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お子さんがいらっしゃらず、配偶者だけだった場合 戸惑われるかたがいらっしゃいます。銀行にお金をおろしに行こうとしたときに初めて、他の相続人の存在をつげられるケースです。 亡くなった旦那さんのご兄弟がいて、疎遠であったり険悪な関係にあったりした場合、相続手続は暗雲が立ち上ります。また既に亡くなっていた場合甥姪に相続権がうつってしまい、相続人の数が多数になってしまうこともあります。遺言書があるだけでこういった状況を回避できます。
◎死後 家族の紛争を回避することも可能です。 遺言書があれば、家族や相続人はあなたの意図を知り、紛争や混乱を回避できます。遺言書がない場合、法的な手続きが複雑化し、家族にとってはストレスの原因になる可能性があります。 遺言書が無い場合は、残された相続人の間で遺産分割協議を行う必要があります。
遺言書がなぜ必要なのかというのは、多くの方が疑問にもつところだと思います。遺言書は、個人が死亡した場合に財産や遺産の処分、配分を希望通りに行うためには有効な文書だといえます。 まずその理由を挙げていきたいと思います。 ◎自分の財産の行き先を決める 遺言書は、あなたが死亡した際にどのように財産を分配したいかを明確にする手段です。これにより、家族や遺産の相続人が紛争を避け、あなたの希望通りに遺産が処理されることが期待できます。 本来相続人として対象とならない人にも財産を残すことができます。お孫さんやご近所で世話になった方など。
デジタル遺言というのはスマホやパソコンなどデジタル機器を使ってデータとして残したものです。文字や動画などで自分の死後のことを託すという感じですが、遺言というよりは、エンディングノートに近いものかもしれません。 しかし 現在の民法では、デジタル遺言は、遺言としての法的な効力は認められていません。日本では、遺言による意思表示は要式性が強く求められますので、書面で残し 正確な文言、日付や署名などが必要です。
強い権限がありますので、それにともない義務も生じます。①執行者に就任した段階直ちに任務を開始しなければなりません。②相続人に対し遺言内容と就任の通知義務があります。③財産目録を遅滞なく作成し、相続人に交付する④善良な管理者の注意義務(財産をしっかり管理するという事ですね)こういった義務に反するような行為を行った場合は、相続人から損害賠償責任をうける場合もあります。
民法1012条に 「遺言に示された遺言者の意思を実現するため、相続財産の管理その他執行に必要な一切の行為をする権利と義務を有する」と書かれています。そのため相続人が遺言執行の妨害をしようとしてもそれを排除することが可能です。 そして遺言執行者がこの権限の中でした行為(自己の資格を示してした行為)は、相続人に対して直接にその効力を生じることになります。
清算型遺言で遺言執行者の責務と重要性を述べたので、あわせて遺言執行者についてご説明をしたいと思います。 遺言執行者は、遺言内容を実現するために職務を担い様々な手続をしていきます。 遺言執行者は、遺言書で指定されるか、相続人の申出により家庭裁判所で選任されるかの2通りあります。相続人としても公平中立な立場で相続手続を行ってもらう遺言執行者がいたほうが良い場合もあります。
清算型遺言で遺言執行者が実行する職務はいかになります。【不動産の占有、管理】 遺産のなかでも大きなものとして不動産があります。これを売却換価するにあたって、しっかり管理する必要があります。相続人の誰かが勝手に登記し売却しないようにする必要があります。【賃料の取立て、受領】 賃貸物件などが遺産の中にある場合、賃料の取立てやその受領などは、遺言執行者の義務となります。【債務の弁済】 清算を進めていくために、遺言者が残した債務の弁済を行います。
これもおひとり様遺言では良くある形式の遺言書です。遺産を全て売却換金して、その換価したお金からすべての債務(税金や葬儀費用など)を弁済した後、その残額を相続人に分配したり寄付したりといったものです。 清算型遺言は、遺言者の意思の元 実行すべきことがたくさんありますので、遺言執行者を選定しておき実行してもらうということが必要です。
先日、夕ご飯を食べている時に、叔母の後見人(孫)から連絡があり、叔母が倒れたそうなので誰か病院へ行かないといけないけど、いけますかと連絡がありました。夫は飲み会、義母は友人宅へ行っていて、私はお風呂に入り、一人で残り物で夕ご飯を食べようとしていたところでした。...
