日◆し忘れ・ど忘れ・物忘れ(前編)
実は夏の終わりに忘れ物をしてスタッフにも迷惑をかけたりした。 置き忘れ。 忘れたものが結構大事なものだった。 結局は出てこなかったのだが。 こんなことを言っては何だが、新幹線の忘れ物係の人は、皆さん対応がいい人が多い。 女性の方と、それからお年を召した方がおられて。 一生懸命探してくださって、届け出が無かった時に残念そうな顔をして出て来られて「見つからないんですよ・・・」というのがジーンとくるようなお顔で。 だがやっぱり「忘れ物」というショックもあるが、「忘れ物をした自分」がショック。 今までそんなミスをしたことがなかったもので。 これまでなかったのが凄いと思う水谷譲。 そ..
2023年11月20~12月1日◆し忘れ・ど忘れ・物忘れ(後編)
これの続きです。 年を取ると「ものを忘れる」という失態というか、そのミスが多くなるのだが、そういう失態を繰り返しているうちに本屋で見つけた本。 増本康平さん、中公新書。 タイトルはズバリ「老いと記憶」。 サブタイトルが「加齢で得るもの、失うもの」。 前に話した。 「人間は、何でこんなに年を取るまで生きているのだろう?」という。 鮭とか鱒になったら精子を川の中でパーッと撒いて、それでだいたい一生終わってしまうのだが、まあダラダラダラダラ・・・ 前は「ダラダラ」と言っていたが、自分がその立場になったら「老いというのは何で経験しなきゃなんないんだろうか?」と考える。 とにかく新..
(1月23〜27日にも「まとまらない話」というお題で同じ本を扱ったことがある。今回はその続きということでもないようなのでタイトルをどうしようかと思ったのだが、区別する為に前回は「まとまらない話I」、今回を「まとまらない話II」としておく) まな板の上に置いたのが「まとまらない話」。 この方は1980年、東京生まれの方。 荒井裕樹さん。 柏書房から出しておられる「まとまらない言葉を生きる」という本。 まとまらない言葉を生きる 二松學舍大学文学部准教授。専門は障害者文化論(256頁) この本の推薦文に 強くて安全な言葉を使えば、 簡単に見落とすことができる。(本の..
これはもちろん元ネタがある。 いい本。 「できる」と「できない」の間の人 晶文社、(著者は)樋口直美さん。 この人の前の著作をさばこうかなと思っていた一冊が「誤作動する脳」。 誤作動する脳 (シリーズ ケアをひらく) (番組の中で紹介している話が、『「できる」と「できない」の間の人』の中にないものが多数あるので、この本からの引用も含まれているかも知れない) 読んでいて面白かったのだが、それのみだったもので「(今朝の)三枚におろし」が辛くて手が出なかった。 そういうのがある。 出会い方というのがあるので。 ところがこの本は包丁の入り方がいいとスーッと切れるという、もの..
これの続きです。 『「できる」と「できない」の間の人』というタイトル。 (著者は)樋口直美さん。 昭文社。 この方の本を取り上げている。 彼女自身はレビー小体型認知症という幻覚が見えたり幻聴がしたりという、そういう脳の病を抱えておられるのだが、その自分の病と付き合いながら「病の中にも才能と呼べるようなものもあるのではないだろうか」という、冷たい水の中に砂金を見つけるような一冊。 そしておっしゃっているのが「こうあるべき」とか「正しい」ということはこういうことだとか自己責任だとかいろんなことがあるが、「命にとって一番大事なことはみっともなくてもいい。生きてゆこうとそう決意した命」..
(二週間で三冊を取り上げたのだが、その中の二冊目の本の箇所に該当する四日間弱の部分だけを抜き出した形で掲載する) 小さな本だが何かタイトルと表紙のデザインがいい。 筆者は曹洞宗住職・枡野俊明(ますの・しゅんみょう)さん。 三笠書房で170万部を突破したという「(仕事も人間関係もうまくいく)放っておく力」。 仕事も人間関係もうまくいく放っておく力: もっと「ドライ」でいい、99の理由 (知的生きかた文庫 ま 41-10) 夏休みでゴロゴロしている少年や少女達がいたら耳を傾けてもらえないかなぁと思ってお送りしている「夏休み特番」。 この枡野さんがおっしゃっているのは「放っておく..
