メインカテゴリーを選択しなおす
月夜の猫-BL小説です 月鏡60 BL小説 これらのことを踏まえ後日早速、芸能誌にわざわざ青山プロダクションのでっち上げだというでっち上げの記事を掲載させたことも含めて、沢村宗太郎が顧問弁護士の真岡を通じて興信所の大坪に沢村だけでなくアスカのことまで探らせ、その際に二人の部屋に忍び込み、盗撮させたことなどで
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる26 BL小説 工藤の爆弾………か。 確かにそうかもしれない。 波多野の言葉を心の中で反芻しながら良太はエレベーターでフロントに降りた。 確かに、波多野の言うとおり、軽率だったかもしれない。 俺が何かバカをやったら、みんな工藤に返っていくんだ。 あああ、結局俺
脳梗塞リハビリをスタートし約1か月、その日は久しぶりに初めての先生にご担当いただいた。作業療法士の20代とみられる女性の先生。 やや不自由さが残る右腕を中心にマッサージしていただいている間、世間話に花が咲く。先生もこちらの人となりを知るため積極的に話をしてくださる。 「私、ミスター〇ーナツ大好きで、朝食代わりに毎朝2個食べるんですよ~」 彼女は予備軍ネキと名付けよう。 「若いからまだいいけど、糖尿病には気をつけてね・・・」ホントに生活習慣には注意しなければならない。 「吉田さんの趣味は何ですか?」 「登山は10年以上やってますね・・」 「私も登山やってみたいと思ってたんですよ~! 初日の出を富…
2024年12月14日(土) 15時 突然PCがネットに繋がらなくなった。はじめはブラウザの設定等を疑ったが、ネットワークを利用するほかのアプリやiPhoneまでも繋がらなかったため、リハビリ病院のWIFIが落ちていると判断した。 同日 15時5分 WIFIの手続きは入院当初一階の受付で行った。その際の記憶を頼りに受付に行ってみる。窓口には警備員オジが一名おり、ひとまず状況を相談してみる。 「土日は受付の事務員が休みなので月曜まで待ってください。」 (・・・知らんし・・・ただ責任者がおらず月曜まで打つ手なしである。) 入院患者はかなりの高齢者が多いため、WIFIを使っているものがそれほど多いと…
月夜の猫-BL小説です 月鏡59 BL小説 週刊『東京芸能』が妙な記事を載せているのを見つけたと、嘱託カメラマンの井上がオフィスに寄って良太に雑誌をつきつけたのは翌朝のことだった。 アスカと沢村の顔写真がデカデカと見開きに載り、関係者の話として暗に青山プロダクションとアスカが人気選手を利用したやらせ記事を
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる25 BL小説 海外からの客の接待が予定されているという部屋は、セミスイートで、ゆったりくつろげるスペースがあった。 「どうぞ、お座りください」 「いえ、結構です」 良太はドアのすぐ近くに立って、きっぱりと言った。 「どうしたんですか? 藤堂さんからプロジェクトの方は順
月夜の猫-BL小説です 月鏡58 BL小説 「あの時はまだわからないって言ったんだけど、さては坂口さんに何かたきつけられた?」 さすが宇都宮、勘がいい。 「はあ、あの、ぶっちゃけ、ドラマのオファーなんですけど」 良太はこの際だと、正直に言った。 青山プロダクションの小笠原とダブル主演で、医者と刑事がバデ
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる24 BL小説 「良太が工藤さんのこと信じてやらんかったら、どないすんね」 信じたい、良太もそれは思う。 だけど――― 「まあ、お前にはえらそうなこと言うけど、好きな人の前に立ったら、みんな不安になるもんや…心はわかれへんから」 「千雪さんが? いつもこれっぽっちも隙が
