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カイト・カフェ https://kite-cafe.hatenablog.com/

教育を中心に日々の関心事を書いています。基本的に週日更新。学校に合わせて長期休業も取っています。

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2017/12/16

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  • 「家庭菜園ティスト、子孫に美田を残す決意をする」~今年の畑の準備ができて考えたこと②

    都会はどんどん変化するが田舎の動きは鈍い。 そもそも変化の必要性さえ乏しい。 おそらく200年経っても、緑の同じ世界があるだろう。 だから私は子孫に美田を残したい。という話。(写真:フォトAC) 【田舎は8000年経っても田舎のまま】 2001年のアメリカ映画、スティーブン・スピルズバーグの『A.I』に、主人公のロボット少年が、疑似的な母親である人間の女性に捨てられる場面がありました。滑るように走る未来カーに乗せられ、かなりの時間、深い森の中を走ったあげく最後に遺棄されるのです。悲しい場面でしたが、そのときふと思ったのは、《人間そっくりのAIロボットが普通に生活しているほどの遠い未来でも、こん…

  • 「横並び・我慢強さ・協調性・ムラ、百姓はこころ病まない」~今年の畑の準備ができた

    今年の畑の準備ができた。 明日にも苗を買いに行って、植え付けを始めよう。 農業は私たちの感性と深いつながりがある。 稲作が私たち日本人を創り上げたのだ。という話。(写真:SuperT) 【今年の畑の準備完了~畑づくりには順序がある】 晴耕雨読とは言いますが必ずしもタイミングよくことが進むとは限らず、今年の3月末から4月上旬にかけては天候が悪く、毎日、雨読、雨読、雨読でやきもきしましたが、ここにきて今度は、晴耕、晴耕、晴耕。おかげでヘトヘトですが、いちおう今年も畑の準備が整いました。今日明日あたり、苗を買ってきて植え付けようと思います。 当たり前の話ですが、作物は種類によってそれぞれ収穫の時期が…

  • 「『悪い子』の反対は『いい子』? そして 『竜馬はどこへ行ったか』」~日本人にも難しい日本語③

    「悪い子」の反対は「よい子」なのか「いい子」なのか、 「行く」の読みは「いく」と「ゆく」どちらが本来の姿なのだか。 調べ始めたらとんでもないことが出て来た。 私はこれまで何を学んできたのだろう。という話。(写真:フォトAC) 【「悪い子」の反対は「いい子」なのか】 次の◯◯に入る言葉はなにか。「◯◯子、悪い子、普通の子」 1980年代前半に一世を風靡した「欽どん!」というテレビ番組の人気コーナー、その名前です。リアルタイムで見ていた人たちはかなりの年齢になるかと思いますが、知らなくても◯◯に入る言葉は予想がつくでしょう。その上で、「良い子」なのか「いい子」なのかは問題になりますが――。 答えは…

  • 「自信崩壊:「いう(言う)」と「ゆう」」~日本人にも難しい日本語②

    Facebookの元教え子の日本語表記が気になる。 「ゆう」は「いう」、「そうゆう」は「そういう」に、 それぞれ書き換えるべきではないか―― そう思って調べたら、とんでもない事実が判明した。 という話。(写真:フォトAC) 【四半世紀前の教え子にいうべきか】 10数年前Twitterを始めとするSNSの興隆に乗り遅れまいと、片っぱしアカウントを取ったのですが、現在、日常的に稼働しているのはLINEくらいのもの。X(旧Twitter)やFacebook、Youtubeはほぼ毎日開きますが、投稿することは稀。Youtubeとインスタに至っては登録時に動画や画像を上げただけで、以後、自分から発信する…

  • 「英米人にとっても難しい英語、日本語は楽だが落とし穴がある」~日本人にも難しい日本語①

    日本人に比べ、欧米人には識字障害が極端に多い。 それは英語が難しすぎるからだ。 それに比べたらはるかに楽だが、 日本語にだって難しさはある。 という話。(写真:フォトAC) 【識字障害の話】 識字障害(ディスレクシア)というのは知的障害がないのに文字が音に結びつかず、文字が読めなかったり書けなかったりする発達障害のひとつです。英語圏では大人の10%~20%にディスクレシアの傾向があると言われ、俳優のトム・クルーズやローランド・ブルーム、同じ「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイ、映画監督のスティーブン・スピルバーグ。古くはレオナルド・ダ・ヴィンチやエジソン、アインシュタイン等は、…

  • 「私たちが奴隷になっていくことへの憤り」~人生のハンドルを自分で握る者②

    文明社会で人は依存的に、つまり幼児化していく。 大人になるべき時にも、その機会を取り逃す。 長じては自ら人生のハンドルを放棄してしまう。 私たちはただ、お上の恩情にすがる奴隷となりつつあるのだ。 という話。(写真:フォトAC) 【文明人は幼いが、幼児は幼くてもいい。しばらくは・・・】 文明人とは自分たちがやっていたことを、他人や機械やシステムに代行してもらう人たちのことです。したがって文明人はどうしても依存的になりがちです。一般に依存的な人間を、人々は「幼稚だ」と表現します。 もちろん幼稚であってもいい人間もいます。さしずめ我が孫2号のイーツなどは、もうしばらく幼稚でいてもかまいません。4歳で…

  • 「誰のためのPTAや自治会か」~人生のハンドルを自分で握る者①

    知らないうちに私の地元の小中学校からもPTAがなくなった。 保護者を代表する人がいなくなったことに、誰も怖れを感じない。 その事実が、また私には恐ろしい。 同じく自治会も消されようとしているが、ここで一曲紹介しよう。という話。(写真:フォトAC) 【人生のハンドルは自分で握っていたい】 これは単なる性分の問題なのかもしれませんが、私は自分の人生のハンドルは最後まで自分で握っていたい人間です。ですから他人の運転する車に乗ることは好みませんし、飛行機より船が好きです。大して泳げないのだから遭難したら海も空も同じですが、最後は自力でじたばたしたいのです。 もちろん病気になって手術が必要な時に自分で執…

  • 「出口なし、八方塞がりのいじめ事件。結局、道はひとつしかなかった」~困った子、困っている子の話③

    文科省の定義に対照すれば明らかないじめ事件。 しかし解決の道がない。 どうなればいいのか、本人にも分からない。 結局、その子が別の道を探すしかなかったのだ。という話。(写真:フォトAC) 【定義に照らし合わせるとやはり“いじめ”】 異動で移った時にはすでにこじれ切っていた「いじめ=不登校」事件ですから、もはや私には手の打ちようがなかったと言えば言い訳も立つのかもしれません。けれどもっと早い段階からかかわっていれば解決の糸口は見えたのかというと、それも微妙です。 当時の文科省のいじめの定義は次のようなものでした。『本調査(*1)において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式…

  • 「私が思い出したあるいじめ事件の話」~困った子、困っている子の話②

    孫2号の不機嫌のベースには、 昼寝をしなかったことによる寝不足がある。 と、そのとき思い出したのは、遠い昔のいじめ事件。 あの時のあの子も、ほんとうは眠かったのかもしれない。という話。(写真:フォトAC) 【原因は睡魔という不条理】 昨日、娘や孫と外食に出た際、自動車内の座席が思った通りじゃないと孫2号のイーツが怒り出し、何をやってもダメだったというお話をしました。 少し高級な回転寿司屋に行ったのですが、そこでもご機嫌は斜めで、運ばれてきた直送レーンの返却ボタンを押しそこなったと怒り、注文の際にタブレットの「サビ抜きボタン」を押し忘れて(自分でやった)食べられない寿司が来たといっては拗ね、せっ…

  • 「惣領の甚六、次男坊には鬼が出る」~困った子、困っている子の話①

    娘が二人の子を連れて五日余りの里帰り。 しかし次男坊が驚くほど難しくなっていた。 怒る・泣く・喚く・意地悪をする――、 そして私は、あることを思い出したのだ。という話。(写真:フォトAC) 【シーナ、里帰りする】 先週の月曜日(1日)から金曜日(5日)、長女のシーナが二人の息子を連れて里帰りしてきました。上のハーヴは8歳で小学校の3年生になったばかり、下のイーツが4歳で今年保育園の年中組になりました(もちろん3人とも仮名、日本人です)。 なぜ土日をはずして月~金という週日にやって来たのかというと、シーナは現在、在宅で仕事をしており、ハーヴの学校が始まるまでの一週間、親に籠りをさせて自分は働こう…

  • 「こうしてみると改めて凄まじい四月の月暦」~四月バカの話ではないが四月バカみたいな4月当初のできごと(最終)

    入学式・始業式が終わっても楽にはならない。 子どもがくるとなおさら切羽詰まる。 しかし忙しさの大部分は不可欠な内容でつくられている。 削れない、人を増やすしかない。 という話。(写真:フォトAC) 【子どもが来るとなおさら切羽詰まる】 怒涛の4日間が終わって学校は一応の落ち着きを取り戻し、日常の生活が始まる――という訳ではありません。いままで教職員全体の動きに合わせていなければならなかった上に、さらに児童生徒の動きが被さって教師個人の動きを制約するからです。 それでも小学校の場合は新一年生のみが学校探検だの給食配膳練習だのと非日常的な日々を送り、他学年は次第に日常的な生活に戻っていくことができ…

