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旧水海道小学校 教育の時代の残像 <トラキチ旅のエッセイ>第28話
しばらく以前、政治家の発言により、にわかに有名になった言葉がある。 「米百俵」 出どころは、越後長岡藩士小林虎三郎の逸話となる。 戊辰戦争における敗戦と、その被害による長岡藩の窮状を見かね、支藩である三根山藩が贈った百俵の米。 「助かった。これで糊口をしのげる」 と、喜んだ藩士らを前に、藩の大参事虎三郎は、 「これは食べない」 食ってしまってはそれで終わり。ろくに食べられないわれわれだからこそ、人を育てることにこれをつかうのだ―――。 空きっ腹をものともせず売ってしまい、学校建設の資金をこしらえたという。 以上は、明治という時代を象徴する話として知られているが、これだけではない。明治の人びとは…