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フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その10)
引き続き、第3期について。ただし、クイーンの二人が、最盛期と言われる第3期を私生活ではどう過ごしていたかについて語られる部分だ。 [原文](INTRODUCTION P.9) These Period Three years, 1942-58, saw Dannay and Lee at the peak of their powers and popularity, selling millions of copies a year, praised as highly by critics and their fellow writers as by…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その9)
いよいよ第三期について、だ。あらためて著者による第三期の長編小説リストを挙げておく。 [第三期(12作品)] 災厄の町(1942) 靴に棲む老婆(1943) フォックス家の殺人(1945) 十日間の不思議(1948) 九尾の猫(1949) ダブル・ダブル(1950) 悪の起源(1951) 帝王死す(1952) 緋文字(1953) ガラスの村(1954) クイーン警視自身の事件(1956) 最後の一撃(1958)
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その4)
ダネイもリーもニューヨーク市ブルックリンにあるボーイズ・ハイスクールに通ったが、その後リーはニューヨーク大学に進学し、ダネイは一足先に広告会社に就職して、コピーライター兼アートディレクターの仕事に就いた。リーは遅ればせながら映画会社で映画を宣伝する文章を書く仕事に就いた。 [原文](INTRODUCTION P.4) They met almost every day for lunch and among th…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その3)
懸賞金付きの小説募集に応募して、いったんは内定したにもかかわらず受賞を逃した二人の若者は、南フランスに移住してプロの作家としての生活を始めるという夢をとりあえず棚上げし、今の仕事を続ける事にする。 [原文](INTRODUCTION P.1) In the normal course of events, Frederic Dannay and Man fred B. Lee would probably have remained with their jobs in advert…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その2)
『エラリイ・クイーンの世界』は次のように始まる。 [原文](INTRODUCTION P.1) ONE DAY IN THE FALL OF 1928 TWO YOUNG NEW YORKERS, first cousins, decided to write a detective novel. The occasion was a newly announced $7500 prize contest, sponsored jointly by McClure's Magazine and the publishing house of Frederick A. Stokes. The work consumed the you…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その1)
手もとに一冊の本がある。奥付を見ると「1980年4月15日初版発行」と書かれているから、ちょうど浪人が決まってお茶の水の予備校に通いだした頃だろう。前年は年も押し詰まるまで病院で悶々とした日々を送っていたのだから、当然受かるとは思っていなかったが、いざ浪人すると決まった時は、それなりにショックだった。病名も分からず、直ったとは言いがたい状況で退院し、爆弾をかかえたまま、よちよち歩きの状態からなんとか…