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ブッダが一般在家に直接ご自分の教えを説いた代表的な方法。[次第説法②]
↑前回の続きです。 増支部経典第五集(片山一良訳)から 「アーナンダよ、他の者に法を説くことは容易でありません。 アーナンダよ、他の者に法を説こうとするならば、内に五法を確立して、他の者に法を説くべきです。 五とは何か? ①私は順々の話をしよう〜 今回はブッダ自らが法を説く...
ブッダが説く「これ以上為してはならぬ一つの事とは?」[次第説法27 戒の話②]
一方に坐ったポッカラサーティ・バラモンに、世尊は、順々の話[次第説法]をされた。 すなわち、布施の話、戒の話、天の話、もろもろの欲望における危難、卑劣・汚れを、離欲における功徳を説明された。 世尊は、ポッカラサーティ・バラモンが従順な心になり、柔和な心になり、 障りのない心...
仏教には「懺悔滅罪」という概念がある。例えば、以下のような文章が参照可能である。かの三時の悪業報、かならず感ずべしといへども、懺悔するがごときは、重を転じて軽受せしむ、また滅罪清浄ならしむるなり。道元禅師『正法眼蔵』「(六十巻本系)三時業」巻懺悔されれば、重罪も軽受となり、更に、滅罪清浄になるというのである。そこで、今日は、この「懺悔滅罪」について、詳しく論じられた文章を学んでみたい。十三懺悔に罪のほろぶる事問云、懺悔に罪のほろぶるとは、いかやうなる事ぞや、答云、懺悔に二つ候、一つには、朝暮十悪を作り候、其十悪と申すは、ものゝ命をころし、物をぬすみ、男は女を思ひ女は男を思ひ候、これ身に三つのとがあり、そら事をいひ言ふまじき事を云ひ、たはぶれ、人をあしく云ひ、なか事を云ふ、是れ口に四つのとがあり、生れつきた...仏教に於ける「懺悔滅罪」の話
『塩尻』は、尾張藩士の天野信景(あまのさだかげ、1663~1733)が元禄年間から諸方の記録を書き溜めて著した随筆で、全100巻もある。以前から、幾つかの記事で採り上げてきたのだが、今回は黄檗宗と臨済宗、そして曹洞宗の関係を示した一節を見出したので、記事にしておきたい。○隠元禅師東来の後、万福禅寺を創建して大いに黄檗の風を振へりされば、殿堂の奇製の荘厳よりはじめ、木魚・引磬の音を珍らかに明音の誦経いとゞ面白し、衣体異にして其観一ならざるが故に、緇素一時風をなし、倣て本宗の法式を変革せしもの都鄙多かりし、寛文年間、妙心寺派の寺院、好事の禅子新奇を衒ひて旁観を駭す事ありしかは、花園の老衲等議して誓書を製し、凡四派の禅侶本山の規範を免して他門の法則を執行する事を戒禁せし〈答客問に詳なり〉、堂持台座主職に禁止の令...天野信景『塩尻』が示す古規復古について
この続きです。 番外編です。 パーリ語仏教経典の語るように、かなりな善行為を行うとその功徳の力で今生に生まれ変わるときに吉祥相を持って生まれてくるという話ですが、 前世がある、生まれ変わりがあるという前提での話でこんな動画を見つけました。 いわゆる現代で言う、「福耳」ふく‐...
ゴータマ・ブッダが一般人に薦める五つの戒め[次第説法26 戒の話①]
↑この続きです。 一方に坐ったポッカラサーティ・バラモンに、世尊は、順々の話[次第説法]をされた。 すなわち、布施の話、戒の話、天の話、もろもろの欲望における危難、卑劣・汚れを、離欲における功徳を説明された。~ もろもろの仏が自ら称賛する法の教えをすなわち、 苦・集・滅・道...
歴史上に存在されていたとするブッダは如何に仏教を教えたのか?現存最古層の経典群から探ってみる。
世の中には、様々な宗教があり、その中でも仏教にも初期から後期にかけて様々な教え、経典群が残って現存しています。 その中でも現上座仏教教団(スリランカ タイ ミャンマー等)が現在でも保持しておりますパーリ語経典から、ブッダ、釈尊その人がどのように一般大衆にご自分の教えを説いた...
