メインカテゴリーを選択しなおす
親が認知症になる前に子が財産管理するには?任意後見と家族信託の違いに注意!
親が認知症になる前に子が財産管理をする方法とは?家族信託なら元気なうちから管理状況を確認でき安心。任意後見との違いや注意点を詳しく解説します。
任意後見人が解任された場合、そのタイミングでは任意後見契約を他者と結ぶという事は理論上不可能なので、法定後見を検討することになります。 任意後見監督人も申立人となって法定後見開始の審判の申立てが可能です。 すこし別の話ですが、任意後見監督人が何らかの事情で欠けた場合は、新たに選任という事になります。これは任意後見制度上、任意後見監督人は必要な機関になるからです。任意後見監督人に不正や不行跡があった場合はどうなるでしょうか? この場合は、本人、親族もしくは検察官の請求によって家庭裁判所が解任をさせます。ただしここに任意後見人は入っていません。
ここでのポイントは、家庭裁判所の職権では出来ないという事です。監督業務の中でもしそのような疑わしい支出が発見されたときは、領収書などの証拠書類の提出や面談などをおこない事情の確認を行います。もし事実とある場合はその返還を任意後見監督人がもとめます。 任意後見人は、本人が信用し選んだ相手なので、不正をしたので直ちに解任というのも早計な場合もあります。任意後見にが直ちに全額の返金をし、その過ちにたいする誠意が見られるようであるならば継続することも考えられます。家庭裁判所へは報告をし、その判断は慎重にすべきかと思われます。
最後に 監督人の重大な役割のひとつである「任意後見人に不正があった場合」の対処です。一番多いのが任意後見人による本人財産の流用です。士業などが不正を行った場合 マスコミなどで取りざたされたりして注目を浴びますが、親族が任意後見人として行った場合は、その境界線がぶれやすく表面化しないことも有ります。 任意後見契約に関する法律8条には「任意後見人に不正な行為、著しい不行跡その他任務に適しない事由がある時は、家庭裁判所は、任意後見監督人、本人、その親族又は検察官の請求により、任意後見人を解任することができる」とあります。
任意後見監督人は、もしもの時に任意後見人に代わって事務を行うことがあります。監督という視点だけではなく、任意後見人という立場にたっても事務が行えるように、本人の意思や現状の問題点などを把握しておく必要があります。 また本人が入所している施設や病院などがあれば事前に自分の存在や役割を知らしておくような配慮や関係性を築いておくことが大切です。
任意後見人がしっかり面会し業務をおこなっているのかどうか、話しぶりなども参考に見極める必要があります。 任意後見人が判断に迷うような場面、施設の入所や不動産の売買など重大な判断を要する場合などでは任意後見監督人も本人に会い、様子を確認したり意思を確かめたりということもあるかと思います。 ある程度臨機応変に本人に会う機会を設ける必要もあるかと思います。
財産管理の次は身上保護です。これも財産管理と同じように重要です。ただしあくまでも任意後見契約書の中に、本人の身上保護に関する法律行為の委任の条項があることが前提です。 身上保護については、本人と直接会うわけではないので丁寧に詳しく本人の様子を聞き取るという姿勢が大切です。前回と同じです、はいそうですかという対応ではだめです。
任意後見人の財産管理の点で注意しなければいけない点は、ご自身の財産と一緒になっていないかという事です。ご親族が任意後見人の場合善意悪意を別としてそのあたり曖昧になってしまうことも有り得ます。分別管理の徹底を心がける必要がありますが、同居の親族が任意後見人になっており、本人が生活費を出費しているような場合非常に難しいことがあります。 そのような場合は、任意後見監督人が積極的に分別管理のための支援をする必要があります。
任意後見人に報告時 持参してもらう書類は、業務日誌、金銭出納帳、領収書などです。また通帳などは直近のものまでわかるように記帳してきてもらうことも必要です。ネットバンキングなどの場合は履歴をプリントアウトしてきてもらいましょう。 通帳履歴などには鉛筆などで使用した内容のメモ書きなどを書いてもらうと後々確認が楽になります。
