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月夜の猫-BL小説です 春雷43 BL小説 黒塗りの車が向かった先は、十階建てのビルで、株式会社KCC。 良太がネットで検索したところ建設会社となっていたが、元々は上田市にあった中山組系暴力団君塚組が解散した後に会社組織として改名したものだという。 社長の君塚隆造は先代君塚組の長男で、次男、三男とも役員として会
月夜の猫-BL小説です 春雷42 BL小説 「佐藤製作所の会社で佐藤彰吾が出てくるのを待ってたら、ちょうどエントランス前の車に乗るとこだったみたいで、スーツ着て出てくる佐藤とわざとぶつかったんです。いや、あんなにうまくいくとは思わなかったけど、ガイジンの振りして英語で捲し立てたら、日本人て逆に引くんですよね。
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ42 BL小説 聞きたくないながら聞いた千雪に、小夜子が言った。 「やっと事実を理解したら、京助さんが誑かしたに違いないとかってお父さんが怒り出すから、綾小路では二人のことをちゃんと認めてるって言ったのよ」 「ってか、余計そんな状況でやる食事会に顔出すやなんて冗談やないわ
月夜の猫-BL小説です 春雷41 BL小説 それを俺に言うのが後ろめたかったとか? やっぱね。 何かあったに違いないって勝手に俺が思うのと、リアルな証拠を突き付けられるのとではちょっと違うよな。 だから、京助さんがあんなに工藤に対して目くじらを立てるわけで。 まあ、千雪さんにとっては昔のことなのかも知れないけ
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)40までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)40までアップしました。かぜをいたみ(京助×千雪)40までアップしました。
月夜の猫-BL小説です 春雷40 BL小説 「まあ、じゃあ、ほんとにその方近しい方がいらっしゃらなかったのね。疎遠になってしまっているとお孫さんもそんなもんなんでしょうかねえ」 「子や孫がいても今時はそんなもんなんだろうな」 鈴木さんが平造としみじみと語っている間に、良太は小田に電話を入れた。 「お忙しいところ
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ40 BL小説 「お、めでとう、ってか、もう五か月?」 小夜子は確かにゆったりしたAラインのワンピースを着ているが、お腹が特に目立っているとは思えない。 「先月、紫紀さんの仕事の都合もあって、一緒に日本に戻ってきたんだけど、ちょっと風邪気味かなと思って、病院行ったら妊娠してるっ
月夜の猫-BL小説です 春雷39 BL小説 「何かお手伝いすることがあればおっしゃって下さいよ」 鈴木さんが優しく平造に問う。 「そうですよ」 良太も頷いた。 すると平造はしばし迷ったような顔をしたが、「そうたいしたことじゃないんだが」と口を開いた。 「俺はガキの頃に親を亡くして、親戚をたらいまわしにされたんだが
月夜の猫-BL小説です 春雷38 BL小説 でも工藤がピアノとか、そういうの好きな相手と一緒なんだろうか。 あ、あれかな、ニューヨークの佳乃さん。 あの人が日本に来るとか? ちぇ、ま、いいけどさ。 これだから、工藤のことなんか、人に話せないんだよ。 ふう、と大きく溜息をついたところを、宇都宮に見られてしまった。
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ39 BL小説 「だって、京助さんって、何も隠そうとか思ってない人でしょ? 大学じゃなくても、アパートの前で京助さん、平気で先生にキスするし」 思い切りはっきり言われて、千雪は頭を掻きむしった。 確かに誰に見られてもおかしくない。 「ったく、あんの、ドアホが!」 「周りの方は
春雷(工藤×良太)37まで、メリーゴーランドラスト追加しました。
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)37まで、メリーゴーランドラスト追加しました。 BL小説 春雷(工藤×良太)37まで、メリーゴーランドラスト追加しました。 またメリーゴーランド、あちこち修正したため、全体再アップいたしました。 ページが多いため、どこか抜けてるよう
