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(9月16日からの「いないいないばあ」の最終日なのだが、一日だけ別の本を取り上げてタイトルも異なるので、この日の分だけを掲載する) (今回も番組内の説明と本の内容はかなり異なる) (著者は)高橋源一郎。 朝日新書だが、この人が凄いタイトルの一冊を出されていて「一億三千万人のための『歎異抄』」という。 一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書) 歎異抄。 これは一種宗教の秘伝書。 それをわかりやすい現代語で書かれていて、それが凄く武田先生には面白かったので「取り上げようかなぁ」と思っていた。 高橋源一郎さんがどういう解釈をされるのかが興味深い水谷譲。 高橋源一郎さんは..
(かなり後になるまでネタ元の書籍の紹介をしないが、今回は「新版 アフォーダンス」) 新版 アフォーダンス (岩波科学ライブラリー) (番組の最初の方は、以前ネタ元に使った「なぜ世界はそう見えるのか」という本に載っている話。 2024年2月19日〜3月1日◆なぜ世界はそう見えるのか) なぜ世界はそう見えるのか:主観と知覚の科学 ちょっと小難しいタイトルを付けてしまったが「我動く故に我思う」。 デカルトの有名なセリフ「我思う故に我在り」。 「人間は考えるんだ」「それ故に私はあるんだ」と。 ところが昨今、この説が揺れ始めた。 いや、「我思う」じゃないんだ、と「我動く」だから..
これの続きです。 「アフォーダンス理論」なのだが、「環境から影響を受けて人間は人間らしくなったんだ」というこの理屈が何となく武田先生は惹き付けられた。 人間の体もそんなふうにできているそうで、私達はその環境から学んで体を作った。 その体が心を作った、とそう言う。 では「人間の体についてみてみましょう」というワケだが、人間というのは骨というものがあって、その骨に中心棒がない。 中心の棒が無くてバラバラの骨が筋肉・筋(すじ)で結ばれていて 筋は、−中略−ゴムのように伸び縮みしている。運動に使われる横紋筋も、骨を「引く」ことはできるが、柔らかいので「押す」ことはできない。力..
2024年9月2~13日◆みんな政治でバカになる(前編)<br />
(番組の冒頭はQloveR(クローバー)の入会キャンペーンの宣伝) まな板の上はなかなかショッキングなタイトル。 「みんな政治でバカになる」 これは武田先生も「ちょっと酷いタイトルだな」と思ったのだが、読むと著者の方は懸命に政治というもののこれからを悩んでおられる方で、あえて「政治に携わるとバカになるんだ」と。 これはなかなか大変なタイトルで、そんなことを言ったらまたラジオ番組なんか政治を語る人ばっかりだから、その人達に向かって「バカになる」と言っているようで、本当にそのあたり発言に気を付けながら進めたいと思うのだが。 著者の方はというと綿野恵太さんという方。 晶文社から出てい..
これの続きです。 凄いタイトルだが、これは綿野恵太さんという方がお書きになった「みんな政治でバカになる」という。 この方が元々間違いやすい人間が政治という答えが出しにくい分野で答えを出していくうちに間違えてしまう。 だから「バカの二乗」なんだ 政治というものというのはバカの二乗の人達、そういう人達が語り合っているんだという。 非常に武田先生としても取り上げにくい。 なぜかというともうラジオ番組はことごとくこの政治の話が出て来る。 いろんな方にご迷惑をかけてしまうという。 でもラジオなんか聞いていると、もの凄くファイトを燃やして政治を語る人がいる。 この間も、この放送局(文..