任意後見人が任意後見監督人に報告を行う時期、形式に関しては、任意後見契約の中に 何か月ごとにという記載があればそれに従います。もしない場合は適宜となりますが、任意後見に関する法律によると監督人はいつでも求めることが出来るとありますので、必要に応じて求めることも可能です。 任意後見人が親族である場合などは、報告業務に不慣れなところもあるので、3カ月に1回という比較的短いスパンで指導しながらおこなうほうが良いでしょう。
任意後見監督人についてどんな人なの?という性格的なものはご理解いただけたと思いますので、実際の業務についてのお話しに移りたいと思います。 まずは財産について。この財産管理の監督については、法定後見の監督人と大きく違う部分があります。法定後見監督人の場合 本人の財産を減少させるようなことは原則認められませんが、任意後見監督人の場合は、それがあらかじめ任意後見契約やライフプランなどで示している意思に従っている場合 それが適正かどうかの判断で監督します。
任意後見監督人は、委任者が信頼して受任者としていた任意後見人であっても、 〇任意後見契約の代理権の範囲を超えていないか? 〇本人の意思を尊重しているか? 〇本人の心身の状況や生活に配慮しているか? という事を確認する必要があります。 特に身内の場合 代理権の範囲という意識が希薄なため注意が必要です。任意後見監督人は、任意後見人の事務と代理権目録の範囲と照らし合わせてチェックしなければなりません。
任意後見人の事務について、任意後見人から報告を受けてその事務が適切かどうかということを監督することが任意後見監督人の仕事です。その内容によっては、任意後見監督人自ら本人に面談することも有ります。 任意後見人は親族が担うという事も少なくないため、任意後見監督人は後見事務に関していろいろアドバイスしたり支援したりするというのも重要な役割です。
任意後見人は、任意後見監督人にのみ報告をし、任意後見監督人が家庭裁判所に報告するという流れです。 もし任意後見人に不正な行為等があったとしても家庭裁判所が職権で解任させるという事は出来ません。本人か任意後見監督人から解任請求を受けて初めて解任の対応をすることになります。
任意後見契約は任意後見監督人が選任されて初めてスタートしますといいますが、そもそもその監督人って何なんでしょう?言葉の意味からも 家庭裁判所によって選ばれるという意味合いからもなんとなくはわかりますが、その権限と役割に関してしっかり見ていきましょう。 任意後見契約というものはそもそも私的自治の契約です。簡単にいうと自分の好きで定めた契約ということが言えます。なので本質的には家庭裁判所の関与も監督人の介入もできれば控えたほうがよいというのがスタンスです。
死後事務が完了すれば、その記録(いつどのような事務を行ったか?)を作成し、領収書、残金と共に相続人等に引き渡す必要があります。 死後事務委任契約は、民法の委任契約の規定が適用されますので、事前に報酬の定めがないと受領できません。支払時期については契約に定めがあればそのタイミングでなければ、事務が完了した時点でという事になります。
【水道 電気等の契約解除】 水道 電気 ガスといった公共料金の発生する契約の解除や携帯電話、インターネットなどの通信契約の解除は、無用な債務を発生させないということで保存行為にあたり、速やかに実施される必要があります。 生活保護を受けていた場合 支払いを免除されている場合がありますが、死亡が確認された段階で免除が亡くなり、料金が発生するなんてことも有りえます。契約にかかわるところは事前に十分把握しないといけません。
【賃貸物件 借家などの解約など】賃貸しているアパートや借家などの賃借権も財産の一部になります。相続の際には考慮しなければなりません。なので本人が亡くなった後受任者が代わりに賃借権を消滅させるような場合は慎重に行う必要があります。 賃貸契約の条項の中に本人の死亡による賃借権の消滅と入れておくか、特約を賃貸人と結んでおくといった方法も必要かもしれません。
