「61万人の予備軍」~東大前駅切りつけ犯にみるこの国の未来③
名前のない人、肩書のない人は、自ら名乗るしかない。 「義務教育への復讐者」あるいは「過剰家庭教育への警鐘者」。 けれど彼らは、もともと一切の名を持たぬ不安な人たちのだ。 そして間もなく、この人たちは一斉に外に出て来る、という話。(写真:SuperT) 【自らに名前をつける】 ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」の前半のクライマックスは、主人公が滅びゆく物語の国・ファンタージエンの崩壊を食い止めるために、女王「幼心の君」に新たな名前を付ける場面で終わります。そこには“名前のないものは存在できない”という独特の哲学があります。 東大前駅切りつけ事件の犯人も、もしかしたら「何者でもない透明なボク」…
2025/05/21 05:57