  • 「入学式・始業式の来賓控室と担任発表あれこれ」~四月バカの話ではないが四月バカみたいな4月当初のできごと

    入学式は比較的に扱いの軽い行事。 しかし子どもの清新な心は大切にしたい。 地域の人々が学校に期待していることを知るのもこの日、 不躾な子どもが担任発表に一喜一憂するのもこの日。 という話。(写真:フォトAC) 【入学式も大切にしたい】 卒業式には強い思い入れとこだわりがありますが、入学式にはこれといった思いがないので、とにかく気持ちよく、無事終わってくれればいいと思うだけです。諸外国には入学に際してこれといった儀式のない国はいくらでもありますし、歴史的にも扱いは軽いものでした。 江戸時代の寺子屋はもちろん、藩士の子にとっては義務教育だったはずの藩校ですら、就学は子どもが学習に耐えられそうだと思…

  • 「三日目にして学校の構造が何となくわかって来る」~四月バカの話ではないが四月バカみたいな4月当初のできごと③

    三日目も係会と職員会、そして始業式の準備。 これでわずか4日目の入学式・始業式は可能になる。 しかしロクに頭に入らない学校全体の話を、 なぜこの時期に聞かなくてはならないのか。という話。(写真:フォトAC) 【3日目に起こること】 三日目も午前中は係会が二つと職員会議。 今日の係会で話し合ったことを今日の職員会で扱うのではなく、来週か再来週の職員会議で取り上げることになります。係主任はそれまでに計画案を作り直してきます。 午後は入学式と始業式の準備。一昨日、副校長先生と係の先生が示してくれた案に従って、体育館や教室、来賓控室などを整理します。もっとも(後から知るのですが)大部分のことは3月末に…

  • 「4月2日、係会、係会、係会、係会・・・」~四月バカの話ではないが四月バカみたいな4月当初のできごと②

    年度当初の二日目。 とにかく新体制のメンバーで1年分の見通しを立てなくてはならない。 だから会議、会議、会議・・・。 そして自分のことは後回しになる。 という話。(写真:フォトAC) 【二日目午前、係会1、係会2、係会3、係会4・・・、午後も会議、会議】 怒涛のごとき4月の初日が終わり、2日目は多少ゆったりした時間が流れます。 午前中の3時間余りを4コマから5コマに分けて、さまざまな係の会を同時に行います。例えば「9:00~9:30 係会Ⅰ 学校行事、人権・特別支援・国際理解・図書館」とあったりすると、それぞれの主任の先生が決めた場所に行って、一年間の計画などについて話し合います。学校行事の係…

  • 「4月1日、今日、学校で起こること」~四月バカの話ではないが四月バカみたいな新年度当初のできごと①

    4月、全国の新入生・新入社員・新入職員、 その大部分は希望に胸をときめかせ、新生活初日を始める。 しかしここに最初の15分で脳ミソを沸騰させる人たちがいる。 学校の初任教師たちだ。彼らはその日いきなり嵐の中に投げ込まれる。という話。(写真:フォトAC) 【準備職員会議開始まで】 4月最初の出勤日(今年の場合は今日、4月1日月曜日)は、新年度初日という特別な日なのに、学校としては珍しいことに、朝の始まりはむしろ遅いくらいです。というのも朝の内に済ませておかなくてはならない仕事というものがほとんどなく、中学校の先生も部活動を入れないのが普通だからです。年度も替わり、形式上、部活顧問も誰がやるか分か…

  • 「二十歳からの五つ目の10年が終わる」~そして終わりの始まりへ

    2023年度がいよいよ終わり、来週からは2024年度。 そして10年ごとに人生を変えて来た私にとっては、 おそらく最後の10年が始まる。 怖くはないが、厳しい戦いの日々になるだろう。 という話。(写真:フォトAC) 【二十歳から五つ目の10年が終わる】 学生時代のアルバイトを含め、10年、家庭教師と学習塾の講師の仕事をしました。30歳で都会を離れ、中学校教師として10年、小学校の教員として10年、最後は管理職を10年やって教職を離れました。その日から、明後日でちょうど10年になります。 今終わろうとしている二十歳から五つ目の10年は、途中で2年ほど別の仕事をした期間もありましたが、基本的には家…

  • 「老い先短い者が壮年の子どもたちに伝える人生への想い」~知り合いの若者のお母様が、私くらいの年で亡くなって

    娘婿の義弟の、その母親が、私ほどの年で急逝した。 その彼の嘆きはいかばかりか――。 しかし若者よ、人は齢を取ると枯れ始め、 人に対しても人生に対しても、次第に恬淡とするようになるのだ。 という話。(写真:フォトAC) 【ある若者の母親の死】 娘婿のエージュの妹の配偶者のお母様――といっても訳が分からなくなると思いますが、要する少し遠い縁戚で、私が大切に思っている若者(と言っても30代)のお母様が亡くなりました。急性の心臓病で、何の前触れもなくあっけなく亡くなられたようです。 私は彼の結婚式で一度お会いしただけですが、背の高い、重々しくも古風な女性とお見受けしました。子どもの年齢を考えると私と同…

  • 「枠は減るのに教員は増える、もしかしたら収まりきらない」~定年延長の行方③

    定年延長で今後6万人近い正規教員の増加が見込まれる。 しかし法律上、教員の枠を広げるわけにはいかない。 新規採用を減らし、講師の枠も減らし――、 それでもダメなら・・・定数を増やすしかないじゃないか。という話。(写真:フォトAC) 【だから言ったじゃないか・・・】 教員免許更新制が始まったとき、「こんなことをしていたら講師がいなくなっちゃうじゃないか」と危機感を露わにしたのは現場だけでした。 免許更新は現役教師にとっては必須であり、更新講習の受けやすい状況が設けられていましたが、免許取得から一度も教職に就いたことのないいわゆるペーパー・ティーチャーや、定年退職その他で学校を離れた教員は、基本的…

  • 「定年が1年延びて大勢がこのまま教師を続けるらしい。やがて教師の総数は、現在より1割近くも増えるというが・・・」~新聞に教職員人事が発表されて②

    定年は延びるが管理職は教壇に戻り、給与も3割減る。 それでも続けられる人がどれだけいるかと思ったら、 意外と多くて、数年後は6万人近くも教員が増えてしまう。 大丈夫か?という話。(写真:フォトAC) 教職員人事に関する新聞発表があったことについて話しています。 【定年延長でも、教師を辞める人はいるはずだ】 定年延長にもかかわらず60歳で退職してしまう先生がどれくらいいるのか、学校に残る先生がどれほどいるのか、そのことに興味があります。 これだけ苛酷といわれる労働環境の中で、一度退職金を手にして区切りをつけてしまった教師たちが、給与を3割もカットされて、それでもなお生き生きと働いて行けるのだろう…

  • 「定年延長で居残る人、それでも辞める人」~新聞に教職員人事が発表されて①

    新聞に教職員人事が発表された。 発表すること自体を問題視する人もいるが、私は楽しみだ。 人の動きを辿るだけでいくつものドラマが浮かんでくる。 特に今年は定年延長が始まり、さまざまな思惑が見え隠れする。 という話。(写真:フォトAC) 【教職員人事発表】 新聞紙上でも教職員人事が発表されました。 これほど大規模な人事が毎年発表されるのは教職員だけで、人権上の観点からも個人情報保護の立場からも、いかがなものかという意見が前々からありました。私自身も昔、この発表でたいへんな思いをしたことがあるのですが、今は旧知の人々の動向を知ることができて、ありがたいと言えばありがたいものです。発表を見てさまざまに…

  • 「小川市郎も坂本金八も、いわゆる 『でもしか』『ラリーマン』教師」~40年前の仲間と会う②

    「不適切にもほどがある!」の小川市郎も坂本金八も、 ともに「デモシカ先生」「サラリーマン教師」世代なのに、 次世代の私たちの方がやる気のない教師のように言われ、 今は、過熱・体罰・暴言教師の元凶だと言われる。 という話。(写真:フォトAC) 【体罰と暴言とセクハラの時代】 年寄りが40年ぶりに集まれば当然、昔話に花が咲きます。 しかし思い出を語っても、「昔はよかった」とか「昔の方が楽しかった」というふうにならないのは、当時の教育文化が誤ったものだったという認識が、いまや確かなものとして広がってきたからなのかもしれません。体罰にも暴言もセクハラにも心当たりがあります。部活や生徒指導に熱が入りすぎ…

