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死後事務が完了すれば、その記録(いつどのような事務を行ったか?)を作成し、領収書、残金と共に相続人等に引き渡す必要があります。 死後事務委任契約は、民法の委任契約の規定が適用されますので、事前に報酬の定めがないと受領できません。支払時期については契約に定めがあればそのタイミングでなければ、事務が完了した時点でという事になります。
【水道 電気等の契約解除】 水道 電気 ガスといった公共料金の発生する契約の解除や携帯電話、インターネットなどの通信契約の解除は、無用な債務を発生させないということで保存行為にあたり、速やかに実施される必要があります。 生活保護を受けていた場合 支払いを免除されている場合がありますが、死亡が確認された段階で免除が亡くなり、料金が発生するなんてことも有りえます。契約にかかわるところは事前に十分把握しないといけません。
【賃貸物件 借家などの解約など】賃貸しているアパートや借家などの賃借権も財産の一部になります。相続の際には考慮しなければなりません。なので本人が亡くなった後受任者が代わりに賃借権を消滅させるような場合は慎重に行う必要があります。 賃貸契約の条項の中に本人の死亡による賃借権の消滅と入れておくか、特約を賃貸人と結んでおくといった方法も必要かもしれません。
【家賃、入院費、施設利用料の支払】 本人が死亡した時点での家賃、入院費、施設利用料などを本人から預かっていた現金から支払います。相続財産である預貯金からは引き出すことは出来ませんのでご注意ください。後日その領収書は相続人に開示する必要も出てきますのでしっかり保管しておきます。 なお この支払い行為が相続人の単純承認とみなされるかどうかはまだ判例がありませんので、グレーゾーンではあります。相続放棄する必要があるような案件では慎重な対応が必要です。
では死後事務の実際の内容についてひとつひとつ見ていきたいと思います。【遺体の引取り、葬儀、火葬、埋葬】と【病室、施設の撤収】本人が死亡されると、まず病院や施設から速やかに遺体の引取り、利用していた居室から所持品の撤去などを求められます。遺体の方は事前に決めていた葬儀社に連絡、遺体の引取りを依頼します。 撤収に際しては、あくまでも相続人に引き渡すことを前提として預かります。ただ使用済みの下着、衣類、食品などは廃棄してしまってよいものもあるかと思います。
任意後見から死後事務への流れについてですが、本人が死亡した場合、相続人や親族等がいる場合速やかに連絡をとるというのが先決です。死後事務を委任されるぐらいですので、親族間が不仲であったり、疎遠であったりする可能性も高いです。ただ法定相続分や遺留分の存在するといった財産に関して権利を持っているいる方がいる場合はその了解を取っておかないと後々トラブルの元になることも有り得ます。 あと事務に係る費用を事前に預かる場合もあるかと思いますが、その場合預かり口座をつくるなどしっかりご本人の資産として別に管理する必要があります。
死後事務委任契約の締結について 時期については任意後見契約と同時もしくはその後でも構いません。但し時間を置いた場合 任意後見事務が開始されてからとなると本人の判断能力が低下し、本当にその意思があったのかどうかという事が、相続人などから疑念を持たれることも有るので早めに行ったほうがよいでしょう。 また必ずしも公正証書で作ることは義務化されてはいませんが、公証人に本人の状態も確認したうえで死後事務委任契約を作成したほうが安心です。
任意後見人が死後事務も受任した場合、死後の債務となる入院費や施設利用料の支払い、病室や居室の明渡し等も受任者によりスムーズに行われることが期待されます。病院や施設側としても本人を受け入れるにあたっての安心感につながり、本人の入院 入所の際にも抵抗が少なくなります。 ただ死後事務の実行にあたっては、財産処分や葬儀費用の支出に関して相続人との関係や遺言書内容のとの関連もあるため慎重に内容を設定する必要があります。
具体的な死後事務内容としては、委任者の死亡直後の葬儀、火葬、埋葬や親族関係者への連絡、入院費や介護施設利用料の支払い、家財道具の処分、行政機関への届出などがあげられます。 どういった葬儀をしてほしいといった葬儀の執行方法については、遺言書で定めることは出来ません。また任意後見契約では本人の死亡とともに契約が解除されるため対応ができません。そういったことから死後事務委任契約は、本人の死亡直後の課題を解決するという事に長けています。
