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(本話の分量は文庫本換算1ページ程です。)Hさんは、正社員塾講師。生徒を合格に導いた実績のみならず、日常の態度についても生徒や保護者から評判は良いなどなど、バイト塾講師たちのお手本にも位置づけられていた。現在は冬前。一年の内で最も忙しい時期でもあって、Hさんの実力が発揮されることも期待されていた。それなのに…。その日、やっちまったのだ…。この時期には例年のことで、冬期講習を宣伝するポスターやら合格実績を...
4-4視線…ネタにされる日々…|冬の冷たい視線【怖い話・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)事務室内に次々と冷たい風が入って来た。十字に積み重なったポスターは、重しのない上の方がパラパラと飛んでいく。それだけでも、バイト講師は悲鳴を上げる騒ぎだった。さらに、冬の突風がドッと入り込む。タワーは、中程からバランスを崩して傾き、立っているための許容範囲を超える。ここで誰かがとっさに抑えると、タワーは保てていたかもしれないが、みんな呆気にとられたように動けなかった。...
4-3そのタイミング!換気開始|冬の冷たい視線【怖い話・短編】
そのタイミング!換気開始|冬の冷たい視線【怖い話・短編】同じ頃、正社員講師Hさんは、換気のため廊下の窓を順々に開けて回っていた。冬の冷たい風は、開けた窓から入り込んでくる。継続的に、時々には突風も入ってきて、廊下のポスターや蛍光灯をパタパタガタガタ揺らす。バイト講師たちが作業をしている事務室の出入口は、その廊下に面している。窓を開け終えた正社員講師Hさんは、用あってそのまま事務室の扉を開けた。バイト...
4-2バイト塾講師たちの機転|冬の冷たい視線【怖い話・短編】
バイト塾講師たちの機転|冬の冷たい視線【怖い話・短編】だが、バイト講師たちの作業は、手違いによって中断をすることに。ポスターは大量に残っているのに、ビニールのみ尽きたのだ。おそらく、ビニールの発注ミスだ。バイト講師たちは正社員事務員に報告、ビニールのみを追加発注することになった。さて、ビニールが無い以上は、作業を継続できない。バイト講師は暇になった。だが、バイト講師たちは閃いた。その日はポスター4...
(本話の分量は文庫本換算1ページ程です。)Hさんは、正社員塾講師。生徒を合格に導いた実績のみならず、日常の態度についても生徒や保護者から評判は良いなどなど、バイト塾講師たちのお手本にも位置づけられていた。現在は冬前。一年の内で最も忙しい時期でもあって、Hさんの実力が発揮されることも期待されていた。それなのに…。その日、やっちまったのだ…。この時期には例年のことで、冬期講習を宣伝するポスターやら合格実績を...
(本話の分量は、文庫本換算1ページ程です。)その日、俺(警備員・24歳)は、或る建設現場にヘルプで入った。緊急のことだったので朝礼には出ていないし、初めて入った現場なので、不慣れなことも多かった。それでも、与えられた仕事をこなしていると、要領を掴んでいった。また、何度目かの休憩時間には、休憩室で職工さんたちと談笑もするようになった。話していて気付いたことは、この現場は、職工さんと所長さんの関係が良くない...
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。警備リーダーはまだ何かしゃべっているものの、俺の耳にはもう意味を成しては入ってこない。警備リーダーの表情だ口調だに合わせて、適当に愛想笑いしていた。愛想笑いをしつつ、俺は頭を切り替えた。残りの勤務時間は、ひたすら所長に出くわさないよう気を付けようと。先程クレーン車横で挨拶したところからして、所長はそれ程気にしてはいないみたいだが、俺の気持ちは申し訳なさや後悔やでも...
4-3やっちまった!努力裏目|或る警備員の重大ミス【怖い話・短編】
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。その後、休憩時間に。俺は、持ち場である工事現場出入口から休憩室へ向かって歩いていた。クレーン車の停車する広場を横切って、隣接する狭い通路へと歩いていた。通路から、先程の七分刈りの中年男が出て来たので、俺は歩きつつすれ違いざまに挨拶した。中年男は「おっす」なんて返しながら俺を通り過ぎて、クレーン車の横に立つ。俺は半身になりつつ中年男を目で追っていたところ、職工さんが...