  • 「私たちの過去と現地点」~40年前の仲間と会う①

    年賀状を契機として、40年ぶりに、 初任のころの教員仲間に会うことになった。 お互い齢は食ったが、 変わらない何かがある。 という話。(写真:フォトAC) 【年賀状に携帯番号とLINEアカウントを入れた結果】 定年から10年がたってだいぶ身辺整理も進みました。例えば年賀状は、義理の関係はほとんどなくなり、親戚と、今後も末永く付き合っていきたい友人・先輩だけになったと感じています。そこで今年の年賀状には、これまでは比較慎重だった携帯電話番号を載せLINEアカウントのQRコードも貼り付けておいたのです。何人から連絡がくるのかとドキドキしていたのですが、電話はなく、LINEにアクセスしてきたのもわず…

  • 「なぜ学校の人事異動は極秘みたいになるのだろう」~早く新年度準備を始めたいのに、いつまでも陣容が見えてこない

    来年度の学校の教職員構成、 いつまでたっても教えてもらえない。 新年度準備に早く手をつけておきたいのに、 どうして極秘事項みたいなってしまうのだろう? という話。(写真:フォトAC) 【新年度準備、しかしいつまでも来年度の陣容が見えてこない】 いよいよ卒業式も佳境。 それが終わると先生方は一斉に指導要録の仕上げと点検作業に入ります。同時に新年度の準備も始まって、教科書の手配をする先生、清掃用具の点検をする先生、新入生の教室を整え飾る先生などと、忙しい毎日が続きます。 中でも大変だったのが時間割づくり。 校内に理科室が二つしかないのに三クラスに同時に割り当てたり音楽専科の先生がいちどきに二クラス…

  • 「卒業式はなぜビシッとしなくてはいけないのか」~地域の人々に対する感謝とお披露目の式、自分一人の命ではないと自覚する日

    卒業式をもっと簡略化できないか、 もっと楽しいものにできないかという人がいる。 しかし待ってほしい。 あれは単なるお祝いの会ではないのだ。という話。(写真:フォトAC) 【卒業式の日取りは案外バラバラ】 さてその前にーー。 令和5年度(2023年度)の卒業式の日取りは全国平均でどのあたりかというと、これが案外厄介です。 私は始業式や終業式、長期休業の日程などについてはいつも「日本文化研究ブログ」というところを参考にして、それでも足りなければさらに調査するのですが、それによると小学校の卒業式で早いところは3月12日(福井県福井市)、遅いところで3月25日(東京都新宿区、岐阜県岐阜市)と、二週間近…

  • 「日本人を日本人に育てる教育を守る」~13年目の3・11に際して⑤

    学校が教えるべきは「教科」だけではない。 「世界一やさしく、安全で、きれいな国」 それをつくるための学習は、絶対に欠かせない。 なのに、人々はその重要性を忘れてしまっている。という話。(写真:フォトAC) 【学校は勉強を教えるところなのか】 教員の働き方改革に関わって、「学校は勉強を教えるところだから、教師をそれ以外の仕事から解放すべきだ」とか、「勉強以外のことは家庭に返すべきだ」といった話があります。ここで言う「勉強」は「人生すべてが勉強だ」みたいな広義のものでなく、狭く、「教科」のことと考えてよさそうです。 しかしその「教科」も、中学校で言えば、国語・社会・数学・理科あたりまでは文句なく合…

  • 「世界一やさしく、安全で、きれいな日本。しかし昔からそうだったわけではない」~13年目の3・11に際して④

    私は日本を「世界一やさしく、安全で、きれいな国」だと思っている。 しかし昔からそうだったわけではない。 日本がそうなったのは、ほんのここ数十年余りのことで昔は違った。 ある組織が、意図的に、時間とエネルギーをかけてつくり上げたのだ。という話。(写真:フォトAC) 【世界一やさしく、安全で、きれいな国】 2012年以降、2020年に新型コロナで大きく落ち込むまで、訪日外国人観光客は毎年うなぎ上りに増えていました。それも東日本大震災をきっかけに、日本人の美質が広く海外に紹介されたことと無関係ではないでしょう。 日本は安全安心の国で、人々は基本的にやさしく親切で、無害な人たちばかりです。買い物や食事…

  • 「震災報道を通して、自国の評価は180°変わった」~13年目の3・11に際して③

    震災のもたらしたものは災厄だけではなかった。 最悪の状況でも冷静さと秩序を守り、自らに他を優先し、 逞しく生きようとする日本人の姿は、世界中に報道された。 「日本ブランド」が、彼我で承認されたのは、この時期のことだ。という話。(写真:フォトAC) 【震災の中にも見えた光】 2011年の日本は散々な状況にありました。地震と津波だけでも絶望的だったのに、そこに福島第一原発の事故が重なり、通常の災害とは全く違うものになって、復興が大きく遅れるだろうことは誰の目にも明らかでした。多くの外国人が日本を脱出して経済活動は停滞し、外国人観光客の姿も見えなくなりました。日本産の農産物・魚介類の輸出は激減し、い…

  • 「何が何でも子どもたち全員が絶対に助かる避難場所を探せと裁判所は言った」~13年目の3・11に際して②

    いわゆる大川小学校津波訴訟は、 罹災から9年目にようやく判決が確定した。曰く、 「どんなに遠くてもいいから、確実に全員が助かる場所を探せ」 無茶な話だが、必要なことだ。という話。(写真:フォトAC) 【学校の責任】 2019年10月、最高裁は東日本大震災で犠牲になった石巻市立大川小学校の児童23名の遺族が起こした訴訟で、遺族側の訴えを認めた二審仙台高裁の判決を支持し、市と県の上告を退ける決定をしました。これでいわゆる大川小学校津波訴訟の判決が確定したのです。 確定した二審判決には、次のような部分があります。「同小の校長らには児童の安全確保のため、地域住民よりもはるかに高いレベルの防災知識や経験…

  • 「東日本大震災の基本的なことと、学校のやったこと」~13年目の3・11に際して①

    13年目ということは今の中学1年生までが生れる前のこと、 2~3年生でも覚えているはずがない。 だから私が現役教師なら、今朝は基本的なことをメモにして、 精いっぱい語り掛け、そして自分が何をすべきかも考えるだろう。という話。(写真:フォトAC) 【震災に関わる基本的数字】 13年目の3・11です。 地震の起きた正確な日時は、2011年(平成23年)3月11日14時46分。震源地は宮城県牡鹿半島の東南東沖130 km。深さ24km。地震の規模を表すマグニチュードは9.0。 最大震度は7が宮城県栗原市、震度6強が宮城・福島・茨城・栃木の4県36市町村と仙台市内の1区で観測されました。 その後押し寄…

  • 「親ができないなら、学校がやるしかないじゃないか」~誰かが穴を埋めなければ子どもは助からない

    孫1号のハーヴが、父親と一緒にマラソン大会に出た。 DCDで運動の苦手な子に、少しでも自信をつけたいという。 そんな対応をしてもらえる孫1号は幸せだ。 しかしそうでない子はやはり、学校がみるしかないじゃないか。という話。(写真:シーナ・SuperT) 【孫1号のハーヴ、マラソン大会に出る】 正月に会って以来、孫たちを見ていないので寂しくなって、娘のLINEに“何でもいいから動画を送ってくれ”とメッセージしたら、まとまりのない10本あまりが送られてきました。そのうちの3本ほどは先月立川市で行われた「ベジタブル・マラソン」とかいう大会に、孫1号のハーヴと父親のエージュが出場したときのものでした。 …

  • 「ヘンリー八世と千日のアン、そしてユートピア」~今日はトーマス・モアの誕生日

    今日はトーマス・モアの誕生日。 しかしこの人、日本ではあまり知られていない。 「ユートピア」を書き、ヘンリー八世や千日のアンと渡り合った カトリックの硬骨漢・・・らしいけど。という話。(写真:パブリックドメインQ) 【今日はトーマス・モアの誕生日】 今日、2月7日はイギリスの思想家トーマス・モア(右図)の誕生日だそうです。1478年といいますからコロンブスのアメリカ大陸発見の14年前、日本史に当てはめると応仁の乱の終わった翌年あたりということになります。ちなみにモアが処刑されたのは1535年で、これは織田信長の生まれた翌年に当たりますから、歴史上のだいたいの位置が見えてきます。 このトーマス・…

  • 「マルハラ騒動、事の顛末」~メディアの罪、若者も捨てたものじゃない

    LINEなどで句点をつけると若者が怯える「マルハラ」問題。 メディアはおとなたちに猛省を促したが動かぬ人もいる。 俵万智はやんわりと反論し、 当の若者たちからは強い疑念が示される。という話。(写真:フォトAC) 【若者はおとなに脅かされている(らしい)】 事の始まりは先月6日の産経新聞の記事、『文末の句点に恐怖心…若者が感じる「マルハラスメント」SNS時代の対処法は』という記事でした。 それによると、 LINE(ライン)などSNSで中高年から送信される「承知しました。」など文末に句点がつくことに対し、若者が恐怖心を抱く「マルハラ(マルハラスメント)」が注目されている。若者は文末にある句点が威圧…

