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つまり本籍地は何度でも変えることが可能だということです。そしてもう一つ面白いことは日本の領土内であれば好きなところに設定が可能だという事です。ディズニーランド、甲子園、富士山頂なども本籍地として選べることになります。 たしかに自分の本籍地 甲子園なんてちょっと魅かれますね。 近年の法律改正で、本人であるならば近所の役所でどこの本籍地の戸籍でも取れるようになったので、こういったことも増えていくかもしれません。
ただ以前は自分の戸籍も取得する際には、その本籍地に行って戸籍をとるか郵送請求するかしかなかったので意外と面倒だったわけです。 なので逆に転居のたびに本籍地を移すという方もおり、その方が亡くなって出生から死亡までの戸籍を請求するとスゴイ戸籍の束になることもありました。
自分の本籍地を確認するとこれどこなんてことがあります。最初生まれたときは親の戸籍に入りますので親の戸籍と同じです。 職業柄戸籍を確認することも多いのですが、3代前から本籍がみんな一緒なんてことに遭遇することもあります。 後の世代の人からみるとここどこ?になるわけです。でもあまり戸籍を取ることも無く関心のなかった方の場合そういうこともあり得るわけです。
このような意味があるので、相続の際には相続人が被相続人の戸籍を遡って取得する必要があるのです。 認知の方法ですが、戸籍上の届出で行うことができます。これはすんなりいくパターン。ただし認知される側が成年の場合は本人の承諾が必要です。支援はしてきてないが、老後の面倒は見てもらいたいなんてことは通じないという事ですね。 訴訟によって認知をさせるということも可能です。また本人死亡後に認知させることもできますが、亡くなって3年以内にしないといけないという制限もあります。
ただし認知されたからといって父親の戸籍に入るわけではありません。母親の戸籍にとどまります。 また認知に関しての内容は、父親の戸籍に記載が入りますが、新しく戸籍を作られた場合 父親の次の戸籍には転記されません。父親が新しい相手と婚姻したり、改製による新戸籍、または意図的に戸籍を新しく作成した場合などです。なので最新の戸籍だけからは、その人に認知した子供がいるかどうかなどはわからないことになります。
結論的には父親の戸籍には入りません。母親が出生届を出し、母親の戸籍に入ることになります。その子が結婚などによっては母の戸籍を出るまでは、その戸籍にとどまることとなります。 嫡出でない子供は母親の姓を名乗ることになります。戸籍の中には父と母の記載欄がありますが、この状態では父の欄が白紙になっています。ただ父親が認知をすれば父親欄には記載が入ることになります。
婚姻届けを出し戸籍に配偶者として記載のある妻が生んだ子は、夫の子であると推定を受けます。したがって出生届を出せば、その子は夫の嫡出子として戸籍に記載されることになります。 しかし夫婦間の子でない場合はそのように記載されません。けっこうこういった事例は多いようです。 ではこういった場合 どういった扱いになるものでしょうか?
紙でも管理だとどうしても破れたり汚れたり、文字が薄くなったりすることがあります。そういったことを解消するために電子化するという方法を取るようになりました。(コンピュータ化という謎の表現の仕方もあるようです。) ここから従来の縦書きからA4横書きが始まりました。 呼び名も戸籍謄本から「全部事項証明書」、戸籍抄本は、「一部事項証明書」となりました。とはいえほとんどの人が今まで通りの名前で呼んだりしておりますが。。。
戸籍に関して形式については今まで何回も変わってきましたが、本当に大きな変化としては電子化されたことではないでしょう? 今まではB4の丈夫な用紙を使って戸籍簿を綴るという まさにアナログな管理方法でした。古くは手書き 筆書きの頃からタイプ印字されたものであっても 謄本の交付は原本をコピーするというこれまたアナログな手法でした。
ちょっと戸籍とは別のお話しですが、戸籍の附票というものも存在します。 戸籍には、現在の居住の住所などを記載する欄はありませんが、戸籍の附票という別シートでその住所地を管理しています。この附票には、住民登録がされるたびにその附票に記載されることとなっており、住所の変遷が確認できるようになっています。 ただこの附票を取られることで、住所を知られたくない人に知られてしまうという(DV被害者)ことも起こりうるので役所として慎重にその請求者を審査しています。
