日記
勘違いのせいで、小さな白いノートは二冊あった。白紙を埋めるのに頭を悩ませる。朝の、そして夜のルーティンにも、ノートを書く習慣がないのは、ついついまとめて書いているからだった。あの日は何をしていたっけ?何を思ったのだっけ?財布に残ったレシートを頼りにしてみても、あまり役に立たなかった。 「日記を書く」そんな習慣はなかった。嫌なことがあればきっと書く、それを記録しておくのも躊躇する。自分の字も好きじゃない。そもそも続かない。 三年前の春の日、あるきっかけから、これからの人生を考えるようになった。日記を書き始めたのはその日から約一年後のことだが、紐を解けばこの日があったからだ。いろいろ考えているうち…
2022/08/16 22:53