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キッチンには小さな箱が二つ並べられ、それぞれにメモが貼られていた。メモに書かれているスプーンは、箱の隣にあった。 左の箱の中身と、スプーンを持ってキッチンを出ると、すぐに彼がやって来た。スプーンを使って、食事を皿に出している途中で、彼は待ちきれず食べ始めてしまう。 今度は右の箱の中身を持って、部屋を出る。この家にいるはずの彼女は、何度ここを訪ねても姿を現すことはない。今日は、家主から聞いた彼女の居場所へ、こちらから向かう。一つだけ扉が開いたままの部屋がある。そこを覗くと、奥の窓際に、こちらをじっと見ている彼女がいた。 こちらから出向いても、ここの住人でないと彼女は逃げてしまうらしく、「ゆめ子ち…