4-2馴染みたい!或る作戦に|或る警備員の重大ミス【怖い話・短編】
他ページは(4-1|4-2|4-3|4-4)へ。休憩時間が終わった俺は、職工さんたちとの談笑を切り上げて、持ち場である工事現場入口に立った。一時間程して、昼時になる。職工さんや職員さんは、俺の立つ出入り口を通って、コンビニ等へ向かう。その中に、ヘルメットを脇にかかえた七分刈りの中年男がいた。立ち止まって俺に言う、「お疲れさん。でかい声でしゃべっていたり道いっぱいに広がって歩いたりするような態度のよくない職工がい...
(本話の分量は文庫本換算2ページ程です。)俺(22歳・男)は、この春から社会人デビューをした。それに伴い、都内の或るアパートにて一人暮らしをはじめた。古いアパートだが、5階建てで部屋の数は多く、エレベーターも設置されている。全階ふきっさらしの廊下だが、その一か所で、エレベーターは上下階をつなぐ。4階に暮らす俺は、出勤時の朝も帰宅時の夜も、エレベーターをよく利用する。そんなエレベーターについて、深夜のみに起...
(本話の分量は、文庫本換算1ページ程です。)その日、俺(警備員・24歳)は、或る建設現場にヘルプで入った。緊急のことだったので朝礼には出ていないし、初めて入った現場なので、不慣れなことも多かった。それでも、与えられた仕事をこなしていると、要領を掴んでいった。また、何度目かの休憩時間には、休憩室で職工さんたちと談笑もするようになった。話していて気付いたことは、この現場は、職工さんと所長さんの関係が良くない...
5-5怪奇現象?の正体は|エレベーターで叫べ【怖い話・短編】
【5-5怪奇現象?の正体は】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)その後。何か月か経つ。庭やエレベーター等、アパート住民と偶然会った時に、深夜のエレベーターの話をしてみた。みなさん先輩住民に教わったことで、毅然と対応するらしい。今のところ実害も無いそうである。中には、何かの怨念でも彷徨っているのかと、心霊現象の基になるような事件事故等を調べた住民もいた。アパートの施行段階、エレベーター関連、敷地周辺、調...
【5-4俺も試す…】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)その日から俺はエレベーターに対して疑問と怪奇的想像は止まなかったが、本日、残業して深夜に帰宅した。アパートの敷地に足を踏み入れた時に、エレベーターはちょうど1階に到着して口を開けたのが見えた。階段にしようか?いや、中年男に言われたことを試してみようか?迷った俺だが、エレベーターに乗った。4階を押して、閉まるボタンを押す。重い機械の音とともにエレベー...
5-3動作不良解決方法は…|エレベーターで叫べ【怖い話・短編】
【5-3動作不良解決方法は…】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)違う或る日。俺はまた、残業のため、深夜に帰宅した。アパートの敷地前では、翌日に回収されるゴミを出している中年男がいた。俺は、その中年男に適当に挨拶をして通り過ぎて、アパートの敷地に足を踏み入れる。歩いていると、エレベーターが目に入る。やはり1階に到着しており、扉は開いている。俺がエレベーターに乗って4階を押した時、ゴミを出し終えた中年男は...
5-2深夜のみ発生?動作不良|エレベーターで叫べ【怖い話・短編】
【5-2深夜のみ発生?動作不良|エレベーターで叫べ】(他ページは5-1|5-2|5-3|5-4|5-5)今は深夜。アパートの敷地に足を踏み入れて、エレベーターへと向かっている。翌日が休みということもあって、仕事の遅れを取り戻すために残業をしての帰宅だ。正面に、エレベーターが見えて来た。やはりだ。エレベーターは、俺を迎えるように1階に到着して扉は開いている。俺は、そのままエレベーターに乗って、4階を押す。重い機械音ととも...
(本話の分量は文庫本換算2ページ程です。)俺(22歳・男)は、この春から社会人デビューをした。それに伴い、都内の或るアパートにて一人暮らしをはじめた。古いアパートだが、5階建てで部屋の数は多く、エレベーターも設置されている。全階ふきっさらしの廊下だが、その一か所で、エレベーターは上下階をつなぐ。4階に暮らす俺は、出勤時の朝も帰宅時の夜も、エレベーターをよく利用する。そんなエレベーターについて、深夜のみに起...