■「関西エクストリウムウォーク100」 スマホGPSデーターをスクリーンショットしました。 チェックポイントで休憩中は、一時ストップを押すのですが押し忘れたり…
「関西エクストリウムウォーク100」まであと 2日! 第4回関西エクストリームウォーク100 - Google マイマップ第4回関西エクストリームウォーク1…
「関西エクストリウムウォーク100」まであと 5日! 「関西エクストリウムウォーク100」は、いよいよ5日となりました。 25日の前夜祭(決起集会…
(本放送では番組の最初に「鬼の筆」の訂正) さて、まな板の上には「老害」が乗っている。 「ロウガイ」と言っても血を吐いたりなんかする「労咳」ではなくて、昨今流行の言葉だと思うが、老いたる人の害。 その「老害」を三枚におろそうかなと思って。 武田先生の机の上には三冊ばかりの老いに関する書物があった。 どんな書物かご紹介しましょう。 まずは和田秀樹さん。 大変人気のあるお医者様。 とても乱暴な断定的な医学的立場を取られているのだが、ビシバシいくという和田秀樹さんの「老害の壁」。 老害の壁 そんな壁か知りたくなる。 それから小川有里さんの小説。 タイトルがドキッとする..
これの続きです。 お医者さんだが和田秀樹さんの「老害の壁」というのを下敷きに、老いた人が社会全体の害をなすという「老害」を取り上げているワケだが。 「老害」というと、もう平べったく昔のことをしきりに振り回したり語ったりする人のことを「老害」と。 武田先生も若い世代の方からは「昔のことしか話さない老害」と言われている。 老害というのはいろいろ使いやすいらしくて、YouTubeなんかを見ていたら時々武田先生が出て来る。 それでいろんな意見を言ったり他国の悪口を言ったり「武田鉄矢は悪口を言ってるぞ」みたいなのが出て来る。 でも言った覚えが無いことだけは事実。 だからある発言を受けて..
(今回のネタ本は二冊だが、番組の前半では紹介されない) サルタヒコのゆくえ: 仮面に隠された古代王朝の秘密 猿田彦の怨霊:小余綾俊輔の封印講義 BSなのだが「英雄たちの選択」という武田先生好みで、これを見るのが大好きで。 (番組の司会の)磯田(道史)さん、この方が自分の歴史観を語るのだが、例えば関ヶ原の戦いで小早川秀秋という人がいるのだが、豊臣秀吉に育てられながら天下分け目の戦いでは家康に味方したということで彼は歴史上「裏切者」という。 しかしよくよく調べると「この小早川は決して裏切者ではありませんよ」と。 戦国の武将として全体の戦略を見ればどっちが勝つかはわかり切っている..
これの続きです。 古代の神様をまな板の上に乗せている。 サルタヒコ。 これはもちろんネタ元があって戸矢学さんという方で「サルタヒコのゆくえ」。 サルタヒコのゆくえ: 仮面に隠された古代王朝の秘密 (本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) 河出書房から出ている。 縄文時代から日本に住んでいたサルタヒコという神様がいた。 それを弥生時代の始まり、天孫族のニニギノミコトという人が遥々日本を訪れて日本の一角に住み着いて日本をまとめてゆくという遠征の旅に出た。 その時にその「こっち側にあなたの住むにはふさわしい場所がありますよ」と教えたのが国つ神、先に住んでいた神様サルタヒ..
まな板の上、「バイリンガル」が乗っている。 元ネタはある。 「言語の力」、(原題は)「The Power of Language」。 角川書店から出ていて(著者は)ビオリカ・マリアンさん。 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか? この本の腰帯にはこんな宣伝文句が載っている。 「ChatGPTの翻訳はますます巧みになっていくだろう。そんな時代に、外国語を学習する意味は何か」 こういう一文。 もう本当に訳せるようになった。 旅行先で看板とかにスマホを向けただけですぐその文字を訳してくれるから便利は便利だと思う水谷譲。 ではバイリ..
これの続きです。 「バイリンガル」 言葉の問題。 自分の国の言葉が使える、これだけで十分なのだが「バイリンガル」、もう一か国別の国の言葉が自在に話せる、或いは「マルチリンガル」、たくさんの国の言葉が話せるという。 言葉のみを見つめると世界には日本語では置き換えが不可能な表現というものがあって、もちろん日本語もそういう言葉がある。 「もののあわれ」とかというのはとても訳しにくい。 韓国語では器や袋に何かを入れるとき、「ぴったり」入っているか「ゆったり」入っているかで使う単語が異なる。(165頁) キムチを瓶に詰めたりする文化からきているのかと思う水谷譲。 「詰め物に対..