  • 「子どもを持つことについて、若い人の知らないことがたくさんある」~若者がもう子どもはいらないといい始めた②

    望んでも手に入れられなかった人、 それがなくても十分な人は除こう。その上で、 これといったもののない人は、「平凡な道」も閉じない方がいい。 そこにあるものについて、キミたちの知らないことがたくさんあるからだ。という話。(写真:フォトAC) 【まずは特別な人々の話】 子どもを持つ持たないの話をするとき、最初に除外しておかなくてはならない二組の人々がいます。 ひとつは縁や運に恵まれなかった人たちです。人生は思うに任せないものですから望んでも結婚に縁のなかった人もいれば、たいへんな努力を重ねても子どもに恵まれなかった人もいます。そういう人たちのことは大切に思っていますし、何かを言う資格が私にあるとも…

  • 「『なぜみんなは、あんなに嬉々として親になっていけるのだろう』と思った日から」~若者がもう子どもはいらないと言い始めた①

    半世紀前の私は、 結婚することにも、子を持つことにも怯える人間だった。 「なぜみんなは、あんなに嬉々として親になっていけるのだろう」 そして今、似たような若者が急増しているというのだ。という話。(写真:フォトAC) 【あれほど不安だった私が親になった日のこと】 中高生時代からの友人で、もっとも早く結婚した男はそのとき25歳でした。一浪の上で4年生大学を卒業していますから社会人2年目での結婚。いま考えても早いことは早いと言えます。その1年後、彼は父親になりました。 同じ時期を私は、フワフワと雲の上を歩くような生活をしていました。アルバイト崩れの就職で、これといった希望も見通しもなく、要するに地に…

  • 「組合に力がなければ、その声は届かない」~日教組の組織率が2割を切る

    キース・アウトを更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「フキノトウの思い出」~春になると、小さなころの息子を思い出す

    家の畑にフキノトウが顔を出した。 今年は例年より早く気づき、花の咲く前に収穫できた。 フキノトウには思い出がある。 人生で初めて、自分の子に教えてもらったことだからだ。という話。(写真:SuperT) 【フキノトウ(蕗の薹)】 裏の畑の柿の木の根元にフキノトウが芽を出しました。 自分が知らないからひとも知らないだろうと考えるのは愚か者のすることですが、もしかしたら昔の私と同じように「フキノトウ」が何たるかを知らない人が、都会の、例えば東京の港区とか中央区あたりに住んでおられる方の中には、おられるかもしれません(傲慢に聞こえ、マンスプレイニングにならないようにかなり気を遣っています)。 そこでも…

  • 「2月29日の話」~意外と知られていないこの日のウンチク

    今日は4年に一度しかやってこない特別な2月29日。 それすらも知らない子どもたちが大勢いるから教えてあげよう。 4年に一度は100%確実なわけじゃない。昔は2月が12月だった。 この日生まれはいつ齢をとるの? この日生まれの有名人は?という話。(写真:フォトAC) 【2月29日についてお話します】 今年は閏年。したがってカレンダーにはいつもだと存在しない2月の29日(今日)があります。しかしなぜ4年に1回、2月の日数を29日としなくてはならないのか、曲りなりにも説明できる人は多くありません。何の引っかかりもないまま、2月29日をやり過ごしてしまう家庭も少なくないでしょう。皆さん日々忙しいですか…

  • 親に頼まれたからと言って、遠足の先々で、教師が水やらお茶やらを買ってあげてはいかんだろう。

    「キース・アウト」を更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp

  • 「与謝野晶子がゲーテを一蹴するマンスプレイニングの話」~ブランド名の由来とマンスプレイニング③

    男性が、若い女性や子ども相手に蘊蓄(ウンチク)を垂れるハラスメント、 それをマンスプレイニングというらしい。 しかし昔から男の子は知ったかぶりと相場が決まっているではないか。 与謝野晶子なら軽く一蹴するところだ。という話。(サンティアゴ・ルシニョール 「ロマンス」(部分)) 【「ブラタモリ」に人権上の問題が・・・】 NHKの看板番組のひとつ「ブラタモリ」が今年度をもってレギュラー放送を終えるそうです。その発表を見た文化人類学者で愛知県立大学の教授:亀井伸孝という人が2月14日、自身のX(旧ツイッター)で、『#ブラタモリ が、レギュラー放送終了とのこと。 内容はよい企画だったと思いますが、「高齢…

  • 「チョコのゴディバとピーピング・トムの話」~ブランド名の由来とマンスプレイニング②

    バレンタインデーに義姉からチョコレートを贈られた。 6粒入り3456円。一粒576円。豚に真珠、猫に小判。 しかしそれにしても「ゴディバ」っておいしそうに聞こえるか? そこで調べると面白い話が出てきた。という話。(ジョン・コリア「ゴダイヴァ夫人」(部分)) 【一粒600円のチョコレート】 妻の姉、つまり私にとっては義姉にあたる人がさまざまにブランド商品を送ってくるという話をしました。その範囲はスポーツウェア、ウイスキー、菓子、チョコレートなど多岐にわたります。 先々週のバレンタイン・デーに来たのはいかにも高そうなチョコの詰め合わせ。ネットで調べたら(嫌な時代ですねぇ)6粒3456円というとんで…

  • 「『NIKE』はやっぱり『ニケ』でいい」~ブランド名の由来とマンスプレイニング①

    有名ブランドのおさがりを、義姉が次々送ってくる。 だから私はけっこうブランドに詳しい。そして調べる。 「ビトン」「ディオール」「フィラ」「アディダス」って何だ? 「NIKE」ははやっぱり「ニケ」だろう?という話。(写真:フォトAC) 【ボクがブランド服を着ているわけ】 「ある人が金持ちかどうかは、その人がいくら貯めたかではなく、いくら使ったかで決まる」という話を聞いたことがあります。その基準で言うといつも私たちに「いいわねぇ、お金があって」と羨ましがる義姉は、着ているものも身に着けているものも高級で、テニスだ、ディナーだ、海外旅行だといつも忙しく動き回っていて、とてもではありませんが貧しそうに…

  • 「また詐欺に引っかかりそうになる」~やはり教員は世間知らず(お金に関しては)

    妻がネットで買い物をし、その支払いに郵便局に行った。 しかし局員が言う。「外国人名義の口座ですが大丈夫でしょうか?」 妻が連絡を取り合っていたのは日本企業の日本人担当者、 怪しい!という話。(写真:フォトAC) 【やはり教員は世間知らず(お金に関しては)】 一昨日の夜、妻が不意に、「明日の朝、郵便局に行ってきてくれない?」と言います。妻は現在もフルタイムの教員、私は専業主夫で冬場の現在は畑仕事もないので暇なのです。「いいけど、何よ」「さっきネットで買ったものがあって、24時間以内に振り込むと振込手数料が向こう持ちになるんですって。お金はあるんだけど、明日は年休を取れる時間もなくて――。行ってく…

  • 「『今は昔』と言えばなんでも通る・・・かもしれない(令和今昔物語)」~「不適切にもほどがある」が突きつけるもの③

    ただ浮かれ騒いでいたような昭和後期。 ひたすら真面目でコンプラ重視の現代。 まったく違うように見えて根は同じだ。 きっとまた揺り戻しがある。という話。(写真:フォトAC) 【1986年、最悪のバラエティ】 「不適切にもほどがある」(TBS系列:金曜日)の第三話後半――昭和と令和、それぞれの放送局に入り込み、番組制作の様子を交互に映して両者の違いを際立たせた場面は、実に圧巻でした。 昭和の番組は登場人物によって「いま一番過激」と評価さるバラエティ「早く寝ナイトチョメチョメしちゃうぞ」。医者の扮装をしたMCのズッキーは女性ダンサーの足の間を這い抜けて登場し、バニーガールの腰に手を回して酒を飲みなが…

  • 「見かけほど自由でも奔放でもなかった昭和バブルの話」~「不適切にもほどがある」が突きつけるもの②

    ドラマが揶揄してみせる昭和後期の風俗。 しかし見かけほど自由で奔放だったわけではない、 当時の流行歌にみるセクハラもパワハラも、 それぞれ時代の宿命を背負っていたのだ。という話。(写真:フォトAC) 【「ふてほど」にみる“性”の問題】 「不適切にもほどがある」(TBS系列:金曜日、略称「ふてほど」)に限らず、ここ10年ほどは昭和を懐かしんだり「昭和あるある」をクイズ形式で紹介したりする番組がチラホラ散見していました。言うまでもなく私は「リアル昭和」を知っていますから懐かしむだけですが、令和に生きる人々の目に、例えばテレビ番組で女性のハダカが横溢している様子はどんな風に映るのでしょう? 「適切に…

  • 「繊細な、あまりにも繊細な・・・」~「不適切にもほどがある」が突きつけるもの①

    TBSのドラマ「不適切にもほどがある」の評価が高い。 特に10代の女性と50代以上で評判のこのドラマ、 私たちが夢中になるのはあまりにも鮮やかに、 私たちの不審と不安を表して見せたからだ。という話。(写真:フォトAC) 【「ふてほど」圧勝】 2024年冬ドラマも、最低でも2周以上して、どうやら評価も定まって来たようです。民放で言えば宮藤官九郎の「不適切にもほどがある」(TBS系列:金曜日、略称「ふてほど」)*1がコア視聴率で圧勝の様相で、SNSでも大きな評判になっています。 私も2月2日の当ブログ『「異端の主人公たち=昭和人とASD(自閉症スペクトラム症)」~2024年の冬ドラマ、私はこれを観…