観念的なお話が続いていたから「私事も含めて『(今朝の)三枚おろし』で語りおろさないといけないな」と。 水谷譲から鼻だけで返事をされるという話題の提出は・・・ 「ああ〜そうですかぁ〜」みたいな話は横に置いておいて、やがて水谷譲にもやってくる話ではないかというような、そういう話題を提出していかないと三枚おろしらしくない。 お墓問題。 とにかく武田先生が「ボチボチお墓を」ということで。 それで手っ取り早いことを言うと古里へ帰るワケで。 やはり「里へ帰るのが一番いいんじゃねぇかな」と思って。 それでこの間、3〜4か所、福岡市の墓地をと思って。 それで一度話したが、あの後不思議な心境にな..
これの続きです。 現日本人と縄文人。 そのルーツみたいなのを先週は舌を噛みながら熱っぽく語ったワケだが。 漢字という文明を興したのは中国の三千年前の民族だが、殷という国が。 そこの占い師達は亀の甲羅に線を刻んだり。 それが漢字の始まりなのだが、皆さんもお気づきの通り、貨幣とか貴重な物・高価な物は漢字に「貝」シェルが入るのだが、子安貝とかという貝が殷の時代の通貨だったらしい。 でも、子安貝は沖縄とか石垣あたりに行かないと無い。 白川静という人の大胆な説で凄く面白いのは、貝が貴重品であるというのを持ち込んだのは中国人じゃなくて、その沿海族の人達ではないだろうか?という。 だから..
(タイトルは異なるが、内容的に9月に放送された「エクストラライフ」の続き) 今週まな板の上に置いたのは「EXTRA LIFE」という本。 EXTRA LIFE なぜ100年で寿命が54歳も延びたのか (番組内で「エクストラ」を「エキストラ」と言ったりもしているが、本の表紙にはっきりと「エクストラライフ」と片仮名で表記されているので、全て「エクストラ」に統一しておく) これはなかなか伝わるものがある。 朝日新聞出版(著者は)スティーブン・ジョンソンさん。 この方がテーマにしたのは「かつて人生は50年だった」。 「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如く」という感じで、だ..
これの続きです。 (本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) スティーブン・ジョンソンさん、「EXTRA LIFE」。 「余分な」というか「特別サービスの命」というか。 スティーブン・ジョンソンさんのこの本の面白さは、何千年も延びなかった寿命がこの百年で54年も延びたのか?という。 それを見つめていくと医学だけでは急に延びたりしなかったという。 水谷譲に先週お話したコレラの話。 コレラが「これが原因じゃないか」と見つけたのはお医者さんではない。 コレラで苦しんでいるイギリス・ロンドンの町があった。 そこの水道局の人が見つけたのが「コレラがどうやって広がっていくか」の..
(同じ本をトータルで四週間に亘って扱っているのだが、本の前半部分は9月、後半部分は7月という変則的な構成になっている。先に9月に放送された分からアップする) (番組内で「エクストラ」を「エキストラ」と言ったりもしているが、本の表紙にはっきりと「エクストラライフ」と片仮名で表記されているので、全て「エクストラ」に統一しておく) 実は2019年に一番上の姉が逝き、そこからの三年で武田先生は二人目の姉を亡くし、義理の兄が二人逝った。 わずか三年ばかりの間に、姉二人と義兄二人、そして今年も含めると仕事仲間三人と死別したというか、別れてきたワケで、我が年齢にとっては死はもうそんなに遠い出来事で..
