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任意後見人が解任された場合、そのタイミングでは任意後見契約を他者と結ぶという事は理論上不可能なので、法定後見を検討することになります。 任意後見監督人も申立人となって法定後見開始の審判の申立てが可能です。 すこし別の話ですが、任意後見監督人が何らかの事情で欠けた場合は、新たに選任という事になります。これは任意後見制度上、任意後見監督人は必要な機関になるからです。任意後見監督人に不正や不行跡があった場合はどうなるでしょうか? この場合は、本人、親族もしくは検察官の請求によって家庭裁判所が解任をさせます。ただしここに任意後見人は入っていません。
ここでのポイントは、家庭裁判所の職権では出来ないという事です。監督業務の中でもしそのような疑わしい支出が発見されたときは、領収書などの証拠書類の提出や面談などをおこない事情の確認を行います。もし事実とある場合はその返還を任意後見監督人がもとめます。 任意後見人は、本人が信用し選んだ相手なので、不正をしたので直ちに解任というのも早計な場合もあります。任意後見にが直ちに全額の返金をし、その過ちにたいする誠意が見られるようであるならば継続することも考えられます。家庭裁判所へは報告をし、その判断は慎重にすべきかと思われます。
最後に 監督人の重大な役割のひとつである「任意後見人に不正があった場合」の対処です。一番多いのが任意後見人による本人財産の流用です。士業などが不正を行った場合 マスコミなどで取りざたされたりして注目を浴びますが、親族が任意後見人として行った場合は、その境界線がぶれやすく表面化しないことも有ります。 任意後見契約に関する法律8条には「任意後見人に不正な行為、著しい不行跡その他任務に適しない事由がある時は、家庭裁判所は、任意後見監督人、本人、その親族又は検察官の請求により、任意後見人を解任することができる」とあります。
任意後見監督人は、もしもの時に任意後見人に代わって事務を行うことがあります。監督という視点だけではなく、任意後見人という立場にたっても事務が行えるように、本人の意思や現状の問題点などを把握しておく必要があります。 また本人が入所している施設や病院などがあれば事前に自分の存在や役割を知らしておくような配慮や関係性を築いておくことが大切です。
任意後見人がしっかり面会し業務をおこなっているのかどうか、話しぶりなども参考に見極める必要があります。 任意後見人が判断に迷うような場面、施設の入所や不動産の売買など重大な判断を要する場合などでは任意後見監督人も本人に会い、様子を確認したり意思を確かめたりということもあるかと思います。 ある程度臨機応変に本人に会う機会を設ける必要もあるかと思います。
財産管理の次は身上保護です。これも財産管理と同じように重要です。ただしあくまでも任意後見契約書の中に、本人の身上保護に関する法律行為の委任の条項があることが前提です。 身上保護については、本人と直接会うわけではないので丁寧に詳しく本人の様子を聞き取るという姿勢が大切です。前回と同じです、はいそうですかという対応ではだめです。
任意後見人の財産管理の点で注意しなければいけない点は、ご自身の財産と一緒になっていないかという事です。ご親族が任意後見人の場合善意悪意を別としてそのあたり曖昧になってしまうことも有り得ます。分別管理の徹底を心がける必要がありますが、同居の親族が任意後見人になっており、本人が生活費を出費しているような場合非常に難しいことがあります。 そのような場合は、任意後見監督人が積極的に分別管理のための支援をする必要があります。
任意後見人に報告時 持参してもらう書類は、業務日誌、金銭出納帳、領収書などです。また通帳などは直近のものまでわかるように記帳してきてもらうことも必要です。ネットバンキングなどの場合は履歴をプリントアウトしてきてもらいましょう。 通帳履歴などには鉛筆などで使用した内容のメモ書きなどを書いてもらうと後々確認が楽になります。