寄付するにあたっての注意点は、まず相手先に寄付をうけることができるのかの確認です。 多くの団体では、金銭のみの受付です。不動産をそのまま寄付として受け付けるところは少ないと思われます。また親族間で紛争がありそうとかその寄付には遺留分侵害額請求が発生しそうという場合は受け付けてくれない場合があります。 団体としては、裁判上の争いまでして寄付を受けたくないというのが本音のようです。時間とコストをかけて、またあらぬ風評被害をうけないとも限りませんので、そういった寄付は避けようとします。 以上のところを踏まえ、寄付をご検討ください。
寄付の相手先としては、◎自分が住んでいたり出身である地域の自治体(市区町村、都道府県)◎自分がお世話になっていた団体(病院や介護施設)、趣味の団体な◎出身学校(大学や高校)◎自分が信じる宗教団体、お寺や神社◎社会貢献団体 ユニセフや赤十字など ペットの愛護団体などがあります。自由に選ぶことが可能で、配分を決め複数の団体におくることも可能です。
おひとり様の遺言のところでも少しお話しましたが、今回は寄付を前提とした遺言書についてです。相続人がいなかったりした場合 原則 国へ財産はいきます、また相続人がいれば疎遠であろうと仲が悪かったであろうとそちらにいきます。それはイヤだと考える方は、自分の世話になった団体や恵まれない子供たちへということでユニセフへという寄付を考えられる方もいらっしゃいます。 私も何件がユニセフへの寄付をお手伝いしました。
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ただ遺言で祭祀承継者に指定されたからといって、絶対しないといけないという法律的な義務が発生するわけではありません。放棄することもできるわけです。 また承継者がどのような方法で行っていくのかも裁量に任されていますので、遺言でどれだけ特定されていようが必ずしも従う必要はありません。極端な話、仏式から神式へ変更 なんてことも可能なのです。 遺言者の希望が全て実現できるとは限りませんのでそのあたりは知っておく必要があります。遺言者から承継者にしっかり説明をし納得してもらっておくことぐらいしかありません。
では今はどのように祭祀主宰者が決められるかという事ですが、①被相続人(遺言者)兼 現祭祀主宰者の指定②慣習③家庭裁判所の審判の順番によって決められます。ここに入っていませんが、現在では親族間での押し付け合いというのもあるかと思います。押し付け合った挙句墓じまいという流れもあるようです。 ちなみにこの祭祀主宰者は複数人でも可能ですし、祭祀財産を分けて指定することもできます。
祭祀主宰者というのは、この祭祀財産を守っていく人ですね。昔なら家督相続を受けた人物(後継ぎの長男?)でしょうか。家督相続をうけた人というのは、全財産を引き受けますので、その一部として当然だったのかもしれません。財産の中からその費用も十分捻出できたでしょうが、今はなかなかそういうわけにもいきません。
祭祀財産とは、正確にゆうと系譜、祭具、墳墓の3種類を言うらしいです。今の時代あまりすべてが揃っている家庭というのも少ないような気がしますが。 個別にみていくと系譜というのは、家系図みたいなイメージですね。祭具というのは、位牌や仏壇など、墳墓はお墓です。その他遺骨なんかもこれに含まれます。個人的にはあまりピンとこないですが、遺骨というのが大きな意味を持つご家庭もあるようです。その所在を争う裁判なんてのもあったようです。
祭祀承継というのは、仏壇や遺骨、お墓などを引き継ぐという事ですね。こういったものは、財産に含まれず相続税の対象とはなりませんが、残された家族にとっては結構大きな問題です。維持 管理のための費用も掛かりますし、自分たちの子供にも負担させることになるからです。 このあたりは必ずしも遺言に書かなくてはいけないというものでは、ありませんが、遺言者の意志表示として遺言書に記載することがあります。
遺言者に取ってみると長年 忸怩たる思いで生きてきたのかもしれません。自分自身の子供がいるのを知っていたがなにもしてやれなかった、そういった後悔が遺言認知に現れることも有るかもしれません。しかし残された相続人や認知された子にとって大きな影響を生み、相続が争族になる典型的なケースになることも考えられることから、この遺言認知については慎重に検討いただきたいと思います。