一部最低限の火葬や葬儀、早急に対応しないといけない支払いなど任意後見人が対応する場合も実状ありますが、原則業務外のお話しです。 また管理、処分できる権限というのも曖昧です。こういった事務を誰かに引き継ぐことが難しいのなら死後事務委任契約を本人に結んでおいてもらうという事が必要です。自分自身が受任しないとしてもです。ただこの任意後見後の流れをスムースに行うなら、遺言執行者になり、死後事務委任まで行えれば、管理処分の面からも完結できるといえます。
任意後見契約の本人が死亡した場合、任意後見人は、その相続人や遺言執行者へ財産の引継ぎを行います。その時財産の問題ではなく、死亡直後の遺体の引取りや火葬・埋葬、未払いの入院費の支払い等の問題が目の前に現れます。 相続人がいたり親族がいておまかせできると問題ないのですが、実際遠方に住んでいたり、疎遠になっていてそういったこと全般を拒否したりとなると大変困ります。
遺言書の自分の財産の行き先を考え、任意後見契約で認知症になったりした万が一に備える、そういった終活活動をしていく中でやはり気になるのは自分が亡くなった後のことです。 特にきっちりした正確な方ほど自分が死んだ後 他人に迷惑をかけたくないという意思が強いものです。自分が亡くなる寸前まで人としての生活は存在します。どんなに準備したとしても継続しているいろいろな契約や死後必要となる事務など残ってしまいます。自分ではできない そのあたりのことを人に任せるというのが死後事務委任契約になります。
6で述べたものが必要になりますが、事前に公証役場へ確認を入れておいた方が良いです。 公証人によりますが、印鑑登録証書の代わりに写真付きの公的身分証明書と認印で可能な場合もあります。 また受任者が法人の場合は、法人の印鑑証明書、実印、代表者の身分を示す書類(登記事項証明書)、委任状など 個人で受任でする場合とはいろいろ違うところもあるのでご注意ください。
契約日に必要なもの。公証役場で契約をする日には、必要な書類や作成費用などすべてが揃わないと公正証書を作成することが出来ません。事前にメールなどで送っているもの全てではないですが、原本を持参しないといけないものも有ります。忘れものが無いように注意しましょう。 一般的なものとしては 〇委任者の戸籍全部事項証明書 〇委任者の印鑑登録証明書(発行から3カ月以内のもの)と実印 実印は結構忘れがち、もしくは違う印鑑だったりして困る場合も有ります。 〇委任者及び受任者の住民票(本籍地入りで個人番号不記載のもの) 〇受任者の印鑑登録証明書(発行から3カ月以内のもの)と実印 〇公証役場に支払う費用
ただし委任する内容(管理対象財産や契約内容)、公証人の先生により以下の書類を求められる場合も有ります。 金融機関の通帳 保有株式の明細書 生命保険 火災保険の保険証書 不動産の登記情報 固定資産評価証明書 車両車検証 など。 契約内容を裏付けるためにも必要という事ですね。
準備書類について任意後見契約書案の提出時 公証役場から求められる書類は以下になります。 委任者の戸籍全部事項証明書 委任者の印鑑登録証明書(発行から3カ月以内のもの) 委任者及び受任者の住民票(本籍地入りで個人番号不記載のもの)このあたりが一般的にもとめられるものになります。
どこの公証役場にするかが決まりましたら、公証役場に電話するかメールをしてどういった契約書を作りたくて、どんな書類が必要なのか確認しましょう。折り返し公証人事務係から返答があります。複数人公証人さんがいる場合はこのタイミングで今後誰宛に依頼すればいいのか教えてくれます。 メールアドレスは各公証役場ホームページに代表アドレスがありますのでそこで良いと思います。案文や必要書類などはいきなり送り付けないようにご注意ください。
ご自身で公正証書を作っていくぞということで、完成までの流れを見ていきたいと思います。 1 公証役場との打合せ公証役場は、お住まいの地域に複数あるとはいえ結構点在しています。都心部などでは、法人ニーズをふまえて近隣に複数あったり、一交渉役場に複数人の公証人がいることもあります。しかし地方だと数が少なかったり、公証人一人なんていうことも良くあります。 契約書の内容に関する相談は無料ですが、できるだけ要領よく質問等は行いましょう。基本予約が必要です。
任意後見契約書は、法務省令で定められた様式に従った公正証書で作成しなければなりません。ただその他の「見守り契約」「財産管理委任契約」「死後事務委任契約」「遺言書」などは公正証書で作らなければならないという法律はありません。 しかしこれらの契約で重要なことは、委任者・受任者の合意を明確にすることですので、公証人立ち合いのもと公正証書で作っておくというのが適切かもしれません。費用の問題がありますが・・・。
