メインカテゴリーを選択しなおす
存在しなかった事にされたくないかつての女性兵士達の叫び 作:小梅けいと 漫画「戦争は女の顔をしていない」第4巻感想
スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチのノンフィクション小説を漫画化した作品第4巻の感想です。 戦争は女の顔をしていない 4 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと KADOKAWA Amazon 2ki3suke.com 2ki3suke.com <感想> 第3巻で戦場から帰って来た女性兵士が夫の母親から 「なんで戦場の花嫁なんか妻にしたんだ」 となじられたり、町の女性から偏見の目で見られたりしたのか謎だったのですが、この巻でその疑問が解けました。男ばかりの戦場に女性が参加するという行為が安全な後方の女性達から見れば傷物になったと見做されたからなんですね。 実際の戦場では恋愛が基本御法度で、当…
女性の従軍はスティグマになるのか? 作:小梅けいと 漫画「戦争は女の顔をしていない」第3巻感想
スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチのノンフィクションを小梅けいとさんが漫画化した第3巻の感想です。 戦争は女の顔をしていない 3 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと KADOKAWA Amazon 2ki3suke.com <感想> 独ソ戦から数十年経過したロシアで、過去に従軍した女性達に聞き取りをまとめたノンフィクションが原作なのですが、この第3巻で著者であるスヴェトラーナが、聞き取りをされる女性達が従軍したのは確かなのに、それを忘れ去られてしまうのではないか、気づかれずに消し去られてしまうのは悔しいという思いがあるのを著者であるスヴェトラーナが理解し、「戦争のことを聞いただけで吐き気…
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチのノンフィクション作品の漫画家 作:小梅けいと 漫画「戦争は女の顔をしていない」第2巻までの感想
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチによるノンフィクションを、小梅けいと先生が漫画にした作品の第2巻までの感想です。 戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 戦争は女の顔をしていない 1 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと KADOKAWA Amazon 戦争は女の顔をしていない 2 (単行本コミックス) 作者:小梅 けいと KADOKAWA Amazon <感想> 内容としては、第二次世界大戦の独ソ戦で従軍した女性兵士の証言を、雑誌記者であったスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチがまとめたノンフィクションの漫画化です…
【図書】スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ著『戦争は女の顔をしていない』(岩波書店)
先月下旬題記の図書を読んだ。三浦みどり訳、岩波現代文庫版、2016年である。この本はベラルーシのアレクシェーヴィチのドキュメンタリー作家としての出発点とも言える著作である。ちなみに、訳書は2008年、群像社より刊行された。 解説(著者と訳者のこと)を記した作家の澤地久枝さんは「ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し,看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った.し...