蛇足かもしれませんが、残された配偶者や子供にとってこの遺言認知はかなり大きな波紋となります。仲の良かった家族にとっては、不信感や焦燥感があるだろうし、仲の悪かった家族であったとしたらそのリベンジ感でさらに溝が深まるかもしれません。 相続人が増えることで相続分が減少しますし、遺産分割協議が終わった後発覚なんてなってしまうと、一旦自分の手元に入った遺産から大きな金額を失うとなるとこころ穏やかではなくなる可能性もあります。
認知によって法律上の父子関係が成立すると、その効果は出生の時に遡ります。つまり法律上の親子として相続権が発生するわけです。なので他に子がいた場合もその子と同一の権利を持つという事になります。 もしすでに遺産分割協議が終了した後に遺言書が見つかり、認知が確認されると、認知された子は他の相続人に対して、相続分に応じた金銭による支払い請求をすることができます。(民法910条)
遺言での認知の方法ですが、役所に届ければ効力が発生します。このときに父子関係の証明はいらず、届出だけです。(DNAでの証明なんてこともいらないという事ですね)この場合の抗力は届出をした時からではなく、遺言者が死亡して、遺言の抗力が発生したときに遡ります。ちなみに遺言執行者は、遺言執行者として就任した日から10日以内に認知の届出をしなければなりません。
遺言でも認知ということが可能です。認知というのは、結婚していない相手に生まれた子を自分の子ですよと認めることです。これをすることで親子(父子)関係が成立し、相続権も発生します。母親の場合は実際に出産しますので、主に父親がするものという感じですね。 この認知は、戸籍法の定める届出によって行われます。通常は生前に行われるものですが、亡くなってから遺言でも可能です。ものの本によると生前はばかれる認知を遺言で死んでからならできるでしょ なんて書いてましたが、それもあんまりな話だと個人的には思います。
遺言での廃除の難しいところは、遺言執行者へ遺言者からしっかりとその廃除理由や証拠などを引き継いでおく必要があることです。遺言が実行されるのは、何年後かわかりません。その時にも使用できる証拠でなければなりません。 例えば、虐待を受けたときの診断書、日記、録音テープ、第三者の証言など、遺言とは別に確保しておく必要があります。
この申し立ては、遺言で行う場合は遺言執行者のみがすることができます。申し立てが行われ裁判所での審判となると遺言執行者と廃除を求められる相続人双方からの主張書面と証拠が提出され、審判がくだされることになります。ただし廃除された相続人に子供がいる場合は、相続権(遺留分)が代襲相続され引き継がれます。 ちなみに廃除の審判が確定し、遺言執行者から届け出がされれば、廃除された人は戸籍の身分事項欄にその旨が記載されることとなります。
ポイントとしては、それらの廃除要件が家族の共同生活関係を破壊してしまうぐらいのものであることが必要になります。精神的、身体的、経済的なダメージという事ですね。それが一時的なものか継続的なものか?修復が可能かどうか?といったこともあわせて判断されます。
「虐待」とは、遺言者に向けられた暴力や耐えがたい精神的な苦痛を与えること 「重大な侮辱」とは、遺言者の名誉や感情を著しく害すること 「著しい非行」とは、虐待・重大な侮辱という行為類型に該当しないもの、それに類する推定相続人の遺留分を否定することが正当といえる程度の非行であることとされています。例えば、犯罪、服役、遺棄、遺言者の財産の浪費、無断処分、不貞行為、素行不良、長期の音信不通、行方不明などです。
相続人の廃除というのは、相続人から完全に外してしまうことです。遺留分の権利も無くしてしまうという強い意味合いがあります。 廃除が認められるためには、遺言者への「虐待」「重大な侮辱」「著しい非行」があり、それを家庭裁判所の審判手続きで認められる必要があります。生前に遺言者がその申立てをするというのは、証拠や口頭での説明など行いやすい面もありますが、遺言でとなると遺言執行者がその事情を理解し証拠を確保しておかないとなかなか難しいと思われます。
このステップファミリーですが、亡くなったのがお父さんではなく兄弟の誰かで、子どもなしのおひとり様だったりすると、兄弟間に相続が発生します。この場合、片親共通の兄弟は、両親共通兄弟の相続分の二分の一になります。 このあたり配分を平等にしたい場合、誰かに集中させたい場合は遺言書でそのように記載する必要があります。
司法書士・行政書士の山口です。 たびたびブログでも取り上げている相続登記の義務化。来年2024年4月1日からスタートします。『相続登記の義務化まで6ヶ月を切っ…
