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検死審問-インクエスト- パーシヴァル・ワイルド/越前敏弥訳(創元推理文庫)
パーシヴァル・ワイルドは1912年にデビューした米国の劇作家だそうだ。まったく聞いた事もないし、今回、越前敏弥さんが2008年に翻訳した本書が今年(2024年)の復刊フェアの一作に取りあげられなければ、読む事もなかったかもしれない。劇作家というからには戯曲を書く事が本業で、ミステリは副業というか余技だったようで、Wikipediaを見ても長篇が4作と、短篇集が2作あるだけだ。短篇集『悪党どものお楽しみ』(1929年)はエ…
わが家に迎えて3年目のブルーベリー・チャンドラーですが、昨年夏に実が生った後の枝を少し整理しただけでほぼほぼ剪定らしきことは…。ってことで、お初の夏剪定にトライ♪コチラはアフター↑↑暑さに弱いノーザンハイブッシュ系のチャンドラーですが、ラビットアイ系台木の接ぎ木苗ゆえ太平洋側温暖地の当地でも問題なく生育中♪切るべきか迷っている枝はまだあるんですけど、支柱が5本も立っているのは何故???コチラが伸び放題の...
「事件屋稼業」レイモンド・チャンドラー著…堂々ハードボイルド!
チャンドラーが1939年に書いた小説で、日本で刊行されたのは1965年。整った日本語の翻訳で、読みやすかった。関連記事≫≫著者の「ロング・グッドバイ」読書記事原題は「Trouble Is My Business」。今ならニュースでは、ちょっとした行き違いでも、電車の遅延でも、重大事故でも、なんでも「トラブル」と言うが、ここでは「事件、もめごと」というような意味で使っている。日本語にすると意味が明確になり、それゆえ分かりや...
セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点 セシリア・ワトソン(左右社) (その3)
「セミコロン」についての本の書評、終盤戦だ。(その2)では5章までの内容を取り上げて、セミコロンの誕生の経緯からセミコロンが流行の最前線に飛び出して、やがて法律の条文に紛れ込んで騒動を引き起こすまでを解説した。この(その3)では6章以降の内容を取り上げる。 [本書の目次] はじめに 言葉のルールをめぐる愛憎 …7 1章 音楽を奏でるように:セミコロンの誕生 …
2023年7月23日数年前まではイギリスのいいドラマが結構放映されていて喜んでいたのだが、イギリスがEU脱退となった時から新しいシリーズが入らなくなった。古いドラマがリピートされることもなくなって、至極残念に思っているこの頃だ。Silent WitnessやMorse, Endeavor, Veraなど(全部刑事ドラマ。笑)ドラマの中で話される英語が全部分かるわけではないので、ポルトガル語字幕を読むのだが、これが訳の字幕が長いのだ。...
2023年8月20日 いえいえ、わたしがお別れするわけではありませんてば(笑)ハードボイルド作家、レイモンド・チャンドラーの本の一冊であり、ハンフリー・ボガード主演で映画化もされている題名なのです。 こんな話をとりあげるのは、我が妹やモイケル娘と翻訳本の文章に話が及んだことからです。特に原語で読む語学力なく翻訳本を手にする場合、本のファンになるか否かはその訳者の文章が大いに影響する云々の話がでたの...
