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冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…86
「驚かないで! 黙って、じっとして」 押し殺した声で、ジンさんは裕太に向かって話しかける。(驚くなって…もう十分、驚いているよぉ~ ジッとしてって…この状況で…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…85
黙って、ジンさんの背中を見ること数分間…何かがカチカチっと、渇いた音を立てている。(なんだ?あれ)ジンさんは、両手を広げたまま、その様子を見守っているようだ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…84
何しろ裕太以外の三人が、各々何かを探している。自分一人が、サボっているような気がして、裕太はどうも、落ち着かない。参加したいのは山々なのだが、具体的にどうい…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…83
「ねぇ~じゃあ、どうしたらいいの?」 まさか…穴をくすぐるとか? 火をつけるとか? 大声を出して、驚かすとか?(それは、ないなぁ~)どうもピンとはこない。 す…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…82
「だってボク…竜に助けてもらったんだもん」 リュウは、また妙なことを言う。「そうなの?」何を言っているんだ、と裕太は思うけれども…「そうなんだ!」リュウは嬉し…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…81
「大丈夫だよ。あのトカゲは、気が向いたら、きっと戻ってくるよ」 裕太の顔色に気が付いたのか、ジンさんが淡々とそう言う。「そういうものなのか?」ただのトカゲに、…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…80
しばらく待っても、トカゲのドラは戻ってこない。「自分の巣に、帰ったのかもなぁ」あっさりと、ジンさんは言う。「なんだ…信用していないのかなぁ」軽口をたたくよう…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…79
ジュンペイの落とした犬笛…それに懐中電灯。たまに現れるドローン。確かに、ジュンペイは生きている…とわかるのに。なぜか肝心の姿は、目の前に現れてはくれない。「…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…78
「へぇ~」 トカゲって、飛ぶの?見た目は、小さなドラゴンそのものだ。「これって、ホントにトカゲ?」あんなに怖がっていたのが、ウソみたいだ。「でも…あの音は?」…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…77
「ほらぁ~ユウタくんが、驚いているだろ」 ジンさんが、中に向かって話しかけている。「だから…さっさと、出ておいで」(えっ?)ジンさん…誰としゃべっているんだ?…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…76
「なに、あれ」 穴から飛び出してきたものに、裕太は視線を向ける。「ねぇ、あれは…なに?」ジンさんと、リュウを見る。だがジンさんは、何も答えず、さらに何かを唱え…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…75
ブーンブーン音をたてて、ジンさんの振る鎖が、勢いよく揺れる。すると、さっきとは違う、軽やかな音が混じって聞こえる。(何をするのだろう?)勢いを得た鎖の真ん中…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…74
「はぁ~い」 まるで大好きな先生に、叱られた子供みたいに、リュウはおとなしく首を引っ込める。「悪いなぁ」ジンさんは、ポンと裕太の肩に手を置く。「あの子は、悪気…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…73
「ジュンペイを、こちらに呼び戻す方法って…ないですか?」 万に一つでいいから、どうにかならないか、と裕太は思う。だがジンさんの表情は、浮かないものだった。「う…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…72
「うん、ボクがもらったのを、ジュンペイに貸していたんだ」 正確には違うけど、それでもいつの間に…と裕太は思うが、あえて言わない。だが、おそらくそうだと思う。(…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…71
「えっ?」 それって、ジュンペイのか?もっとよく見たい、と裕太は身体が前のめりになる。「これ…見覚えがない?」手に握っているものを、軽く振る。「えっ?それって…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…70
「悪いな」 ジンさんは、裕太の頭を乱暴にガシガシとかき回す。「ジュンペイくんは…ここにはいないのかあ」思い出したように、ジンさんはポソリとつぶやく。「そうなん…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…69
「やっぱり、何かがいるんだ」 空耳じゃあなかったんだ。裕太は何となく、ほぅっとため息をつく。「それって、どんなの?」裕太はリュウの返事を待つ。だがリュウは、頭…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…68
「知りたい?」 急にリュウが、楽しそうに口をにぃっと横に引く。「ここはねぇ、何だかヘビの巣みたに…暗くて、細くて、長いんだ」ヘビの巣って、見たことがあるのか?…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…67
裕太の言いたいことがわからないのか、やはりリュウは、キョトンとしている。「なぁ、ふざけていないで、ホントーのことを言ってくれよ」裕太は段々、意地になってくる…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…66
「えっ?何か見なかったか?」 その食い違いに、裕太はどうも納得出来ない。だがジンさんは、まったく平然としている。「びっくりしただろ?いきなり落っこちて」ニコニ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…65
「大丈夫だよ、髪って案外、強いんだから」 ジンさんは、何事もなかったように、澄ましてそう言う。(なんだよ、それ)裕太は拍子抜けするけれど…「無事でよかったぁ」…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…64
「ユウタ、早く引っ張ってくれ!」 気が付くと、グンとジンさんの頭が、穴の中に引きずり込まれている。「うわわわわ」「早く!」鋭い声が、裕太に向けられる。さらにジ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…63
「いいの?」 そんなことをして、重くはないのだろうか? 髪の毛が、ちぎれたりはしない? 痛くはないのだろうか?完全に、腰が引けている裕太に、「いいから、早く!…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…62