任意後見人が任意後見監督人に報告を行う時期、形式に関しては、任意後見契約の中に 何か月ごとにという記載があればそれに従います。もしない場合は適宜となりますが、任意後見に関する法律によると監督人はいつでも求めることが出来るとありますので、必要に応じて求めることも可能です。 任意後見人が親族である場合などは、報告業務に不慣れなところもあるので、3カ月に1回という比較的短いスパンで指導しながらおこなうほうが良いでしょう。
任意後見監督人についてどんな人なの?という性格的なものはご理解いただけたと思いますので、実際の業務についてのお話しに移りたいと思います。 まずは財産について。この財産管理の監督については、法定後見の監督人と大きく違う部分があります。法定後見監督人の場合 本人の財産を減少させるようなことは原則認められませんが、任意後見監督人の場合は、それがあらかじめ任意後見契約やライフプランなどで示している意思に従っている場合 それが適正かどうかの判断で監督します。
任意後見監督人は、委任者が信頼して受任者としていた任意後見人であっても、 〇任意後見契約の代理権の範囲を超えていないか? 〇本人の意思を尊重しているか? 〇本人の心身の状況や生活に配慮しているか? という事を確認する必要があります。 特に身内の場合 代理権の範囲という意識が希薄なため注意が必要です。任意後見監督人は、任意後見人の事務と代理権目録の範囲と照らし合わせてチェックしなければなりません。
任意後見人の事務について、任意後見人から報告を受けてその事務が適切かどうかということを監督することが任意後見監督人の仕事です。その内容によっては、任意後見監督人自ら本人に面談することも有ります。 任意後見人は親族が担うという事も少なくないため、任意後見監督人は後見事務に関していろいろアドバイスしたり支援したりするというのも重要な役割です。
任意後見人は、任意後見監督人にのみ報告をし、任意後見監督人が家庭裁判所に報告するという流れです。 もし任意後見人に不正な行為等があったとしても家庭裁判所が職権で解任させるという事は出来ません。本人か任意後見監督人から解任請求を受けて初めて解任の対応をすることになります。
任意後見契約は任意後見監督人が選任されて初めてスタートしますといいますが、そもそもその監督人って何なんでしょう?言葉の意味からも 家庭裁判所によって選ばれるという意味合いからもなんとなくはわかりますが、その権限と役割に関してしっかり見ていきましょう。 任意後見契約というものはそもそも私的自治の契約です。簡単にいうと自分の好きで定めた契約ということが言えます。なので本質的には家庭裁判所の関与も監督人の介入もできれば控えたほうがよいというのがスタンスです。
【社会保険料 税金等の支払い】通知のあるものは期限までの支払い、口座引き落としの場合は残高の確認をしておきましょう。 【債務の支払い】任意後見契約が発効した段階で、家賃や水道光熱費の支払いが滞っている場合があります。その場合は速やかに相手側に連絡をし支払いを済ませましょう。 自己破産手続きをしないといけないような状況の場合、任意後見事務の終了事由にもなりますので慎重な対応が必要です。
収入支出の管理はある意味 もっとも重要です。ここでずさんな管理を行うと任意後見業務が継続できなくなり、本人に多大な迷惑をかけてしまうことになります。親族のひとりが後見人だったとしても、後々親族間の大きな揉め事の火種となってしまいます。 【現金出納帳】本人から現金を預かったり、管理している通帳から現金を引き出したりした場合は、現金出納帳にしっかり記載していく必要があります。 入手金の記録とレシート等はきっちり合わせる 正確性が大事です。任意後見監督人に提出際も必要になります。 【領収書の管理】後見業務に使用した領収書は、しっかりと保管しノートに貼ったりあとで見やすくなるようにしておきましょう。