【家賃、入院費、施設利用料の支払】 本人が死亡した時点での家賃、入院費、施設利用料などを本人から預かっていた現金から支払います。相続財産である預貯金からは引き出すことは出来ませんのでご注意ください。後日その領収書は相続人に開示する必要も出てきますのでしっかり保管しておきます。 なお この支払い行為が相続人の単純承認とみなされるかどうかはまだ判例がありませんので、グレーゾーンではあります。相続放棄する必要があるような案件では慎重な対応が必要です。
では死後事務の実際の内容についてひとつひとつ見ていきたいと思います。【遺体の引取り、葬儀、火葬、埋葬】と【病室、施設の撤収】本人が死亡されると、まず病院や施設から速やかに遺体の引取り、利用していた居室から所持品の撤去などを求められます。遺体の方は事前に決めていた葬儀社に連絡、遺体の引取りを依頼します。 撤収に際しては、あくまでも相続人に引き渡すことを前提として預かります。ただ使用済みの下着、衣類、食品などは廃棄してしまってよいものもあるかと思います。
任意後見から死後事務への流れについてですが、本人が死亡した場合、相続人や親族等がいる場合速やかに連絡をとるというのが先決です。死後事務を委任されるぐらいですので、親族間が不仲であったり、疎遠であったりする可能性も高いです。ただ法定相続分や遺留分の存在するといった財産に関して権利を持っているいる方がいる場合はその了解を取っておかないと後々トラブルの元になることも有り得ます。 あと事務に係る費用を事前に預かる場合もあるかと思いますが、その場合預かり口座をつくるなどしっかりご本人の資産として別に管理する必要があります。
死後事務委任契約の締結について 時期については任意後見契約と同時もしくはその後でも構いません。但し時間を置いた場合 任意後見事務が開始されてからとなると本人の判断能力が低下し、本当にその意思があったのかどうかという事が、相続人などから疑念を持たれることも有るので早めに行ったほうがよいでしょう。 また必ずしも公正証書で作ることは義務化されてはいませんが、公証人に本人の状態も確認したうえで死後事務委任契約を作成したほうが安心です。
任意後見人が死後事務も受任した場合、死後の債務となる入院費や施設利用料の支払い、病室や居室の明渡し等も受任者によりスムーズに行われることが期待されます。病院や施設側としても本人を受け入れるにあたっての安心感につながり、本人の入院 入所の際にも抵抗が少なくなります。 ただ死後事務の実行にあたっては、財産処分や葬儀費用の支出に関して相続人との関係や遺言書内容のとの関連もあるため慎重に内容を設定する必要があります。
具体的な死後事務内容としては、委任者の死亡直後の葬儀、火葬、埋葬や親族関係者への連絡、入院費や介護施設利用料の支払い、家財道具の処分、行政機関への届出などがあげられます。 どういった葬儀をしてほしいといった葬儀の執行方法については、遺言書で定めることは出来ません。また任意後見契約では本人の死亡とともに契約が解除されるため対応ができません。そういったことから死後事務委任契約は、本人の死亡直後の課題を解決するという事に長けています。
一部最低限の火葬や葬儀、早急に対応しないといけない支払いなど任意後見人が対応する場合も実状ありますが、原則業務外のお話しです。 また管理、処分できる権限というのも曖昧です。こういった事務を誰かに引き継ぐことが難しいのなら死後事務委任契約を本人に結んでおいてもらうという事が必要です。自分自身が受任しないとしてもです。ただこの任意後見後の流れをスムースに行うなら、遺言執行者になり、死後事務委任まで行えれば、管理処分の面からも完結できるといえます。
任意後見契約の本人が死亡した場合、任意後見人は、その相続人や遺言執行者へ財産の引継ぎを行います。その時財産の問題ではなく、死亡直後の遺体の引取りや火葬・埋葬、未払いの入院費の支払い等の問題が目の前に現れます。 相続人がいたり親族がいておまかせできると問題ないのですが、実際遠方に住んでいたり、疎遠になっていてそういったこと全般を拒否したりとなると大変困ります。