ステップファミリーという言葉をご存じでしょうか?実は私は知りませんでした。親の再婚などによって継親子関係ができた家族のことらしいです。昔でゆうところの子連れ再婚家庭をそういうようです。 お父さんが亡くなった場合、再婚してできた子供と前婚の子供の相続割合は同じです。もう20年以上会ってないからどこに住んでるのか、どうしているのかも知りませんという状態であっても、しっかり相続権はあります。このあたりしっかり把握しておかないと残された家族が手続き上非常に困ります。ましてや伝えてなかったりした場合は、困惑にドッキリが加わり死後恨まれることにもなりかねませんのでご注意を。
おひとり様の中には、最終残った財産を自分の懇意にしている団体やユニセフなどの慈善団体に寄付される方もいらっしゃいます。ただ注意すべきところは遺留分の存在です。疎遠になってしまった先妻の子供などがいる場合 財産の二分の一が遺留分となりますので、全財産を団体へ寄付ということが出来なくなります。寄付される側も遺留分侵害額請求される可能性のある寄付は受けてくれない可能性が高いです。
おひとり様の場合、遺言書の他に必要に応じて、見守り契約、財産管理契約、任意後見契約、死後事務委任契約なども検討することで、老後の生活にあたっての不安を解消できることもあります。 ただし契約書作成の費用やその契約内容の実現にあたっての報酬なども必要になりますので検討は必要です。行政の方でも地域包括支援センターなどそういった老後の相談窓口がありますので、利用することもありかと思います。 遺言書だけではカバーしきれないものもありますので、終活を考えるにあたってはいろいろな情報を収集するということも必要になってきます。
また財産を受ける側も見ず知らずの親族の財産を突然相続と言われてもうけいれるかどうか?迷うところです。 どんな人なのか、普段の生活もわからない人の財産というのも怖いものです。300万円の財産があってタナボタだと思って受け取ったら、半年後ぐらいに借金取りから3000万の取り立てがあるという可能性もあり得ます。まだまだ先の人生がある甥姪としては、相続放棄をするという選択をするかもしれません
第三順位の兄弟姉妹というのも同じ年代ですので、亡くなっていることも考えられます。ただその兄弟姉妹に子供(甥姪)がいれば代襲相続人となりますでの財産を引き継ぐことになります。 普段から仲良くしていたり、死後のことを任せられるような関係にあれば遺産を相続させるということも出来ますが、そうでもない場合なかなかそういう気にもならないということもあります。
ここで遺言書を作るあたって おひとり様について押さえておかないとポイントを考えてみます。 おひとり様になって、自分が高齢になって亡くなった場合 誰が相続人になるかということです。配偶者や子供がいない場合、まず直系尊属(父母)が第二順位となり対象となります。しかしそのタイミングでは、亡くなっていることも多く、次の第3順位(自分の兄弟姉妹)に移ることが考えられます。
おひとり様とは 生涯独身の方 子供はいるが疎遠、または子供たちが遠方に住んでいる方 子供がおらず、先に配偶者が亡くなってしまった方 など実際には多くの方が当てはまります。頼れる家族や親族がいない、また親族がいたとしても何年も連絡を取っておらず関係が疎遠である場合 頼りたくないという心情になることも有ります。
役所に婚姻届けを出してはいないが、その意思を持ったパートナー関係にある二人が共同生活をおくっているというのが事実婚です。内縁関係ともいいます。 様々な理由はあると思いますが、婚姻関係に無い場合、法定相続に準じた相続というものが出来ませんので遺言による遺贈をしっかりおこなっていないとパートナーに財産を取得させることができません。また 配偶者控除といった相続税控除処置も受けられませんの事前に確認しておく必要があります。
予備的遺言は、財産を譲ろうとしていた相手が先に亡くなっていた場合、他の人を指定しておく遺言です。同じ遺言書の中で記載します。 夫が持っていた先祖から引き継いでいた土地を、妻側の血族には残したくないなという場合などは、この予備的遺言を利用すると、夫が亡くなった場合、その夫側の甥にという指定が可能になるという事です。 またただただ他の親族に渡したくないという場合は、慈善団体や公共機関などに寄付という指定も出来ますので検討の余地があります。
この配偶者に全部パターンで、最近増えてきているのが、お子さんがいらっしゃらないケースです。夫婦お互いにこの全部パターン遺言をすることを交差型遺言と言ったりもするのですが、亡くなられるのがどちらが先になるかは実際のところわかりません。かなり高齢になってどちらかが亡くなられた場合新たに遺言をつくって自分の財産の行き先を決めるというのも難しい場合があります。そんな時に有効なのが予備的遺言です。
