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メナムの残照 (上)(下) - トムヤンティ著 西野順治郎訳 (大同生命国際文化基金)
先日、中公新書の「タイの歴史」を読んで、その中で紹介されていた、タイでもっとも有名な日本人=コボリが登場するという小説を読んでみました。メナムの残照。メナムは「川」という意味で、かつて日本ではチャオプラヤ川のことをメナム川と呼んでいました。タイトルのメナムはメナム川のことです。原題は、คู่กรรม(クーカム=運命の人)です。時は第二次世界大戦中、タイに進駐した日本軍の青年将校小堀と、現地の娘アンスマリンとの悲恋の物語です。第二次大戦でタイは枢軸国側だったのですが、戦争が深まるにつて抗日的な立場になり、地下組織の自由タイが連合国側につき、タイ政府も非公式にそれを指示していたという歴史があります。ここらへんは中公新書タイの歴史に詳しく書かれていて、昭和の日本とタイの関係がこの小説からも伺えます。作者は親日的...メナムの残照(上)(下)-トムヤンティ著西野順治郎訳(大同生命国際文化基金)