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『中世ヨーロッパ世界の歴史5』社会思想社、1974年9シチリアの晩祷5地中海帝国の夢シャルル・ダンジュー領地シチリア王国を確保したシャルルは、つぎの目標をビザンティン帝国においた。当時、地中海東部における西ヨーロッパ人の勢力は退潮期にあった。一三五〇年ごろの情勢をみると、第四回十字軍のときに成立したラテン帝国に対抗して小アジア半島の内陸部に作られたビザンティン帝国の後継王朝、ニケーヤ帝国の勢力は、しだいにラテン帝国を圧し、小アジア半島北西部からバルカン半島北部にかけて進出し、ラテン帝国のコンスタンティノープルを攻囲していた。小アジア半島東部にはセルジューク・トルコのイコニウム帝国があり、アルメニアから東はモンゴル人の支配下にあった。エジプトでは、ちょうどこの年、アイユーブ朝が倒れ、トルコ人のマムルク朝がお...5-9-5地中海帝国の夢
【読書考】「ローマ亡き後の地中海世界」(上・下)(塩野七生 著 新潮社)を読んで
本書は、「ローマ人の物語」(全15巻)の続編として、ローマ帝国崩壊以降の地中海世界の興亡を描いた書ですが、とにかくおもしろいです。「ローマ人の物語」では、「ユリウス・カエサル」を描いた第2巻が最高に面白く、おそらく著者もそこを一番書きたかっ