例文 第1条 遺言者 ○○は、遺言者がその相続開始時に所有する全財産を遺言者の妻 ◆◆(生年月日)に相続させる。 この配偶者に全部のパターンで遺言書を作る場合事前に相続人になるであろう人には、伝えたり説明したりして、理解を得ておいた方が良いですね。「財産はおかーさんに全部残すから」のような感じですね。 もしそれが難しいようでしたら、付言事項(ふげんじこう)というもので遺言書の最後にその想いを書き記しておけばよいかと思います。
遺留分のことも考えるとその分は事前に遺言書の内容に加味しておくと揉める要素は低くなります。またその遺留分の金銭を生命保険などで別に準備しておくというのも手です。 実際のところ子供から親へ遺留分侵害額請求を行うという事は少ないと思います。父親から母へという遺言の場合財産は母親へ移りますが、次の相続が発生した時は、子どもたちにいくわけなのでそこまでがめつくなることもないかなというところです。母親の生活維持にも必要なお金ですので心情的にも意義を唱えることは少ないということです。ただそれまでの親子間の関係性によっては全くないとは言い切れませんので、注意は必要です。
まず多くあるパターンで、つくっておいた方が良い(法律上も効果が高いもの)ものに、配偶者に自分の全財産を譲るという遺言があります。配偶者は法定相続上は、二分の一の権利がありますが、その割合を高めることができます。遺留分という法律上 法定相続人に認められた最小限の権利がありますので、請求された場合は支払うことになりますが、本来の法定相続分からは、半分になりますので、非常に有効です。亡くなられた方の相続人が、配偶者とその兄弟姉妹だけだった場合は、兄弟姉妹には遺留分がありませんのですべての財産を配偶者に譲ることも可能です。
遺言書についてはいろいろ書かせていただいてきましたが、今回からのシリーズは、いろいろ遺言のパターンについて書いていきたいと思います。 遺言書は、遺言者が自分の財産を自由に指定し相続させるものです。ただしその財産や置かれた状況などは千差万別です。それをより効果的に遺言書で実現するためには、それなりに技術が必要になってきます。また知っておいた方が良い知識も有りますのでそれを共有したいと思います。
よくネットで書かれたものなどは、その真偽があやしい、あやふやな知識で一般の方がかかれたものといったものも散見されますが、2023年に出版された最新の本で相続を専門とした税理士が書いたものとはイヤハヤな感じがします。 遺留分侵害額請求をするかどうかは、法定相続人の法律で認められた権利だと思います。行使するかどうかは、その方の判断であっていいとは思いますが、遺言書の作成、相続手続においてはそれを前提として進めるというのが法律を生業としている専門家だと思います。
そもそも士業である専門家が、法定相続人を認識しているにも関わらず(当然戸籍を確認し知っているはずですが)、バレずにすんで良かったですね、といったスタンスはどうなんですか!という話です。こういった本が紙媒体で出版され図書館に並んでいるという事実が恐ろしいです。一般の方がこういう方法もあるのかと思い実践したら、後々問題になることは目に見えています。
ある税理士さんが書いたトクする相続という本で、「公正証書遺言は検認がいりません。なので疎遠になった前妻の子どもには連絡がいきません。私の事務所が引き受けた案件では、相続開始から10年の時効になり遺留分が請求されませんでした。」となにやら誇らしく書いてありました。 その題目が【相続させたくない人に連絡がいかないようにしたい】というものでした。公正証書遺言でも遺言執行者がいる場合は、法定相続人 全員にその就任の連絡、遺言内容の通達は責務です
このテーマのおまけとして、あなたなら遺言書をどこに保管するかという事です。よくあるのは、仏壇の引き出し、金庫の中、タンスの中などです。見られたくないからという理由で複雑なところに入れてしまうと肝心な時に見つからないということも起こり得ます。 自分の金庫はまだいいですが、貸金庫は避けるようにしてください。契約者である遺言者がなくなるとその開扉が非常に難しくなります。本来その開閉権利が誰にあるかと書いてるかもしれない遺言書がその中にあるとすると誰もあけれないという状況が生まれてしまいます。最終的には、法定相続人全員と貸金庫の複数の担当者、公証人といった信頼できる第三者が全員立ち合いの上での開扉とな…