これ以外に戸籍が自動的に複製されるということもあり得ます。戸籍法が変わることで戸籍の形式が変わった場合は本人の意向に関わらず新たな戸籍が出来上がることがあります。この前の戸籍のことを改製原戸籍といいます。 出生から死亡までの戸籍を集めると、時代によってはこの改製原戸籍にもあたることもあるので、一人の戸籍が4通5通となってしまうこともあります。
戸籍の形式も明治時代から現在までいろいろ変わってきました。明治時代の戸籍には親族一同が含まれるようなないようであったことは、先に述べた通りで、現在の戸籍は、一組の夫婦とその夫婦の子供毎に作られています。(これを夫婦同一戸籍の原則といいます。) 出生時にはいる戸籍があり、あとは人それぞれの人生の中で戸籍が作られていきます。 婚姻してあらたな戸籍に入る方、住所地が変わったついでに本籍地も変える方、ずっと本籍変わらず実家を守る方 ほんといろいろです。
戸籍の記載事項としては①氏名②出生年月日③戸籍に入った原因及び年月日④実父母の氏名及び実父母との続柄⑤養子である時は、養親の氏名及び養親との続柄⑥夫婦については、夫又は妻である旨⑦他の戸籍から入った者については、その戸籍の表示⑧その他法務省令で定める事項です。
今話題の不動産の相続登記にもこの辺りは必要になってきます。相続登記手続きにおいてもこの戸籍が必要で、亡くなった方の戸籍は出生から死亡までといった複数の戸籍が必要だからです。 実は祖祖父の土地がまだ登記されていなくて なんていう場合は、今まで亡くなった人すべてのひとの出生から死亡までの戸籍が必要ですし、明治時代の戸籍まで遡る必要がでてきます。 この明治時代の戸籍というのが曲者で、達筆なうえ筆文字、劣化のためかすれている どうやって読み取るの?なんてこともあります。
そもそも戸籍は何のためにあるのかという疑問がわいてきます。究極をいうと本人の存在の証明です。戸籍に記載されていることによって、誰を親としていつ生まれ、こういった名前で存在するということが明らかになります。 つぎに親族関係の確認と証明です。婚姻関係、親子関係(その他の親族関係)については、特に相続関係ではとても重要です。莫大な遺産が誰のものなのか?なんてドラマでも現実でもよくある話です。
日本で戸籍制度が出来たのは、明治5年です。ただ全くのゼロから作られたわけではなく、江戸時代の人別帳、宗門帳などから来ているともいわれています。 また明治維新のころ長州藩の制度が京都にもたらされたものが原型だという説もあります。 現在の戸籍にも筆頭者という記載がありますが、これは明治時代の戸籍の戸主の発想からきており今も残っています。ただいずれは日本も個人単位の戸籍制度になっていくでしょう。
これに対して世界の主流は、個人単位の記録簿です。世界でも同じような戸籍制度が存在すると思われがちですが、日本の戸籍制度はかなり独特のものらしいです。 ただ日本が戦争で占領していた国などでは一部残っているところもあるらしいです。
日本の戸籍のイメージは、「家」です。一つの家のなかの状態を紙面に書き写すと戸籍になる感じです。その昔「家」には戸主(家の中で一番偉い長)がいて、戸主を筆頭にその家族を記載したものが戸籍でした。 なのでその戸籍には、親戚の叔父さん、叔父さんの奥さん、おじいさんやおばあさん、孫までたくさんの人の記載がありました。その当時の家の在り方もそれに近かったといわれています。
いきなり戸籍の取り方なんてところから話を始めましたが、戸籍というもの自体を見ていきたいと思います。 戸籍というものは、戸籍法というもののなかに取り決めがあります。ただ戸籍とは何ぞやということは、その戸籍法に明確に書いているわけではなく、それを読む専門家や役人により解釈され制度が出来てきたという感じでしょうか。
本籍地が地元にあれば、コンビニでも取れます。役所にいって並んだりする必要もありません。 必要なものはマイナンバーカードと4桁の暗唱番号です。発行手数料もお安くなっています。あまりにあっけなく取れてしまうのでちょっと驚いたぐらいです。 戸籍の他には、住民票、印鑑登録証明書などもとれます。
