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今日はバレンタインをイメージした曲を公開! ジャズトリオピアノ曲「思いがけないバレンタイン」を公開! - 独学ピアノブログ「ゼーレンフォルノーツ」今日はバレン…
週の真ん中、脅迫事件の翌々日は、雲ひとつなく晴れ渡る大仰な快晴。関東や本州の太平洋岸は、大雪に見舞われている。地下鉄の改札から望める大型ビジョンに早朝に傘を差して歩く人にインタビューを求め、欲しがる、天候に対する悲観的な感想を聞き出したいだけ。 店主は目に入った映像を改札から地下通路までの三十秒ほど眺めた、端末に目を落とすビジョン近くの女性にすらその画面の情報は見逃されていた。一つ目を左折、地上へ上がる急勾配の階段を上って、記憶した映像を再生、そして綺麗さっぱり消し去る。 微風。警察の警護が効力を発揮したのか、目的達成がはたされたのかはとにかくとして、国見蘭への被害は休憩時間の本人も気がつかな…
「疲れてる?」 「体力には自信があります、精神的な疲労ですね」国見はやり過ごす車を追うように、一歩前に出て、路地の右を指す。 「大豆の地位って、そんなに低くはないですけど、高いとも言い切れない。それが不満だったのかな」彼女は、マフラーに顔をうずめて話した。 「主食の米と小麦を耕す土地で目一杯、余った土地は期待できないだろう。大規模農家なら複数の穀物の適正な市場動向に応じた生産がある程度は可能だが、小作人は確実に金銭や交換の象徴でもあったお米を躍起になって作ろうとする。当然だよね、だって大豆はしょうゆや味噌の原料にはなるけれど、そこからまたいくつかの工程と時間と手を加え、製造には専用の施設も必要…
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結果的に、というか途中から意識的に、という感じか「書く」をテーマにした3篇となりました。2021年09月04日 「 感覚に感性に 素直に忠実に 間隔が空こうとも、完成が遠退こうとも。 」2021年09月15日「 Write Light Holic - 微笑みの頬つねり - 」2021年10月10日
最近スマホで3Dのぷっくり壁紙が流行ってるそうですね。中国のアプリでダウンロードできるそうですが、自分で簡単に作れるアプリもあるようです。3Dならそんなもん、自前の3Dソフトで作れるだろうと思い私もやってみることにしました。が、意外とムズい!作ること自体はなんてことないんですが、なめらかに膨らんだ感じにするのがなかなか大変。ポリゴンをどのように組み立てるかで形状がずいぶん変わるんです。それと、表面の質感...
二人が先に店を出る。国見と店主はそれから五分の時間を待って店を出た。 「良かったんでしょうか、二人にとてつもない勘違いをさせてます」地下街に下りる階段で国見が、踊り場で振り返る。階段を上る通行人をやり過ごして、彼女は続けて話す。「言っても良かったですよ、傷のこと」 「国見さんが自分で処理してからの方が、多分妥当な選択だ。小川さんには悪いけど、こっちは命に関わるかもしれない」 圧力のかかるドア引き、通過。人の通りが増えた地下通路に降り立ち、改札に向かう。床の清掃が大掛かりな機械で遊園地の遊具を操る、蛍光の制服姿の清掃員が通路の片側を占領、黄色いランプが危険を撒き散らしては、道を譲るように指示を与…
【Sims4】Spin-off解説②【San Myshuno編】
San Myshuno編の登場人物がSeason 1&2のどこに出ていたのか、裏設定や物語のその後を少しだけご紹介します。
人にとって意味、理由というものは重要なものだと思います。生きていく上での行為、事象についての意味を知っていたい、理解していたいと思う生き物だと思うのです。 意味、理由というものはそれだけで安心や納得に繋がり、心に安定をもたらしてくれるのだと思います。それが良いものにしろ、悪いものにしろ。 だからこそ、人は意味や理由を探し求めるのだと思います。 −−−−−−− −−−−− −−− −− 私はメールで依頼されていた仕事の為、この村に来ていた。 ■■県にある■■■村。村とはいうがそんな田舎ではない。山とか畑は多いが。 行き慣れた道を進み迷うことなく村に着いた。
