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4-4俺も怪しい奴?|或る大学講師の笑える成果【怖い話・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)とは言え、俺は友人Aのことをいかがわしい奴だなんて言える立場ではない。俺は、心理学の講師だ。恋愛心理の研究において、俺の手法の一つは、男性用エロDVDと女性用エロDVDの分析だ。これらの分析によって、男性の持つ恋愛ニーズの一つや女性の持つ恋愛ニーズの一つを分析するのである。また、俺は心理を操る達人だから心理学の講師になれたのではない。どちらかと言うと、人の心理を瞬時に読み解...
(本話の分量は文庫本換算4P程です。)今、俺(男・29歳・大学講師)は、友人A(男・同い年・同大学の講師)の部屋にて、長年の自説を実証するに至った。友人Aは、シャワーを浴びている。その隙に、俺はデスクに着いて友人Aのパソコンを起動して、wordアプリを開きいてそこに保存されていた友人A作の文章から適当に一文選んで、コピペしてネット検索。一つのサイトが表示された。それにしても…。友人Aといい、俺といい、教育者でもある職...
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)友人Aと女子Aの距離が遠のいて後のこと。俺は友人Aと飲んだ帰り、彼のアパートに泊まることになった。友人Aがシャワーを浴びている時、俺はデスクの上の本立てに、何冊ものノートが並んでいるのが目についた。一冊を適当に手に取って、開いてみた。パラパラとページを流していると、何ページかに一ページ程の割合で最上部に「年上のお姉さんに手ほどきされて」「女上司に認められた夜に」などの一文...
4-2トンデモ男友人A|或る大学講師の笑える成果【怖い話・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)俺と友人Aは、大学時代からの付き合いだ。大学時代は同じサークルに入っていたし、今に至るまで二人だけで飲みに行ったりもしている。俺が大学院時代、就職できなかったらどうしようか不安になっていた時、励ましてもらったことも有る。良い友人と言えばその通りだ。そんなこんな、俺は友人Aの人となりをそれなりにも知っている。ざっくりと言えば、「普通でない奴」だ。エピソードを上げるときりが...
(本話の分量は文庫本換算4P程です。)今、俺(男・29歳・大学講師)は、友人A(男・同い年・同大学の講師)の部屋にて、長年の自説を実証するに至った。友人Aは、シャワーを浴びている。その隙に、俺はデスクに着いて友人Aのパソコンを起動して、wordアプリを開きいてそこに保存されていた友人A作の文章から適当に一文選んで、コピペしてネット検索。一つのサイトが表示された。それにしても…。友人Aといい、俺といい、教育者でもある職...
(本話の分量は文庫本換算1ページ程です。)Hさんは、正社員塾講師。生徒を合格に導いた実績のみならず、日常の態度についても生徒や保護者から評判は良いなどなど、バイト塾講師たちのお手本にも位置づけられていた。現在は冬前。一年の内で最も忙しい時期でもあって、Hさんの実力が発揮されることも期待されていた。それなのに…。その日、やっちまったのだ…。この時期には例年のことで、冬期講習を宣伝するポスターやら合格実績を...
4-4視線…ネタにされる日々…|冬の冷たい視線【怖い話・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)事務室内に次々と冷たい風が入って来た。十字に積み重なったポスターは、重しのない上の方がパラパラと飛んでいく。それだけでも、バイト講師は悲鳴を上げる騒ぎだった。さらに、冬の突風がドッと入り込む。タワーは、中程からバランスを崩して傾き、立っているための許容範囲を超える。ここで誰かがとっさに抑えると、タワーは保てていたかもしれないが、みんな呆気にとられたように動けなかった。...
4-3そのタイミング!換気開始|冬の冷たい視線【怖い話・短編】
そのタイミング!換気開始|冬の冷たい視線【怖い話・短編】同じ頃、正社員講師Hさんは、換気のため廊下の窓を順々に開けて回っていた。冬の冷たい風は、開けた窓から入り込んでくる。継続的に、時々には突風も入ってきて、廊下のポスターや蛍光灯をパタパタガタガタ揺らす。バイト講師たちが作業をしている事務室の出入口は、その廊下に面している。窓を開け終えた正社員講師Hさんは、用あってそのまま事務室の扉を開けた。バイト...
