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「61万人の予備軍」~東大前駅切りつけ犯にみるこの国の未来③
名前のない人、肩書のない人は、自ら名乗るしかない。 「義務教育への復讐者」あるいは「過剰家庭教育への警鐘者」。 けれど彼らは、もともと一切の名を持たぬ不安な人たちのだ。 そして間もなく、この人たちは一斉に外に出て来る、という話。(写真:SuperT) 【自らに名前をつける】 ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」の前半のクライマックスは、主人公が滅びゆく物語の国・ファンタージエンの崩壊を食い止めるために、女王「幼心の君」に新たな名前を付ける場面で終わります。そこには“名前のないものは存在できない”という独特の哲学があります。 東大前駅切りつけ事件の犯人も、もしかしたら「何者でもない透明なボク」…
「ボクは“何者でもない透明なボク”ではない」~東大前駅切りつけ犯にみるこの国の未来②
「東大前駅切りつけ事件」の犯人は1982年生れ、 その世代には特徴的な人々がいる。 戦後80年で最も暗い時代に思春期を迎えた若者たちは、 何かを証明せずにはいられないのかもしれない。という話。(写真:フォトAC) 【透明なボク】 経典や神話に書かれている内容はすべて完全に事実だと信じる立場を原理主義と言います。原理主義者はどの世界にもいて、例えばキリスト教原理主義者はノアの箱舟や紅海が裂けて道ができた出エジプトなどを実際にあったことと固く信じています。そのうえで歴史上実際に起こった証拠を探したり、それを裏付ける研究を支持したりしているのです。 もちろん非キリスト教徒のほとんどは、これらが象徴的…