今日4月4日は、語呂合わせで「獅子の日」らしい。ところで、仏教用語で「獅子」というと、仏陀の説法のことを獅子吼ということになっている。よって、典拠を調べてみた。そういえば、用例は以下のような感じである。伝に曰く、釈迦牟尼仏誕生の時、乾坤六動し、五浄華を雨し、神瑞嘉祥畢く臻り、自ら方行七歩して、天上天下唯我独尊を獅子吼し給へりと、『米国仏教3(4)』1902年このように、釈尊降誕の時の「天上天下唯我独尊」についても既に、「獅子吼」と表現されている。それで、釈尊の説法を「獅子吼」と表現するのは、何なのかを調べてみたのである。云何が迦葉よ、汝、「如来、師子吼の時、勇捍ならざるや」と謂う。斯の観を造ること勿れ、如来の師子吼、勇捍にして畏れ無し。『長阿含経』巻16「第三分倮形梵志経第六」以上のようにあって、如来自ら...今日は「獅子の日」らしい
菩薩が受持すべき菩薩戒については、色々な組み合わせがあるのだが、その中でもかなり変わった内容なのが、以下の一節である。仏、文殊に告ぐ、若しくは男子・女人、三自帰を受け、若しくは五戒、若しくは十戒、若しくは善信菩薩二十四戒、若しくは沙門二百五十戒、若しくは比丘尼五百戒、若しくは菩薩戒を受け、若しくは是の諸戒を破りて、若しくは能く至心に一たび懺悔するものは、復た我れの説く、薬師瑠璃光仏、終に三悪道中に堕せず、必ず解脱を得ることを聞け。『仏説潅頂経』要するに、破戒をしても、薬師如来に帰依をすれば、三悪道に堕落しないということが説かれている。なお、上記経典と、どういう相互関係にあるのかは当方には判断しようがないが、上記の内容が薬師如来に関するものである時、実は、薬師如来関連の経典との繋がりをこそ、先に見るべきだっ...「菩薩二十四戒」の話
最近、南山道宣律師『教誡新学比丘行護律儀(通称『教誡律儀』)』の、日本の近世・近代に編まれた註釈書・提唱本などをつらつら見ていたのだが、その中に以下の一節を見出した。舒明天皇の即位六年に当るなり、南山大師四十歳の時なり、乃ち三井の智証大師の伝来したまふ護律儀と云もの是なり大宝守脱『教誡律儀抄』明治15年さて、これは何を言っているかというと、日本では舒明天皇の即位6年目の時に『教誡律儀』が執筆されたといっており、その後、天台宗寺門派(三井寺)の智証大師円珍によって、同書が日本に伝来されたといっているのである。まず、この表記について確認したい。舒明天皇は593?~641年とされており、即位6年目とは634年に該当する。それで、現在、一般的に参照可能な道宣律師(596~667年)の『教誡律儀』は、『大正蔵』巻4...『教誡律儀』雑考
108個の煩悩と心の仕組みを知る、『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』名取芳彦
えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 名取芳彦 著者 名取芳彦 出版社 株式会社 永岡書店 分類 思想・哲学、考え方の本 出版日 2017/10/15 今回は、ピンクの表紙にえんま様が描かれたとてもユニークな表紙の本を紹介します。本の名前は、『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 』。えんま様の仏教をお祀りする密蔵院の住職、名取芳彦さんがえんま様に変わって私たちの人生の悩みに答えてくれます。第1回は「本の概要」とテーマでもある「煩悩」について、第2回は「煩悩の減らし方」についてお伝えしますね。 えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 名取芳彦 表紙にえんま様が描かれた本が目にとまり……
すぐに消したい3つの煩悩、身近にある6つの煩悩を乗り越える方法
えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 名取芳彦 著者 名取芳彦 出版社 株式会社 永岡書店 分類 思想・哲学、考え方の本 出版日 2017/10/15 えんま様の姿がデザインされた表紙が目を引く、『えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!』の紹介。第2回は、名取芳彦さんの体験と相談の実例を元にした「えんま様の格言」の中から、「すぐ消したい3つの煩悩」、幸せと思えるために「乗り越えたい6つの煩悩」を紹介させていただきますね。 えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 名取芳彦 すぐに消したい3つの煩悩「こだわり」「慢心」「恨み」 「こだわり」を減らせば怒らずにすむ 無意識のマウンティングをし…
自分の「考え方」を見直すキッカケ~『超訳 般若心経 “すべて”の悩みが小さく見えてくる』
自分の「考え方」を見直すキッカケに『超訳 般若心経 “すべて”の悩みが小さく見えてくる』を紹介 著者 境野勝悟 出版社 株式会社 三笠書房 分類 実用書、思想と哲学・考え方の本 出版日 2012/12/1今日はお経の中のTwitterともいえる(花水が独自に例えている)、「般若心経」の現代語訳の紹介です。法事などで聞くことがあるお経ですが、どうしても歌のように聞こえてしまいます。実は、お経には生きている私たちだから役に立つことが沢山書かれていました。 自分の「考え方」を見直すキッカケに『超訳 般若心経 “すべて”の悩みが小さく見えてくる』を紹介 般若心経に書かれている仏教の考え方の基礎 境野勝…