  • 「徂徠訓:上に立つ者、ひとを導こうとする者の心得」~今日は徂徠の誕生日です

    今日は荻生徂徠の誕生日。何をした人なのかよく分からないが、言った言葉の重みは分かる。偉人の言葉は、今も重い。という話。(写真:フォトAC) 【歴史を学ぶ意味くらいは学んでおこう】 大学入試の社会科は日本史で受けました。中学校の教員としては社会科を教えました、したがって普通の人よりは日本史に詳しくなくてなりません。ところが知識のあちこちに、大学入試のころから一歩も深まっていない部分が山ほどあるのです。 もちろん社会科教師の端くれですから、分かっていることもあります。 例えば江戸時代の文化史に出てくる本居宣長(もとおり のりなが)、この人のことなら多少わかります。江戸幕府の御用学問が朱子学で市井で…

  • 「超難問=答えのない問題と答えのありすぎる問題」~子どもたちに正しい悩み方を伝授しよう②

    ここにはいない仮想の生徒たちに向けて、どうしても答えの出せない問題への答えの出し方、正しい悩み方について、話しかけている。という話。(写真:フォトAC) 【下手の考え休むに似たり】 私の父は武骨な実務家で、夢を語るとか、思いを語るとかいうことのほとんどない人でした。地方公務員としての職責を全うしましたが、私とはあまり話もしなかったように思います。というのは、私が父に似ぬ理屈屋で、小さなころから難しい話が大好きだったからです。 父がそうした小難しい話に、ついて来られなかったとは思いません。これは生き方の問題で、それが終戦を23歳で迎えた青年のひとつの選択だったのだと思います。私が何か難しいことを…

  • 「バレンタインデーに問題解決の方法を考える」~子どもたちよ、正しい悩み方を伝授しよう①

    今日はバレンタインデー。なぜか今朝は、子どもたち語りかけたくなった。このさき思いつめて生きて行きそう子どもたちに、正しい悩み方を伝授しよう。という話。(写真:フォトAC) 【バレンタインデーですね】 みなさんおはようございます。 今日は何の日か、もちろん知っていますね。セント・バレンタインデー。日本では女の子から男の子にチョコレートを渡して告白していい日ということになっています。さて我がクラスの17人の男子、今日もらえることになっている人は何人いるのだろう? 我がクラスの16人の女子、もう誰かにチョコレートを渡しちゃったかな? これからかな? もちろんそもそもそんな気はなかったから、ひとつも持…

  • 「沖田✕華はいかにしてあのような表現力を獲得したのか」~NHK土曜ドラマ「お別れホスピタル」を見て

    NHK土曜ドラマ「お別れホスピタル」。難しい人間関係の綾が織りなされていく。しかし原作者はどうやってあの表現力を手に入れたのだろう。典型的なASD(自閉症スペクトラム障害)だったはずなのに。という話。(ゴッホ「カラスのいる麦畑」) 【NHK土曜ドラマ「お別れホスピタル」】 NHK土曜ドラマ「お別れホスピタル」(全4回)のうち、第2回までが終了しました。 このドラマは沖田✕華(おきた ばっか)の漫画を原作とするもので、NHKとしては2018年の「透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記」に続く✕華の医療ドラマと言えます。 原作者ばかりでなく脚本の安達奈緒子、音楽:清水靖晃、演出の柴田岳志、…

  • 「地頭(じあたま)が良くなくちゃ、勉強なんて楽しいはずがない」~学力エリートたちの話を聞きながら

    超一流大学出身者の話を聞いていて思った。 彼らはよく勉強したから成績が良かったわけではない。 成績が良かったから、よく勉強するようになったのだ。 地頭(じあたま)がよくなくちゃ、勉強なんて楽しいはずがない。という話。(写真:フォトAC) 【「さんま御殿」:受験戦争を勝ち抜いた有名人の話】 2月6日の「踊る!さんま御殿」は、タイトルが「受験戦争を勝ち抜いた有名人SP」で、副題に「東大出身アイドル・慶応大出身お笑い芸人らが驚きの受験テクニックを紹介!」とありました。 私は超一流大学の在学生や卒業生ばかりを集めた番組と、金持ちばかりを集めた番組、そしていわゆる美魔女の集まる番組は、腹が立つので見ない…

  • 「キーがいちいち引っかかって動きの鈍いキーボードの直し方」~シリコンスプレーの威力

    純正なのにかなりいい加減なコンピュータのキーボード。 キーが繰り返し引っかかって、非常にストレスフルだった。 しかしここに救世主、現る。 私は家じゅう、シリコンスプレーをかけまくった。という話。(写真:SuperT) 【キーボードが若ハゲ】 購入したデスクトップ・コンピュータのキーボードがまったくダメで、キーボードのみ新しいものに買い替えた――そんな話を何回か聞いたことがあります。しかし私に関して言えば、これまで30年以上コンピュータに触れて来て、キーボードが「まったくダメ」という状況にあったことがありません。 比較的単純な装置ですので、もう開発され尽くしている、改良の余地はない、だから不良品…

  • 「大雪が降って露わになる人間関係と現代の家柄」~それぞれの家のそれぞれの雪かき

    田舎と言っても、必ずしも近所づきあいが深いわけではない 特に昭和以降の新興住宅街の雰囲気は都会に同じだ。 面倒を理由に日ごろの付き合いを疎かにして――、 しかしだから、いざというときに困る。という話。(写真:フォトAC) 【向こう三軒両隣】 「向こう三軒両隣」と言いますが、わたしの家は丁字路の「丁」の右脇の下みたいなところにあって、建物は左方向を向いています。つまり「向こう三軒両隣」のうち右前と右隣は道路になっていて、気にかけなければならないお宅は残りの3軒だけということになります。 ところが町内会の隣組としては、「丁」の二画目が境となっていて、左隣とはいっしょの班でありながらお向とは別の班で…

  • 「ボンボリはなぜ”雪洞”と書くの?」~雪洞に明かりを入れてボンボリにしました

    久しぶりの大雪。 塀に降り積もった雪に、穴を開けてローソクを立てた。 ほんのりと明るい燈明がともる。 もしかして、これが雪洞(ボンボリ)の語源なのか?という話。(写真:SuperT) 【雪洞に明かりを入れてボンボリにしました】 今年は暖冬で行きも少なく、このままいけば雪かきもせずに済むと思ったらこの大雪。一日に3度も雪かきをさせられればさすがにウンザリしてきます。昔はあまり苦にならなかったの雪かきですが、齢を取ったぶん力はなくなり、疲労感が残ります。 さらに、昨夜などは3度目が終わったとたんに除雪車が来て、一気に片付けてしまったので疲労感が一瞬で徒労感に代わり、顎が出ました。ま、それも運ですけ…

  • 「『光る君へ』:百人一首の人々」~大河ドラマのこれまでにない見方

    大河ドラマは文化の継承、視聴率など気にする必要はない。 そのうえ平安中期はこれといった事件もないから、 ドラマは自由に進むだろう。 だが、私たちは意外とこの時代の人々に詳しいのだ。という話。(写真:フォトAC) 【NHK大河ドラマには特別な役割がある】 1月1日(日)の能登半島地震のため、人気正月特番「芸能人格付けチェック」が7日(日)に延期になって、それとバッティングした新大河ドラマ「光る君へ」が割を食ったみたいです。大河の第一回目としては記録的に視聴率が悪かったようなのです。しかしドラマ自体の評判はよく、今後《派手な合戦場面が期待できないからだめだろう》という前評判を崩して、大きな成果を上…

  • 「異端の主人公たち=昭和人とASD(自閉症スペクトラム症)」~2024年の冬ドラマ、私はこれを観る

    2024年冬ドラマが始まっている。 玉石混交をどう選りすぐって良き番組に出会うか、 今期は何を観ていくか。 そこで見えてきたのが異端の人々の物語。という話。(写真:フォトAC) 【2024年の冬ドラマ、私はこれを観る】 2024年の冬ドラマ。1月の第二週から始まってすでに4回分を終了したものもあればこれから始まるものもあって、他の時期と比べてさらにバラバラな印象があります。また、全体の本数もそうとうなものになり、片はし第1回を見て気に行ったら観続けるということもなかなかできそうにありません。そこで私が行っているのは次のような基準に従うことです。 シリーズもので、以前気に入っていたドラマの続編は…

  • 「高齢者のケガからの復帰、どこまでを望むか、どこまでが望めるか」~飲み会ひとつで始まったいくつかの事件③

    母の最期、終の棲家をどうするのか、 長年放置しておいたこの問題に、あっさりと決着がつく。 高齢者のケガや病気は、その度に生活の質を大きく下げる。 質の下がった体で元の生活はできないという非情――。という話。(写真:フォトAC) 【騅(すい)逝かず 母や 母や 汝を如何せん】 母の最期をどう考えるか、終の棲家をどうするのかということに関しては、以前から心に決めたことがありました。《母が自分でトイレのできる間はこれまで通り在宅で頑張る。それができなくなったら別の道を考える》 今でも紙パンツの片づけやら濡らしてしまったシーツの面倒やらは私が見ています。しかし大便の世話はまた別です。妻はフルタイムで勤…