月夜の猫-BL小説です メリーゴーランド374 BL小説 クリスマスイブの夕方のことだ。 彼女との約束までまだ時間があるな、と一張羅のジャケットを羽織り、ウキウキ帰り支度をしていた佐久間は、「あかん、これ、先輩に頼まれとったんや、忘れとった、どないしょ」と、デスクの上の封筒に気づいた。 「木村さん、もう休みやよ
月夜の猫-BL小説です 春雷37 BL小説 「いやあ、俳優陣もいつのまにか良太ちゃんペースに合わせられてるし」 フン、と鼻で笑う工藤に、坂口は付け加える。 坂口の言葉を裏付けるように、救護班に擦りむいた膝を手当てしてもらった女性には、川野が歩み寄って声を掛けていた。 リテイクとなったものの、皆が少し冷静になれた
月夜の猫-BL小説です 春雷36 BL小説 ピアノのコンサートか。 ほんと、カップルならこれ以上ないイベントだよな。 亜弓がもっと近くに住んでれば渡したんだけど。 「でもチケットが余って、もし時間が合えば、鈴木さん一人で行くって言うし、俺も一緒に行こうかな」 ま、俺の場合、寝ちまうのが関の山だけどさ。 良太は
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ38 BL小説 今度は、小夜子は無事出産することができるのだろうかとまで思ってしまい、怖くなる。 「おい、千雪、聞いてるか?」 「あ、ああ。それはおめでたい話やけど、俺はやっぱパスって伝えといて」 千雪はそう言うと携帯を切ってしまった。 「何かあったんですか?」 眉を顰めたま
月夜の猫-BL小説です 春雷35(工藤×良太)までアップしました BL小説 春雷35(工藤×良太)、かぜをいたみ37(京助×千雪)までアップしました。 尚、それぞれのエピソードがリンクしているため、メリーゴーランド(京助×千雪)の中で主に時系列的に修正する箇所があり、修正して再アップしていきます
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ37 BL小説 「いいえ、先生の小説は好きだし、推理小説も好きだけど、すごいトリックとか考えつかないし、私が書きたいものとは違うって感じがしてたし」 「そうなん? けど、俺の話かて、巧妙なトリックやなんかあるわけやないし、推理小説いうより、探偵小説やで?」 「それは速水さんが
月夜の猫-BL小説です 春雷35 BL小説 そうだよな、佐藤さんのことが何もなければ、アスカさんも秋山さんとコンサートデートとかできるのにな。 ふとそんなことを考えながら良太は三田村の向かいに座って、鈴木さんの置いてくれたコーヒーを飲んだ。 「でもバレンタインってやっぱ、一人で行くのも面白くないですよね」
月夜の猫-BL小説です 春雷34 BL小説 翌朝八時頃、良太は佐藤がDV夫から逃げているらしいと伝えた上で、くれぐれも無理はしないようにと森村にラインでメッセージを送った。 すると森村は既に車で軽井沢に着いていて、コンビニでサンドイッチを買ってきて食べているところだと返事をしてきた。 『ご心配なく。とりあえず
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ36 BL小説 「先生のお母さんって確かお亡くなりになってますよね? 三年くらい前に原夏緒の回顧展開催されて、私も拝見させていただきました」 千雪をまっすぐ見て木村は言った。 「え、そっちかいな?」 「だからお弁当作ってくれたのはお母さんじゃないですよね」 千雪はくすっと笑う
月夜の猫-BL小説です 春雷33 BL小説 たまに良太にも、母親や妹の亜弓以外でも義理チョコなんかが届いたりするのはご愛敬というところか。 「今年は義理チョコやめようって風潮らしいから、まあ悲鳴を上げる程俺なんかには来ないけど」 工藤宛のものなど、中を確かめてオフィスで分けろ、とか何とかムチャなことを工藤は言うの
月夜の猫-BL小説です 春雷32 BL小説 「そうか」 工藤はコーヒーを飲んでから、また徐に口を開いた。 「まあ、それはそれだ。お前の好きにしたらいいが、やはりそろそろお前の待遇的なものも考えねばならないだろう。取締役でどうだ? 形的には三月の株主総会での決定だ」 「取締役? 俺がですか?」 「ちっぽけな会社で
月夜の猫-BL小説です 春雷31 BL小説 「アスカさんが何か?」 逆に秋山は聞き返した。 「いや、いいんだ。お姉さんとは連絡を取っているのか?」 工藤が話を変えると、秋山はちょっと逡巡する。 「ええ、まあ、姉自身もうちを嫌ってさっさと結婚して家を離れた人ですから、ほんのたまに連絡をくれます」 「確か弟がいたな