以前ならだれでも戸籍をとれるような状況の時代もあったのですが、最近ではプライバシー管理・保護の目も厳しくなり、取得できる者が制限されるようになりました。 長い間戸籍をとるには、その戸籍のある役所にとりにいくか、郵送で行くしかありませんでした。それが最近 本人であるならという限定が付きますが、近所の役所で遠い本籍の戸籍がとれるようになりました。これはなかなかに画期的です。
戸籍は戸籍係で取れるといいましたが、誰でも取れるというわけではありません。記載されている本人や、法的な関係者、請求するにあたって正当な理由のある者だけが請求できます。 このあたり近年どんどんそ厳しくなってきています。法的な関係者とは弁護士をはじめとする士業の専門家を指しますが、以前に比べてその使用用途は絞られ、手続きも厳格です。 正当な理由があるものもそうです、相続などよっぽど誰がみても明らかなものでないと難しいです。
戸籍に登録された全員が死亡したり転出した場合、戸籍の中の生存者が誰もいなくなりますので、戸籍は除籍という扱いになります。それまでの戸籍は除籍簿と呼ばれます。 その管理も市町村の戸籍係が行い、請求する場合は除籍謄本(抄本)という形を取ります。
ではこの寄与料を請求されたときは、誰が支払うのでしょうか? 相続人が複数いる場合は、各共同相続人が特別寄与料の額に当該共同相続人の相続分を乗じた額を負担することになります。 例えば法定相続分で遺産を分けるとなった場合はその割合で寄与分も負担するという事です。 ちなみに父親がおらず、母親が行っていた祖父に対する特別の寄与を代襲相続した子供が請求できるかという事については、出来るというのが有力な説となっています。
この特別の寄与については請求期間が定められており、けっこうタイトなので注意が必要です。 特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6カ月以内、又は相続開始の時から1年以内となります。 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時に有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることはできません。つまり相続人は、自分がもらう財産をこえて寄与料を支払う必要まではないという事ですね。
この特別寄与者と相続人の間で、寄与内容や金額などの協議が調わない場合は、特別寄与者は家庭裁判所に対して、協議に代わる処分を請求することができます。 家庭裁判所としては、特別寄与者の寄与の期間、方法、程度、相続財産の額などすべての事情を考慮して、特別寄与料の額を決めることになります。 ]
この場合特別寄与者の範囲は、被相続人の親族です。誰でも第三者でもいいというわけではありません。具体的に親族の範囲をいうと・六親等内の親族・配偶者・三親等内の姻族と民法725条で定められています。 被相続人の配偶者のつれ子、被相続人の兄弟姉妹の子、孫、被相続人の従兄弟姉妹の子、孫など親族としては幅は広いです。 この特別の寄与に関して、その役務に対して対価を得ていた場合は対象とは原則なりません。
特別の寄与という言葉がいろいろなところに出てきてややこしいですが、近年の民法改正で特別の寄与制度というものが出来ました。これは今までのものと何が違うかというと、相続人以外のものでも被相続人の財産の維持増加に貢献した者は特別の寄与として財産をうけとることができるとしたものです。 この場合の相続人以外の親族というのは、例えば相続人の配偶者などが当たります。療養看護に頑張った同居している息子の嫁などです。
③被相続人の療養看護 これが最近では一番多くなっているのかもしれません。被相続人が病気・老齢等の理由により身体的・精神的な看護が必要である場合に、特定の相続人が長年その看護に従事したことで、本来かかるであろう看護費用が節約でき、被相続人の遺産の維持に貢献したというような場合ですね。 高齢化社会の中、同居している親族の介護などがこれに当るのかなと思います。ただ具体的に看護費用の節約につながったということを立証する必要はあります。週一回様子を見にいってたよという程度では難しいところです。
②被相続人の事業に関する財産上の給付 これは相続人が自己の資金を提供して、被相続人の事業に関する借金を代位弁済したり、被相続人名義で事業用の資産に投資したりする場合です。結果的に被相続人の財産維持、増加に貢献したというケースです。 まぁその時には返済や求償できていなかったので、遺産で清算してねというイメージでしょうか?