(番組の冒頭はQloveR(クローバー)の入会キャンペーンの宣伝) まな板の上は「ヒト、犬に会う」。 (「犬と出会う」と言ったが多分「犬に会う」) 今年の夏の初めのことなのだが、合気道を教わっているのだが道場に行って、その合気道の若い指導者を「若先生」と呼んでいる。 若先生が突然思い出話で飼っていたシェパードの話をなさって、若先生が小学生時分、散歩に出た。 くたびれてどこかの川べりの土手の上で犬と一緒に座り込んでぼんやり休んでいた。 飼っていた犬はシェパード。 子供としてとてもその犬を愛しておられたらしいのだが、シェパードの顔を見ながら思ったそうだ。 「オマエは犬だからいい..
これの続きです。 先週に続いて「ヒト、犬に会う」。 人と犬の出会い。 半分ぐらいは想像するしかないが、太古の昔、オオカミであることをやめたイヌという種類、サルであることをやめヒトになった、その人と犬が出会った。 それを語っている。 言っておくが非難とかしているワケではない。 食文化だからいろいろあっていいのだが、インドシナ半島から中国、朝鮮半島に関しては犬を食べるという食習慣があって、それは習慣だからそういうのがある。 不思議なことに日本では極端な飢饉を除いて、食習慣としてこの習慣が定着しなかった。 それどころではない。 犬の眷属が「おおかみ(大神)」と呼ばれて尊..
とんでもないものがまな板の上に乗っているのだが、これは今週一週間だけのネタで「俵星玄蕃」。 これは三波春夫さんの長編歌謡浪曲という、赤穂浪士の話を10分間近い歌にまとめたという一篇なのだが、この歌に武田先生がどハマりし始めた。 長編歌謡浪曲 元禄名槍譜 俵星玄蕃 この「俵星玄蕃」を朗々と楽しそうに(過去の番組内でも歌うので)「何がそんなに楽しいんだろう?」と思っていた水谷譲。 こういうことがあった。 それはいつも出てくるが内田樹先生、文藝春秋社刊の本を読んでいた。 「街場の成熟論」 街場の成熟論 (本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) その第一章に「ウクライナ危..
(本題に入る前に6月4日放送の冒頭で話したカニカマに関する内容に誤りがあった件の謝罪他) まな板の上に「富士山」が乗っている。 世界の観光地として有名だが、ちょっと迷いながら三枚におろしたのが。 いくつかの体験があるのでまずはそこから入る。 武田先生は静岡のテレビ局に知り合いがいて、一回そのテレビ局に招かれて、静岡の街で遊んだことがある。 地元のお料理を食べに行くと同時に「久能山の東照宮に行かないか」とお誘いを受けた。 もちろんこれは家康のお墓。 「せっかくですから久能山東照宮へ登りましょう」ということで車、ロープウェイで乗り継いで、久能山という小高い山の山頂いっぱいに久能山..
これの続きです。 先週は引っ張ったワケではないのだが、説明をしておかないとわからないと思ってあれだけのことをお話したのだが、やっと今週から「なぜ『古事記』『日本書紀』に富士山が登場しないか」という。 藤原氏の陰謀がその裏側にあったのではないだろうか? この藤原不比等・鎌足あたりをからかうようなおとぎ話が生まれた。 紫式部が まづ、物語の出で来はじめの祖なる竹取の祖おやなる竹取の翁(「源氏物語」絵合の巻) 源氏物語 文庫 全10巻 完結セット (講談社文庫) つまり「日本国に物語が生まれた初めての物語は『竹取物語』、かぐや姫の物語だった」と言っている。 これ(「竹取物..