これの続きです。 わずか百年の間に人間は何と50年も長生きする。 この50年のエクストラライフ。 「特別命」というか「特別寿命」というか、それが一体どんなふうにして人間から生み出されたのか?というのを振り返ろうという今週。 「EXTRA LIFE」、(著者は)スティーブン・ジョンソンさん、朝日新聞出版社で、もう本当に最後まで飽きずに読んだ。 「何気ない人々の何気ない『そうじゃないんじゃないかな』『こうやったら上手くいくかも知んない』という思い付きが人間の寿命を50年も延ばしたんだ。その視点で考えてみましょう」という本の視点がいいなと思った。 これは武田説。 近代医学はどこ..
(この週は金曜日から別の本なので木曜日までにした方が切りはいいけれども、いつも通り一週間分ずつにする) (タイトルはずっと「冬支度」と言っていて最後の二回だけ「老い支度」と言っているのでどうするかなと思ったのだが「冬支度・老い支度」としておく) 今週だが「冬支度」。 これは前からやろうと思っていたが「高齢者の為の三枚おろし」としてお聞きいただければと思う。 若い方はまた面白いのをやるからちょっと待って、ただ聞いていてください。 何でかというと、あなた方も必ず歳を取るから。 昔はそんなことは思いもしなかったが、自分も歳を取っていく。 そのことを最近はしみじみ思い当たる武田先生。..
これの続きです。 スウェーデンのストックホルムの精神科医であるアンデシュ・ハンセンさんがお書きになった「運動脳」。 運動脳 これを三枚おろしにかけている。 その前は「70歳が老化の分かれ道」詩想社新書、和田秀樹先生。 もう大注目の心の病の先生。 この両方の本とも、さすがお医者さんだけあって言っていることは同じ。 和田先生はザックリという感じだが、ハンセンさんはちょっと専門的。 人間の脳の方から考えておられる。 前頭葉、物事を考えたり出来事を比べたりする考え事の前頭葉。 前頭葉や前頭前皮質など、ストレスを抑える脳の部位は、最後に完成する。−中略−25歳ぐらいにな..
(「タッチ」という同一のタイトルの回があるので、区別する為に便宜上こちらを「タッチ�T」、もう一方を「タッチ�U」としておく) (番組冒頭で「ミトロジー」の時に「明和電機」を「昭和電機」と言い間違えた件を訂正) ニュースバラエティ番組に出ていて、政治のこともわからないのに出てものを言ってしまうと反感も買うのだが、いろんなところに顔を出して世間の風を浴びていないとタレントとしての皮膚感覚が弱くなるような気がする武田先生。 「さらされる」というようなつもりでその手の番組も出ている。 そのニュースバラエディ番組に出演した折のこと、司会は東野幸治さん。 その横には兼近(大樹)君がいて、そして..
これの続きです。 「触れることの科学」(著者は)デイヴィッド・リンデン博士。 この人間の皮膚、肌。 そこに様々な仕掛けがあって、その仕掛けを語っている。 今週、タッチはタッチでも「痛み」というのを少し。 痛みを痛みとして登録する単一の脳領域というものは存在しない。痛みの知覚は脳の各所に分散している。(212頁) この痛みには必ず感情が伴う。 感情と認知反応。 「不快である」という表情が作られる。 不快は出る。 これはもう人間の自動装置。 痛みの感覚と、「自分は安全なのか、危ないのか」「この痛みは予想通りか、意外だったか」「この痛みでこれからどうなるのか」..
(この放送の前にも「タッチ」という同一のタイトルの回があったので、区別する為に便宜上「タッチ�U」としておく) 前にもまな板の上に置いたタイトルで、人間の皮膚感覚。 触覚に関する三枚おろし。 「タッチ」という同じ題にしたが、皮膚にまつわる研究本というのは、結構たくさん出ていてこれは「触楽入門」(著者は)仲谷正史さん、筧康明さん、三原聡一郎さん、南澤孝太さん。 学者さん。 研究なさっている方が集まって「皮膚」「肌」これについて書いたという本。 触覚、これは私達が思ってるよりも遥かに大きな心や思考に影響を及ぼしていると、そういうことを主張なさっている。 近頃の武田先生は「一体日本人..