①被相続人の事業に関する労務の提供 これは被相続人が農業をやっていた、自営業を行っていた場合に無償またはそれに近い状態で従事していた場合があげられます。これには医者や弁護士といった専門業も含みます。 息子が親の仕事を手伝っていた、この場合しっかりと対価をもらって仕事をしていたわけではなく、奉仕的な役割でやっていたという要件が必要です。
簡単に言うと亡くなった方のお役に立ったのだから、その分は遺産から褒美をとらそうという意味合いです。しかしこれがなかなか一筋縄ではいかない制度です。じゃー私も私もなんて出てくると収拾がつかないですし、こんな金額では不満だわなんてことも出てきます。 ではどんなことをどこまですれば、寄与に値するの?ということを見ていきたいと思います。
相続に関してのご質問で 寄与分ってあるんですよね?というご相談を受けることも有ります。 民法904条の2に規定されておりますが、内容はこうです。被相続人に対する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持または増加に「特別の寄与」をした相続人に対して、遺産の分割に当って法定又は指定相続分に関わらず、遺産のうちから寄与に相当する額の財産を習得させることによって、共同相続人間の公平を図ろうとするものです。
再転相続と数次相続の違いというのが少し難しいところ。 再転相続というのは、先の人Aが亡くなって、その財産をうけとるか放棄するかの判断もしない間になくなってしまった相続人Bがいたような状況が再転相続。同時死亡なんかもそうですね。この場合はBの子どもCが再転相続人として登場します。 数次相続は、Aが亡くなり Bが相続人として財産をうけとるとなった時に亡くなってしまった場合ですね。この場合はAの相続手続、Bの相続手続と重なりますので手続きが少し複雑になります。再転相続では関係のなかったBの配偶者も権利者となりますので注意が必要です。
代襲相続は亡くなっても、欠格・廃除といった資格の喪失でも生じるというお話をいたしましたが、例外も存在します。 それが相続放棄です。相続放棄をすることはその者は最初から相続人ではなかった、相続人として存在していなかったとなりますので代襲相続は発生しません。 法定相続上 第一順位であるすべての子供が相続放棄をした場合は、その相続権は第二順位の直系尊属に移ります。この点はご注意ください。
さらに被相続人の子を代襲する子供が亡くなっていた場合は、さらにその子 つまり被相続人の孫が代襲者となります。これを再代襲相続といいます。直系の場合は原則的には際限なく再代襲の扱いになります。 これに対して、兄弟姉妹の場合は、一代までしか認めらえれておらず、被相続人からも見ると甥姪までがその対象となります。
代襲相続とは、相続開始となる以前に本来相続人となるべきであった子供や兄弟姉妹が死亡してしまっているために、その者の子供(直系卑属)がその者に代わって相続分を相続することを言います。相続廃除や欠格という相続人として資格を失った場合も同じくその子供たちが相続権を得ます。 なお 相続人が被相続人と同時死亡という場合もこの代襲相続が発生します。
もう一つ重複する相続権のケースとしては、以下のケース。父甲が婚外子の子供Aを認知します。その後 Aと甲が養子縁組したとすると嫡出ではない子としての地位と養子としての地位が混在することになります。 ただこの場合の見解は、両者の地位は民法上両立する資格ではなく、Aは身分の転換により嫡出でない子の身分は無くなり、養子として嫡出子の扱いとして相続権を有するとされています。
相続資格の重複というこというと以下のケースも考えられます。父甲に子供がA,Bいました。そこに養子Cが登場します。そこでAとCが結婚したとします。 その後Aが先に亡くなり、甲が亡くなったとするとCは養子としての立場とAの配偶者としての立場、両方の相続権を持つことになるのかという問題が発生します。このあたりも見解として分かれるところですが、先例としては配偶者としての相続権しか認めていないという事です。今後の判例解釈しだいではまた変わる可能性もありだと思われます。
この場合Cは、甲の養子としての地位とAの代襲相続者としての地位が二重に発生することになります。どちらを優先するのか?はたまた両方の権利を有するのか? 難しいところですね。 このあたり見解としては、分かれるところですが、先例・通説では両方の権利を得るとされているようです。 理由としては、民法が身分関係の重複を認めているので、相続資格の重複も認めるべきだという考えからくるものです。
あまりないケースですが、相続人が被相続人に対して二重の相続上の地位を有するということもあり得ます。以下のような場合です。 例えば父甲と母乙 その子供がAとB、Aには子がおりC つまり甲にとっては孫ですね。甲が孫Cが可愛いのでAとBと同列の養子縁組をしたとします。甲が亡くなる前にAが死亡し、甲が亡くなります。