(本話の分量は文庫本換算1ページ程です。)Hさんは、正社員塾講師。生徒を合格に導いた実績のみならず、日常の態度についても生徒や保護者から評判は良いなどなど、バイト塾講師たちのお手本にも位置づけられていた。現在は冬前。一年の内で最も忙しい時期でもあって、Hさんの実力が発揮されることも期待されていた。それなのに…。その日、やっちまったのだ…。この時期には例年のことで、冬期講習を宣伝するポスターやら合格実績を...
4-2バイト塾講師たちの機転|冬の冷たい視線【怖い話・短編】
バイト塾講師たちの機転|冬の冷たい視線【怖い話・短編】だが、バイト講師たちの作業は、手違いによって中断をすることに。ポスターは大量に残っているのに、ビニールのみ尽きたのだ。おそらく、ビニールの発注ミスだ。バイト講師たちは正社員事務員に報告、ビニールのみを追加発注することになった。さて、ビニールが無い以上は、作業を継続できない。バイト講師は暇になった。だが、バイト講師たちは閃いた。その日はポスター4...
(本話の分量は、文庫本換算0.8P程です。)居酒屋でアルバイトをはじめたEさん(大学生・男・接客担当)。或る平日の夕方、店の奥に有るレジの辺りで立っていると、ピンポーンとセンサーが鳴った。客が入って来たようだ。対応に出ると、そこにはYシャツとスラックス姿のぼさぼさ頭の中年男が立っていて、出て来たEさんに目も合わせず、ブツブツと独り言を言っている。自分の世界に浸ってブツブツ言っている中年男だが、顔を上げたタイ...
(他ページは3-1|3-2|3-3)その後、Eさんは、中年男にラストオーダーであることを伝える。中年男は「会計して」と言う。店の奥で計算すると、3万円越えだった。閉店後。仕事を終えたEさんは、控室で一緒になった先輩に「ブツブツ言う変なお客さんでしたね」と言った。先輩は中年男について知っていることを説明してくれた、「あの人。週一くらいで平日夕方に来るよ。いつも3万円くらいは注文する。この前、ブツブツ言う内容を聞い...
3-2ブツブツの内容|超能力を目撃?奇妙な居酒屋客【体験談】
(他ページは3-1|3-2|3-3)Eさんは中年男の前に立って席に案内。座らせてからは、お冷とおしぼりを運ぶ。その間、中年男は刺身の盛り合わせと日本酒を注文する以外、ブツブツ言い続けていた。その後、Eさんが日本酒を運んで配膳。まだブツブツ言っている。配膳中に、ブツブツの内容が聞こえた、「3,3,2,7,8。かける、いやわる。一つが二つなるのは何でだろう?二つが三つにならないで四つになったと想定する」なんて。その後、Eさ...
(本話の分量は、文庫本換算0.8P程です。)居酒屋でアルバイトをはじめたEさん(大学生・男・接客担当)。或る平日の夕方、店の奥に有るレジの辺りで立っていると、ピンポーンとセンサーが鳴った。客が入って来たようだ。対応に出ると、そこにはYシャツとスラックス姿のぼさぼさ頭の中年男が立っていて、出て来たEさんに目も合わせず、ブツブツと独り言を言っている。自分の世界に浸ってブツブツ言っている中年男だが、顔を上げたタイ...
(本話の分量は、文庫本換算2P程です。)俺(米津秀行・27歳)は、小説家を目指しながら家庭教師で生計を立てている。小説を書く時間をたくさん欲しいものの、家庭教師の時間を削ったなら生計を立てられない。小説で貯金を作れると信じて生きてきたし、貧乏もまた一興と思っていた。でも、それは20代前半のことだ。20代後半の今、貯金がないことがひどくコンプレックスに思いはじめた。と言っても、家庭教師を生涯の生業と考えていない...
4-4誇れ!|何度もあたるスクラッチ【笑える?怖い話・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)良い運に導かれて何かを成したような気分だ。俺はそのあたりスクラッチを持って売り場に。そして、1000円を得た。もう、新たにスクラッチは購入しなかった。その1000円で、お隣のデパートにて普段よりも高めの地ビールを購入して帰宅。夕食。俺は、そのビールと惣菜をテーブルに並べる。プシュッといわせて、一口つける。苦味と甘味に高級感を感じる(料理に詳しくは無いけど)。あたりが続いたことを...
