メインカテゴリーを選択しなおす
音楽の習い事は情操教育ではなく、技能訓練だった。将来、収入を得るための職業訓練。「月謝が高い。」「こんな高いお金を払って。」「趣味で習わせてない。」勝手に押し付けておいて。まだ小さかった私に金の文句を言い続けた。 * * * * * * * 仲間からカラオケに誘われたけど、2人きりだと緊張するし相手が男子だったので返事はせずに保留状態に。 …
否定され続けて育つと、その子は「自己評価」を下げる。 自己評価が下がると、怒りの沸点も下がる。 些細な事でキレ易くなる。 ニュースで17、8歳が凶悪犯罪を起こした報道を見て思う。 推測だが親の機嫌のいい時には猫かわいがりされ、機嫌の悪い時に暴言を浴びせられて育ったのではないか? 善悪の判断で叱らず、親の都合の暴力や暴言で対応してきた。 自己評価の低さや、心の底に満杯になった怒り…
両親が信頼関係を築けない間柄というのは子供にとって良くない。 過剰で自己満足な愛情も。 無関心で他人事のような距離も。 成長過程の子供には有害だ。 衣食住は足りていた。 だから虐待家庭ではない。 衣食住に不自由はしていないし、短大へも通った。 親に感謝するのが当たり前で、不満を並べるのは間違えてるのかもしれない。 虐待家庭の子は命を取られる。 命は大事だ。 そういう家…
母は常に手作りの服を私に着せていた。 普段着から、ピアノの発表会の服にいたるまで全て手作りだった。 既製服を「仕立てが悪い。」とけなし、一切買うことはなかった。 もちろん自分自身の洋服も全て自分で仕立て、着用していた。 自分の作る服が世界で一番、そういう認識があったように思う。 仕立てのオーダーの仕事に加え、自分と娘の洋服まで作っていたから、暇な時間は一時もなかった。 いつも仕事…
私のような歯並びを矯正できると知ったのは、もう少し後の事だ。 雑誌に歯科医院の広告があって写真が載っていた。 矯正前の歯は、かつての自分のように完全に奥側にあった。 噛み合わない奥に生えた歯でも動くのだと知った。 抜歯する必要など全く無かった事を知らされた。 その時の衝撃が一番大きかった。 有ればどうにかなった。 何も知らずにいた。 教えてくれる歯医者に当たらなかった。 …
前の歯で物を噛み切る。 上下で挟んで切るから、きれいに食べられる。 私のは二重になっていた。 みかんの房を前歯で挟んで果肉を引き抜いて食べようとしても、二重になった奥の歯が邪魔して、水分が飛び散り上手く食べられない。 林檎もきれいにかじる事はできなかった。 物を食べるささやかな行為と幸せ。それが不可能な歯。 それは些細な事かもしれない。 些細でない事もある。 舌に当たって常…
両親はその後も歯医者を探そうとはしなかった。 よく言われた。 「あんたは口が小さいから、見えへん見えへん。」 口を閉じてしまえば外からは見えない。 見えないから気にするなと。 結局それで済ませてしまった。 母が探したのはピアノの先生だった。 小学生になってから習い始めたピアノ。 しかし月謝が高いという理由でそこを辞め別の先生に代わった。 「あの先生は月謝を上げて。高…