嫡出子の扱いも平成25年の民法改正で変わりました。嫡出子というのは婚姻関係にない夫婦の間に生まれた子供のことでこの改正前は、相続割合が嫡出子の2分の1となっていました。民法改正後は同等となりました。 よく混同されがちですが、配偶者・子供が無い方が亡くなり 兄弟姉妹だけが相続人の場合、半血兄弟姉妹の場合は2分の1となります。半血というのは、被相続人の父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹のことで、父母の双方を同じとする兄弟姉妹は全血といいます。
昭和55年改正前の割合は、配偶者 3分の1、子供 3分の2となります。配偶者と親は2分の1ずつ。配偶者と兄弟姉妹の場合は配偶者3分の2兄弟姉妹3分の1です。 イメージ的には、昭和55年改正後は、配偶者に少し手厚くなったということでしょうか?確かに夫婦で築き上げた財産でもあるのでこの傾向は正しいような気がします。 子供などが複数いる場合は、その割合を均等割です、この辺りは現在と変わりません。
現在の法定相続分として皆さんもご存じかもしれませんが、その割合は、配偶者 2分の1 子供 2分の1です。配偶者と親なら 3分の2と3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら4分の3と4分の1となります。 ただしこの割合というのは昭和55年の民法改正後定められたものですので比較的新しいといえます。 つまり家督相続制度と現在の制度の間に別の法定相続割合があったという事です。これは過去に遡って遺産分割協議を検討しないといけない場合検討しないといけない事柄ですので注意が必要です。
旧民法では、家督相続の原則があるため、夫が亡くなった場合は長男(家督相続人)がすべての財産を承継していました。妻(未亡人)は、直接的な相続権を持てなかったのです。そのかわり 長男が家産を管理し、母(未亡人)の生活を扶養する義務を負うとなっていました。これはこれでうまく機能すれば財産が分散することなく、家を承継し、一族が反映していくにはよかったのかもしれません。 もし家督相続人がいない場合、妻が一時的に戸主となることがありますが、最終的には家督相続できる男子を立てるということがされていたようです。(養子を迎えるなど)。
遺留分侵害額請求について 12 遺留分侵害額請求の消滅時効について
遺留分侵害額請求は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。 ここでのポイントは、遺留分侵害があったと知った時ですので、相続発生から遅れることになる場合があります。遺言書内容などから明らかな場合もあれば、そうでない場合もありうるという事です。 また相続開始の時から10年を経過した時も遺留分侵害額請求は出来なくなります。これは除斥期間の満了といい期間が来ればそれまでという意味合いです
受遺者と受贈者がいる場合は、受遺者が先に遺留分を負担し、それでも遺留分侵害額に対して不足する場合は受贈者の負担となります。 また受遺者が複数いる場合の負担割合は、遺言によって取得した財産か価額に応じて遺留分侵害額を負担することになります。 遺留分侵害額を負担することになった者は、裁判所に対し金銭債務の支払い期限の猶予を請求することができます。これを行うことで不動産などを遺産で受け取り すぐに現金での支払いができない方が遅延損害金の支払い義務を免れることができます。
遺留分権利者が遺留分侵害額請求をする相手方は受遺者と受贈者です。 受遺者とは、遺言書などで遺贈を受けた者の他、特定財産承継遺言による財産の承継又は相続分の指定による遺産を取得した者をいいます。 受贈者とは、生前贈与により財産を取得した者で遺留分の基礎財産を算定する際に加算される者をいいます。
基礎財産に加味される贈与について注意点があります。相続人以外に対する贈与は原則1年以内とされていますが、遺留分を侵害するという意図をもって行った場合はその1年以内に限定されず算定に組み込まれます。1年の期間の始まりは贈与契約締結時となります。 基礎財産の評価の基準時は、相続開始日です。なので不動産を生前に譲渡されており、その時の相場単価が1000万で相続開始日には1300万になっていた場合は1300万が基礎財産に組み込まれることになります。
贈与に関しては原則として相続開始から1年以内のものに限られますが、相続人に対する贈与の場合で婚姻もしくは養子縁組のためまたは生計の資本として受けた贈与については10年以内のものまで含まれます。 式にあらわすとしたら以下 基礎財産=相続開始時の積極財産 +相続人以外の者に対する生前贈与(1年以内のもの) +相続人に対する生前贈与(10年以内のもの) -債務 となります。