いささか硬いタイトルで申し訳ございません。 ただ、こんなのもやってみたいなと思って繰り広げるワケで。 もちろん仕込みネタございまして尊敬するフランス哲学と合気道をやっておられる内田樹先生の「街場シリーズ」。 「街場の米中論」 街場の米中論 (本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) アメリカと中国、それについて語ろうと。 東洋経済新報社から出ている。 水谷譲に言いかけて水谷譲から一発で足蹴りされたのだが、この本を読んだ時の思いをポツンとラジオで言ったのだが言い方が悪かったので。 「国家っていう時代が終わりつつあるんじゃないか?」 もちろん水谷譲が言っている方が正しくて..
これの続きです。 「街場の米中論」 いよいよ今週からは中国の方に入ろうかなというふうに思う。 内田先生の「街場の米中論」。 東洋経済新報社から出ていて9章から成る。 245ページの本だがアメリカに費やしたページ数が177ページ。 中国は9章あるうちの1章のみで僅か44ページ。 これはちょっと不公平ではないかとは思うが、そこはそれ内田先生。 そんな不公平を敢えてなさるワケがない。 公平に扱ってもその枚数で収まるところに中国の特徴がある。 建国以来の歴史年数はアメリカが231年、中国75年。 (中国は)武田先生と同じ年。 それが中華人民共和国。 もちろん中国という国は..
2024年4月29日~5月10日◆Why Study Japan?(前編)
まな板の上は「Why Study Japan?」。 「なんで日本なんか勉強すんの?」 そういう意味。 「WHY JAPANESE」というのがあったが。 あれと同じ。 「Why Study Japan?」 なんで日本研究するの? これは新聞の書評欄に載っていた本で文学通信という出版社から出ている。 まあ、読み出すと一気。 理由は簡単。 これは「最近インバウンドのお客さんが何でこんなに日本、増えてんのか?」。 日本は「極東」。 「東の果て」という意味で。 武田先生の大好きな哲学者、フランス哲学の内田樹先生はこの日本のことを論ずる本のタイトルを「日本辺境論」とした。 ..
2024年4月29日~5月10日◆Why Study Japan?(後編)
これの続きです。 「アメリカは非常に男性的価値観の強い国である」ということで先週は終わった。 だからスラングみたいなものもいわゆる「男の子用」にできているという。 例えば「ギャングスター」というような意味は「カッコいいヤツ」だ。 スポーツチームの名前としては、「戦闘士」を意味するFighters、Chargers、Knights−中略−だけでなく、「強盗団・襲撃隊」などの犯罪集団を指す−中略−Vikingsなどもよく使われる。(131頁) 考えてみれば「ニューヨーク・ヤンキース」と言う。 「ヤンキース」だから大変アメリカの方に失礼だが「アメ公」とかという意味。 何せ「..
よかったよ~(1973年特集)一番好きな音楽の時代録画しておいたオリンピック放送を消音で観戦しつつ聴いていたまだ一週間聴ける👇ので宜しければウィークエンドサンシャイン サマースペシャル2024今さ~どんどん再発売されているしアナログ盤、ボックスセット、未発表音源なんかも出るでしょう~当然買い切れはしないけれど誘惑に次ぐ誘惑だわよね~全部欲しいもんな~にほんブログ村人気ブログランキングへ...
(一冊の本を二週ずつ二回に分けて取り上げていて、どちらも「鬼の筆」というタイトルだったので、一回目を「鬼の筆〈前〉」二回目を「鬼の筆〈後〉」としておく) (番組の最初に以前の放送の訂正) さてまな板の上「鬼の筆」。 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折 (今回はいつも以上に番組内で本の内容と大幅に違うことを言っているが、個別に指摘しないことにする) (この本は「橋本へのインタビューによる証言と、創作ノートからの引用箇所は全て太字」ということなので、引用箇所も同様に表記する) 鬼が筆を握っているという。 いかな鬼か? 著者は春日太一。 しばしば当番組で彼の作..