遺言書の自分の財産の行き先を考え、任意後見契約で認知症になったりした万が一に備える、そういった終活活動をしていく中でやはり気になるのは自分が亡くなった後のことです。 特にきっちりした正確な方ほど自分が死んだ後 他人に迷惑をかけたくないという意思が強いものです。自分が亡くなる寸前まで人としての生活は存在します。どんなに準備したとしても継続しているいろいろな契約や死後必要となる事務など残ってしまいます。自分ではできない そのあたりのことを人に任せるというのが死後事務委任契約になります。
【社会保険料 税金等の支払い】通知のあるものは期限までの支払い、口座引き落としの場合は残高の確認をしておきましょう。 【債務の支払い】任意後見契約が発効した段階で、家賃や水道光熱費の支払いが滞っている場合があります。その場合は速やかに相手側に連絡をし支払いを済ませましょう。 自己破産手続きをしないといけないような状況の場合、任意後見事務の終了事由にもなりますので慎重な対応が必要です。
収入支出の管理はある意味 もっとも重要です。ここでずさんな管理を行うと任意後見業務が継続できなくなり、本人に多大な迷惑をかけてしまうことになります。親族のひとりが後見人だったとしても、後々親族間の大きな揉め事の火種となってしまいます。 【現金出納帳】本人から現金を預かったり、管理している通帳から現金を引き出したりした場合は、現金出納帳にしっかり記載していく必要があります。 入手金の記録とレシート等はきっちり合わせる 正確性が大事です。任意後見監督人に提出際も必要になります。 【領収書の管理】後見業務に使用した領収書は、しっかりと保管しノートに貼ったりあとで見やすくなるようにしておきましょう。
財産管理の代理権、とくに預貯金に関する取引について代理権が付されている場合、本人の意向を確認して通帳や定期預金書類を預り、金融機関に代理人届をだす必要があります。 金融機関には、任意後見登記事項証明書と任意後見人自身の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)などを提出します。 同様に証券会社、株式発行会社などにも必要です。 市区町村、税務署、年金事務所等には、手続き書類等が任意後見人の手元に届くように送付先変更の手続きをとることも必要になります。(これも本人の意向や状況を踏まえてですが) 紛失や手続き期限に間に合わないといったことを防ぐためです。
あとは不動産です。不動産については本人も不確かな部分があったりすることもあるので、名寄帳や納税通知書で確認し登記情報を取得します。登記情報では、所有権や抵当権などの担保権の有無、賃借権、地上権などの用益権の有無などを調べます。 未登記や納税義務のない道路などすこしややこしいこともあるので注意が必要です。 あとは動産、貴金属や絵画など資産として高価なものです。このあたりはしっかり目で確認し、念のため画像などでもおさえといたほうが良いです。後見期間中に紛失、盗難などで疑われないようにするために準備しておきましょう。 合わせて債務 つまり借金などがあるかも調べておく必要があります。
財産目録の作成に当たっては、通帳・証券類の確認をします。必要に応じて通帳などのコピーをとり、定期的に記帳をしてもらい残高を確認していきます。 通帳類を預り、出勤などをしていく場合は、本人に預り証を発行し、厳重に保管します。貸金庫や事務所の金庫などです。 生命保険、医療保険なども確認が必要です。更新や保険料の支払いなど業務としておこなわないといけないこともありますし、資産として財産目録への記載も必要です。
任意後見人の行う業務のもう一つ 財産管理関係事務です。身上保護を行うにあたっても必ず必要になるのが金銭です。その扱いを業務として行うことから透明性と正確さが必須となります。 任意後見人は法令上財産目録を作成することは義務化されていません。しかし任意後見監督人から本人の財産状況の開示を求められれば、いつでも報告できるようにする必要も有りますので、きっちりまずは財産目録を作成、そしてそれを最新の情報にしておかないといけません。