  • 「救急車を呼ぶ作法」~飲み会ひとつで始まったいくつかの事件③

    実際にやってみないと分からないことがある。 しかしすべてを経験済みにするともできない。 要は想定と連取だ。 家人が倒れたら、路上で人が倒れたらどうするか。という話。(写真:フォトAC) 【緊急通報の作法】 NHKの不定期ドキュメンタリー番組「エマージェンシーコール ~緊急通報指令室~」は119番(緊急指令室)にかかってくる電話の通報者とオペレーターのやり取りを通して、会話だけで現代の世相を描こうというものです。次回の放送は2/11(日)と12(月・祝)だそうですから、興味のある方は見るといいと思います。 普通の人は通報訓練などすることがありませんからどうしても慌てる、慌てて必要な情報が伝えられ…

  • 「母がベッドの横で・・・悪魔も細部に宿る」~飲み会ひとつで始まったいくつかの事件②

    長年努力してせっかく積み上げたものが、 一瞬で崩れることがある。 迂闊だったわけではない、誰が悪いわけでもない。 しかしなぜかそうなることある。という話。(写真:フォトAC) 【悪魔も細部に宿る】 父が死んだのが13年前。その後1年だけは母にひとり暮らしをさせ、週に1度くらいしか訪ねて行かなかったのですが、結局やって行けずに翌年から夜は母の家で過ごすようにしました。つまり夜、母の家で過ごす生活は12年になります。 最初は母に食事をつくってもらおうとしたのですが、元々調理は大嫌いという人ですからこれもうまく行かず、妻の協力を得て私が3食を用意するようにしました。大した内容ではありませんが。 それ…

  • 「人の助け方を一つ覚えた」~飲み会ひとつで始まったいくつかの事①

    久しぶりの飲み会で、飲み方も分からなくなってきた。 しかも老人の飲酒は、それ自体が危険だ。 我が身を知るとともに、友人のために、 たくさんのことを覚えなくてはいけない。という話。(写真:フォトAC) 【死んでもいいが、死に方には注文がある】 金曜日に昔の仲間との飲み会があって5人ほどが集まりました。高校時代の同級生が中心で、もう50年来の付き合いです。本来は2カ月に一度の割合で行っていたのですが、コロナ禍以来さまざまな事情で定期的に開くことができなくなり、今回も昨年の9月からの久しぶりの会になりました。 本当のことを言うと私はここ数週間、体調が悪く、疲れやすかったり心拍が飛んだりといったことが…

  • 「岸田文雄と三原じゅん子とビートたけしで選挙をやれば」~アメリカ大統領選挙の憂鬱

    昨日はあんなにウキウキしていたのに、 今日はこんなにどんよりと重い。 年寄りの感情の振れ幅も案外大きなものだ。 それもすべてあの男のせいだ。 という話。(写真:フォトAC) 【岸田文雄と三原じゅん子とビートたけしで選挙をやれば】 アメリカ大統領選挙の共和党候補指名争いの第2戦は、23日に投開票が行われた東部ニューハンプシャー州予備選で、またしてもドナルド・トランプが勝利したようです。 かつて共和党のジョージ・ブッシュ候補が民主党のゴア候補を史上稀に見る接戦の末に破った際(2000年)、選挙戦を総括したアナリストが、「実際問題として、毎朝テレビニュースをつけるたびに顔を見なきゃならないとしたら、…

  • 「テレビに出てくる子どもたちが愛おしい」~YOASOBIの「アイドル」を観ながら思ったこと

    2023年紅白歌合戦のビデオを繰り返し見ている。 そこに出てくる若者たちが実に愛おしいのだ。 彼らこそ、私が消えて行こうとするとき、 生き生きと人生を生き始める人たちだからだ。という話。(写真:フォトAC) 【子どもたちが愛おしい】 ここのところかれこれ一カ月、毎朝必ず見て、自分自身に気合を入れている録画番組があります。昨年末の紅白歌合戦の最後から3番目の曲、YOASOBIの「アイドル」です。国内のテレビ番組では初めての演奏だったそうです。 何がよかったかというと――もちろん曲も歌もよかったのですが、紅白でなければ一堂に会することのないようなアイドルたちが、それぞれ1フレーズだけ踊って見せたの…

  • 「老婆心ながら現役のひとたちへのふたつのアドバイス」~次の20年をどう生きてどう死ぬのか③

    老後をどこでどう過ごすか、在宅かホームか。 どちらにしても選択肢の先にはグレードがある。 資金のある人、少ない人。質素な人から豪奢な人まで、 自分の老後も親の老後も、目の隅で捉えておくべきだ。という話。(写真:フォトAC) 【令和の年寄りの懐事情=私たちは金持ちか?】 昨日は母が面倒を見てもらっているケア・マネージャーの話として、 団塊の世代よりちょっと上くらいの人たちから下は、高齢化社会、高齢化社会と言われ続けてきたので、お年寄り自身にそこそこの貯えがある。そのお年寄りの子どもたち(いま働き盛りの40~50代)はほとんどが共働きで、お金よりも仕事が大事、時間が大事という人たちがばかりだ」とい…

  • 「老後を在宅で頑張らない人たち」~次の20年をどう生きてどう死ぬのか②  

    10年あるいは20年後、それでも夫婦がそろっていれば何とかなる。問題はひとり欠けたそのあとだ。誰もいない家で、ひとりでどれだけ頑張れるのか、という話。(写真:フォトAC) 【次の20年をどう生きてどう死ぬのか】 昨日は自分の家族を見ながら、世代ごとに特徴的な生き方があることを発見し、私たち夫婦もそろそろ子育てを完全に終え、母の介護も終わりに近づき、この先20年、いや10年を待たずして「何かをしてもらうだけの人」になるだろうというお話をしました。 問題は「何かをしてもらうだけの人」になった時、どこで何をしているのかということです。 曲りなりにも夫婦が揃っている場合は何とかなります。 現在の予定だ…

  • 「正月の我が家に見る世代相とその行く末」~次の20年をどう生きてどう死ぬのか①

    今年の正月は我が家の構成員全員が揃った。 そしてそれぞれの世代の現在が、鮮やかに浮かび上がった。 子どもたちはすでに子どもではない。 私たちはもうすぐ、何かをしてもらう人になる。という話。(写真:SuperT) 【正月の我が家に見る世代相とその行く末】 正月に娘の一家と息子夫婦がともに帰省し、96歳の母も呼んで9人の大所帯で過ごしたら、いくつもの新発見・再発見がありました。そのひとつは娘のシーナも息子のアキュラも30歳代になり、今でも我が子ながらすでに「子」ではないということです。当たり前ですが。 特にアキュラが一回り大きくなった感じがするのは、娘に言わせると「男は結婚によって育てられる」とか…

  • 「さまざま年賀状、そして年賀状じまいの無礼MEN3人衆の話」~年賀状のシーズンが終わる②

    年賀状はその表現方法を見ているだけでも楽しい。 写真好きに文章好き、そして既製品の上手な使い手。 さて、今年も年賀状じまいの申し出があった。しかしこれ、 扱い方を間違うと、とんでもなく無礼な場合もあるのだが――、という話。(写真:SuperT) 【写真派か文章派か、そして年賀状マウント】 おそらく世の中には私のように、年賀状が好きな人種がたくさんいます。しかも驚くほど楽しんで作っている――。 ある一群の人々は家族の写真を中心に、皆が元気であることを楽しそうに報せてきます。大きな集合写真をどんと載せてくる人もいれば、家族一人ひとりの最も生き生きとした瞬間をとらえ、小さな写真をちりばめた凝ったデザ…

  • 「不思議な年賀状と、私がLineIDをつけて送った結果の話」~年賀状のシーズンが終わる①

    年賀状の季節が終わった。 今年も少しずつ面白いことがあった。 不思議な年賀状がいくつかとどき、 私はLineIDを載せたのに反応はイマイチだった――。という話。(写真:SuperT) 【年賀状のシーズンが終わる】 昨日お年玉年賀はがきの当選番号も発表され、今年の年賀状シーズンも終わりました。今後、何らかの事情で年賀はがきが使われるかもしれませんが、基本的には、すべてハズレはがきですので期待しませんように。もっともうっかり確認せずに使ってしまう人もいないとは限りませんが。 定年退職からちょうど10年。もらう年賀状も最盛期と比較すれば、夫婦合わせても三分の一以下の120通余り。しかしそっけないもの…