間髪いれずに回答。「してない」 「……倉庫で怪しい会話をしてたじゃないですか、あ、あれはどう説明するんです」小川は長身の館山に隠れて顔を脇から覗かせて、午後に見たやりとりを指摘する。 「僕の口からはなんとも、その件に関しては話せない。だけど、二人に面接で言った事項は破ってはいない、ということは断言するよ」 「蘭さん、答えてください」小川は涙声で言う。女性はところ構わず涙を流すか、僕はどうだろうか。 「応えなくていいよ、国見さん」 「店長!やっぱりそうなんですね?」 「だから、違うよ。思い違いだ」 「なら、はっきり訂正なり、告白なりを言葉で示してもらわない、私にだって、その、なんていうか、気持ち…
油にまみれたステンレスに光る、反射の板を洗剤で埋め尽くすと、大胆に水を流しかける。店主は、白米の重要性について、考察を重ねた。あの母親にとってはお米は生き抜くための必需品だった。何故、他の食品で代用を試みなかったのかは今でも疑問が残る彼女の行動である。植物性のたんぱく質ならば、話題で持ちきりの大豆を利用するべきではなかったのか。もちろん、学校で、生徒に見られるという懸念材料があるにしても、彼女は命を第一に掲げていた、あくまでも三回目の接触においてである。中傷を受ける覚悟を彼女がそもそも持ち合わせていかった、という可能性もある。つまり、なるべく、お米を持たせて、子供から家庭、それを作る母親に向か…
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「報道は真実とは違うって体感しましたよ。言い訳に聞こえるから、あの両親も反論しなかったんですね。それに子どもがこっそり死んでしまうかもしれない食べ物を自分の意識で口に運んでいただなんて。……子供が誰よりも大人だったって、ことですよね」小川がスポンジを握り締めて、呆けたように斜め上を見上げる。 「親だからって大人とはいえない」 「いつかは親になるのか、私には想像ができないぁ。店長は子供の頃どんなでした?」 「今と変らないよ」 「お米の価格上昇は、今後も続くんですかね」厨房の床をデッキブラシでこする館山が呟いた。 「先輩、私が店長に質問しているんです、待ってくださいよ順番です」 「順番を待っていた…
【Sims4】Spin-off解説①【Willow Creek編】
Willow Creek編の登場人物がSeason 1&2のどこに出ていたのか、裏設定や物語のその後を少しだけご紹介します。
「吐き出しなさい!すいません、お手洗いを!」母親は手を挙げる。 「大丈夫、いつも食べてるから、平気」 「息もできなくなって、死んでしまうの。全部出しなさい」 「もう、遅いよ」 「救急病院ね、胃洗浄だわ」 「慌てないで。僕は大丈夫。ずっと前からちょっとずつ、食べていたんだ」 「許しませんよ」母親の平手が飛ぶ。「あなただけの体ではありません。私を一人にするつもり?どんな思いで、産んだと思っているの?大変だったんだから」 「もう言ってもいいかなって、僕、思ったんだ」子供はぽつりと口を開いた。「二人とも、パパを責めるママもだけど、自分のことが大事なんだよね。それが悪いなんていってない。やっぱり、自分が…
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「すいません」カウンター越し、父親が店主に問いかけてきた。 「はい」 彼は立ち上がる。「お米は本当にありませんか、貸し倉庫のような場所に保管しているのではないですか?」 「いいえ、店の裏手のことをおっしゃっているのなら、見当違いです。明日の朝に回収されるゴミの回収箱しか置いていません」 「そうですかぁ」父親は力なく、空気が抜けた風船のごとく、座る。かと思えば、機敏に目線の高さを合わせる。「実を言うと、勤め先に匿名の文書が届いて、息子の健康状態に関する克明な病状を同僚や上司の知ることとなりました。表向き、会社は一般的な企業となんら変わりがないように見えるのですが、採用時点で各家庭の資産や経済状況…
「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください」間に挟んだ子供を見つめる母親、子供は高い声で物珍しいメニュー表にか細い歓声を上げている、迷惑という意識は備わっているらしい。国見は両親がむき出した敵意と攻撃性の低下を読み取る、引きつった口元は適度な力加減で結ばれ、声かけの最後には左右に引かれた。 メニューに加わった焼きカレーが追加で注文された。ホールから戻る小川が伝票を手に、厨房に軽々姿を見せる。彼女はホールの業務も受け持つ。手のひらを見せて聞き取った注文の合図を送る。 店主は鍋に移したルーに火をかける。オーブンに入れるのは仕上げの直前、上に乗せるチーズの焦げをオーブンの熱で作り上げたいのだ。…