これの続きです。 脚本家・橋本忍を語っている。 「鬼の筆」という春日太一さんの著作。 今、語っているのはデビュー。 何せ橋本忍はデビューが凄い。 「羅生門」 あれの台本を27(歳)の若さで書けた。 洛中の入り口である荒れ果てた羅生門。 流れて来る音楽 皆さん、ボレロ。 (ここで本放送では「羅生門」のサウンドトラックが流れる) この羅生門は始まる。 その羅生門に三人の人物が雨宿りしている。 死体から衣服を剥ぎ取る盗人、薪を売る木樵、そして旅の僧。 その三人が武士と盗賊と美しい貴族の妻の三人の間で起こった殺人事件の真相を語り合う。 しかし事の真相は藪の中。 人間..
これの続きです。 (一冊の本を二週ずつ二回に分けて取り上げていて、どちらも「鬼の筆」というタイトルだったので、一回目を「鬼の筆〈前〉」二回目を「鬼の筆〈後〉」としておく) (番組の冒頭はQloveR(クローバー)の宣伝) まな板の上、「鬼の筆」が乗っている。 丁度一か月前ぐらいだが「鬼の筆」橋本忍伝ということでお送りした。 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折 (今回もいつも以上に番組内で本の内容と大幅に違うことを言っているが、個別に指摘しないことにする) (この本は「橋本へのインタビューによる証言と、創作ノートからの引用箇所は全て太字」ということなので、引用箇所..
これの続きです。 先週は松竹作品の「ゼロの焦点」まで話をした。 「ゼロの焦点」 松本清張さんの原作なのだが、橋本忍はこれを映画化するにあたって、後半の方は全く変えてしまう。 かつて売春をやっていた女性が過去を知っている人間を殺してゆくという。 サリーという元売春婦の仲間だった女性を殺す時は吊り橋から突き落として殺すのだが、これを橋本忍はやめてサリーが佐知子に同情を寄せると佐知子の中から悪で染まっていた心が晴れて泣き出してしまう。 「あんたも苦労したんだねえ。過去を隠す為にどのくらい苦労したか、ホント可哀想だよアンタ。よくわかるよ」と言われると泣き崩れるという。 それで「もう人..
2024年2月19日~3月1日◆なぜ世界はそう見えるのか(前編)
変わったタイトルで本のタイトルをそのまま「(今朝の)三枚おろし」の題にした。 「なぜ世界はそう見えるのか」 なぜ世界はそう見えるのか:主観と知覚の科学 これはデニス・プロフィットさんとドレイク・ベアーさんという科学者の方がお書きになった本で原題は「体はいかにして心を作ったか」。 今、進んでいる認知心理学の方面では「体が心を作った」という。 この考え方が武田先生は非常に好き。 前々から凄く興味があった、J・ギブソンのアフォーダンス理論 (番組の中で「J・ギブスン」と発音しているようだが、今回の本の中でも「ギブソン」となっているので、ここでは「J・ギブソン」に統一しておく) (..
2024年2月19日~3月1日◆なぜ世界はそう見えるのか(後編)
これの続きです。 人間というのは実に複雑な動きをしている。 これもJ・ギブソンの説だが、生まれてからまだ一年経っていない乳幼児がいる。 そのママが「違う違う、あそこよ」と指をさす。 生まれて数か月だと、赤ちゃんはその「あそこよ」という指さす指を見る。 ところがこれが一年にも満たないうちに「指がさしているものを見るんだ」という、その指が示唆しているということを理解するという。 考えたらもの凄く抽象的な体の動きを理解するようになる。 このあたりから爆発的に知識が増えるという。 例えば時間。 「時間」という抽象概念の場合は、豊富な経験のある「距離」の概念に似たものとみなして..
「万葉集・古今集・加齢臭」 ただ単にひっかけているだけだが、「匂い」を三枚におろそうかなと。 ビル・S・ハンソンさんというアメリカの方。 (本によるとスウェーデン生まれで、ドイツの研究所の所長) その方が亜紀書房からお出しになった。 武田先生達団塊の世代、70(歳)を超えた世代にとって気になる臭いといえば「加齢臭」。 ついひと昔前は老人のこの特有の臭いに、武田先生自身が若かったので眉をひそめていたが、しかし今、その年になってその臭いに対しては当事者となった。 全部話すが、「いい番組を作っている人だ」というのでテレビで賞を貰って新聞社に呼ばれて。 新聞社に集まって賞を貰うような人..
