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これまでのお話 『笑う魚』 その1 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その2 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その3 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その4 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その5 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その6 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その7 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その8 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その9 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その10 - …
「コンテナを開けてみなくては死体の確認はできないけど、そのさあ、蓋を開けたら、監視の標的にされると思うんだけど」 「その心配は必要ないと思います。コンテナが屋上に置かれていた常設の備品ならば、ええ、死体をビニールシートにくるめて人目を避けられる。しかし、見てください」種田は半歩前に出た、屋上床とコンテナの境目を指す。「細かな砂がコンテナの下にまで入り込む、これはコンテナの設置はつい最近であることを表します」要するに、持ち運ばれたのであれば、監視の目は常に私たちを狙う。だけど、コンテナが常設してあって備品であり、死体が従業員によって発見された、それまでは発見を免れていた、という観点から判断を下す…
曲はホームページのほうに置いておきました。 ピアノ曲「桃を待つ時間」を公開! - 独学ピアノブログ「ゼーレンフォルノーツ」久しぶりの投稿です。 今日の曲は、桃…
裏口から屋外へ、二人は出た。林は廊下で従業員に呼び止められた。彼も屋上へ上るつもりだったらしい、梯子を上れる体格には見えなかったが、と種田は思いつつ、梯子を見上げる。 二メートルほどの高さから壁に垂直に金属製の梯子がかかる。飛びついて指先が届く高さ、と身長百七十の種田は瞬時に観測した。仮に指が数本掴めても、そこからよじ登る腕力、筋力は持ち合わせていない。おそらく、隣で準備運動に必死な鈴木でさえ、足が梯子にかかるかどうか。それにだ、捜査員やブルー・ウィステリアの社員が上った、壁をこする足跡がまったく残っていない。だから、こうして脚立が用意される、というわけだ。鈴木の準備運動は長時間のドライブによ…
これまでのお話 『笑う魚』 その1 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その2 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その3 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その4 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その5 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その6 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その7 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その8 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その9 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その10 - …
最も暑い7月。7月の平均気温記録が45年ぶりに更新されていた。こんなに暑い夏があっただろうかと思ったのは、気のせいではなかった。 サルスベリの花 サルスベリは夏の花。この強い日差しに咲き誇る。 サルスベリの花 カボチャの花 毎年咲き、実るカボチャ。あざやかな黄色。 カボチャの花 実がなる でも、今年はダメだったようだ。農家さんがあきらめて、刈り入れはあっという間。先日少しだけ降った雨の後、数日のこと・・・。 今日はこんなに雨が降っているのに、間に合わなかった。 ニュースで作物の被害が報道されていた。日照りは災害に入らないということで、保証がないそうだ。ただ泣き寝入りだと述べていた。 夏の夕方 …