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核心を避ける小川と館山のよそよそしい遠巻きからこちらを横目で窺う態度は、精神的な圧力を感じる。しかし、感じているのは自分なのだから、視線と態度から予測を切り離せば事は足りて、体の拘束具ははずれてしまう。視線の威力は自らが強めている場合が多分にあるのか、人ごみで交錯する一瞬のコンタクトが体をすり減らしていたのだと、店主は圧迫の正体が掴めた気がした。無関係な事例が紐解くきっかけ。ポークカツを揚げる口元が自然に引きあがる。 昼間の日差しに反発するように、午後は急激に冷え込みを迎え、それでも店外で順番にお腹を満たすべく、お客の足は絶えない。列は夕方近くから、午後九時前まで続いただろうか。ホール係の国見…
「落ち着いてますね」 「そうかな。いつもだと思うけど」 「もう少し、慌ててくれても良かったんですよね、私としては……」蚊の鳴くような声で国見が言う。 「何か言ったかい?」 「いいえ。何でもありません。私がきっちり弁解します」 「お願いするよ。僕ちょっと、ここで休ませてもらう。煙草を吸いたいんでね」倉庫を出かけた国見が足を止める。 「タバコ、吸われるんですか?」 「言ってなかったかな」 「私の前では一度も吸っていません。二人は知ってます?」 「どうだろうか、聞かれたら答えていると思うけど」 「知らないことばかりです」側面、彼女は首が前に傾斜。 店主は、タバコに火をつけた。明り取りの窓、開かずの、…
今日は、節分を意識して作った曲をホームページに置いておきました。↓ ピアノ曲「節分の子供たち」を公開! - 独学ピアノブログ「ゼーレンフォルノーツ」2月3日は…
館山は業者が漏らす業界内の現状を踏まえた店主の見解を求める。しかし、答えはせずに仕込みを続けた。 数十分後に、国見が休憩から戻る。彼女は店主の腕を引き、奥の倉庫に引っ張った。 「どうしたの?」 「……背中の傷をみてくれませんか?」 「傷?」上着を脱いだ国見の白いシャツにばっさりと斜めに刃が入っていた。幸いに、皮膚の傷は切り取り線のような、断続的な裂傷で、手を滑らせて切った程度の傷の深さ。血は固まっている。なぜ僕に見せたのか、その理由は彼女の話を聞きくまで見当もつかない、店主である。 「安佐と館山さんには内緒で、お願いします」だったら僕にも黙っているべきだと思うが、言葉にはしないでおいた。場面に…
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「ありがたい、今日は忙しくって、朝からそれこそ何も腹に入れてなかったので、助かります」 「店長、大豆と小麦のこと聞きませんか?」館山は明日のランチに備えた副菜を作りつつも、出勤時のアクシデントをまた思い出したらしい。切迫する表情は作り出す不安が自分にあることに思い至っていないのだろう、二回目に訊かれる労力を嫌って、聞いたらという手のひらを返すジェスチャーに店主は応じた。 「小麦粉の注文は伸びてます、減っています?」カウンター越しに店主は尋ねた。 「何です?いきなり」喉を詰まらせた業者は軽く胸を叩き、水を飲む。 「大豆を売るな、という脅迫を受けたんです、今日」 「小麦信者ですね、それは」 「小麦…
【Sims4】#18 主従を超えた絆【Del Sol Valley】
【Sims4】#18 主従を超えた絆【Del Sol Valley】 - Sims 7 days
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【Sims4】#18 過去との決別(後編)【Brindleton Bay】
【Sims4】#18 過去との決別(後編)【Brindleton Bay】 - Sims 7 days
午後の二時。室内の温度設定を一度下げる。ホールの人気のなさは、家具の老練な佇まいがカバー。既に傾きかける西日がビルの隙間を通って出窓と、ホールに放たれていた。 「外は物騒ですね」休憩から戻ってきた館山は、彼女の腕を磨く食材を山と買い込んだようだ。すべて自腹である。仕込みの時間を今日は余分に取れる、彼女の予測は正しい。彼女の休憩中に仕込みの大部分は終えていたので、時間的な余裕はたっぷり残る。始動時間が遅かったわりに、午後に余裕が生まれたおかしな営業日である。 頼んだ食材が届いた。業者に無理を言って届けさせたのではない、もしできることならば今日中それもディナー前に、とは電話で伝えていた。 段ボール…