財産管理の代理権、とくに預貯金に関する取引について代理権が付されている場合、本人の意向を確認して通帳や定期預金書類を預り、金融機関に代理人届をだす必要があります。 金融機関には、任意後見登記事項証明書と任意後見人自身の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)などを提出します。 同様に証券会社、株式発行会社などにも必要です。 市区町村、税務署、年金事務所等には、手続き書類等が任意後見人の手元に届くように送付先変更の手続きをとることも必要になります。(これも本人の意向や状況を踏まえてですが) 紛失や手続き期限に間に合わないといったことを防ぐためです。
あとは不動産です。不動産については本人も不確かな部分があったりすることもあるので、名寄帳や納税通知書で確認し登記情報を取得します。登記情報では、所有権や抵当権などの担保権の有無、賃借権、地上権などの用益権の有無などを調べます。 未登記や納税義務のない道路などすこしややこしいこともあるので注意が必要です。 あとは動産、貴金属や絵画など資産として高価なものです。このあたりはしっかり目で確認し、念のため画像などでもおさえといたほうが良いです。後見期間中に紛失、盗難などで疑われないようにするために準備しておきましょう。 合わせて債務 つまり借金などがあるかも調べておく必要があります。
財産目録の作成に当たっては、通帳・証券類の確認をします。必要に応じて通帳などのコピーをとり、定期的に記帳をしてもらい残高を確認していきます。 通帳類を預り、出勤などをしていく場合は、本人に預り証を発行し、厳重に保管します。貸金庫や事務所の金庫などです。 生命保険、医療保険なども確認が必要です。更新や保険料の支払いなど業務としておこなわないといけないこともありますし、資産として財産目録への記載も必要です。
任意後見人の行う業務のもう一つ 財産管理関係事務です。身上保護を行うにあたっても必ず必要になるのが金銭です。その扱いを業務として行うことから透明性と正確さが必須となります。 任意後見人は法令上財産目録を作成することは義務化されていません。しかし任意後見監督人から本人の財産状況の開示を求められれば、いつでも報告できるようにする必要も有りますので、きっちりまずは財産目録を作成、そしてそれを最新の情報にしておかないといけません。
入所にあたり、契約書、重要事項説明書の確認と手続き、入所費用の支払いなどが主な業務となります。この時も可能であればご本人のも同席してもらいできる限り理解を促すようにお願いをします。 施設に入所してからも任意後見人としては、確認することは多くあります。契約書に書かれている介護サービスや室内の衛生環境などの確認も大切です。定期的に訪問して様子を確認しましょう。必要に応じて施設側に要望やクレームをあげることも必要になってきます。
施設の入所にかんしても、病院と同じように本人の意思を確認し進めていく必要があります。ただ高齢者施設にはいろいろな種類があり、ご本人の状況にあった施設を検討するにあたっては、地域包括支援センターやケアマネージャーなどの意見を参考にする必要もあるかと思います。 また必要に応じて施設見学に同行することもあるかもしれません。ただこの同行までは、任意後見人の職務かというとそうではないかもしれません。しかし今後 ご本人の生活環境の変化には密接に関わってくるところなので出来る限り同行しましょう。
医療行為の同意を任意後見人がすることは出来ません。もちろん代理権目録への記載という事も出来ないという事です。 つまり任意後見人が本人に代わり医療行為の諾否の判断ができないという事です。医師には本人の意思をしっかり確認してもらい、提示したライフプラン参考にしてもらうようにお願いすることになります。また尊厳死宣言書などを作成している場合は、延命治療の有無もそちらで確認してもらいます。 できるのなら親族さんにお願いするということも必要です。
病院に入院するとなった時、任意後見人に身元保証や入院費の保証などを任意後見人が求められることがあります。しかしこういったことも任意後見人の職務ではありませんし、代理権目録にこういったことを記載することも出来ません。 病院側には、任意後見人がついた段階で財産管理等 行う趣旨を理解してもらい保証人や身元保証が必要でないことを理解してもらいましょう。