「交渉は決裂、ですか。残念です。これから一週間、新商品の発売はS市の日本一号店に限定しています」林は立ち上がって、種田の左手、奥のデスクに移った。フィルター、透明な筒をデスクから掴んで咥えた。カートリッジ式の香りを愉しむ、やや葉巻に近い、しかし煙は一切排出しない煙草、葉っぱの塊を彼は吸い込む。青い藤を配したTシャツが膨らみ、しぼむ。「商品の在庫は予約と店舗販売用が倉庫に収まる。行列のほとんどは予約客の列、一般の販売客は販売個数を知りません。二台ほど、私が自腹で商品を購入したとしても、問題はない」 「つまり、私たちを買収する。その代わりに、あなたの要求の飲め、ということでしょうか」鈴木は唾を飲ん…
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「おっしゃるとおりです」林は速やかに種田の明晰さに、興味を示したようだ。ある種の人物たちが見せる好機のまなざし。「お二人は応援ということでしたが、事情は伝わっているのでしょうか。改めて私に事情を聞かれたので」 「あくまでも予測です。それに」種田は平常な態度で応える。「複数回、事情を話すと得られる関係者、当事者たちの情報の整理を私は求めた。人は事実を見てはいるが、はっきりと言葉に変換することは避けてしまう」 またしても興味ありげな視線、林はソファに背をつけた。私は絵画にでもなった気分。自画像を他人がまじまじと目を凝らして注視して欲しくはないのに。 腕を高い位置で組む鈴木は、大げさに首をかしげた。…
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「日本支社長の林といいます、先ほどお見えになった方々とはまた別の管轄で?」多少、外国の訛りが混じる。海外の生活が長いか、両親のどちらかが日本人なのだろう、種田は管轄をまたいだ要請を包み隠さず林に伝えた。隣の鈴木の表情に驚きが滲んだが、交渉の術は身構える対面のコンタクトが狙い目である。彼から情報を聞き出せないとすれば、S市の情報に頼るしか捜査の全容を掴む手立てはない。呼び出しておいて、彼ら要請側は情報のすべては公開しない傾向にあった。末端のプライドが阻むのだ、よって種田たちには関係者の事情聴取が重要となる。まずはこちらが手の内を明かす、そして身構える相手の力を抜き去る。 「そうでしたか……」ほっ…
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石に表情を描く 「ボス猿」自然の形に見いだした表情をストーンアートで表そう
ストーンアートでは、石の形や色から何かのモチーフ(素材)を想像してデザインしている。 でも、形を描くだけでなく、浮かんだ物語を込めて創作するのも楽しいだろう。 今回は、自由なアイデアを、顔の表情を描くことで表そう。 ストーンアート第11回! 「ボス猿」を作る 手順 石の形を活かして写実的に表した作品に、表情をつけてみよう。 手順を紹介。 1.石からモチーフを発想する この度の石は、ある角度から見ると、猿の顔が浮かんできた。 小猿や母猿、オスかメスなのか、年老いた猿なのか。どんな猿だろうと考えた。 伸びた頬のような部分から、ボスを張っている老齢な「ボス猿」が浮かぶ。 目の輝きは消えていない、そん…
種田のドライブは鈴木の恐怖心を煽ることなく、無事に目的地のブルー・ウィステリアの日本一号店に誘導した。 明治初期の金融機関がかつての所有者である建物は、敷地一杯、キューブ型の西洋式近代建築そのものであった。外壁の手前に歩道と区切る低木がいかにも近代の様式美をかもし出す。看板が一角に置かれ、その歴史を書き記す。運転席側なので、種田からはうまく見えない。 入り口を通り過ぎて、裏手に続く小径を曲がる。おそらく駐車場は裏に数台止めるスペースが確保してあるはずだ、都市部の裏手、特に銀行や商家などの土地は売られずに建物と共に所有することが多い。O市の同時代の近代建築も裏手の駐車場が健在だった。おぼろげな、…
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無論、種田も特殊で扱いにくい性質から現在の部署の配属となる。記憶力に優れるが、忌憚のない意見を上司問わずにぶちまけるため、捜査に支障をきたすとの現場からの訴えによって、かろうじて警察の権利をかざす刑事の末端に彼女は籍を置く。 ハンドルに右手を置く、彼女は考えた。 まず、背伸びについて。運転の技量や車に関する知識を指すと思われるが、一体どれほどの技量を求めているのか、女性が運転に不慣れ、という傾向についても、男性と比較した女性の免許保有者の割合は低く、つまり男性にも劣った運転技術者が多数隠れているはずだ。また、身の回りに出くわす女性のドライバーの技量がたまたま低かっただけであり、同数による観測を…
