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2023年8月20日 いえいえ、わたしがお別れするわけではありませんてば(笑)ハードボイルド作家、レイモンド・チャンドラーの本の一冊であり、ハンフリー・ボガード主演で映画化もされている題名なのです。 こんな話をとりあげるのは、我が妹やモイケル娘と翻訳本の文章に話が及んだことからです。特に原語で読む語学力なく翻訳本を手にする場合、本のファンになるか否かはその訳者の文章が大いに影響する云々の話がでたの...
2023年3月24日 旅に読み物は欠かせない。今週はポルトガルを南下し息子も同伴で親子3人、2泊三日の小旅行をしてきた。旅行記は後に書くとして、旅で嬉しいのは家事から解放され晩御飯の後はずっと読書ができることだ。画像は昨年11月半ばに日本から持って来た寝しなに読んで来た本9冊なのだが、こんな調子で読書していると、あっという間に読む本がなくなってしまうと心配している(笑)「アメリカの終わり」は2021年に...
今日が最後のけんか?いやこれが両親との最後の日になればいいな!
今日も何気ない会話に始まったと思ったら、 母がいきなり大激怒して激しいバトルになったよ。 なんていうか両親以外の人が私によくしてくれたというと、 あんたがきついからみんな怖がって優しくせざるをえないだけとか、 人の欠点ばかり責めてくるけどそういう自分だって、 私の欠点ばかり...
もう二度と両親と会わないと決めた方がうまくいくという決断に!
さて悩んで悩んで王子様を両親に会わせるかどうかと考えた末、 また父が私が心配した通りこんな事を言った。 「お金がないから心臓手術あきらめたんだ!」 その一言でハッとした。 もし王子様が金おを持っているとわかると、 娘を育ててやったんだから手術代くらい出して当然とか、 ぼろぼ...
私は、まだ食べられる食べ物を捨てるのと同じくらい、まだ着られる洋服を捨てるのが苦手です。いきおい、選ぶ洋服は流行に左右され難い定番品や、最初から時代を遡っているようなヴィンテージ調のものが多くなるのですが・・。 そうして流行の埒外に身を置いていると、「なぜトレンドと呼ばれるアイテムには、中庸なデザイン・フィット感のものが少ないのだろう?」ということが些か不思議に感じられることがあります。例え...
【「長いお別れ」に見る家族問題】★三角帽子の意味-------------------------------------------------ところで、映画の最初のイベントとなる昇平の誕生日と、最後のイベントとなる意識無き昇平の誕生日―その両方でパーティグッズの三角帽子が出てきます。しかも4人全員の頭にかぶせるのです。これがなんとも奇異でした。...
【「長いお別れ」に見る家族問題】★入院中の曜子の奇異行動の意味-----------------------------------------曜子のありようがよく現れている場面が網膜剥離で入院したときでした。まず、私の体験事例から言えることは、ストローク飢餓の人は自分の存在を感じるために障害を背負いたがるということ。「○○しずらい」ことが、自分という存在を感じさせるわけです。...
【「長いお別れ」に見る家族問題】★昇平が痴呆症になったことによる福音-----------------------------------さて、昇平が認知症になったことは、娘達にとってある意味福音でもありました。それは「話をしても分からない」存在になったことで、逆に話ができるようになったことです。もしこれが寝たきりになっても話が分かる存在であったとすれば、娘達はそれぞれの「脳内曜子」に監視されて近づけなかったでしょう。けれど、「話を...
【「長いお別れ」に見る家族問題】★万引き事件の違和感----------------------------------------------衝撃は、想定していないから虚を突かれて衝撃になるわけですが、私にとって大きな衝撃は、「311」(2011)と母のまだら呆けに直面したとき(2014)でした。「311」の時も心の岩盤に亀裂が入りインナーチャイルドが噴出しました。死を突きつけられ、このままでいいのかという問いが駆け巡りました。そして、当時両親が住んでい...
「長いお別れ」 6.レーズンの場面に見る衝撃の深さと怒りと悲しみ、そして虚構vs現実
【「長いお別れ」に見る家族問題】★親の呆け症状に出逢ったときの衝撃----------------------------さて、誕生日会で昇平はおかしな様子を見せ(←映画のはじめの方のシーンです)、そこで初めて子供達は愕然とします。昇平がポテトサラダから一粒づつ取り除いたレーズンを芙美が懸命に戻すシーンがありますが、その気持ちが自分の体験に即して、私なりによく分かりました。...
「長いお別れ」 5.遊園地:繋がった昇平と繋がらなかった曜子
【「長いお別れ」に見る家族問題】★遊園地の場面の不可解-------------------------------------------曜子の姉妹に対する扱いの違いが現れている場面が、2011年春、昇平が行方不明になり、遊園地で発見された時のシーンでした。何故昇平がこの遊園地に来たのか?その謎を探る内に、芙美が風邪を引いた翌日に母子3人で遊園地に来たことを思い出します。...