4-3あたるあたる…|何度もあたるスクラッチ【笑える?怖い話・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)あたりスクラッチと200円を交換するが、すぐにその200円でスクラッチ1枚を購入。トイレへ。同じように、個室に籠って削る。同じ絵柄が見事に3つ出てきた。また200円のあたりである。ただし、これでは先程と同じ。俺はまた、先ほどの宝くじ売り場に走った。またあたりスクラッチと200円とを交換して、すぐにその200円でスクラッチ1枚を購入。またトイレに。同じように個室に籠って、削った。また200...
4-2頼るはくじ|何度もあたるスクラッチ【笑える?怖い話・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)20万円以上が当たったら…憧れの貯金生活だ。期待しつつ、スクラッチを3枚購入した(さまざま有る宝くじだがスクラッチを購入した理由はその場であたりはずれの知れるため)。販売員さんの前で削ると、あたりでもはずれでもリアクションを意識してしまうので、落ち着かない。トイレで削ろうと、俺は移動。トイレにて。偶然にも個室二つ空いていることを喜びながら入って、鍵を閉める。そして、スクラッ...
(本話の分量は、文庫本換算2P程です。)俺(米津秀行・27歳)は、小説家を目指しながら家庭教師で生計を立てている。小説を書く時間をたくさん欲しいものの、家庭教師の時間を削ったなら生計を立てられない。小説で貯金を作れると信じて生きてきたし、貧乏もまた一興と思っていた。でも、それは20代前半のことだ。20代後半の今、貯金がないことがひどくコンプレックスに思いはじめた。と言っても、家庭教師を生涯の生業と考えていない...
(本話の分量は、文庫本換算3ページ程です。)大学の同窓会の帰りのこと、俺(葦笛明・32歳・精神神経科医)は友人の小田と二人で、府中駅南口の暗い路地に有る喫茶店にてきつめのウイスキーをゆっくりと飲んでいた。小田は「留年していた葦笛も、ちゃんと医者になっていて安心したけど、精神神経科医だなんて何かの縁だ」と言ってグラスを口に付けてから、またしゃべり出す「相談じゃなくて他愛無い話だから診察料は取らないでくれ」...
5-2静まった深夜-大学時代の旅行|夢と現の間にて【怪談・短編】
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)俺(小田)は、冬休みを利用して、東北の田舎へと一人旅に来ていた。昼間は自然溢れる観光スポットを歩いて、夕方にこの高級旅館へ。部屋の時計は、深夜の1時半。重たい目をシパシパしつつ、歯を磨く。TVの音も耳に入るだけであって意味を得ない。ちょっとした憧れから奮発してこの高級旅館に宿泊したのだが、改めて部屋を見回すに、やはりビジネスホテルとは違う。落ち着いた色合いの畳、有名作...
5-3賑やかなお隣-大学時代の旅行|夢と現の間にて【怪談・短編】
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)目を瞑っていると、壁を隔てて「キャハハハ」と女の人の高い笑い声が聞こえてきた。俺は反射的にふと目を開けた。笑い声の後に男の人の低い話し声も続いた。隣の部屋の客たちだろう。そう納得して枕元のスマホを手に取って深夜の2時だと確認後、スマホを戻して目を閉じた。隣の部屋の声は、クレームを入れる程ではない。むしろ、幽霊を意識してしまう静けさに比べたら、良いかもしれない。目を...
5-4笑い声に疑問-大学時代の旅行|夢と現の間にて【怪談・短編】
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)再び身体を横にして、目を閉じた。やがてまた、うとうとしてきた。おそらくは眠りに落ちた。だがその時。男の低い声が耳元で響いて、びっくりして上半身が起きた。だがやはり、先程と同じだった。暗く静かな部屋に俺が一人いるだけである。スマホを見ると、深夜の4時である1時間程経っている。相変わらず隣の部屋では、笑い声や話し声は続いている。その後も、少し寝ては耳元で声が響いたよう...
(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)―「奇妙だろう?壁の向こうの声かこっち声か分からなくなるなんて」小田は下手くそな講談師のようなしゃべりを止めて、俺に同意を求めるようにしゃべりかけてくる。俺が適当に頷くと、「精神科医の先生としてはどう思う?」と言ってくる。俺は「疲れていて休もうとする神経と慣れない高級旅館に高ぶっている神経と混在していること等が原因で、ウトウトしつつ隣の部屋の話し声を過敏に感受した...
