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「絶望を希望に変える経済学」アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ著、村井章子訳、日経ビジネス人文庫、2024年4月ノーベル経済学賞を受賞した2人の経済学者が、経済学を通して人々に希望を持ってもらうために記した本。不平等拡大の原因と対策について多くのページを割いており、全体的にマイケル・サンデル著「実力も運のうち」に似ているように感じました。ただ原書の出版時期を調べてみると本書は2019年。「実力も運のうち」は2020年。本書の方が先でした。著者のアビジット・V・バナジーはインド出身、エステル・デュフロはフランス出身ということで、アメリカだけでなく、インドなどアジア、及びヨーロッパの事例も多いです。また反トランプの姿勢が鮮明です。不平等を抑制する手段として、超高所得者の最高税率の引き上げを挙げつつ、...絶望を希望に変える経済学
「実力も運のうち能力主義は正義か?」マイケル・サンデル、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2023年9月実力も運のうち能力主義は正義か?(ハヤカワ文庫NF)マイケル・サンデル早川書房「これからの「正義」の話をしよう」のマイケル・サンデルが、現在の行き過ぎた能力主義に警鐘を鳴らした書籍。邦題「実力も運のうち」は穏やかですが、原題「TheTyrannyofMerit」は直訳すると「能力の専制」。厳しいです。自分なりに本書を要約しました。「人種・階級・宗教・民族・性別などに関わらず、努力して高い能力を身につけた者が、社会的成功とその報酬を手にする「能力主義」は平等に思える。しかしある世代でついた経済的優劣は次の世代に引き継がれ、その差がさらに拡大する傾向にある。能力主義以前、貧困層は貧困であることを人種・階級など...実力も運のうち