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フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その3)
懸賞金付きの小説募集に応募して、いったんは内定したにもかかわらず受賞を逃した二人の若者は、南フランスに移住してプロの作家としての生活を始めるという夢をとりあえず棚上げし、今の仕事を続ける事にする。 [原文](INTRODUCTION P.1) In the normal course of events, Frederic Dannay and Man fred B. Lee would probably have remained with their jobs in advert…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その1)
手もとに一冊の本がある。奥付を見ると「1980年4月15日初版発行」と書かれているから、ちょうど浪人が決まってお茶の水の予備校に通いだした頃だろう。前年は年も押し詰まるまで病院で悶々とした日々を送っていたのだから、当然受かるとは思っていなかったが、いざ浪人すると決まった時は、それなりにショックだった。病名も分からず、直ったとは言いがたい状況で退院し、爆弾をかかえたまま、よちよち歩きの状態からなんとか…