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ34 BL小説 一番、自然だったのはやさかで会った栗色のふわっとした髪と品のいい夏のドレスに身を包んでいた、大きな目が印象的な彼女だろう。 ん? てことは、彼女、やっぱ俺の後をつけてた? ってか、俺のこと知っとるいうことか? 千雪は頭の中でそんなことを思いめぐらせながら、
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)30までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)30までアップしました。かぜをいたみ(京助×千雪)33までアップしました。
月夜の猫-BL小説です 春雷30 BL小説 青山にある秋山のマンションにつくと、工藤はエントランスで部屋番号を押した。 すぐに秋山がロックを解除し、工藤は十階へと上がる。 「すみません、わざわざ来て頂いて」 秋山はリビングのソファに工藤を通し、コーヒーを入れながら言った。 「さっき小田が来て加藤と話しているが、
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ33 BL小説 以前、自分の書いた推理小説を一方的に千雪に送りつけてきたというか、おそらく自分でドアポケットに入れていったであろう、ペンネーム家図愛と書いてホームズラブがこの木村女史だったわけだが、自分より、相応の編集部に投稿した方がいいだろうとアドバイスをしていたが、千雪の
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ31 BL小説 「ああ、ええんや。まだ、やんの?」 「論文、明日までに提出だからな。お前はとっとと寝ろ。明日早いんだ」 そう言うと京助はまたパソコンの画面に戻る。 やから、忙しいのにわざわざ迎えなんかええ、言うたのに。 千雪は心の中で呟くが、確かに飲み過ぎて朝なかなか起きれなく
月夜の猫-BL小説です 春雷29 BL小説 「え………、アスカさん、どうかしたんですか?」 「いつもよりトーンが低かった」 さすが、工藤! 思わず良太は口にしそうになった。 伊達に鬼だのなんだの異名を取ってるわけじゃないんだ。 「そうなんですか? 秋山さん、何か言ってました?」 「いや、あいつもどこから
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ30 BL小説 「ほな、桐島にも言うとく。あいつもその頃、スケジュール入れずに帰国する言うてたし」 三田村がそう言った時、エレベーターが開いた。 二人の女性が最初に降りた。 千雪が、アレっと思ったのはその時だ。 去って行く女性の後ろ姿を見つめたが、何が引っ掛かったのかに気づい
月夜の猫-BL小説です 春雷28 BL小説 佐藤製作所は建設機械を扱う長野県では大手の企業だが、創業者二代目である社長の佐藤孝蔵が病に臥せっていて、娘婿で専務取締役の佐藤彰吾と取締役で社長とともに会社に尽くし、会社を大きくしたと言われている滝沢昭信が社長の椅子を争い、会社が二分していた、という内容だ。 ところが数
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ29 BL小説 「来はった」 辻が三田村にドヤ顔を向ける。 「まだ十時前やん」 携帯を見て千雪が言った。 「お前、明日朝イチだろうが」 ぶすっつらのまま、仕方なく千雪は立ち上がる。 「ほな、俺らも河岸変えるか?」 三田村が言った。 「せやな」 頷きながら研二も立ち上がる。
月夜の猫-BL小説です 春雷27 BL小説 「CM、アスカさんですか?」 四時半少し前に美聖堂の駐車場に入り、工藤のキャリーケースをトランクに入れ、工藤が後部座席に乗り込むと、良太はハンドルを切りながら聞いた。 アスカはこれまでも美聖堂のイメージキャラクターとして、幾度もCMの仕事をしてきている。 「ああ。プ
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ28 BL小説 「あれなあ、マジ、すごかったよな、周辺の学校の女子総出で体育館入りきらんかったもんな」 そんな昔のことまで持ち出して三田村は改めて感心したように言った。 「あんなあ、ほんまのアイドルやったはる人なんか、比べ物にならんで? いっぺん、工藤さんの車で通りかかった