入所にあたり、契約書、重要事項説明書の確認と手続き、入所費用の支払いなどが主な業務となります。この時も可能であればご本人のも同席してもらいできる限り理解を促すようにお願いをします。 施設に入所してからも任意後見人としては、確認することは多くあります。契約書に書かれている介護サービスや室内の衛生環境などの確認も大切です。定期的に訪問して様子を確認しましょう。必要に応じて施設側に要望やクレームをあげることも必要になってきます。
施設の入所にかんしても、病院と同じように本人の意思を確認し進めていく必要があります。ただ高齢者施設にはいろいろな種類があり、ご本人の状況にあった施設を検討するにあたっては、地域包括支援センターやケアマネージャーなどの意見を参考にする必要もあるかと思います。 また必要に応じて施設見学に同行することもあるかもしれません。ただこの同行までは、任意後見人の職務かというとそうではないかもしれません。しかし今後 ご本人の生活環境の変化には密接に関わってくるところなので出来る限り同行しましょう。
医療行為の同意を任意後見人がすることは出来ません。もちろん代理権目録への記載という事も出来ないという事です。 つまり任意後見人が本人に代わり医療行為の諾否の判断ができないという事です。医師には本人の意思をしっかり確認してもらい、提示したライフプラン参考にしてもらうようにお願いすることになります。また尊厳死宣言書などを作成している場合は、延命治療の有無もそちらで確認してもらいます。 できるのなら親族さんにお願いするということも必要です。
病院に入院するとなった時、任意後見人に身元保証や入院費の保証などを任意後見人が求められることがあります。しかしこういったことも任意後見人の職務ではありませんし、代理権目録にこういったことを記載することも出来ません。 病院側には、任意後見人がついた段階で財産管理等 行う趣旨を理解してもらい保証人や身元保証が必要でないことを理解してもらいましょう。
ただ今後のケアプランの作成や変更などを考えると時には病院に同行し、ご本人の様子や医師から状況を伺うという事も必要でしょう。本人の体調が変化し、入院の必要がある場合は任意後見人がその入院契約手続きを行います。また付随して衣類の貸与、洗濯など各種サービスの契約も有ります。 ここで注意が必要なのは、医療を受けさせる(手術をするしない)や入院させるといった権限は、任意後見人にはありませんので、本人の意思を最優先に行いましょう。
任意後見人として医療機関でのいろいろな対応の必要性もあるかと思います。これも代理権目録に記載があるという事が前提ですが、一般的にはふくまれると思います。 任意後見人は、本人を代理して病院等の医療サービス事業者と契約を結んだり、契約内容を変更したりすることが出来ます。 通院への同行については、事実行為となり本来は任意後見人の職務ではありません。しかし依頼されたりやむを得ない状況でおこなうこともあるかと思いますが、できるだけヘルパーさんなどに依頼しましょう。
介護保険サービスの利用の申請、更新手続きを代理でするというのも身体保護にあたっては重要です。もちろん代理権目録に記載があるのは必須です。 本人や本人の支援者、医療・介護関係者から十分意見を聞いて、必要性を検討したうえで進めていきます。介護認定の申請手続きを行うと調査員からの聞き取り調査というのがまず入りますが、出来る限り後見人も同席したほうが良いと思われます。介護度は今後の後見事務にも大きく関わってくることですし、調査員への対応をフォローすることで本人からの信頼を得ることも可能だからです。
任意後見契約書とは別にライフプランというのも事前に作成しておきます。これは本人の生活の経歴や病歴、嗜好、通院している医療機関、友人関係など 身上保護を行っていくにあたって必要な情報であり、指針でもあります。 一般的には、任意後見契約締結の前後に作成され、必要に応じて修正されていきます。時が進むにつれ本人の意向がくみ取りにくくなっていきますので、このライフプランは有用です。ただし事情の変化も起こってしまうので、このライフプランを絶対視しすぎるのも危険です。