これの続きです。 我々はあんまり敏感に感じていないかも知れないが、人間の感情の半分以上は匂いが動かしているのではないか?という、これはアメリカのビル・S・ハンソン博士。 人間学というか行動学の本。 匂いが人間を動かす、という。 それから武田先生は現実に悩んでいるが、自分の体内から発する加齢臭。 もう加齢臭を気にする年になった。 「そんな酷い臭いはしてないハズだ」と思ったのだが、ちゃんと臭いようだ。 奥様から叱られた。 自分でやはり何とかしなくちゃならんなと思って。 気を付けることがまず大切だと思う水谷譲。 奥様から指導を受けているのは食べ物。 そこから加齢臭の原因のナ..
(今回の本は単行本と文庫本があるが、番組の中で「1991年発行」という話が出たので恐らく単行本。記事内のページ数などは全て単行本のもの) まな板の上にはかなり大きいものが載っている。 イスラエル。 鳴り続ける警報としてのアラブ問題の地。 そこに一体何でこうややこしい事件が起きるのかという。 ガザの問題とかイスラエルの問題とかアラブの問題とかというのを日本人としてどう考えていいのか? 大きく含めると中東問題だが。 憎悪の応酬が続いているが、あの恨みの深さというのは凄いものだなと思う。 ウクライナの方はというと、これは17世紀ピョートル大帝、そして18世紀エカテリーナ女帝、この方の..
これの続きです。 いろいろ中東問題の主役であるイスラエルという国、その建国史。 この国はいかにして興ったのかという。 ニュース等を見ていて理不尽だなと思うのだが、よくわからないがイスラエルの右の凄くイスラエルに自信満々の方が出てきて、「アラブ人の住人を認めない」と言う人がいる。 「あそこは全部イスラエルのものだ。ガザからも出ていけ。ヨルダン川西岸からも出ていけ。もともと俺達のものだった」という。 その言いっぷりがちょっと武田先生はひっかかった。 あの人のおっしゃる満々たる自負は一体何だろう?と。 それは何と3400年前、旧約の神ヤハウェがユダヤの民と約束したエリアが今、340..
4月14日、巨人戦(東京ドーム)、2対1。いつものメンバーで大きな期待もなく、いや、それ以下の3安打。3試合すべて逆転負け。ところで、「2023年ラジコで聴かれたラジオ番組」が発表された。野球実況番組が上位にランクイン、まだまだ捨てたもんじゃない?
(この週はところどころポッドキャストの方ではカットされている箇所がある) 今週は「アオハルとカレイ」。 書店の棚には、様々な年齢に分けて生き方を問い、どうこの人生を生きるかの賢者、或いは成功者、そういうインフルエンサー達の人生読本のヒット作品がズラーッと並んでいる。 いろんなことで成功なさった方達。 その中で「(今朝の)三枚おろし」にするには誰がいいかな?と迷ったのだが、まずは近い年齢の方の本を探してみたら「老いの整理学」という(著者は)外山滋比古さん。 老いの整理学 [ 外山 滋比古 ] (この本は文庫と新書があるが番組で取り上げたのがどちらなのかが不明だったので、本文中のページ..
これの続きです。 二冊の本を三枚おろしに乗せている。 一冊は外山滋比古さん。 「知の巨人」と言われた方だが、この方の「老いの整理学」から。 そしてもう一冊が20代の方の為に書かれた「20代で得た知見」という、 Fと名乗る覆面作家の方。 Fという作家さんがお書きになった、若い方、20代の方に対する箴言、知恵ある言葉。 これは名言だけでなくショートエッセー、ページがあって、その中で武田先生が気に入った話。 Fという覆面作家がお書きになったショートエッセイ。 「あながたいなくなった後の椅子」というショートエッセイ。 齢五歳の彼の息子が、最近好きなアニメの話やキャラクター..