月夜の猫-BL小説です 月鏡57 BL小説 「なるほどね、パートナーはワンコか。でも一人で留守番とか可哀そうじゃない?」 「ワンコの方がニャンコより一緒に動けますよ。まあ仕事だとちょっとあれですけど、千雪さん、よく一緒に連れ歩いてます」 宇都宮の杞憂に、良太が答える。 「なるほど……」 「あ、そうよ、トシち
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる23 BL小説 千雪も工藤を思いやっているのはわかる。 工藤高広の名前がマル暴のリストから消えない限り、被害者となった時でさえ、工藤は痛くもない腹を探られることになる。 「笑ってもいいですよ。工藤の後つけたり。で、やっぱ工藤が千雪さんに会いにきたってことを思い知らされ
月夜の猫-BL小説です 月鏡56 BL小説 「はあ、ほんと、もう、勘弁って感じですよ」 良太は大きくため息をつく。 「あいつ、マジ、バカだよね。前っから浮ついてたし、あいつとの共演話も過去あったけど、みんな蹴ってた」 竹野も怒りをぶちまけた。 「それ、正解っすよ。うちも気を付けてたんですけど、なんか付き合
月夜の猫-BL小説です 氷花22 BL小説 「離せ! 出てけ! クソドアホ! エロ魔人!」 千雪の罵倒など歯牙にもかけず、京助の手は千雪の服を剥ぎ取った。 「でかい声で騒ぐと聞こえるぜ?」 うっと千雪は口を噤む。 「いっか、聞かしてやるか、お前の可愛い声」 思わず千雪は京助の頬に平手打ちをかます。
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる22 BL小説 「よかったですね、良太が一緒じゃなくて」 電話を切る間際、『T』は言った。 工藤を襲ってきた男のうち、バイクの二人は即死、車の数人も重症を負い、入院したと、『T』は工藤の問いに対して淡々と答えた。 わざとバイクを転倒させたとは工藤は聞かなかった。 だが
月夜の猫-BL小説です 月鏡55 BL小説 「やからお前、工藤さんの後継ぐんなら本、読み! 原作はカズオ・イシグロ、日本人でイギリスに帰化して、前にノーベル賞もろた作家おったやろ? 映画見るんでもええけど、ええ映画やで」 「はあ………そういえば、そんな人いたような………The Remains of the D
月夜の猫-BL小説です 氷花21 BL小説 「兄弟のスキンシップってとこ? あいつはいつも、横暴なだけで」 茶化して笑う紫紀を千雪は胡散臭げに見た。 「ほんまに、うちの中でもジャイアンなんか、お前は!」 今度は京助の背中に怒鳴りつけると、紫紀は大いにうけて笑い出した。 「よくわかってるねぇ、千雪くん! 全
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる21 BL小説 明確に狙われているとわかったのは、夜九時を過ぎ、工藤は第三京浜を横浜へと車を飛ばしていた。 おそらく、千雪を連れ去ろうとした連中だろう、追い越し車線に並んだ、バンパーもへこんだサンダーバードに半グレ風の若い男が数人乗っている。 運転している男はかなり運
月夜の猫-BL小説です 月鏡54 BL小説 「どうせ人生一回こっきりじゃない? この際、世間にどう言われようと、愛を貫き通すっってところがいいんじゃない」 白石は悟り切ったように言う。 「裏でヤバいことしててもかよ?」 「人間やってたらそんな人いくらもいるわよ! 断頭台に消えたマリーアントワネットだって、
月夜の猫-BL小説です 氷花20 BL小説 「そう、諦めの悪い叔父は多分、ライバル、と思ってたんだろう小林教授のことも調べたらしく、教授の書かれた本とか持ってて、この人なら夏緒さんを任せても仕方ないか、なんて負け惜しみ言ってたが、ちょうど京助が高校生の頃だよ、叔父がたまたま教授の本を持ってうちに遊びに来ていた
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる20 BL小説 常々、言葉遣いはいい方ではないが、今はとげを含んでいるような言い草だ。 真夜中の二時をとうに過ぎていたことに、工藤はようやく気がついた。 エレベーターのドアが開くと、小笠原も乗り込んでくる。 「まさか、あんた、良太まで食ってたとは思わなかったぜ。それと