窓に映る二人の姿が色濃く移り変わる。 O署の刑事種田は先輩の鈴木と行動を共に、早朝署に出向くやいやな、S市の捜査協力の要請に対し上司の熊田が私たちを指名した。S市に引き返す時間が惜しい、種田は応援要請を受け止めた。鈴木は対照的に卑屈に愚痴を言っていたが、それも車に乗り込み、種田がハンドルを握ると申し出たため、一時間ほどの仮眠が取れると、気分が季節柄の天候思わせる変わりようである。 女性の種田に運転を任せるというのは男として、云々かんぬん、署を出る前に二人の先輩にあたる恰幅のいい相田が鈴木の行動を嗜めたが、彼女自身、特別男性だから、という理由は今回の運転手をめぐる議論の論点から外れている、と思っ…
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目の前が真暗。 目の前が真白。 目の前が真赤。 目の前が黄色。 目の前が青色。 オレンジだと思ってたら赤。 黒だと思ってたら紫。 newlibrary.hatenablog.com ランキング参加中読書ランキング参加中創作ランキング参加中【公式】2023年開設ブログ
彼女は、そのとき突然ソーサーにあるスプーンの柄でテーブルを叩いた。ドンドン。店内の喧騒が途絶えていた見落とした空白に響く、前後それから壁際のテーブルに視線を送ると、こちらを窺う気配がさっと引かれた、喧騒が回復する。聞き耳を立てていたらしい。悪趣味、他人の不幸は蜜の味、悪口、噂話は自らを蔑むとは悟れていないようだ、金光は女性にこそルーズな一面を持つも、男性特有の傾向だからか、あまり他人のことを話したりはしない。また、定期的に会う友人というのにもきっぱりと縁を切った彼である。 「さようなら」彼女はゆらりと立ち上がった。引いた椅子を突っ張る音、持ち上げてぴったりテーブルに押し付けて戻す。そこまでしな…
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服従させるしかない。 話し合いで解決するわけがない。 甘ったれるな。 奪いに行くしかないのだよ。 そう言って彼等は飛び出した。 馬鹿げている。 止めるのが彼等なのに。 newlibrary.hatenablog.com ランキング参加中読書ランキング参加中創作ランキング参加中【公式】2023年開設ブログ
今日も愛犬カンピと公園でお散歩です。猛暑が厳しく、木陰がありがたい。アスファルトの上はどんなに熱いことか。日陰の土ならば、まだいける。 カンピとお散歩 ふと見上げると、木々が美しい。 木々から太陽 これは松。 松 え?なんだ、これは。 松のアップ 秋に落ちてくる・・・まつぼっくり?数がすごいね。大豊作。灼熱の太陽の下。秋まで日に焼けながら実がなっている状態なのか・・・。 松ぼっくりの固い皮。種を守るために、がんばった証。 ランキングに参加しています。よろしくお願いします。
「誰かと一緒だったの……、そう、なるほど……」 「きみは人から僕の情報を耳に入れたんだろう?」金光は彼女の落ち着きに不信感を持った。だって、彼女は昨日の僕の行動を詮索したりはしない、その性格が僕が彼女と関係を深めるきっかけといってもいいんだ。彼は目をぐるりと、一周させる。「……君自身があの場所にいたってことかい?」 「私には夜も昼も関係がないの。夜のほうはかなり頻繁に歩けるように、なったかしら」彼女は口元を緩めた。薄い唇が左右に引かれる。「なんだか騒がしい通りだったけれど、そうね、声や音の発現は主に通りの向こう側だったわ」 「見えないのに、何故僕がそこにいたと確信したんだ、できれば理由を聞かせ…
『笑う魚』 その1 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その2 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その3 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その4 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その5 - JuniperBerry’s diary 反動をつけて飛び起きようとした ダ・シルバ氏であったが、 起き上がるのに 人の手を借りている人間が この状態で 自力で起き上がれるはずもない うなり声を上げて 再度床にのびてしまった。 そして 天井を見ながらふと我に返った。 「今私は、笑うと言いましたか? 馬鹿な 何を言っているんです…
次は砂かな。 予想ですけど。 問題を創る。 ある種の課題。 そうやって生かされている。 newlibrary.hatenablog.com ランキング参加中読書ランキング参加中創作ランキング参加中【公式】2023年開設ブログ
金光はにこやかに笑顔を振りまいた、彼女は見えていないのにどうしてか、機嫌を取りたくなった。観測するに自分の態度を肯定したいのだろうな、彼はコーヒーに口をつけた。コクのある酸味は淹れたて出来立てから徐々に酸味を加速させるんだ、出会った当初の彼女との関係のように……。 「昨日は、仕事だったの?」器用な彼女、添えた左手はまるで見えているかのように自然だった。 「ああ、うん。まあね。半分仕事で半分は遊びの要素も含まれている。定期的に開催するキッチンスタジオを個人的に借り切って、新作の考案に励んだ。うそじゃない」 「誰も疑ってないわ。夕食は一人で?」 「君と食べられないんだ、一人に決まってる」 「そう、…