これの続きです (本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) 人間の「触覚」というか「触感」について三枚におろしている。 今日もまたちょっと変わった実験から。 これは「本当かいな?」と思うのだが。 本に書いてあって「これは不思議だな」と思って。 水とお湯を用意し、同じヤカンからコップに注ぎます。この2つの音を聴き比べ、どちらが水でどちらがお湯かを当ててみてほしいのです。(119頁) (ここに実際の音声がある。番組で放送したものとは異なる) その音響特性の差はわずかなもので、人間がこのように敏感に音から熱を感じ取っていることに、驚かざるを得ません。(119頁) ..
この間の話からする。 あるニュースバラエティー番組に出ていて、例の人気者が司会をやっているという。 (2月19日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」を指していると思われる) その時に(武田先生は)全然いいことを言えなくて。 カンニング竹山さんとか兼近さん(EXITの兼近大樹)なんかがおられて、彼等は上手いことを言う。 社会全体の。 武田先生なんかはもう全然ダメなのだが。 その番組のゲストに格闘家の那須川天心が出てきた。 空手をやっていてその後キックボクサー、総合格闘技をやって、これからボクサーになる。 武田先生がジーッと彼を見ていて思ったのは肌が綺麗。 それが謎で、そのあた..
これの続きです。 皮膚、或いは肌というのを考えてゆこうという今回。 元ネタがある。 「人は皮膚から癒される」 桜美林大学教授、臨床発達(心理)士の山口創教授。 草思社文庫。 この本を読みながら何を思ったかというと、日本人というのは肌で感じる、皮膚で考える。 そういうことが基盤に、ベーシックなものとしてあるのではないだろうか?と。 それが日本人の個性を生んでいるのではないかなぁ?と思ったりする。 心身の不調は対人関係の中でこそ癒されるということである。(118頁) 病人さんが自力で治らない。 横に名医がいて、その彼とのコミュニケーションで治療になるという。 ..
耳慣れない言葉だが「ミトロジー」。 日本語に訳すと「神話学」。 神話が持っている構造、それを探求するという。 これは宗教学者、中沢新一さんの著書。 講談社選書メチエ。 この本は高かった。 「今日のミトロジー」 今日のミトロジー (講談社選書メチエ) 水谷譲は「神話なんか遠い」と思っているだろう。 ところが案外その神話が現代の中でも生きているという、中沢さんの説を紹介する。 ロシアのプーチンさん。 「偉大なロシア」とおっしゃるが、あれは神話の中のロシア。 ピョートル大帝とかそういう人を持ち出してくるのだろう。 だから「ロシア建国神話」というのに則って「ウクライナは僕..
これの続きです。 これは中沢新一さんの「今日のミトロジー」。 現代の神話学。 遠い昔にあった神話。 おとぎ話とかではなく神話。 その神話が実は意外と現代社会の中にも流れ込んでいるのではないか?という。 武田先生の本の読み方の悪癖でもあるのだが、その本を読んでいて現代とその本が言っていることが噛み合わせがいいというかスポッとはまる、そういう本に出くわした時に痛く感動する。 先週お話した中国に於ける羽生結弦神話。 それが実は「空」に対するあこがれではないだろうか? 中国の人々は思いを空に馳せる時に心安らぐ。 そういう人気があるのではないか?といったら、もう一つ、次々記録を塗..
(本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) まな板の上は「体はゆく」。 武田先生はこの方(著者の伊藤亜紗さん)のファンになってしまった。 文藝春秋社刊。 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉 この著者の伊藤さんというのは前にも「(今朝の)三枚おろし」でやった(2020年7月27〜8月7日◆記憶する体・2021年9月6〜17日◆手の倫理・2022年10月17〜28日◆What am i? 私って何?)が、体にまつわる提言の多い方。 障害を持つ体がどう環境と折り合うかとの論考・考えを一冊の本にまとめた方。 病理について科学的な、ある意味では乾いた人間観をお持ちのよう..