『探偵マーロウ』(202.5.30.オンライン試写)1939年、ロサンゼルス。私立探偵のフィリップ・マーロウ(リーアム・ニーソン)のもとに、裕福そうなブロンド美女クレア(ダイアン・クルーガー)が現れ、姿を消した元愛人を捜してほしいと話す。依頼を引き受けたマーロウは捜索を進めるうちに、急成長するハリウッドの裏の世界を知る。レイモンド・チャンドラーが生んだハードボイルドヒーローを主人公にした一編。ジョン・バンビルがベンジャミン・ブラック名義で執筆し、チャンドラーの『ロング・グッドバイ』の続編として本家から公認された『黒い瞳のブロンド』を原作に、ニール・ジョーダン監督が映画化。クレアの母親の映画女優役でジェシカ・ラングも出演している。恐らく日本の宣伝会社が付けたと思われるが、「リーアム・ニーソン出演100本記念...『探偵マーロウ』
私は、まだ食べられる食べ物を捨てるのと同じくらい、まだ着られる洋服を捨てるのが苦手です。いきおい、選ぶ洋服は流行に左右され難い定番品や、最初から時代を遡っているようなヴィンテージ調のものが多くなるのですが・・。 そうして流行の埒外に身を置いていると、「なぜトレンドと呼ばれるアイテムには、中庸なデザイン・フィット感のものが少ないのだろう?」ということが些か不思議に感じられることがあります。例え...
主人公の私立探偵、フィリップ・マーロウは度量のある男だ!カネにあくせくしない。ワタシはワタシはとしゃしゃり出ない。依頼された仕事はきっちりとやってのける。料金を吹っかけもしないし、値切りもしない。そのうえ、富豪の娘に言い寄られても、毅然と拒否する胆力もある。もったいない!ワタシの生き方は上司の言いなり責任逃れ。忖度しっぱなし。長年サラリーマンとして勤め上げられたコツだ。私立探偵、マーロウは立派だ。...
デパートの食品売り場をうろつく。妻が料理をほぼ卒業したから。同時にぼくも。妻は後ろめたいらしい。テレビで料理が映ると、「わたしも、これ作った」「これ、わたしも漬けた」と必ずつぶやく。罪悪感の埋め合わせか。★卒業は旅行も。先だって、旅先で下痢をした。で、早々に切り上げた。家に着くと、二人ほぼ同時に言った。「もういいね、旅行は」下痢が直接的な原因ではないが、非日常はもういい。「長崎にもういちど行って、...
週刊 読書案内 レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
100days100bookcovers no72(72日目) レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』(ハヤカワ・ミステリ文庫) 遅くなってすみません、と書くことすら憚られる遅刻で、いまは、やっと書くことができている
『ロング・グッドバイ』(73)(1978.11.13.月曜ロードショー)ある真夜中、私立探偵フィリップ・マーロウ(エリオット・グールド)のもとに、友人のテリー(ジム・バウトン)がやって来た。彼は夫婦げんかの末に家を飛び出し、これからメキシコへ行くという。マーロウは国境沿いの町まで彼を送っていく。ところが、帰宅したマーロウは、妻殺しのテリーをかくまった罪で警察に逮捕されてしまう。その後、テリーが自殺したため釈放となるが、何か釈然としない。そこでマーロウはテリーの死の真相を探るため、メキシコに向かう。ロバート・アルトマン監督が、レイモンド・チャンドラー原作のハードボイルド小説を、オフビートなタッチで映画化。グールド演じるマーロウは無精ひげを生やし、服装もよくいえばカジュアルだがよれよれ、ヘビースモーカーで飼い...「ザ・シネマ」『ロング・グッドバイ』
『見知らぬ乗客』(51)(1986.9.17.)テニス・プレーヤーのガイ(ファーリ―・グレンジャー)は、列車に乗り合わせた見知らぬ乗客から声を掛けられる。ブルーノ(ロバート・ウォーカー)と名乗るその男は、ガイが妻と不仲だと知っており、ガイの妻と自分の父とを互いに殺害する交換殺人を持ちかけるが…。アルフレッド・ヒッチコック監督が、パトリシア・ハイスミスの小説を映画化。レイモンド・チャンドラーが途中まで脚本を書き、交換殺人の計画に巻き込まれてしまった男の恐怖を描く。列車、ライター、眼鏡、テニスの試合、メリーゴーラウンドなど、小道具や背景がサスペンスを盛り上げる効果を発揮している。編集・解説を担当した『淀川長治の証言20世紀映画のすべて』から「BSシネマ」『見知らぬ乗客』