(本話の分量は、文庫本換算3ページ程です。)大学の同窓会の帰りのこと、俺(葦笛明・32歳・精神神経科医)は友人の小田と二人で、府中駅南口の暗い路地に有る喫茶店にてきつめのウイスキーをゆっくりと飲んでいた。小田は「留年していた葦笛も、ちゃんと医者になっていて安心したけど、精神神経科医だなんて何かの縁だ」と言ってグラスを口に付けてから、またしゃべり出す「相談じゃなくて他愛無い話だから診察料は取らないでくれ」...
(本話の分量は、文庫本換算7ページ程です。)過去に体験したことが、自分にとってのみならず社会にとっても重要な出来事だったのかもしれないと、後々思い知る場合も有る。勘違いだと思って過ごして来た怪奇体験についても…。―俺(米津秀行・22歳・多摩地方に有る大学の学生)は、興味本位で付いて来た(有り難くもあるが)友人の白壁と共に小道に立って、俺の自宅アパートのベランダを見上げる。ここから見たところ異変もなく、Yシャツ...
7-7数年越しの結論は?|自分の記憶を考察する【怪談・短編】
【結論は?(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-6」の続き)】アパートの鍵を紛失したなんて理由で白壁のアパートで一夜を過ごしたが、朝になって仲介業者に連絡するよう促された俺は、躊躇いながらもアパートや学祭での怪奇現象をしゃべった。心理学を研究する白壁は喜んで聞いていたが、現場検証にいかないことにははじまらないぞと俺を促した。以上のように、昨日から今に至るまでのことを思いつつ、俺は白壁と共に玄関前に...
【怪奇再来-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-5」)の続き】その後の学祭。人でごった返す賑やかなエリアに戻ると、楽しい雰囲気へと俺の気持ちも溶け込んで、マネキンのことは徐々に頭から離れていった。やがて、俺の勘違いだった気もしてきた。俺が追ったのは普通の人間→そのまま大教室に入る→よくよく確認しなかっただけで大教室のどこかにはその普通の人間も居たしもともとマネキンも有った→それを...
7-5逃げろ-昨日の学祭|自分の記憶を考察する【怪談・短編】
【俺の勘違いなのか?怪奇現象なのか?-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-4」の続き)】背筋から全身へと、恐怖を伴いつつ身体を凍り付かせるものが広がる。呼吸が震えてしずらいことで、身体全体が震えていることを知った。相変わらず、彼女は(マネキンは?)じっとしている。意識してか本能によるものか、頭が真っ白になることで正気ギリギリラインは保てていたとも思う。俺はゆっくりと後ずさりをはじ...
7-4ナンパ-昨日の学祭|自分の記憶を考察する【怪談・短編】
【彼女と二人っきり!ナンパは成功するかな?いや、それどころではない?-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-3」の続き)】彼女から遅れること数秒後、丁度ガチャンと閉まる音のした、ドアの前に立った。ドア越しには、部屋の中から物音はしない。ハイヒールの音はもう止んでいる。開けてみる?でも、特定のサークルが借りている部屋だったら?更衣室だったら?不安になりつつも、張り紙もせず集会したり...
【彼女の後姿を追いかけてたどり着いた場所とは?-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-2」の続き)】人でごった返す学祭中のキャンパスを、右に左にと避けつつ、俺は彼女を追った。すれ違う者たちは、思い思いの楽しみに興じていて、ナンパをしようとする俺のことも、俺に声をかけられようとしている彼女のことも、知らないようだ。その内に、キャンパスの端の方にまで来た。この辺までくると、人も疎らだ...
【俺の学祭での野心-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-1」の続き)】昨日は学祭だった。この学祭で、俺はナンパをする。そんな野心に燃えていた。クラスに仲の良い女の子はいるものの、一目で心臓の高鳴るような女の子と恋愛してみたい。その意味では、浮ついたものではなくて、硬派なものだったと思う。俺は、あっちの校舎、こっちの広場、ナンパをさせていただくお相手を探しつつ、一つの校舎内にいた...
過去に体験したことが、自分にとってのみならず社会にとっても重要な出来事だったのかもしれないと、後々思い知る場合も有る。勘違いだと思って過ごして来た怪奇体験についても…。―俺(米津秀行・22歳・多摩地方に有る大学の学生)は、興味本位で付いて来た(有り難くもあるが)友人の白壁と共に小道に立って、俺の自宅アパートのベランダを見上げる。ここから見たところ異変もなく、Yシャツやチノパンが干して有る日常的風景だ。昨日...