今週のまな板の上は一度語り尽くした人ながら、それでもまだこの人に関しては語り伝えられていないところもあるかと思ってもう一度まな板の上に置いた。 (以前のものは2020年9月7〜18日◆ドナルド・キーン) ドナルド・キーンさん。 漢字で「鬼怒鳴門」と名乗っておられたらしいのだが。 (番組では「院」の文字に言及しているが、「キーン」を「奇院」と書くこともあったようだ。日本に帰化した時の名前は「院」の字が入らない「鬼怒鳴門」) この方はご存じの方は多かろうと思うが、日本文学に魅了された、惹かれたという方で、アメリカの方なのだが、何故これほど惹きつけられたか? 文藝春秋、角地幸男さんが..
これの続きです。 ドナルド・キーンさん。 日本文学の研究者。 角地幸男さんが書いた「私説ドナルド・キーン」。 角地さんとドナルド・キーンさんがどういう知り合いかというと、ドナルド・キーンさんはエッセー等々はもちろん自分で日本語でお書きになるのだが、文学論に関しては英語。 英語で書いておいて、それを日本語に訳した人がこの本の著者、角地幸男さん。 それで日本語に訳したのをキーンさんにもう一回チェックしてもらう。 ドナルド・キーンの仕事の本質とは何か? 日本語がわからない外国人に英語で日本のことを伝えること。(194頁) 「西洋の人が読むんだ」ということを前提に書かないと..
この本は実は去年の秋口ぐらいの頃に見つけて読んだという一冊。 本のタイトルは「謝罪論」 謝罪論 謝るとは何をすることなのか (本の中の傍点部はアンダーラインで表記する) テレビで連日、謝罪するというシーンがやたらワイドショーなんぞで取り上げられたという時期もあったものだから、そのワイドショーのシーンなんかを見ていた時に本屋で見つけた本。 「謝罪論」柏書房で古田徹也さんという方の著。 タイトルを使わせてもらう。 「謝罪論 謝るとは何をすることなのか」 謝り方が上手い人と下手な人がいると思う水谷譲。 壇上に数名の人が並び「申し訳ありませんでした!」深々と頭を下げる。 すると..
これの続きです。 古田徹也さん(著)「謝るとは何をすることなのか」という「謝罪論」。 「謝る、謝罪とは一体どういう意味があるのか?」「謝罪は何を目的としてやらねばならないことなのか?」という謝罪の根本について。 本当に謝罪は昨年もそうだが、日本では大流行で、あっちこっち謝罪会見が行われて、それでかえってまた騒ぎが大きくなる、と。 謝罪しているのに「あの謝罪はなってない。謝罪しろ」と謝罪を重ねたりするということが多発しているが、謝罪、その本質が失われているのではなかろうか? 理由は簡単で、謝罪というのがどんどん複雑になってきている。 その複雑な謝罪のいい例を挙げる。 もちろん近..
前から気になってたんだよね。 ラジオ番組を聞いていると時々「あれ?この話前にも聞いたぞ」っていうのがある。 でも何の番組だったかはっきり覚えていなかったり、ましてやその番組のどの時間に読まれたかとか記憶してないじゃん。 で、ずっとモヤモヤしていたというか、その時は「同じ内容のメールを一度に複数の番組に送る人がいるんだなぁ」と思った。 その後でもう一つの可能性に気付いた。 それは「他人が番組で読まれたメールの内容をパクって他の番組に投稿している」というパターン。 で、更に考えると、これまでは短期間(だいたい一週間以内)に、しかもほぼそのまま同じ内容だったから「あれ?」って気づいたけれ..