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ27 BL小説 「いやいや、絶対、京助さん来はる」 「せやな、またふらっと行先も言わんとどこぞへ旅に出よったりされるとかなんし」 辻と三田村が妙に意見が合っている。 「いくら何でも、飲み会のあといきなりどこぞへ行ったりするか」 フンっとばかりに千雪はビールを飲む。 「せえけ
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)26までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)26までアップしました。かぜをいたみ(京助×千雪)26までアップしました。
月夜の猫-BL小説です 春雷26 BL小説 「ほかでもない、実は遠野に聞いて、君の知り合いで警護やなんかもやってくれる人たちがいると」 「はあ」 良太は驚いた。 「ただ、表立ってそういう仕事をしているわけではないと聞いたので、できれば君から打診してもらえればありがたいんだが」 「あ、はい、連絡は取れますが、実
月夜の猫-BL小説です 春雷25 BL小説 鈴木さんと弁当を食べ終えて、お茶を飲んでいるところへ、マックの袋を抱えて森村が戻ってきた。 「お帰りなさい」 「ただ今戻りました。ランチしちゃっていいですか? 腹減っちゃって」 森村は窓側のソファに陣取って、大きなハンバーガーとポテトを取り出した。 「コーヒー淹れるわね
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ26 BL小説 これからも研二とはこんな風に笑い合って行けたらいいと思うのだが、もし、研二に大事な人ができたら、俺の心はどうなるんや、と千雪はわからなくなる。 いやもう、匠の存在は、研二の中でそういう位置にあるのではないかという気がしないでもない。 匠の邪魔をする資格はないと
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ25 BL小説 周りからジロジロ見られるのは今に始まったことではないが、凝視されているのが千雪は気になった。 千雪が先に店を出てから五分と経たないうちに研二が出てきた。 「なあ、腹減った」 研二の顔を見るなり、千雪は甘えるように訴えた。 「マックでも寄ってくか?」 ふっと笑み
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ24 BL小説 翌日、大学から戻ると、ユニフォームのように着ているオヤジジャージをデニムと黄なりのシャツ、麻の薄いブルーのジャケットに慌てて着替えて千雪は日比谷の芝ビルへと出かけて行った。 『やさか』が混んでいるかどうかは、ガラス張りの通路の方から行けばわかるだろうと、千雪は
月夜の猫-BL小説です 春雷22 BL小説 ってか、それが当然なんだけど。 個人情報っつか、プライバシーの問題だし、宇都宮さんも俺も知らなかったわけで。 いくら内輪だからっても、もちろん亜弓は口外するようなヤツじゃないとはいえ、何だかやたらいろんなこと亜弓の前で暴露されちゃったな。 あーあ、こうなったらもうなる
月夜の猫-BL小説です 春雷21 BL小説 「わかった。やっぱりお母さんたちの反応を見て、話してみるといいよ、お兄ちゃん」 「え、いや、だから………」 俺と工藤は違うんだとは、口に出してまたアスカや沢村に何か言われるも嫌だったので、良太は言葉を飲み込んで小さくため息を吐いた。 いずれにせよ沢村と佐々木さんのことは
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ(京助×千雪)23までアップしました BL小説 かぜをいたみ(京助×千雪)23までアップしました。春雷(工藤×良太)20までアップしました。「かぜをいたみ」は工藤と良太のシリーズとのリンクなどで、時系列的なことや、一部内容のすり合わせをしたため、修正してアップしていますが、
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ23 BL小説 工藤から電話が入ったのは、シャワーを浴びて短パン一つでタオルを首に引っ掛けたまま、冷蔵庫から炭酸水を取り出して飲んでいた時だった。 「大澤には釘を刺しといた。お前に絡んだら降ろすってな」 千雪が電話に出た途端、工藤は言った。 「あいつもやけど、安西とかいうヤツ