  • 「いじめ行為をどう抑え、加害者をどう癒すのか」~高垣忠一郎氏を偲んで③

    具体的現場で、いじめの加害者とどう対峙するか――。 急がなければ被害者が危うく、 ゆっくり向き合わなければ加害者は救えない。 その矛盾をどう解くかーー。という話。(写真:フォトAC) 【いじめ指導の二律背反】 いじめ問題が明らかいなった時、まずすべきは現在進行形のいじめ行為をやめさせることです。一刻も早く止めないと命に関わることもありますから急務です。親だって黙っていません。 また、被害者自らが大人社会に通報した場合や、そうでなくても被害が通報したと誤解されると、いじめがさらに苛烈になることもありますから要注意です。 しかし一方、加害者の中に強い被害者意識がある場合、それは極めて主観的ながらも…

  • 「いじめの加害者の、内にある被害者意識の話」~高垣忠一郎氏を偲んで②

    なぜいじめはなくならないのか、 なぜ加害者は、あんな残酷なことを、平然と、執拗にできるのか。 この疑問にきちんと答えてくれたのは、 高垣忠一郎氏ひとりだけだった。という話。(写真:フォトAC) 【いじめの加害者の内にある被害者意識】 私が高垣忠一郎氏からもらったもうひとつの「子どもを見る重要な観点」は、「いじめの加害者の内にある被害者意識」です。 高垣はいじめの加害者について、こんなふうに言うのです。「小学校の低学年においては、その発達段階からみて、自己客観視に必要な認識面での能力そのものが未発達であり、それゆえ自分のしていることの客観的な意味を自覚できず、加害者意識に乏しくともしかたがない面…

  • 「『ケレドモ』でふみこたえ、『ケレドモ』をテコに起き上がる誇り高き4歳児の話」~高垣忠一郎氏を偲んで①

    臨床心理学者の高垣忠一郎の訃報が届いた。 私はこの人から、 子育てと教育に関する重要な二つの観点いただいた。 ひとつは幼児教育の目標、そしてもうひとつは――という話。(写真:フォトAC) 【訃報アリ】 先週の金曜日1月12日の新聞に、小さな訃報記事がありました。『高垣忠一郎氏(たかがき・ちゅういちろう=立命館大学教授・臨床心理学)3日午前7時、病気のため京都府京田辺市の自宅で死去、79歳。高知県出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は長男陽平(ようへい)氏。「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感を提唱し、普及に努めた。著書に「生きることと自己肯定感」など。』 私は高垣忠一郎と言う人がどの程度…

  • 「老SNSは死なず、ただ互いから見えなくなるのみ」~SNSの流行と変化について行けるのか④

    結局、文化は圧倒的な代替品が出てこない限り生き残る。 だからFacebookもTwitter(X)もなくならない。 ただ多様化が進み、 互いが見えなくなるのみのことだ。という話。(写真:フォトAC) 【ここまでの流れ】 考えてみれば四半世紀ほど前、自分のウェブサイトを持って、「ああこれで世界に発信できる」と意気込んだ日から、BBSで丁々発止のやり取りを続け、やがて「荒らし」に荒らされてBBSを放棄し、ブログを自らの主戦場としてやってきた20年――全体としてはジリ貧ですが、なんとかこの世界で発言し続けることはできました。 その間にFacebookとTwitterの興隆があり、重ねてYoutube…

  • 「ネット上に文章を書きたがる三つのタイプと彼らの変遷」~SNSの流行と変化について行けるのか③

    ネットを単なる媒体と考え、 それを使って行うコミュニケーション自体を楽しむ人々。 公開の場で、歯切れのよい言葉を使って戦おうという人々。 そして長文にふける人たち――それぞれが居場所を見つける。という話。 (写真:フォトAC) 【ネット上に文章を書きたがる三つのタイプ】 ネットやSNS上に文章を書きたがる人には、三つのタイプがあるようです。 ひとつは短文を好み、家族・友人・恋人といった小さなネットワークを愛する人たちです。彼らは日常的なコミュニケーション・ツールとしてメールやSNSを使いたがる人たちで、大雑把に言って昔はポケベルの語呂合わせを使い捲り、携帯メールからLINEへと移ってきた人たち…

  • 「まさか子どもたちが文に耽り込むとは!」~SNSの流行と変化について行けるのか②

    振り返るとインターネットの黎明期、 誰がこれほど大量の、 読み書きをする若者の出現を予想できたのか。 しかしそれには理由がある。という話。(写真:フォトAC) 【まさか子どもたちが文に耽り込むとは!】 考えてみると私はIT技術についてことごとく世間に後れを取りながら、しかしかろうじて後追いだけは続けてきた日々でした。 例えば1990年代の半ばに同僚や後輩たちが今ではガラケーと呼ばれる「携帯電話」を持ち始めた時ですら、時代に遅れていました。21世紀になるまで携帯電話を持たなかった数少ない人間のひとりだったのです。 何より当時の携帯は機材および通信費が高額でしたし、それ以前から妻がピッチ(PHS)…

  • 「正月早々ブログに異常があって――」~SNSの流行と変化①

    私のブログにとつぜんのアクセス数倍増。 しかし何かの異常だろう。 もはや時代はブログではなく、FacebookでもXでもなく、 新たな時代に入りつつあるらしいのだ。という話。(写真:フォトAC) 【正月早々、ブログに異常が――】 ネット社会の片隅というより「ネット社会の辺境の片隅」みたいなところにあるこのブログですが、ときどき異常なことが起きます。アクセス数がとつぜん跳ね上がるのです。 跳ね上がると言っても “バズる”には程遠く、日ごろは100~120程度のアクセス数が500を越えるといった程度のことです。それが今月4日に起こりました。 1日のアクセス数669だそうですが、4日の記事は能登地震…

  • 「誰が日本航空516便の乗客に避難のしかたを教えたのか」~2024年の薄暗い始まり②

    2024年1月2日の日航機・海保機衝突事故。 日航機の400人近い乗員乗客は全員が、 わずか三か所の出口から、たった18分で脱出できた。 誰がそんな奇跡を可能にしたのか――。という話。(写真:フォトAC) 【2024年1月、羽田空港の奇跡】 1月2日、一夜明けて地震被害の刻々と知らされる中で、夕方に飛び込んできたのが「日航機・海保機衝突事故」の第一報でした。 ニュース映像では着陸態勢に入る旅客機が突然火を噴いたかと思ったら、発火した位置に火の球を残し、旅客機本体も数百m炎を上げながら滑走路を走ってそこで炎上する――事故映像は衝撃的でしたが、あれほどの大きな事故にも関わらず、JAL機にひとりの死…

  • 「2024年の薄暗い始まり」~しかしがんばろう

    元日早々の大きな地震。 能登の方にはあまりにも気の毒な2024年の始まり。 それとは比ぶべくもないが、私もまた不運な年の始まりだった。 だが頑張ろう、やり直そう。という話。(写真:フォトAC) 【2024年の薄暗い始まり】 元日の夕暮れ近い時刻、私と妻と娘の形態が一斉に緊急地震警報を鳴らし、息子の配偶者は実家に向かう特急電車の中で同じ警報を聞き、その配偶者を見送ったついでに街で遊んでいた息子のアキュラは、田舎の私鉄の2両しかない電車の中で同じものを聞きました。娘婿のエージュは自分の子どもたちと公園で遊んだあと、運転していた自家用車が赤信号で停まっている最中に警報が入り、信号や電柱・電線が激しく…

  • 「2024年」~新年のご挨拶

    あけまして おめでとうございます本年もよろしくお願いいたします。

  • 「バカヤロー! 学校や教師を誉めて、記事が売れるか!」~学力の国際比較(PISA)が好成績なのに・・・

    キース・アウトを更新しました。 kieth-out.hatenablog.jp (参考)OECD生徒の学習到達度調査2022年調査(PISA2022)のポイント (5.93MB)

  • 「御用納めと、うまく行かない時期の生き方」~(本年最終)皆さま、ありがとうございました

    今日は御用納めの日、これといった儀式もなく、 年末年始休業に入るところも増えているらしい。 しかし私にそれは難しい。 きちんと儀式を行い、メリハリをつけて新しい年を生きたい。という話。(写真:フォトAC) 【御用納め】 今日、12月28日は御用納めです。 知らなかったのですが、官公庁の年末年始休みは「行政機関の休日に関する法律(昭和63年12月13日法律第91号)」という法律で決められていて、12月29日から1月3日までを休日とし、原則として公務を行わないものとしているのだそうです。慣習だと思っていました。 その初日の前日12月28日が「御用納め」で、その年の最後の業務日となっています。12月…

  • 「悪食惨題(あくじきさんだい)」~食と人格の話③

    私がどの程度好き嫌いが多く、 母がどのくらいいい加減であったかについて話そう。 それは母のオリジナル料理について聞けば、 自ずと理解できることだが。という話。(写真:フォトAC) 【悪食惨題】 好き嫌いが多かった。食べられるものがなかった、ワガママだったと言いながら、どの程度の者だったかは具体的にお話ししてきませんでした。 そこで今日は、料理嫌いの母が発明した食事の中で、特に悲惨で、それにも関わらず私が好んだもの三つ、お話しします。したがって「三題」ではなく「惨題」です。 【洋風猫マンマ・バター入り】 好き嫌いが多く食の細い私にホトホト手を焼いた母は、最期は諦めて私のご飯に味噌汁をぶっかけ、そ…