(本話の分量は、文庫本換算1P程です。)眠い!頭がグルグルする!でも、じんわりと暖かくて心地よい。金曜日の終電後、俺は駅前ロータリーでタクシー待ちの行列に並んでいた。立っていられることすら不思議であって、おそらく、意思でコントロールできないさまざま物理的要素が絶妙に絡み合って、横になるのこそ相応しい現在の身体状況でありながら、立っているのだろう。それにしても…。俺は、じんわりと暖かくて心地良い身体を、...
(本話の分量は、文庫本換算2P程です。)コンサルタント会社を経営するDさん。会社も軌道に乗ってきた現在、自宅として、東京都内にマンションを購入した。東京湾の入り江のような箇所の畔に位置するマンションの33階。ベランダからの眺めは、視界手前には東京湾、視界奥には向こう岸に林立する高層ビル群。夕方はビル群に沈む夕日が綺麗だし、夜は煌めくビル灯りが綺麗だ。自身の部屋に満足しているDさんだったが、或る日に、奇妙な...
4-4同マンション住民の証言|未確認生物を目撃?東京【体験談】
(他ページへは4-1|4-2|4-3|4-4)Dさんは、その後も時々、透明の玉が浮遊しているのを目撃した。それから、Dさんは、エレベーターや玄関ホール等でマンション住民に会った時には、「シャボン玉のようなものが飛んでいないか」と尋ねるようになった。十人くらいに尋ねた辺りから、一つの傾向に気づいた。高層階ほど目撃例が多いこと、20台後半の階を下回ると目撃例が無いことだ。違うマンションでの目撃例はどうなんだろう?Dさん...
(他ページへは4-1|4-2|4-3|4-4)不気味だとは思いつつ、好奇心も有った。近くで透明の玉を見ようと、ベランダ窓を開けて、進み出た。脚を踏み出したその時、透明の玉はDさんを察知したように、さっと宙へ舞い上がる。Dさんは、透明の玉が舞い上がる瞬間に一瞬しぼんだのを見たため、ジェットのような要領で飛び立ったのかもしれないと分析した。Dさんは、警戒心よりも好奇心が勝り出した。「4-4同マンション住民の証言|未確認生...
(本話の分量は、文庫本換算2P程です。)コンサルタント会社を経営するDさん。会社も軌道に乗ってきた現在、自宅として、東京都内にマンションを購入した。東京湾の入り江のような箇所の畔に位置するマンションの33階。ベランダからの眺めは、視界手前には東京湾、視界奥には向こう岸に林立する高層ビル群。夕方はビル群に沈む夕日が綺麗だし、夜は煌めくビル灯りが綺麗だ。自身の部屋に満足しているDさんだったが、或る日に、奇妙な...
(他ページへは4-1|4-2|4-3|4-4)その日は休日。Dさんは、ベランダ窓の前に立って景色を眺めていた。晴れた日の朝。高層ビルからの眺めは、まさに青空のただ中に立っているよう。今日、出前を頼んで、映画を見て、マンションから出るつもりは無い。景色を眺めていたその時。幅30cm程のシャボン玉のような透明の玉が一つ、向かって右の方からフワフワユラユラとゆっくり浮遊して来た。Dさんは、近隣の部屋でシャボン玉遊びをしてい...
(本話の分量は、文庫本換算1ページ程です。)その日、俺(警備員・24歳)は、或る建設現場にヘルプで入った。緊急のことだったので朝礼には出ていないし、初めて入った現場なので、不慣れなことも多かった。それでも、与えられた仕事をこなしていると、要領を掴んでいった。また、何度目かの休憩時間には、休憩室で職工さんたちと談笑もするようになった。話していて気付いたことは、この現場は、職工さんと所長さんの関係が良くない...
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。警備リーダーはまだ何かしゃべっているものの、俺の耳にはもう意味を成しては入ってこない。警備リーダーの表情だ口調だに合わせて、適当に愛想笑いしていた。愛想笑いをしつつ、俺は頭を切り替えた。残りの勤務時間は、ひたすら所長に出くわさないよう気を付けようと。先程クレーン車横で挨拶したところからして、所長はそれ程気にしてはいないみたいだが、俺の気持ちは申し訳なさや後悔やでも...
4-3やっちまった!努力裏目|或る警備員の重大ミス【怖い話・短編】
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。その後、休憩時間に。俺は、持ち場である工事現場出入口から休憩室へ向かって歩いていた。クレーン車の停車する広場を横切って、隣接する狭い通路へと歩いていた。通路から、先程の七分刈りの中年男が出て来たので、俺は歩きつつすれ違いざまに挨拶した。中年男は「おっす」なんて返しながら俺を通り過ぎて、クレーン車の横に立つ。俺は半身になりつつ中年男を目で追っていたところ、職工さんが...