ただ今後のケアプランの作成や変更などを考えると時には病院に同行し、ご本人の様子や医師から状況を伺うという事も必要でしょう。本人の体調が変化し、入院の必要がある場合は任意後見人がその入院契約手続きを行います。また付随して衣類の貸与、洗濯など各種サービスの契約も有ります。 ここで注意が必要なのは、医療を受けさせる(手術をするしない)や入院させるといった権限は、任意後見人にはありませんので、本人の意思を最優先に行いましょう。
任意後見人として医療機関でのいろいろな対応の必要性もあるかと思います。これも代理権目録に記載があるという事が前提ですが、一般的にはふくまれると思います。 任意後見人は、本人を代理して病院等の医療サービス事業者と契約を結んだり、契約内容を変更したりすることが出来ます。 通院への同行については、事実行為となり本来は任意後見人の職務ではありません。しかし依頼されたりやむを得ない状況でおこなうこともあるかと思いますが、できるだけヘルパーさんなどに依頼しましょう。
介護保険サービスの利用の申請、更新手続きを代理でするというのも身体保護にあたっては重要です。もちろん代理権目録に記載があるのは必須です。 本人や本人の支援者、医療・介護関係者から十分意見を聞いて、必要性を検討したうえで進めていきます。介護認定の申請手続きを行うと調査員からの聞き取り調査というのがまず入りますが、出来る限り後見人も同席したほうが良いと思われます。介護度は今後の後見事務にも大きく関わってくることですし、調査員への対応をフォローすることで本人からの信頼を得ることも可能だからです。
任意後見契約書とは別にライフプランというのも事前に作成しておきます。これは本人の生活の経歴や病歴、嗜好、通院している医療機関、友人関係など 身上保護を行っていくにあたって必要な情報であり、指針でもあります。 一般的には、任意後見契約締結の前後に作成され、必要に応じて修正されていきます。時が進むにつれ本人の意向がくみ取りにくくなっていきますので、このライフプランは有用です。ただし事情の変化も起こってしまうので、このライフプランを絶対視しすぎるのも危険です。
施設入所の場合は本人や介護スタッフとともにコミュニケーションをとりながら生活環境改善にむけて行動します。具体的なポイントとしては食事の質、部屋の清掃状況、介護の対応などです。 本人が伝えづらかったり、気づいていない部分については後見人が要望を代弁したり、クレームをあげたりという事も必要です。場合によると他施設への移動も本人の意思を確認したうえで検討することも必要です。
生活環境への関与も身上保護にあたっては必要です。ただ在宅か施設入所によって対応が変わってきます。 在宅の場合は、本人の意向をしっかり確認し快適な生活がおくれるような手配をしていきます。 介護ベッドや手すりの設置、室内用歩行器具の購入、レンタルなど。配食サービスやヘルパーの利用も検討します。このあたりはケアマネさんや介護支援者などと相談の上、本人の了解、賛同を得たうえで行っていきます。
とくに後見契約発効のきっかけとなる事理弁識能力については、変化していくという事にも注意しなければなりません。認知症などの場合、一定程度低下してしまった事理弁識能力がさらに低下していく傾向にあります。本人と定期的に面談しその傾向を確認する必要があります。 最初示していた本人の意向も変化する可能性があります。介護サービスや施設への入所、医療行為等、その場合も本人の意向をできるだけくみ取って修正し本人意思の尊重に努めていきます。
任意後見人の業務としては、代理権目録に基づく 身上保護関係事務と財産管理事務がメインとなります。 まず身上保護関係事務から見ていきます。業務を行うにあたっては「本人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない」とされています。この趣旨実現にむけて、ご本に定期的に面談したり周りの方から聞き取りしたりするという事が重要になってきます。聞き取り内容としては心身状態の変化、生活の様子などになります。
