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(本話の分量は、文庫本換算1ページ程です。)その日、俺(警備員・24歳)は、或る建設現場にヘルプで入った。緊急のことだったので朝礼には出ていないし、初めて入った現場なので、不慣れなことも多かった。それでも、与えられた仕事をこなしていると、要領を掴んでいった。また、何度目かの休憩時間には、休憩室で職工さんたちと談笑もするようになった。話していて気付いたことは、この現場は、職工さんと所長さんの関係が良くない...
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。警備リーダーはまだ何かしゃべっているものの、俺の耳にはもう意味を成しては入ってこない。警備リーダーの表情だ口調だに合わせて、適当に愛想笑いしていた。愛想笑いをしつつ、俺は頭を切り替えた。残りの勤務時間は、ひたすら所長に出くわさないよう気を付けようと。先程クレーン車横で挨拶したところからして、所長はそれ程気にしてはいないみたいだが、俺の気持ちは申し訳なさや後悔やでも...
4-3やっちまった!努力裏目|或る警備員の重大ミス【怖い話・短編】
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。その後、休憩時間に。俺は、持ち場である工事現場出入口から休憩室へ向かって歩いていた。クレーン車の停車する広場を横切って、隣接する狭い通路へと歩いていた。通路から、先程の七分刈りの中年男が出て来たので、俺は歩きつつすれ違いざまに挨拶した。中年男は「おっす」なんて返しながら俺を通り過ぎて、クレーン車の横に立つ。俺は半身になりつつ中年男を目で追っていたところ、職工さんが...
4-2馴染みたい!或る作戦に|或る警備員の重大ミス【怖い話・短編】
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。休憩時間が終わった俺は、職工さんたちとの談笑を切り上げて、持ち場である工事現場入口に立った。一時間程して、昼時になる。職工さんや職員さんは、俺の立つ出入り口を通って、コンビニ等へ向かう。その中に、ヘルメットを脇にかかえた七分刈りの中年男がいた。立ち止まって俺に言う、「お疲れさん。でかい声でしゃべっていたり道いっぱいに広がって歩いたりするような態度のよくない職工がい...
(本話の分量は、文庫本換算1ページ程です。)その日、俺(警備員・24歳)は、或る建設現場にヘルプで入った。緊急のことだったので朝礼には出ていないし、初めて入った現場なので、不慣れなことも多かった。それでも、与えられた仕事をこなしていると、要領を掴んでいった。また、何度目かの休憩時間には、休憩室で職工さんたちと談笑もするようになった。話していて気付いたことは、この現場は、職工さんと所長さんの関係が良くない...