4-2馴染みたい!或る作戦に|或る警備員の重大ミス【怖い話・短編】
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。休憩時間が終わった俺は、職工さんたちとの談笑を切り上げて、持ち場である工事現場入口に立った。一時間程して、昼時になる。職工さんや職員さんは、俺の立つ出入り口を通って、コンビニ等へ向かう。その中に、ヘルメットを脇にかかえた七分刈りの中年男がいた。立ち止まって俺に言う、「お疲れさん。でかい声でしゃべっていたり道いっぱいに広がって歩いたりするような態度のよくない職工がい...
(本話の分量は文庫本換算2ページ程です。)俺(22歳・男)は、この春から社会人デビューをした。それに伴い、都内の或るアパートにて一人暮らしをはじめた。古いアパートだが、5階建てで部屋の数は多く、エレベーターも設置されている。全階ふきっさらしの廊下だが、その一か所で、エレベーターは上下階をつなぐ。4階に暮らす俺は、出勤時の朝も帰宅時の夜も、エレベーターをよく利用する。そんなエレベーターについて、深夜のみに起...
(本話の分量は、文庫本換算1ページ程です。)その日、俺(警備員・24歳)は、或る建設現場にヘルプで入った。緊急のことだったので朝礼には出ていないし、初めて入った現場なので、不慣れなことも多かった。それでも、与えられた仕事をこなしていると、要領を掴んでいった。また、何度目かの休憩時間には、休憩室で職工さんたちと談笑もするようになった。話していて気付いたことは、この現場は、職工さんと所長さんの関係が良くない...
5-5怪奇現象?の正体は|エレベーターで叫べ【怖い話・短編】
【5-5怪奇現象?の正体は】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)その後。何か月か経つ。庭やエレベーター等、アパート住民と偶然会った時に、深夜のエレベーターの話をしてみた。みなさん先輩住民に教わったことで、毅然と対応するらしい。今のところ実害も無いそうである。中には、何かの怨念でも彷徨っているのかと、心霊現象の基になるような事件事故等を調べた住民もいた。アパートの施行段階、エレベーター関連、敷地周辺、調...
【5-4俺も試す…】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)その日から俺はエレベーターに対して疑問と怪奇的想像は止まなかったが、本日、残業して深夜に帰宅した。アパートの敷地に足を踏み入れた時に、エレベーターはちょうど1階に到着して口を開けたのが見えた。階段にしようか?いや、中年男に言われたことを試してみようか?迷った俺だが、エレベーターに乗った。4階を押して、閉まるボタンを押す。重い機械の音とともにエレベー...
5-3動作不良解決方法は…|エレベーターで叫べ【怖い話・短編】
【5-3動作不良解決方法は…】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)違う或る日。俺はまた、残業のため、深夜に帰宅した。アパートの敷地前では、翌日に回収されるゴミを出している中年男がいた。俺は、その中年男に適当に挨拶をして通り過ぎて、アパートの敷地に足を踏み入れる。歩いていると、エレベーターが目に入る。やはり1階に到着しており、扉は開いている。俺がエレベーターに乗って4階を押した時、ゴミを出し終えた中年男は...
5-2深夜のみ発生?動作不良|エレベーターで叫べ【怖い話・短編】
【5-2深夜のみ発生?動作不良|エレベーターで叫べ】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)今は深夜。アパートの敷地に足を踏み入れて、エレベーターへと向かっている。翌日が休みということもあって、仕事の遅れを取り戻すために残業をしての帰宅だ。正面に、エレベーターが見えて来た。やはりだ。エレベーターは、俺を迎えるように1階に到着して扉は開いている。俺は、そのままエレベーターに乗って、4階を押す。重い機械音ととも...
(本話の分量は文庫本換算2ページ程です。)俺(22歳・男)は、この春から社会人デビューをした。それに伴い、都内の或るアパートにて一人暮らしをはじめた。古いアパートだが、5階建てで部屋の数は多く、エレベーターも設置されている。全階ふきっさらしの廊下だが、その一か所で、エレベーターは上下階をつなぐ。4階に暮らす俺は、出勤時の朝も帰宅時の夜も、エレベーターをよく利用する。そんなエレベーターについて、深夜のみに起...