「誕生日のケーキは困りますね」 「どうして誕生日にケーキが食べられるようになったんだろうか。起源を考えたことはないの?」店主は小川に聞き返す。 「想像するに私の独断と偏見ですけど、特別な日だから、一番の贅沢を表現したかった、それが子供への祝福、なんていったらいいのか、愛情の証だったんですかね。よくわかりません。ああ、もう一つ。誕生日って、無事に一年生きた証を表したかったんでしょうよ、でしょうよってすいません。そう、あんまり栄養状態がよくなくて、死んじゃう子が多かった、生き残った子供は喜ばれて、愛された」 「妥当な意見だ、僕の見解とほとんど一緒」 「本当ですかぁ。いやあ、これは私にも店長の考えに…
「安佐、いいから言って」 「仕方ありませんね、皆さんが言うんなら」勿体つけて小川が言う。「要約すると蹴落としたかったんですよ。一人勝ちって、あんまり印象に残らないし、見てる側も出来レースに見えてしまって、入り込めない。だけど、競争相手がいれば、どちらかを応援というには至らない。後押しです。どちらかといえば、という贔屓みたいなほうを自然と選ぶ。小麦信者は断トツの大差で大豆の負けを知らしめたかったんじゃあないでしょうかねえ」 「けれど、集計結果では、大豆のほうが売れたわよ」国見はレシートの眺めて、小川の反応を待った。 「人手が足りなかった、そういつもの開店時間だった違っていたかもですよ、その……は…
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「どちらも同程度出ています、どちらにしますか?」店主は気づいていない振りで応える。 「小麦のほうを一つ」開きかけた口が閉じたのを店主は見逃さずに捉えた。視線がこちらの右側に動いたのである。背後の出窓に反射して列の人間に誰かを見つけたような驚き。 「はい、五百円です」快活に国見が言う。女性は黄色の財布から千円札を渡し、おつりを受け取る。女性がおつりを受け取る際に店主は目が合う。片側の頬が微妙に動いて膨らんだ頬の下はギリギリとかみ締めている。しかし、何事もなく、女性はランチを購入して列を離れた。店主は女性の行方を何度か接客の合間に目で追ったが、その都度、国見が視界に侵入を果たす。駅前通りにぶつかる…
【Sims4】#17 究極の選択(後編)【Del Sol Valley】
【Sims4】#17 究極の選択(後編)【Del Sol Valley】 - Sims 7 days
店主は警告を発した女性の風貌についての詳細を語っていない。そのため、店主だけが女性の不適な視線と笑みを察知している、という状況である。逆光が目に入り、視界が上手く望めないのが難点。店主の視線は、列を去ってランチを手に提げる制服の女性を追った。目ざとく国見が店主の視界に入る。接客に集中しろ、という意味だろうか。女性に対する視線の意図を感じ取れるのは、動物的な鋭さよりも自分の身が脅かさせる、つまりは意中の相手、デートの相手、近しい距離感の相手が離れてしまう不安によってなされる行動。国見がこちらの意思を読み取っているのではない、そう私は思いたい、店主は意識を注文を待つお客に向けた。 残り二人、朝の女…
おはよう、皆の衆。定次さんです。 その昔、黄金に光り輝くキウイが栽培されているという国が栄えていたそうなんですが、度重なる内乱の末、それに呆れた神様が遂には大津波を起こして海の底...
【Sims4】#17 過去との決別(前編)【Brindleton Bay】
【Sims4】#17 過去との決別(前編)【Brindleton Bay】 - Sims 7 days
大豆をザルに上げて、軽く揉んで水気を切る。水分は取り切りたい、水っぽさは時間とともに出てしまうので。ここではまだ、大豆で何を作るかは決まっていない。過去にのっとり、レシピを考案するしかない。腕組み。うーん、どうしたものか。大豆の形をそういえばと、警告者の言葉を思い出す。形がいけないのか、だったら潰さないように形を披露しよう。それが良い。形を残すとなると、潰して整形するのは除外、他の食材に詰めたり、埋もれたりしてしまっては、登場の派手さを表現しにくくなる。悩みどころ、立ち止まる店主を小川が何度も盗み見ている。 タイミングを合わせて、視界の端の動きにあわせたら、やっぱり彼女はこちらを見ていた。仰け…
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