2023年12月11~22日◆かんぴょうにスイカ(豪徳寺のドイツ人)(前編)
「かんぴょうにスイカ」 これは番組が進んでいけばわかる。 もう一つタイトルを考えた。 「豪徳寺のドイツ人」 だから今週のテーマは二つあって、「かんぴょうにスイカ」「豪徳寺のドイツ人」。 「日本宗教のクセ」 日本宗教のクセ これはいただいた本。 何と著者の方からいただいた。 内田樹先生。 ミシマ社から出ている。 日本の宗教というのが「変わっている」ということで、日本の宗教の「クセ」みたいな 「クセ」という名前の付け方が内田博士らしい。 「習合文化」 武田先生もそんなことは気にしたこともないのだが 釈 日本宗教文化が「習合」をひとつの得意技にしている、ひと..
2023年12月11~22日◆かんぴょうにスイカ(豪徳寺のドイツ人)(後編)
これの続きです。 「かんぴょうにスイカ」 もちろん元ネタがあって 内田樹先生と釈徹宗さんが対談なさっている、ミシマ社から出ている「日本宗教のクセ」。 でも相当、武田先生の自説も入っている。 取り交ぜてお送りしている感じ。 内田先生の言に救われながら生きている。 日本習合論。 接ぎ木して文化が繋がってゆくというような、それを「習合」というのだが。 内田先生は「ここで必要なのはレンマの知恵である、直感である」とおっしゃっている。 この「レンマの知恵」というか「直感」「身体的知」というようなことをおっしゃるが「これからは世界を支配するのは頭の知ではないんだ」と。 体の知識なん..
(二週間で三冊を取り上げたのだが、その中の一冊目の本の箇所に該当する三日間の部分だけを抜き出した形で掲載する。二冊目は「放っておく力」三冊目は「極意を目指して」) (これが放送された当時)夏休みの最中ということで、もしお聞きの若い方がおられたらこれから二週間、君達の為の「(今朝の)三枚おろし」にするので是非聞いていただきたいというふうに思う。 この本、面白いなと思った。 「ひとりあそびの教科書」河出書房新社、(著者は)宇野常寛さん。 ひとりあそびの教科書 (14歳の世渡り術) 副題は「14歳の世渡り術」。 (副題ではなく、この本を含むシリーズの名称) この宇野さんという方..
まな板の上は「ストーカー」だが、昨年あたりも皆さんはどこかでお思いになったと思う。 「理解できない犯罪」というのがニュースで流れている。 ワケのわからないニュースがある。 水谷譲は子供をいじめて親が殺してしまうとかは全く理解できない。 それから少年達が2、3人集まってトンカチを持って盗みに入って盗もうとしたらお店の人が叩き出したので慌てて逃げるみたいなのがある。 あの少年達は盗みに入ったそのお店の人が反撃しないとでも思っているのか? 羅列されてゆくニュース。 よく出てきそうなのがストーカー、児童虐待、そして少年、或いは少女に対する異常性愛。 これも先生が、或いは芸能界で、という..
これの続きです。 (著者は)ブラン・ニコルさん、青土社から出ている「ストーカーの時代」。 これを三枚におろしている。 大変申し訳ないが、このブランさんがアメリカに於けるストーカーのことを語っておられて、アメリカでのストーカー映画の紹介をしているのだが、そのうちの50本話しているとすると3、4本しか見ていないものだから、何が書いてあるのか全然わからない。 だからストーカーを事細かく分析した映画のところは説明する能力がないのでスッ飛ばしている。 ただ、この方がストーカーの本質について語り出したところから急激に面白くなる。 このブランさんは、現代のショービジネス、日本の芸能界でもそう..
(二週間で三冊を取り上げたのだが、その中の三冊目の本の箇所に該当する四日間弱の部分だけを抜き出した形で掲載する。二冊目は「放っておく力」) 三冊目。 これは同じく少年や少女の為に書かれた一冊だろうが「(古武術に学ぶ)子どものこころとからだの育てかた」。 古武術に学ぶ 子どものこころとからだの育てかた (著者は)甲野善紀さん。 時々番組で取り上げるが武術研究家。 古武道、古武術から学びの作法を説く甲野師範の理説。 違う意見の方は勘弁してください。 甲野先生という武道家の方がおっしゃっている。 コロナ禍進行中に書かれたこの本は、感染対策に汲々とする医療や学校の慌てぶりを武道家..