これの続きです。 いろんな認識の世界の中で「暗黙知」という知識があって、これは言葉になって表に出てくるワケではないが、不思議と人間は言葉以上にこの「言葉にならない言葉」を知っているという。 その中で「わざ言葉」「わざ言語」というのがあって、技を伝える時だけに役に立つという。 武道修行でいうところのお師匠様からの一言。 噛み締めると深い意味があるという。 禅宗の言葉でカンフーのブルース・リーなんかそう。 彼が使っているのは禅宗のお坊さんの言葉。 ブルース・リーが教えを請いに来た少年に向かって「私を見るな」、虚空を指差して「私の指差すものを見なさい」という。 燃えよドラゴン デ..
まな板の上は「引け!引けー!」。 つまり「逃げ出す」「撤退する」。 この「撤退」というのが時代のキーワードではないか?という本があった。 本屋さんの本棚に並ぶとつい手を伸ばして読みたくなるようなタイトル。 これが凄い。 内田樹先生。 師範と憧れる先生。 この方の本で。 何せ内田先生だから「これは相当いいことが」という。 晶文社。 撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて (犀の教室) この本を早速購入。 ページを開いて読みだしたら、ちょっと仕掛けがあって、内田先生が全部お書きになったのではない。 内田樹「編」で、かの賢人が知り合いの賢人を集めて賢人会議ということをサミ..
これの続きです。 本屋さんの本棚に並んだその本のタイトルを見ていて「わぁ〜これ読みたい」と思った内田樹先生の「撤退論」。 これは内田樹先生が編者になられて知り合いの賢人・頭のいい方に集まってもらって日本は撤退すべきであるという持論をそれぞれに展開するというご本だった。 様々な方のご意見を先週はご披露した。 後藤正文さんが「日本語を共有する人口が減りつつある。日本語の手触り、精神も理解する力が落ちてきているのではないだろうか?」。 やがて美空ひばりの「りんご追分」や北島三郎の「与作」を理解できない日本人が増加していくであろう、と。 20世紀の初めにはレコード産業自体がなか..
「緩やか」か「締めつけがきつい」か「ルーズ&タイト」。 これはまな板の上に置いた本は「ルーズな文化とタイトな文化」。 ルーズな文化とタイトな文化—なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか (著者は)ミシェル・ゲルファンドさん。 この方は「世界の文化の在り様を『ルーズ&タイト』で見てみよう」という。 そういう目線は面白いなと思った。 今、どうですか皆さん。 世界を見回すと、世界は「ルーズ&タイト」。 対立構造は何で出来ているかというと例えばロシア対G7とか、或いは日・米・韓に中・露とかという軸がある。 このミシェルさんの面白さは「それは結局、ルーズかタイトの対立ではないだ..
これの続きです。 ルーズ&タイト。 これが経済界というか産業界に於いてもタイトな文化圏とルーズな文化圏。 これが組み合わせが難しい。 自動車業界の巨大企業、ダイムラー・ベンツとクライスラー・コーポレーションは合併してダイムラークライスラーとなった。(175頁) 問題を引き起こしたのがこのタイト&ルーズの問題。 文化の違いゆえに折り合えないことがすぐに露呈した。(175頁) 対等合併をしようという話になったのだが失敗に終わっている。 ダイムラーは−中略−いかにもドイツで創業された企業らしく、タイトな傾向が強かった。これに対してクライスラーは、もっとおおらか..
(タイトルが「肩こり腰痛には」だったり「肩こり腰痛ついでに通風」だったりといろいろ変わるが「肩こり腰痛」にしておく) 首がこる水谷譲。 今週・来週にかけて「肩こり」「腰痛」についていろいろ三枚におろしてみたいというふうに思う。 ジョン・E・サーノ−中略− ニューヨーク医科大学臨床リハビリテーション医学科教授。(244頁) この方が背中、肩、或いは腰の治療について著作にまとめ上げた。 これが1999年のことなのだが、これが「極端な意見だ」ということで現場のお医者さんの激しい批判・疑問が出たのだが、サーノ博士がお書きになった「(サーノ博士の)ヒーリング・バックペイン」という..