施設入所の場合は本人や介護スタッフとともにコミュニケーションをとりながら生活環境改善にむけて行動します。具体的なポイントとしては食事の質、部屋の清掃状況、介護の対応などです。 本人が伝えづらかったり、気づいていない部分については後見人が要望を代弁したり、クレームをあげたりという事も必要です。場合によると他施設への移動も本人の意思を確認したうえで検討することも必要です。
生活環境への関与も身上保護にあたっては必要です。ただ在宅か施設入所によって対応が変わってきます。 在宅の場合は、本人の意向をしっかり確認し快適な生活がおくれるような手配をしていきます。 介護ベッドや手すりの設置、室内用歩行器具の購入、レンタルなど。配食サービスやヘルパーの利用も検討します。このあたりはケアマネさんや介護支援者などと相談の上、本人の了解、賛同を得たうえで行っていきます。
とくに後見契約発効のきっかけとなる事理弁識能力については、変化していくという事にも注意しなければなりません。認知症などの場合、一定程度低下してしまった事理弁識能力がさらに低下していく傾向にあります。本人と定期的に面談しその傾向を確認する必要があります。 最初示していた本人の意向も変化する可能性があります。介護サービスや施設への入所、医療行為等、その場合も本人の意向をできるだけくみ取って修正し本人意思の尊重に努めていきます。
任意後見人の業務としては、代理権目録に基づく 身上保護関係事務と財産管理事務がメインとなります。 まず身上保護関係事務から見ていきます。業務を行うにあたっては「本人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない」とされています。この趣旨実現にむけて、ご本に定期的に面談したり周りの方から聞き取りしたりするという事が重要になってきます。聞き取り内容としては心身状態の変化、生活の様子などになります。
〇親族関係者への通知 委任者である本人の親族関係者には、漏れなく通知し連絡をしておきましょう。疎遠になっている親戚などもこれを機会に協力が得られるようになるかもしれませんし、変な誤解が生じるのを防ぐことが出来るかもしれません。 〇その他関係機関への通知 代理権目録の記載内容によっては、年金事務所、税務署などにも証明書を示して就任の通知をしておいた方が良い場合も有ります。
もう一つ後見人就任にあたり重要な事務は、各関係機関への通知です。任意後見登記事項証明書を提示します。 〇市区町村への通知 介護保険の手続き申請や本人に関する各種届や申請が円滑に進めることが出来るように提示などしておく必要があります。 〇医療、介護、福祉関係機関への通知 本人が利用している医療機関、介護福祉機関などに通知をしておくことで、健康状態や生活状況などを知らせていただくことも可能になります。 ケアマネージャーや民生委員など身近に対応していただいている方には特に通知というか挨拶や連携を取っていくことで今後の業務に大きな助けとなります。
任意後見事務を適正に行っているというのを示すために、自らの活動記録を残すことは大切です。しかし身内の人間が後見人になった場合なかなか難しいところがあります。 後見事務を行った日時や場所、事務内容など日誌に記録をつけて後日しっかりと確認できるようにします。また金銭については、金融機関への預入、払戻しの記録、領収書やレシートに基づく支出の記録を現金出納帳に記載していくことが必要です。 監督人への報告だけではなく、第三者が見ても明らかなようにしておくという事ですね。
任意後見人は、自らの後見事務を行うにあたって定期的に任意後見監督人に報告する必要があります。なので任意後見契約が発効した際には速やかに任意後見監督人に連絡し打合せをする必要があります。 任意後見監督人からは、後見事務全般に関する指示や指導をうけたり、また報告に関しての具体的な内容や時期回数などを確認することが必要です。任意後見監督人は、後見人が急迫な事情により事務が行えない場合、後見人に変わって事務を行うことも有るので、情報共有 意思疎通は大事です。