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(本話の分量は、文庫本換算7ページ程です。)過去に体験したことが、自分にとってのみならず社会にとっても重要な出来事だったのかもしれないと、後々思い知る場合も有る。勘違いだと思って過ごして来た怪奇体験についても…。―俺(米津秀行・22歳・多摩地方に有る大学の学生)は、興味本位で付いて来た(有り難くもあるが)友人の白壁と共に小道に立って、俺の自宅アパートのベランダを見上げる。ここから見たところ異変もなく、Yシャツ...
7-7数年越しの結論は?|自分の記憶を考察する【怪談・短編】
【結論は?(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-6」の続き)】アパートの鍵を紛失したなんて理由で白壁のアパートで一夜を過ごしたが、朝になって仲介業者に連絡するよう促された俺は、躊躇いながらもアパートや学祭での怪奇現象をしゃべった。心理学を研究する白壁は喜んで聞いていたが、現場検証にいかないことにははじまらないぞと俺を促した。以上のように、昨日から今に至るまでのことを思いつつ、俺は白壁と共に玄関前に...
【怪奇再来-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-5」)の続き】その後の学祭。人でごった返す賑やかなエリアに戻ると、楽しい雰囲気へと俺の気持ちも溶け込んで、マネキンのことは徐々に頭から離れていった。やがて、俺の勘違いだった気もしてきた。俺が追ったのは普通の人間→そのまま大教室に入る→よくよく確認しなかっただけで大教室のどこかにはその普通の人間も居たしもともとマネキンも有った→それを...
7-5逃げろ-昨日の学祭|自分の記憶を考察する【怪談・短編】
【俺の勘違いなのか?怪奇現象なのか?-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-4」の続き)】背筋から全身へと、恐怖を伴いつつ身体を凍り付かせるものが広がる。呼吸が震えてしずらいことで、身体全体が震えていることを知った。相変わらず、彼女は(マネキンは?)じっとしている。意識してか本能によるものか、頭が真っ白になることで正気ギリギリラインは保てていたとも思う。俺はゆっくりと後ずさりをはじ...
7-4ナンパ-昨日の学祭|自分の記憶を考察する【怪談・短編】
【彼女と二人っきり!ナンパは成功するかな?いや、それどころではない?-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-3」の続き)】彼女から遅れること数秒後、丁度ガチャンと閉まる音のした、ドアの前に立った。ドア越しには、部屋の中から物音はしない。ハイヒールの音はもう止んでいる。開けてみる?でも、特定のサークルが借りている部屋だったら?更衣室だったら?不安になりつつも、張り紙もせず集会したり...
【彼女の後姿を追いかけてたどり着いた場所とは?-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-2」の続き)】人でごった返す学祭中のキャンパスを、右に左にと避けつつ、俺は彼女を追った。すれ違う者たちは、思い思いの楽しみに興じていて、ナンパをしようとする俺のことも、俺に声をかけられようとしている彼女のことも、知らないようだ。その内に、キャンパスの端の方にまで来た。この辺までくると、人も疎らだ...
【俺の学祭での野心-昨日の学祭を思い出す(「或るホラー作家の記憶【怪談・短編】7-1」の続き)】昨日は学祭だった。この学祭で、俺はナンパをする。そんな野心に燃えていた。クラスに仲の良い女の子はいるものの、一目で心臓の高鳴るような女の子と恋愛してみたい。その意味では、浮ついたものではなくて、硬派なものだったと思う。俺は、あっちの校舎、こっちの広場、ナンパをさせていただくお相手を探しつつ、一つの校舎内にいた...
過去に体験したことが、自分にとってのみならず社会にとっても重要な出来事だったのかもしれないと、後々思い知る場合も有る。勘違いだと思って過ごして来た怪奇体験についても…。―俺(米津秀行・22歳・多摩地方に有る大学の学生)は、興味本位で付いて来た(有り難くもあるが)友人の白壁と共に小道に立って、俺の自宅アパートのベランダを見上げる。ここから見たところ異変もなく、Yシャツやチノパンが干して有る日常的風景だ。昨日...