  • 「基本的なことができないのは、どこかに問題がある」~食と人格の話②

    バランスよく食事がとれない子には何らかの問題がある。 その問題の解決のため、 何でも気持ちよく食べられる教育は必要だ。 そしてとりあえず今は、それも学校の仕事だ。という話。(写真:フォトAC) 【基本的なことができないのは、どこかに問題がある】 寝て、食って排泄して、遊ぶ――乳幼児のしていることといったらその程度のことです。したがってこれらの内のいずれかが大きく歪んでいるとしたら、そこには障害か何か別の問題があると、一応、考えなくてはいけません。4歳になってもおむつが外せないようなら、やはり考えてみるべきです。もちろん考えた上で様子を見るのはかまわないのですが、無頓着なのはいけないということで…

  • 「“人見知り”=人間関係の“食わず嫌い”」~食と人格の話①

    子どものころ非常に好き嫌いが多かった。 そのことを従兄との会話に差し挟んだら、 「お前、人間の好き嫌いも激しくない? と訊かれた。そこで考えたという話。(写真:フォトAC) 【食の好き嫌いの話】 9月に100歳で亡くなった母の長姉の四十九日の法要、私は参加しなかったので先週の末、お線香を上げに行ってきました。今年中に一度お参りをしておく必要を感じたのです。 四十九日に参加しなかったのは、さすが100歳まで生きると子だくさん孫だくさんで、3人の子どもと8人の孫、そのすべてに配偶者がいて、ひ孫も10数人ですから、自宅で行う法要に人が入りきれない可能性があったからです。だから最初から日を改めて行くつ…

  • 「いよいよ冬休み・・・でもなかったりして」~日本の学校の冬休みさまざま

    いよいよ冬休み。しかしそうでない自治体も少なくない。 しかも日数もまちまちなのだ。 さらにこのところ終業式のない学校も出てきて、 いやさ、いろいろな意味で様変わりだ。(付録:沖縄の冬休み)という話。(写真:フォトAC) 【いよいよ冬休み! でもなかったりして・・・】 12月の「17日の週」が今日明日で終わり、明後日から「24日の週」が始まります。さらに今年は1日だけですが「31日の週」というのもあって、年間予定表上、冬休みをどこからとるのか、ちょっと面倒くさい日程になっています。 そこで調べてみると、冬休みの初日は今月23日(つまり明日)から27日までとけっこう幅があります。そうは言っても23…

  • 「カボチャを食べて冷酒飲んでお風呂に入る」~明日は冬至です

    明日は冬至。一年で一番夜の長い日だ。 しかし一番日の出が遅く、一番日の入りが早いわけではない。 そこのところを、カボチャと小豆粥を食べ、 冷酒を飲みながら柚子湯に入って考えよう。という話。(写真:フォトAC) 【冬至と日の長さ】 明日、12月22日は冬至です。二十四節気の中で太陽の運行との関りが最も意識されやすい春分・夏至・秋分・冬至のなかで、1年で最後に訪れる、一日の中でもっとも夜の長い日です。 ちなみに明日の東京都の日の出は6時47分13秒、日の入りは16時31分42秒で、日中の時間はほぼ9時間45分。それに対して夏至(今年は6月21日)の日の出は4時24分43秒、日の入りが19時00分3…

  • 「何のための年賀状かを考えて、結局こうなりました」~2024年の年賀状をどうデザインしようか③

    結局、私は自分のことを見ていてもらいたい、 大事な誰かに思い出してもらいたい、 だから書く年賀状、 結局、自分の好きなように書くしかない。 という話。(写真:フォトAC) 【何のための年賀状か】 3年ぶりに本来の形の年賀状を書こうあれこれ算段しているうちに、ふと立ち止まって、考えこんでしまいました。ある疑問が浮かんだからです。それは、「何のために年賀状を書くのか」という、極めて本質的な疑問です。毎年12月になると落ち着かなくなり、月の半ばから喪中はがきなど整理して送る相手を確定し文案を練る――まったく考えなしに惰性でやってきたことですから、いったん立ち止まると動けなくなります。ほんとうは年賀状…

  • 「思い起こせば今年は別れの年」~2024年の年賀状をどうデザインしようか②

    年賀状に書くために2023年を振り返った。 ペットが死に、3人の伯母が亡くなり、 息子が独立して、我が家は老人住宅仕様に変化。 ああ、今年は別れの年だった――。 という話。(写真:フォトAC) コロナ禍の去った今年は、さて、どんな年賀状にしようかと、びっしり書き込む古い形式に戻すことを前提に日記を見直したら、さほど悪い年でもありませんが、新春の慶びには不似合いなことの少なくない別れの年だったことに気づきました。 【私の2023年――ウサギが死ぬ】 まず2月。我が家で11年飼ったミニウサギのミースケ(本名:ミルク)が死にました。ほぼ同時に飼い始めた3羽のうちの最後まで生き残った一羽で、臆病で大人…

  • 「今まで、こんな年賀状を書いてきた」~2024年の年賀状をどうデザインしようか①

    いよいよ年賀状の季節。 コロナ禍の明けた今年は3年ぶりに普通の賀状が書けそうだ。 そしてふと振り返る。 私は今までどんな年賀状を書いてきたのだろう。という話。(写真:フォトAC) 【今まで、こんな年賀状を書いてきた】 来年の年賀状のデザインをどんなものにしようかと悩んでいます。 コロナ禍以前の年賀状は、前年を最初から振り返って、ハガキ一面にびっしり書き込こむ形でした。 例えば、(2018年)https://kite-cafe.hatenablog.com/entry/2018/01/03/193200 ところがコロナ禍に入って、「できるだけ何もしない日々」が続くとさすがにこの形式の年賀状は書け…

  • 「もはや学校で英語を学ぶ時代ではない。代わりに掃除をやろう」~特別活動のドーナツ化現象⑤

    ChatGPTで遊んでいて気づいた。 いまや私は世界中の人々とメールのやり取りができる。 Voicetraを使えば、世界中の人々と会話もできる。 もはや学校で英語を学ぶ時代は終わっているのだ。という話。(写真:フォトAC) 【子どもたちは文明に押し潰されそうになっている(!?)】 文明というのは、それまで人類が行ってきたことを道具や機械、システムによって代行してもらおうという変化です。したがって文明が進むと、人間は楽に、豊かになるはずです。それが必ずしもそうでないのはひとつの謎ですが、いま文明人の最先端を走っているはずの小中学生が、昭和の私たちよりはるかに多くの学習を強いられているというのはど…

  • 「この国ではどこに行っても世界最高水準の教育が受けられるのに」~特別活動のドーナツ化現象④

    日本の場合、教師が忙しすぎて、特活を減らさざるを得なくなった。 しかし他に減らすべきものはなかったのか? なぜ定評があり価値も人気もある内容が減らされ、 無意味で役に立つかどうか分からないものばかりが残るのか? という話。(写真:フォトAC) 【コロナ禍で特活を減らしても、何の悪影響もなかった――と思っている】 海外では尊敬され導入が進みつつある特別活動(以下特活)が日本国内では縮小傾向にあることに、なぜ多くの人々は疑問を持たないのでしょう? ひとつには3年間のコロナ禍で、多くの行事が縮小あるいは休止・廃止されたにも関わらず、児童生徒に何の影響もなかったかのように見えるからです。「運動会が表現…

  • 「教師の意欲をどう考慮するか」~特別活動のドーナツ化現象③

    理想のクラスをつくれば教師は楽になる、 行事を減らせば教師は楽になる、その通りだと思う。 しかしそれはすべての教師に可能なことなのだろうか、 そしてそれで楽しいのだろうか?という話。(写真:フォトAC) 学校の先生の負担が極めて大きくなっているという状況で特別活動(以下特活)をどう考えていったらよいのか――。これについてNHKは二つの答えを用意しました。 ひとつは特活の重要な柱である学級会を充実させることによって、子どもが自主的に活動できる力を養い、子ども自身が活躍することで教師の余裕が生み出されるというもの、もうひとつは文科省が勧める「行事の精選と重点化」です。 しかし私は両方とも、それが永…

  • 「『TOKKATSU』―日本の現状」~特別活動のドーナツ化現象②

    エジプトやマレーシアなどでもてはやされる日本の「特活」。 しかし日本では十分な時間が取れなくなりつつある。 ではどうしたらよいのか。 NHKは二つの学校の事例を通して考えようとする。という話。(写真:フォトAC) 先週12月6日(水)のNHKクローズアップ現代では、『世界が注目!日本の教育「TOKKATSU」 特別活動の意義は』というタイトルで、日本の学校の「特別活動」(*1)という教育が海外で評価され、日本で見直されている実情が報告されました。(以下、続き) 【「TOKKATSU」―日本の現状】 番組では前半、海外でROKKATSUがもてはやされている事例としてエジプトの様子を報せ、後半で日…

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