月夜の猫-BL小説です 月鏡53 BL小説 「もともと父親が私にくれたロンドン土産だったんだけどね」 良太は驚いた。 多佳子の用というのがそんなこととは思いもよらなかった。 高価なものかどうかは別として、そんな大切なものを良太は手に取る勇気はなかった。 「待ってください、そんな大切なものを俺がもらうわけ
月夜の猫-BL小説です 氷花19 BL小説 「ああ、そうか、君の父上は、K大学の小林教授だったね。京助が心酔して一年ほど京都にいたんだっけ。じゃ、その時に知り合ったの?」 「いえ、京都にいた頃は全然顔を合わせたことはなかったので」 ふと紫紀が自分たちの関係を勘ぐっているような気がして、千雪はあからさまに怪
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる19 BL小説 工藤は苦笑しながら首を振ると、良太の頬に手を伸ばす。 「バカやろう………」 指で涙を拭い、ゆっくりと口づける。 優しく、愛しみながら、工藤は良太をしばらく黙って抱きしめていた。 やがて良太を離すと、「もう、部屋に戻れ」と、工藤は言い、階段を下りて行く。
月夜の猫-BL小説です 月鏡52 BL小説 「政治家も嫌いですよ、工藤さん、反社会的勢力と同様に」 「いちいち嫌味な子だね」 しれっと口にする良太を多佳子はまた睨み付けた。 「ご用件を早いとこ言ってくれませんか? 工藤さんが留守の間、会社の切り盛りしなくちゃならないんで、そろそろ帰りたいんですが」 全く、
月夜の猫-BL小説です 氷花18 BL小説 「連絡はついたんですが、あいにく札幌に出張中で、すぐには戻れないということでした」 藤原は答えた。 「そうか。あとは医者に任せるしかない。ああ見えて咲子さん、強い人だから、大丈夫だよ、きっと。赤ちゃんも。京助、ついてるんだろ? 俺らは腹ごしらえをしよう。藤原もいた
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる18 BL小説 いまさらだよな。 俺の心がズダボロになろうが、今日は今日だし、明日もくるってことだ。 良太は諦めの境地で一つため息をつくと、今度は工藤と言い争っていた千雪の言葉が気にかかる。 ボディガードとか何とか、千雪さん、言っていたような……。 工藤のやつ、何
月夜の猫-BL小説です 月鏡51 BL小説 劇愛という言葉も多佳子の口から聞けば頷けるかも知れない。 「父母には親不孝をしたこともわかっちゃいるけど、どうしようもなかった。でもね、やっぱり息子はともかく娘はうちの業界には置いておけないと思ってね、手離したのよ。父母は可愛がって育ててくれたのにね」 身の上話
月夜の猫-BL小説です 氷花17 BL小説 すると、どう見ても湯上りらしい、スエットの上下にタオルを首に巻いた長身の男が、キッチンの入り口で驚いた顔で千雪をじっと見つめている。 京助が髪を黒く染めて立っているのかと一瞬在り得ない想像をした千雪だが、よく見ると印象がかなり柔らかいし、雰囲気も違う。 「咲子さん
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる17 BL小説 その時、千雪が良太に気づいた。 「良太……違うで、誤解すんな」 千雪の声が追いかけるが、良太はオフィスを逃げ出していた。 雪まじりの雨の中をせかせかとただひたすら歩いていた。 千雪には京助がいるからと思って忘れていた。 工藤は千雪を愛しているのだ、
月夜の猫-BL小説です 月鏡50 BL小説 当の良太は、フロントで受け取ったFAXの意味が分からず何だろうと見ていた時、左右に男が立ち、右に立った男に「声を出すな」と耳打ちされた。 二人に両腕を取られた良太は喚くわけにもいかず、黙って男たちに従った。 ほんとに現れやがったのかよ!? 自問しつつ、エント
