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最近のマスコミの報道などを見ていて、多くの人が日本の成果主義人事制度を誤解しているのではないかということを感じています。 今の日本の人事制度は年功主義から成果主義に転換しているというような前提で、成果主義と年功主義のどちらを採用するべきかというような議論をされていますが、まず、その前提が間違っているのではないかと思います。 日本の人事制度を歴史的に見れば、戦後から1960年ごろまでは生活主義の人事制度(生活の安定を図るのが主目的)で賃金は生活給体系(生計費の高まりに応じて賃金も上がっていく)であったといわれています。1960年ごろからは、主に一部の大企業では、年齢別一本の賃金体系を能力に応じた…
一.成果主義人事制度 20年ほど前から、「年功制から成果主義へ」というスローガンのもとに成果主義人事制度を導入する会社が増えています。 「厳しい経営環境のもとで、もはや年功的な人事制度は維持できない。年功的な処遇では能力や意欲のある社員はやる気が起こらず、組織も活性化しない。成果と関係のない年功で賃金を決めるということは不公平である。」というような、誰でも納得できそうな明快な説明をしています。 しかし、このように年功制をやめようという議論は、すでに60年以上も前からありました。 日経連は、1955年に企業は賃金制度として職務給を導入すべきであるとして、次のように提唱しました。 「賃金の本質は労…