【「長いお別れ」に見る家族問題】★長女は自分を見る「目」、次女は自分の「手足」---------------------さて、以下は、相談事例を元に構成したあくまで架空の物語。母親と繋がれなかった女性(曜子)は、その母親をかばうために、決して繋がれない男性(昇平)を選びます。もし文句を言って昇平が変わるようであれば、実母に何故それができなかったのかという絶望に繋がりますから、文句を言っても変われないことを見極めて結婚す...
【「長いお別れ」に見る家族問題】★心配性の母親から問題児が育つカラクリ(麻里)--------------------------さて、「姉の方には心配をかけ」と妹が言っていた言葉から、麻里は心配のネタを提供する人生を歩むんだろうなぁと推測しましたが、実際、麻里は米国社会で引きこもり、夫とは不和で、息子も不登校になっていき、バラバラの問題家族になっていましたね。なぜ、そうなったのでしょうか。...
「長いお別れ」 2.例:「お金で苦労する脚本」の出来方と歩み方
【「長いお別れ」に見る家族問題】★同じ兄弟でも脳内母親は違う--------------------------------------幼児期に母親とは気持ちで繋がれないと(無意識で)分かった子供達は、どのルートで母親と繋がることができるのかを観察します。(無意識で)と括弧書きにしたのは、表層意識で母親と繋がれないと分かってしまうのは絶望ですから、繋がることのできる母親像を無意識に創っていくわけです。この時、自分と母親の関係から「脳内...
【「長いお別れ」に見る家族問題】 映画は、校長までやった昇平が70歳を前に認知症を発症。そこから亡くなるまでの7年間の物語ですが、子供達が父親が認知症であることを知ったときから亡くなるまでの7年間を2年おきのエピソードで語っています。まず概略を俯瞰してみましょう。...
この映画に出てくる姉妹のような生きづらさを抱えている人は多いと思います。この映画のように一見普通に思える家庭ですから、自分を責めて苦しんでいたりします。そして、最初は子供や配偶者の問題、あるいは何事も長続きしない問題などから入ってこられるわけですが、やがてその背景に自分がどのように生きているのかという人生脚本があることがわかり、その脚本ができた背景に母親との関係があることが見えてきます。...
【「長いお別れ」~父のこと】 ★その瞬間をストロークを得るために生きている--------------------さて、医師によれば、普通の人の海馬(記憶領域)を壺にたとえるとすると、父のは皿だそうで、記憶がたまる間もなくこぼれ落ちていくそうです。なるほど、30分前のことも覚えていません。なので、積み上げも蓄積も無い中で、常にあるのは自分の存在を確認したいという飢え(ストローク飢餓)です。...
【「長いお別れ」~父のこと】★木工せずゴロ寝する理由------------------------------------------意識を向ける“対象”が消える→心置きなく自分の好きなことができる、というのが本来の姿でしょう。私は、毎年のように父を彫刻、木工の世界に誘おうとしました。全てから解放されて今こそ自由なときなのです。親に認められんとしてなすべきことは全てしました。あと残るのは、唯一「小さいちゃん」がやりたいことだけ―それが木工で...
「長いお別れ」~父のこと 4.代理母との同居の喜びとIPの逆襲
【「長いお別れ」~父のこと】★気持ちを見ない工夫---------------------------------------------父は工場長となって会社を発展させて後、定年後も73歳まで働きます。が、母の薦めでダンスに転進。今思えば、母のゴールは寝たきりになることでしたので、手足となる父が呆けてしまうと困るからでしょう。若い頃から幾度も、両親それぞれから同居圧力がかかってきていましたが、壁となるべく完全にはねのけていたため自分たちだけ...
「長いお別れ」~父のこと 3.山は自分を封じたまま自分の存在を確認できる場所
【「長いお別れ」~父のこと】 ★山を歩き続けた理由1----------------------------------------父が山を歩ける仕事に就きたかったのは、山歩きが好きだったからではないことは、色々と訊いてみて分かりました。とはいえ、本人にも判然とした答えがあるわけではありません。なぜ、山を歩き続けたのか…推測してみましょう。赤ちゃんを負ぶって山越えするとき、その赤ちゃんは自分にしがみついてくるわけで、ぬくもりや手応えと共に...
「長いお別れ」~父のこと 2.遠い存在の母親からもらった言葉
【「長いお別れ」~父のこと】★運命を分けた母の一言----------------------------------------父の母(戸籍名ツタ)は、他に2つの通り名を持っていました。ツタの父親は森藩に藩医として迎えられますが、病死します(この時代の病死というのは怪しいものが多いですね)。そこでツタは母方の実家―日田の庄屋に引き取られて、小説三昧の日々を過ごすようです(ある意味、管理下に置かれていたわけです)。学校を出てないのに漢字を...
今日は七夕。生憎の雨。織姫と彦星は今日は会えそうもありませんね。私も、母は亡くなり、父も呆け始め、彼らの「小さいちゃん」とは出逢わないまま「ロング・グッドバイ」(長いお別れ)に入っています。認知症のことをそう言うそうですが、そのタイトルに惹かれ、興味を持って映画を見に行きました。日々見続けている父ですが、時々、亡くなった母のことを自分の母親と思うところにまで来ています。いろんな場面が「あるある」で...