〇親族関係者への通知 委任者である本人の親族関係者には、漏れなく通知し連絡をしておきましょう。疎遠になっている親戚などもこれを機会に協力が得られるようになるかもしれませんし、変な誤解が生じるのを防ぐことが出来るかもしれません。 〇その他関係機関への通知 代理権目録の記載内容によっては、年金事務所、税務署などにも証明書を示して就任の通知をしておいた方が良い場合も有ります。
もう一つ後見人就任にあたり重要な事務は、各関係機関への通知です。任意後見登記事項証明書を提示します。 〇市区町村への通知 介護保険の手続き申請や本人に関する各種届や申請が円滑に進めることが出来るように提示などしておく必要があります。 〇医療、介護、福祉関係機関への通知 本人が利用している医療機関、介護福祉機関などに通知をしておくことで、健康状態や生活状況などを知らせていただくことも可能になります。 ケアマネージャーや民生委員など身近に対応していただいている方には特に通知というか挨拶や連携を取っていくことで今後の業務に大きな助けとなります。
任意後見事務を適正に行っているというのを示すために、自らの活動記録を残すことは大切です。しかし身内の人間が後見人になった場合なかなか難しいところがあります。 後見事務を行った日時や場所、事務内容など日誌に記録をつけて後日しっかりと確認できるようにします。また金銭については、金融機関への預入、払戻しの記録、領収書やレシートに基づく支出の記録を現金出納帳に記載していくことが必要です。 監督人への報告だけではなく、第三者が見ても明らかなようにしておくという事ですね。
任意後見人は、自らの後見事務を行うにあたって定期的に任意後見監督人に報告する必要があります。なので任意後見契約が発効した際には速やかに任意後見監督人に連絡し打合せをする必要があります。 任意後見監督人からは、後見事務全般に関する指示や指導をうけたり、また報告に関しての具体的な内容や時期回数などを確認することが必要です。任意後見監督人は、後見人が急迫な事情により事務が行えない場合、後見人に変わって事務を行うことも有るので、情報共有 意思疎通は大事です。
あとで困らないように代理権目録には、必要最大限の範囲で代理権を定めておきます。もちろん不必要不適正なものはダメですが、ご本人が訴訟を起こさないといけないような場合の代理や現在は未婚でお子さんもいないが、配偶者や子、養子などが将来存在することも見据えて代理権目録に加えておく事務というものもあります。 任意後見契約の代理権目録は裁判所の用意した雛形も有りますので、それに追加する形で委任者の生活をいかに保護していくかということを考えていきます。
契約段階で受任者としては、理解しているとはいえ発効段階では時間もたっていますので、この任意後見登記事項証明書の内容はしっかり確認しましょう。 任意後見人の権限は、任意後見契約書の中で定められた各条項並びに代理権の範囲内に限られます。 代理権目録に記載していない業務を行うには、別途個別に委任をしてもらう必要があります。しかし実際にはご本人の意思決定が難しい状況に陥ってしまった場合、法定後見に移行するということも検討しなければなりません。
任意後見監督人が選任され、任意後見人として事務を開始していくためには「任意後見登記事項証明書」を取得する必要があります。この登記事項証明書に記載している代理権目録に従って事務を行います。 また第三者に対しては、この目録をもって自己の権限について証明していきます。この登記事項証明書は、監督人選任後2週間程度で取得することが出来ます。
任意後見契約の魅力は、後見人になってもらう人を自由に選べる事です。なので後見される人にとって信頼のおける身内を選ぶことが可能です。 法定後見の場合も希望として後見人を申し出ることはできますが、必ずしも望んだ人がなるとは限りません。現状は弁護士、司法書士、社会福祉士などがなることが多いです。 なので身内の方が、任意後見受任者になるという前提で就任後の動きを見ていきたいと思います。
任意後見監督人選任申立てには、いろいろ費用が掛かります。主な申立て費用は 収入印紙 2200円(申立手数料800円、登記手数料1400円) 郵便切手 4000円弱 鑑定費用(必要な場合のみ)10万~20万 あとは各種書類の取得費用ですね。申立人の負担となりますので、受任者が申立てをする場合は、契約書のほうに最初からその費用負担も盛り込んでおいた方が良いです。