今まで見てきたように、任意後見契約については、その時期に応じて見守り契約、財産管理契約、死後事務委任契約、遺言書などを絡めて考え準備する必要があります。ただしすべてが必ずしも必要というわけではありません。 ご自身の生活環境、親族の有無、財産の有無などいろいろな事情を加味したうえで判断していただければと思います。必要に応じて相談だけでも専門家にすることも有りです。ぜひ慎重にご検討ください。
受任者に支払う費用ですが、死後事務委任契約に関してはじつはここが厄介な面でもあります。 死後事務は、期間や手間がかかり費用としては数十万単位となり、またその事務を行うためにも支払いが発生するため預託金として預かる金額が高額になりがちです。(葬儀をいくら簡素にしても十数万はかかります) この金額を、契約をしてから実行にうつる時期まで しっかり管理しておくというのは、委任者、受任者ともに負担が重いです。どちらの管理下に置くにしろ、双方の監視というのは必要になります。
「葬儀費用をもっと安くできなかったのか?」「あの遺品はどこへいった?」など委任者ご本人はもういらっしゃらないので、返答に困ることになります。 そうならないためにも死後事務委任契約書にできるだけ細かく反映させ付け入る隙を与えないようにしておくという事が必要です。契約書の中に委任事務の範囲を記載しますが、葬儀・火葬・納骨・埋葬に関しては委任者の強い意思として記載しておくことをお勧めします。
ただ死後事務に関してよく揉める一例をあげると、疎遠な親族しかいない場合です。 委任者としては、死後のことを任せたくない親族がいた場合、第三者にそれを死後事務として依頼することがあります。残った遺品はこう処分して、葬儀はこのようにやってほしいといった意向を受任者に伝えます。受任者はその通りやったとしても、残された親族としては欲しかった遺品や葬儀費用などにクレームつけるケースがあります。
ただどちらも亡くなった方の財産にかかわることですので、遺言書や契約書といった第三者が見ても納得できる書類が必要という事です。そのため遺言書にしても死後事務委任契約書にしても必ずしも公正証書にする必要はないですが、公証人の手による書類にしておいた方がその信頼性は増すことになります。 委任契約というのは本来委任者が亡くなるとその効力が失われますが、死後事務委任契約に関しては失われません、本来そういった趣旨のものですし、かつての判例でも認められています。
任意後見契約の相談をされ、受任の依頼をされた場合はこの契約もご提案しておくべきかと思います。なぜなら残った財産を処分するという第三者が行うにはとても重い責任が伴うからです。 ここでよく質問されることですが、遺言書と死後事務契約の違いです。簡単に言うと遺言書は最終残った遺産の相続人への引き渡しや遺贈などの処分行為であり、死後事務は、あくまでも死後に行われる事務的手続きだといえます。
委任者が死亡した際の生存中の入院費や施設等の未払い債務の弁済、葬儀埋葬費の支払い、役所への届出、各種契約の解約などいろいろ業務が発生します。任意後見契約受任者が親族である場合はそのままこういったことも行われることになりますが、第三者が後見人になっている場合は勝手には行えません。 任意後見契約は原則亡くなるまでの契約です。最近必要最低限の手続き、葬儀についてはその範囲が広がりつつありますが、本来はその手前までです。こういった業務の事を死後事務と呼んでいます。
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先にあげたような事務は、今までは亡くなった方の一部の相続人が代わりに行ってきました。しかし相続人がいなかったり、疎遠であったりするとする人が実質いないということも有り得ます。 またこういう風にしてほしいという強い願望をお持ちの方もいらっしゃいます。そういった方が、その実現のために生前に死後事務委任契約を結んでおくのです。 これは遺言や任意後見契約などでは、対象とすることはできません。なので遺言書を作られたときにあわせて作成することも多い契約です。逆に死後事務委任契約だけを受けていて、遺言書がないと処分や手続きが済んで残った財産の行き先にこまることも有ります。
死後事務としてあげられるものは、◎入院していた病院や施設などの費用支払い、その他の債務の支払い◎保証金などの受け取り◎遺体の引取り、葬儀の段取り、埋葬手配など◎居住していた家屋の明渡し、家財道具の処分◎親族など関係人への連絡◎死亡に関連する行政機関への手続き などなど ほんといろいろあります。