「えっ」 ジンさんは、何も持っているようには見えないのだが…それを言ったら、裕太だってそうだ。「懐中電灯は、持っているか?」いきなりジンさんが、裕太に聞く。「…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…61
(まさか、リュウ…ここに落ちたのか?) ゾォっと鳥肌が立ち、青ざめた顔で、裕太は後ずさりをする。ジンさんは、裕太を自分の傍らに引き寄せると、「なるほど。ここに…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…60
「いや、そんな場所はない」 ジンさんは、今度はキッパリと否定する。「じゃあ、どこから? まさか、落とし穴でもあるの? それとも…滝から?」曖昧に言葉を濁すジン…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…59
「まさかリュウまで、ジュンペイみたいに、どこかに消えた… と言うんじゃあないですよね」 裕太は半ば噛みつくようにして、ジンさんを問いつめる。もちろん、ジンさん…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…58
「えっ、そうなの?」 それならそれで、いいんだけど…裕太としては、複雑な気分だ。せめて、何か手がかりでもあれば…と思う。「大丈夫だよ」ジンさんは、穏やかな目を…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…57
「おーい、おーい」 リュウが奥に向かって、叫んでいる。「ちょっとぉ、静かにしろよ」ホント、目が離せないなぁ~と、裕太は呆れる。「何か、見えるか?」ジンさんが声…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…56
丁度穴の縁の所で、タツさんはお尻が引っ掛かって、情けない格好になっている。かがんだ姿勢で、岩にしがみついている。「おいおい、壊すなよぉ」ジンさんも、ひょいっ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…55
タツさんのどけた岩は、どのくらいの重さになるのかは、わからないけれど…見た目は、裕太とジュンペイが二人、悠々と入れるくらいの大きさだ。(もっとも、タツさんに…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…54
「へぇ~そういうものなの?」 あんまりよくわからないけれど、裕太はただジンさんのことを信用することにする。「じゃあ、どうやって行くの?」ここはどうも、行き止ま…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…53
先ほどの光は、ここからは見えない。本当に、ここからなのだか、見ただけではわからない。だけど…ジンさんが一緒だから、大丈夫だろう…そう、裕太は信じようとする。…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…52
「あっ、動いてる」 まるで、何かを探しているようだ。(まさか…ここに。ジュンペイが?でも、どうやって)何とかそこに、たどり着けないものか…と、期待をこめて、裕…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…51
それは、初めは、小さな羽音のようなかすかな音だった。けれども、段々と大きな音に変わり、近付いて来ているようだった。「えっ、どこ?」やや焦り気味に、裕太はキ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…50
「友達だって、きっと見つかるさ。 キミがあきらめずに、そう願っていたらね」 ジンさんのそのひと言が、裕太の胸にズンと響いた。「そうかぁ」 そうだよな!あらため…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…49
思わず大きな声で聞く裕太に向かい、ジンさんは親し気な様子で、「それは、そうだろ? 私だって…男の子だったんだから」やけに瞳をキラキラさせて、裕太に話しかける…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…48
「案外、そうかもしれないなぁ」 ジンさんが、くるりと振り向く。「エジプトとか、どこかの遺跡とか、昔の建造物って…きれいに 装飾されているのが多いだろ? ピラミ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…47
じいちゃんは何やら…古文書とか、昔の地図とかを集めるのが趣味のようだ。(帰ったら、聞くしかないかなぁ)そう思っていると…急にパァッと、辺り一面がカラフルな色…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…46
所々に、花を活けるようなツボや、クボミのような場所がある。「ここって…誰かが、入って来たことがあるの?」裕太は、タツさんの方を振り向く。いつもは愛想のいいタ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…45
「泉?」 こんな所に、泉があるのか?リュウの方を、チラリと見ると「この辺りは、すごいんだよぉ」まるで自分のことを褒められたように、自慢気に胸を張る。「来たこと…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…44
「そうなんですよねぇ」 どうしてわかるのだろう?裕太は、はぁ~とため息をつく。すっかり忘れていたけれど…自分がここにいるのは、ジュンペイの突進する性格のせいで…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…43
「あっ、そうなんですか?」 やったぁ~!裕太は思わず、「よしっ!」と声を上げる。「まだ、見つかったわけじゃあないぞ」あわててタツさんが、裕太にとりなすように言…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…42
まるで、エレベーターに乗っているような、フワッと浮き上がる感覚がして…「もう、大丈夫だ。目を開けてもいいよ」すぐに真上から、ジンさんの声が聞こえた。 「あっ…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…41
(落とし穴?ガケ?床が…ない?) そんなバカな!すぐに裕太は、頭の中で否定する。(だって、さっき…リュウが軽々ととおり抜けたぞ)何だか、頭がボゥッとする。「驚…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…40
すぐ目の前で、リュウがこちらを見ている。そんなかっこ悪いことなんて、出来るもんか!裕太は勢いにまかせて、思いっきり大きく足を踏み入れる。「うわわ」まるで、自…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…39
(うわぁ~何だか、緊張するなぁ) さっきまでとは、全くちがう雰囲気に(いよいよ、本丸に来たのか?)と、裕太はドキドキが、押さえられなかった。そんな裕太の側で、…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…38
「さぁ、行きましょう。 ジンさんが、お待ちかねです」 まっすぐに、ジンさんを視線におさめ、タツさんは二人に声をかける。リュウはパッとタツさんの手を離すと、まる…
冒険の旅へ出かけよう! 宝の島 続編 第24章 竜への道…37
「そう?」 ゆっくりと顔を上げると…トンネルの向こうに、白いジンさんのシルエットが浮かび上がっている。「あぁ」思わず声をもらすと「ねっ」まるで自分の手柄だ、と…