月夜の猫-BL小説です 氷花16 BL小説 キッチンの床が真っ赤に染まっているのをチラリと見てしまった千雪は、一瞬青くなり、しばし呆然と咲子を運んでいく二人を見送った。 「大丈夫ですか? 咲子さん」 やがて戻ってきた藤原に、千雪は尋ねた。 「はい、公一と京助さんが今病院へ向かいました。何でも早期剥離の可
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる16 BL小説 谷川は良太よりあとに入社したとはいえ中途入社みたいなものだし、タレントは問題外だから、良太さん、なんて呼んでくれるのは真中の他にはいそうにない。 「あんなの、藤堂さんも考えていたことだ。俺の口から言わせて、クライアントをさりげなく納得させてるんだろ」 そ
月夜の猫-BL小説です 月鏡49 BL小説 京助は駐車場からまだ上がって来ておらず、檜山と千雪はエレベーターが降りてくるのを待っていた。 数人の客がバラバラとフロントに向かい、千雪は何気なく良太を見、またエレベーターの方を見てから、再びフロントに目をやった。 その時、フロントでFAXを受け取っていたは
月夜の猫-BL小説です 氷花15 BL小説 スキーと聞いてロマンチックな展開を期待してわんさか京助についてきた女の子たちも、ロマンチックどころか、ゲレンデで徹底的に京助に扱かれ、次にはスキーに誘っても敬遠されることになるのだ、という話も公一から聞かされていた。 「意外も何も、もともと中身は硬派なんだから、華
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる15 BL小説 工藤の命により小笠原のCF撮影に立ち会うことになった良太は、翌朝撮影が行われるスタジオに向かった。 広告代理店プラグインの藤堂を通じて紹介された男は波多野と名乗った。 今回のCMは、顧客や社会のニーズを基に、企業の業務プロセスや製品、ビジネスモデル、企
月夜の猫-BL小説です 月鏡48 BL小説 すると京助も言った。 「俺も送って行く」 「すみません……匠、大丈夫かな」 振り返ると、匠がほてほてとおぼつかない足取りでやってきた。 「俺も部屋戻る………」 「大丈夫?」 「……ん、もう眠い………」 良太と檜山は辻と京助に送られて部屋に戻った。 「じゃあ、お
月夜の猫-BL小説です 氷花14 BL小説 美しい山々の連なり。 雪をかぶった街並み。 寒ささえ透明なたたずまい。 そんな自然の中に浸るだけで十二分に千雪は感動的だったのだが。 「後ろに体重かけ過ぎだ!」 青空の下のパウダースノー。 「もっと力抜け!」 リフトに乗って眺めるのは絶景で。 「脚伸ばしな
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる14 BL小説 「いえ、あれはほんのピンチヒッターでして」 良太としてはこの話題は工藤の前では極力避けたかった。 仏頂面がさらに不機嫌になるのがわかっているからだ。 「本業はプロデューサーでしたね」 紫紀はにこやかに追い打ちをかける。 名刺には確かに秘書のほかにプロ
月夜の猫-BL小説です 月鏡47 BL小説 「いいのよ。百パームリでも、夢を見るくらいいいじゃない!?」 白石は本当に夢見る乙女のような表情で口を尖らせた。 「あ、ごめんね、ありがとう。猫ちゃん、可愛いわね!」 やっと携帯を握ったままなのに気づいて、白石は良太に返した。 「あ、いえ………」 ってか、こ
月夜の猫-BL小説です 氷花13 BL小説 どこかから聞こえてくる声が煩いので、千雪は身体を捩って眉を顰めた。 「起きろっ、こら」 次にはゆさゆさ揺すられて、ようやく少しだけ目を開ける。 「メシ、食いっぱぐれるぞ! 千雪」 ベッドの横で仁王立ちになっている京助をみとめてからだを起こし、勢い昨夜の記憶を反
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる13 BL小説 その社長、京助に輪かけてすげーヤツだったりして。 つまり、千雪さんのお姉さん、じゃない、従姉の小夜子さんの、旦那か。 良太は助手席であれやこれやと頭を巡らせた。 「奈々はどうだった?」 ハンドルを切りつつ工藤が聞いた。 「いいものになりそうですよ。『