ここまでのお話 『笑う魚』 その1 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その2 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その3 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その4 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その5 - JuniperBerry’s diary その夜、男達は夜遅くまでピンガ片手に 「出自不明の魚」について 意見を交わしたのだが 結論の出ないままに それぞれの寝室に戻っていった。 ただ一人パティオに残った ダ・シルバ氏は どんよりとした目と長い図体をして ゆらゆらとひげを揺らしながら 大きな水槽の中で 漂ってい…
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ブレーキ痕を残す。 相手が飛び出してきたんだ。 夜中だし見えるわけがない。 不慮の事故。 夜逃げではない。 沖縄で風俗嬢。 娘1人神奈川のお婆ちゃん家。 よくいるカップルのお話。 newlibrary.hatenablog.com ランキング参加中読書ランキング参加中創作ランキング参加中【公式】2023年開設ブログ
東京から船で15時間。 ここが噂の離島だ。 4年に1度この離島で祭りが開催される。 完全紹介招待制。 撮影禁止。 よくある話。 火のない所に煙は立たぬ。 newlibrary.hatenablog.com ランキング参加中読書ランキング参加中創作ランキング参加中【公式】2023年開設ブログ
これまでのお話 『笑う魚』 その1 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その2 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その3 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その4 - JuniperBerry’s diary 「非科学的な事柄については、きちんと訂正せねばなりません。 無知な輩に 正しい知識を与えねばなりませんからな」 モレーラス氏は 仕方なさそうな顔を装いつつも いそいそと立ち上がった。 立ち上がるのが一番おっくうそうで、且つ手間がかかったのが ダ・シルバ氏である。 それもそのはず あれだけ豪勢な食事の後では もともと巨大な腹回りが …
「迷惑だよね、私。足手まといだもんね、そうだよね」席についた途端、彼女は俯き、言葉をしかしはっきりと言い放つ。涙がこぼれた場面を目の当たりにしたのは、いつ以来ことだったか、金光はそっとハンカチを取り出して、手渡す。 「今まで尋ねるのは失礼だと思って、躊躇ってたのは感じていたと思う。その、なんだ、目が見えなくなったのは、なんというか、病気かなにかの影響で病状が悪化したのかな?デリケートな領域だから、聞きづらくって……」後頭部を金光は掻く。駅前に抜ける比較的低層の駅舎の上空、青々とした空とは裏腹に通行人は広範囲に数人、直立不動の植林が強風に負けじと、風に逆らう。 「うん、それはいつか言おうと思って…
合併症で精神的にまいっていますが、日常に戻れるようがんばっています。体重がずいぶん減ってしまい、社会人になって以来、最軽量になってしまいました。それに加えてこの猛暑です。体力が無くなってるので熱中症にでもなったらシャレになりません。ホントにコワイ夏になりました。仕事から帰ったら、もうエアコンは入れっぱなしです。入れたり消したりは、かえって電力を使うからというのもありますが、エアコンのオフタイマーが...
これまでのお話 『笑う魚』 その1 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その2 - JuniperBerry’s diary 笑う魚 その3 - JuniperBerry’s diary 「は? 今なんと言いました」 「誰が笑うって?」 そこにいた男たち 正確には 魚マニア仲間の アレハンドロ・ナンブッコとエンリケ・ガローチョ サンパウロからやってきた 魚類学者の マイアーノ・モレーラス博士に ダ・シルバ氏の 四人が 一斉に漁師を見た。 「笑う魚など ありえませんぞ。 魚に 精巧な表情筋など ないのです」 モレーラス博士は フォークの先に一粒ずつ突き刺した 計四個の甘く煮た豆…