家庭裁判所のいろいろな審理手続きをへて いよいよ任意後見監督人の選任です。現在任意後見監督人のほとんどは、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職であるといわれています。 任意後見監督人には、配偶者や親族などがなることが出来ません。申出書にたとえそのような方を記入していたとしても欠格事由にあたり、選ばれません。 監督人は、財産管理など重要な権利と義務を持つ受任者を管理する必要があるため、第三者視点が必要という事ですね。また家庭裁判所の代行でもあるので高度な信用度が必要という事です。
⑥申立て取立ての制限というのは何かといいますと、任意後見監督人選任の申しては、審判される前であっても勝手に取り下げは出来ません。家庭裁判所の許可が必要になるという事です。 たとえ①~⑤までの調査で受任者にとって不都合な内容のことが出てきたとしても、家庭裁判所が取り下げ許可を出さないかぎりは、無理だという事になります。
③受任者への意見聴取は必ず行われます。聞かれる内容としては、委任者との関係性、任意後見契約締結にあたっての経緯、受任者の現在の状況、今後の任意後見人としての業務に関してなどです。 ④鑑定は、原則医師の診断書があれば実施されませんが、委任者の状況次第では行う場合も有ります。 ⑤親族への意向照会は、家庭裁判所が必要と認めたときに書面で行われます。
①委任者との面談については、メインは本人が任意後見契約発効に際してその同意を行っているのかどうかです。実際の家庭裁判所の担当者が直接確認します。もし病院に入院しているような場合でもそこへ赴きます。 ②任意後見監督人となる人への意見聴取は、申立書に監督人の希望を記載した時に行われるものです。
審理手続きの流れですが、家庭裁判所は家事事件手続法にのっとって審理手続きを行います。 ①委任者(本人)との面談 ②任意後見監督人となる人への意見聴取 ③受任者への意見聴取 ④鑑定 ⑤親族への意向照会 ⑥申立て取立ての制限 などです。以下のその内容を見ていきます。
申立てにあたっての書類ですが、これが結構あります。詳しくは家庭裁判所で確認いただきたいのですが 任意後見監督人選任の申立書 親族関係図 財産目録 診断書 本人情報シート 委任者関係書類(戸籍、住民票、同意書・・・) 受任者関係書類(戸籍、住民票) 任意後見契約書類(登記事項証明書、任意後見契約書・・・) などなど いろいろ大変です。
任意後見監督人選任を申立てできるのは以下のとおりです。 任意後見委任者(本人) 委任者の配偶者 委任者の四親等内の親族 任意後見受任者となります。身内のいない方の場合は、受任者だけが申立て権者です。法定後見開始申し立ては、検察官や市区町村長などが出来ますが、そこに違いがあります。ケアマネージャーといった第三者には出来ないという事ですね。
申立ての時期について周りの人間がおかしいぞと気づき、医師の判断により委任者の事理弁識能力が不十分であることが確認されたときにはできるだけ早く申立てをすることが必要です。 委任者が元気であれば、接見などもしやすく新たに選任される監督人とも意思疎通がしやすいといえます。 また任意後見制度は、委任者の意思を尊重を重視していますので、出来る限り委任者本人の同意をもって開始するというのが望ましいということだと思います。
ここまでは、後見制度を利用するために 事前に任意後見契約を作成するというお話でした。 ここからは実際に任意後見制度は発効するにあたってというお話を見ていきたいと思います。任意後見契約を開始するにあたっては、家庭裁判所に申出をして任意後見監督人をまず選任しないといけません。 必要な任意後見監督人選任申出の要件としては 〇任意後見契約の登記がされていること 〇精神上の障害により委任者の事理弁識能力が不十分な状況にあること 〇委任者による申立てであること、又は委任者の同意があること。(ただし委任者がすでにその意思表示が出来ない状況にある時は不要です。)