月夜の猫-BL小説です 月鏡46 BL小説 「え、ニャンコ………」 白石は携帯に吸い寄せられるように見つめた 「あ、そうです、それ、俺の………」 ロックもしていなかったのですぐに待ち受けが出てきたのだろう。 「あら、ちょっと、可愛いじゃないの!」 白石の声が裏返った。 「へ…………?」 ぽかんとした顔
月夜の猫-BL小説です 氷花12 BL小説 原稿の締め切りも終わっているし、かなり強引にニセコまで連れてこられたものの、思いがけない雪を見せられ、美味い食事のあと広い湯船につかっているなんて目まぐるしい展開は、千雪にとっても心が浮き上がりそうな状況だ。 風呂から上がり、用意してあったバスローブをはおると
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる12 BL小説 「明日は『山村損保』が十一時からか、十時に六本木なら間に合うだろう。先に谷川と一緒に『藤永』に行ってくれ。適当に切り上げて山村へ行けばいい。『パワスポ』が四時か。二時からの東洋商事、お前も同行しろ。一階のロビーに一時半。飯は食っとけよ」 モニターでそれぞれ
月夜の猫-BL小説です 月鏡45 BL小説 「あいつ絶対ただもんじゃないと思ってた」 「ってか、匠、今の話でわかんの?」 良太は思わず聞き返した。 「や、だから、魔女と狼男とフランケンとドラキュラに良太狙われてるから、正義の味方の鉄拳マンの弟子がADに紛れ込んでるって話だろ?」 「まあ、正義の味方かどうか
月夜の猫-BL小説です 氷花11 BL小説 「そうそう、涼さんと俺とは学校は違ったけど同い年だし、いっつも京助さんが先頭に立ってなんかやらかして。時々やってくる綾小路の親戚連中の方が逆に俺なんかのこと、使用人だろうって扱いしてくれますけどね、こっちは何も言えねーし」 ぶーたれる公一を京助は笑う。 「言いたい
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる11 BL小説 五時半を過ぎ、鈴木さんが帰り支度を始めた頃、工藤のホットラインの電話が鳴った。 ここのところ鳴らなかったのだが、慌てて良太は受話器を取った。 「…………工藤はいない。おい、お前、一体何者だ? 工藤にどういう用件だ? 警察に言ってもいいんだぞ」 良太はす
月夜の猫-BL小説です 月鏡44 BL小説 沢村は車で帰宅途中だというので、駐車場に着いたら車から電話をくれるように言うと、一応、工藤にも報告した。 工藤は、帰るまでに小田に怒鳴り込めって言っておけ、と息巻いて電話を切った。 はあ、と一つ溜息をつくと、良太はバスルームをいったん出た。 途端、ガハハとい
月夜の猫-BL小説です 氷花10 BL小説 「ふうーー、オヤジがいると肩凝るよな」 三人になってワインで乾杯すると、公一がボソッともらす。 「藤原さんって、ほんま礼儀正しいな。執事の学校とか出てはるん?」 千雪の率直な意見に公一が笑う。 「確か、若い頃、ケンブリッジ留学していたって。イギリスには養成学校み
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる10 BL小説 良太が何とか起き上がろうとしたその時、風のような勢いで間に飛び込んできた男がいた。 しかも武道、それもかなり攻撃的な技でたちまちのうちに男たちを蹴散らし、叩きのめしていく。 工藤も黙ってはいない、突き放しても尚も向かってくる男らに応戦し、千雪は持ってい
月夜の猫-BL小説です 月鏡43 BL小説 「集団で来られるとやっぱ怖いよ。俺もガキの頃からこんな顔してたし、女みたいとかいじめられた」 檜山がさらりと口を挟んだ。 「俺もガキの頃からこんな顔で、皆に遠巻きにされてたさ」 ついでのように白石が言った。 途端、ガハハという仲間のわかり声が響く。 「お前、こ