今 けっこうニーズがあるのがこの死後事務委任契約。ニュースなどで、亡くなって数週間たって発見された孤独死なんていう報道があるとその必要性を感じますよね。 死後の手続きというのは、いろいろ面倒なことが多く、最後まできっちり人の迷惑にならないように逝きたいという方は結構おられます。そのためにはしっかりとした契約を公正証書などで作っておかないとすべてが人の財産であったりするので、外部の人間・企業や行政などは対応しにくい面があります。本当にその人が、亡くなった方を代理して手続きする権限があるのか?という事ですね。
遺言と併用する生前契約として死後事務委任契約というものがあります。これは死後の手続きをしてくれるような家族・親族がいる場合は必要がないかもしれません。おひとり様の場合で、そういった手続きをしてくれる人がいない、若しくはしてほしくないと言った場合は、準備しておく必要があります。 人が亡くなった場合する手続きとしては、まず病院や施設に入っていた場合はその退去にかかわる手続き、葬儀、行政への届出、各種解約手続き、いろいろな支払いなど様々なことがあります。
『釈迦は、この世の悩み・苦しみの根元は、「思いどおりにならないこと」と見抜いた。だから、「思いどおりにしようとしないで、受け容れよ」と言った。その最高の形は、「ありがとう」と感謝することだったのです。
死後事務委任契約ってなんのためにするの?というのは思いますよね。なかには死後のことは自分に関係ないから知らないなんて人もいます。 でも人生の最後まで、自分が選択、決断で決めた方法で生活を送りたい。そして最後には尊厳のある自分らしい最後を迎えたいという方も多くいらっしゃいます。 それとともに、おひとりの方が週末期にむけて感じる不安、苦痛、孤独、死への恐怖などを自分自身前向きに対策を講じることで和らげることもできます。 もし気になる方がいらっしゃれば 一度ご検討されてみてもいいかもしれません。
【尊厳死宣言】 これは必ずしもいるというわけではないですが、末期がんなどの重い病気に罹ったり、意思表示が出来ないような状態になった時に効力が発生します。末期の治療では、延命を重視して患者にとって負担になる治療が処置される場合があります。医者の立場としては、正当なのかもしれませんが、患者の多くは助かる見込みがなく意識もない状態なら、痛みを軽減する処置さえしてくれれば延命を求めない方も多いです。 そういった意思を尊厳死宣言書で残します。法的な拘束力はないですが、医療従事者のほうでも患者の意思を尊重し、尊厳死を容認するという傾向にあります。 ちなみに任意後見契約は公正証書でつくる必要がありますが、尊…
【任意後見契約】 ご本人が高齢になるに従い、認知症による判断能力の低下というリスクが高まります。認知症になった場合 生活に関わる金銭面のことや契約手続きなど生活に支障がでるレベルで問題となることがあります。ただこのあたりは個人の重要な権利にも関わることですので、第三者が容易に踏み込むことができません。そのため公正証書で後見事務の内容を契約書で確定し、運用の際には後見監督人がついた状態で公正を担保し進めていきます。 この後見監督人は、家庭裁判所が選任し、月単位で別途費用が掛かります。
【見守り 身元引受契約】 孤独死を防ぎ、死後事務を円滑に進めていくために必要な手段がこの契約になります。おひとりで生活されている場合、定期的な安否確認というのは重要です。また体調がわるくなり、入院や施設入所となったとき、身元引受人や緊急連絡先といったものが必要になります。公的には身元引受人は必ずしも求めないとなっているようですが、やはり施設側としてもそこは欲しいようです。 契約期間は、契約時から死亡若しくは後見契約開始までとなります。
死後事務委任契約は、ご本人の抱える不安や不便を解消し軽くするための手法としては、とても有効な手段といえます。ただ そこにまつわる孤独死や遺産相続の問題まで考えるとカバーしきれないことも有りますので、並行して他の手段も組み合わせる必要があります。 現在の状況から、徐々に体調不良や判断力の低下、終末期、死後という流れにそった形での対策が必要になってきます。 ご自身の状況に合わせて検討いただければと思いますので、少しその手段 それぞれについてご紹介していきたいと思います。
■ 親族が遠方に住んでいる■ 身近な親族が高齢 この二つのパターンも共通して、死後事務を任せにくいというケースです。またこの両方が合わさっていることもあります。死後事務は、時間と体力をつかうことでもあります。親族との関係は良好であるが、負担はかけたくない、そういった方が多いという現実があります。 この場合、第三者が死後事務委任の依頼を受ける場合、親族と連絡をとりあい、協力関係をしっかり作っておくということも大切です。
■ 親族と交流がない これも非常によくあるパターンです。親兄弟といった親族がいるが、長く疎遠になっていたり、過去にいろいろ揉め事があって絶縁のような状態になっているケースです。親族の力は借りたくない、親族へ財産も一切渡したくない、たぶんしてくれもないだろう、といった感じです。 こういった場合は、死後事務委任契約とともに遺言書も同時に公正証書で作成しておかないと、お金の面などで結構揉めることになる可能性がありますので注意が必要です。
■ 兄弟がいない 子供がおらず、親がすでに亡くなっている場合は、兄弟に頼まざるをえないということになりますが、一人っ子であれば頼れる親戚もいないことになります。つまり法定相続人がだれもいないという事になります。 また親が亡くなっておらず高齢だった場合、もし自分が先になくなってしまったら、誰が親の面倒を見るのかという不安も抱えることになります。
死後事務委任契約を検討される方、また必要とされる方はどのような方なのでしょうか?■ 子供がいない 看取りや死後事務は自分より若く、最も身近な親族である子供が担うというのが一般的でしたが、少子化であったり、未婚率の上昇などから子供がいないということも増えてきています。では子供がいない人は「誰に頼めばよいのか」という悩みに陥ることになります。
この事例では、悪い人は誰も出てきていません。甥御さんに迷惑をかけないように、少しでも遺産を残そうとした叔父さん、善意から保証人となり、死後の手続きもした甥、部屋を提供した家主さん。 ただこういった状況でも孤独死は、悲劇を生み出してしまうのです。 孤独死は、人としての尊厳を最後に損なってしまうものです。腐敗した姿で亡くなりたくない 誰しも思うことだと思います。見守りサービスなどで孤独死を防ぎ、死後事務委任で自分の望んだ葬儀を執り行う。おひとり様になってしまう方は、ぜひご準備を検討いただきたいと思います。
そんな中 叔父さんはなくなり、不幸にも孤独死で遺体の発見が遅れました。特殊清掃を行わなければならない状況でした。相続人が他にいなかったため、甥御さんが全ての手続きをし、残された家財道具の処分なども行いました。 一息つく間もなく、甥御さんが家主から請求された特殊清掃の費用は300万円でした。甥御さんとしては、善意で賃貸の保証人になり、叔父さんの死後に尽力したにも関わらず、250万という借金を背負ってしまうということになってしまいました。
こういう事例もあります。 ひとりぐらしの叔父さんの賃貸住宅の入居時の保証人をたのまれた甥御さん。そのお礼にと 残せる遺産はわずかだがすべて甥御さんにとしていました。相続人も他にいません。叔父さんも迷惑はかけないようにと借金もせず慎ましく暮らしていました。いろいろな手続きをしたとしても50万円ぐらいは残してやれそうだ、そう考えていました。
不動産オーナーにとっても原状回復するための費用や清掃に大きな費用が掛かります。この清掃は特殊清掃といい専門の業者が入って、特殊な薬剤をつかっての消臭、床材などは全部張り替えないといけない状況になったりもします。 またそういった事故物件になってしまうと借主側としては、どんなにきれいな状況になっていたとしても、心理的に借りづらくなります。そうなると家賃なども大幅にさげないといけなくなったりします。結果的に身寄りのない単身者に部屋を貸すのをためらうオーナーが出てきてしまうという事になってしまいます。
二つ目の問題は、孤独死が発生してしまうとすぐに発見できずに、数週間ひどいときには何か月もたってから発見されるという事が起こってしまうという事です。そのような悲惨な現場というのも衝撃的な事実ではありますが、遺体の腐敗が進行してしまうとその不動産自体に大きな損傷をもたらしてしまうという問題が生じます。遺体の腐敗が進行してしまうと、異臭や害虫の発生、遺体から浸潤した体液によって床材などが深刻なダメージを受けてしまいます。
孤独死の多くは都市部で発生しており、毎日新聞の発表によると全国の政令都市で亡くなった人の3.3%が引き取り手のない遺骨として、保管されているようです。その中でも多いのが大阪で市内の死者の約10%にも上ると言われています。 地域によっても差がありますが、火葬のみの葬儀で遺骨を低廉な納骨堂におさめたとしても、最低でも20万~25万程度かかります。大阪市の場合 概算でも7億円~8億円の財政負担だとゆうことができます。 これらの費用は税金でということになりますので、如何にしてこういったことを防いでいくのかということは、社会全体で取り組んでいかないといけない課題だといえます。
ここで気になるその費用についてですが、亡くなった方の遺留品中に現金や有価証券があればそれを充て、足りなければ市町村が立て替えします。ただし 孤独死を迎える単身者は、費用を弁済してくれる親族などがいないケースが多く、結果的に都道府県、市町村などが負担することが多いようです。