現代の方がわかりやすい仏教の教え インターネットで世界中の人がつながり、仮想通貨や電子書籍のように「形のない」資産や価値観が広まった現代。こういった形のない資産や価値観は、現代の私たちは身近に実体験できることですが、2000年以上前から伝わる仏教の教えの基本にも共通するところがあります。 現代の方がわかりやすい仏教の教え 仏教とインターネット 変化が早い時代だからわかる「諸行無常(しょぎょうむじょう)」 諸行無常の教え 諸行無常はまさしく現代の世の中 実体がないものが身近にあるから「空(くう)」が理解できる 空(くう)は実体にこだわらない教え 仮想○○で例えてみる 仏教が先でインターネットは後…
こんにちは😃(@ayuminha614)です🐱※この記事では、これからご紹介する動画の内容をまとめております。著者の受け取り方との違いもあるかと思いますので、囚われないお心で観たい方は、先に下記YouTubeリンク↓へ飛んでくださいね。『大
3月25日、雨の靖國神社で参拝し、清掃をさせていただく機会を得ました。↓『靖國神社の桜』3月25日、久々に靖國神社を訪れました。桜が満開でした。(下の写真は3…
既に、平田篤胤(1776~1843)の講義録『出定笑語』に見える釈尊「初転法輪」については、【釈尊による初転法輪(拝啓平田篤胤先生24)】の記事にしたところである。そこで、篤胤に於いてはおそらく引っかかったと思われる一事に、「善来比丘」があると思う。阿含部の経典などを見ていくと、「善来比丘」をめぐって、以下のように表記されることがある。仏言わく、「善来、比丘」、鬚髪自ずから落ち、法衣身に著け、便ち沙門と成り、具足戒を獲る。『別訳雑阿含経』巻4何が書いてあるかというと、釈尊が「善来、比丘(ようこそ、比丘よ)」と告げると、ヒゲや髪が自ずから抜け、法衣(袈裟)を身に着け、姿が沙門になり、しかも具足戒(比丘として必要な戒)も得たとしているのである。いわゆる「善来、比丘」は「自動沙門生成の呪文」のような見え方がする...「善来比丘」に関する篤胤の雑感(拝啓平田篤胤先生26)
悩みのループと悩み事メリーゴーランド 悩み事、ありますか?私は昔から悩み事は多い方ですよ。悩みを解決したくて、お悩み解決の本を読むことも多いです。そこで、考え方の本に書かれていて、私も実践している悩み事との向き合い方のお話をさせていただきますね。 悩みのループと悩み事メリーゴーランド 悩みの悪循環・無限ループ 悩みの悪循環 悩み事メリーゴーランド 悩み方が新しい悩みを生む 悪循環は「止める」か「抜け出す」ことができる 悩みの悪循環から抜け出すには? 人間関係の悩み事は解決策は思いやり 良いときの習慣を繰り返す 悩んでいる最中は解決しない 参考にした仏教の本はこちら 悩みの悪循環・無限ループ 悩…
2023.3.14 探訪 焼津市東小川にある「光心寺」にやって参りました。本日の記事は小泉八雲所縁の波除け地蔵についての紹介をメインとしているのでお寺の由緒については省略します。お地蔵様は寺の境内に入ってすぐ左手側。お顔の形がどうなっているのかじっくり見てみましたが何度拝見しても何が何だか全然わかりません。----------------------------【小泉八雲ゆかりの波除け地蔵尊】ある日八雲が長...
「第一官律名義弁」其十(釈雲照律師『緇門正儀』を学ぶ・10)
ということで、ここ数回、釈雲照律師『緇門正儀』の「第一官律名義弁」の内容を見ている。なお、これは【1回目の記事】でも採り上げたように、「今略して、僧に位官を賜ひし和漢の官名、職名及び初例を挙示せん」とあって、職名の意味というよりは、任命された最初の事例を挙げることを目的としているようである。よって、この連載では、本書の内容を見つつ、各役職の意義については、当方で調べて、学びとしたい。ところで、以前から「維那」という配役があることは、もちろん知っていたが、宗派によっては似たような「都維那(ついな)」という表記があることが気になっていた。当方では、「維那」は一般的だが、「都維那」は使わない。よって、それを学んでみよう。一都維那梵語に羯磨那陀、華言に悦衆と言ふ。寄帰伝に云く、華梵兼て挙ぐるなり。維は是れ綱、維は...「第一官律名義弁」其十(釈雲照律師『緇門正儀』を学ぶ・10)
『浄土布薩式』「大科第一 鳴鐘集衆」(『浄土布薩式』参究2)
それでは、前回から『浄土布薩式』の本文を学んでいるが、冒頭で布薩の日程を出した後で、いきなり実際の作法に入っていく。大科第一鳴鐘集衆即衆に冥有り顕有り、其の冥衆とは、天衆地類及び八部等の雑類、是れなり。其の顕衆とは、在家の二衆・出家の五衆、合して七種の類、是れなり。諸衆同声に唱て云うべし、戒力は金剛の如く、一切の魔を降伏す、諸魔受戒を見ては、怖畏して皆な退散す。『続浄土宗全書』巻15・74頁、訓読は原典に従いつつ当方さて、上記の内容だが、「鳴鐘集衆」とあるため、鐘を鳴らして布薩に随喜する大衆を集めることを意味している。そして、この場合の大衆として、冥衆・顕衆としているが、冥衆とは目に見えない衆生であるので、天衆地類や八部衆〈龍族〉などを挙げている。一方で、顕衆は目に見える衆生であるが、僧俗七衆を挙げている...『浄土布薩式』「大科第一鳴鐘集衆」(『浄土布薩式』参究2)
旧ナントカ協会とか某カントカ証人とか、昨今日本では宗教・信仰がらみの話題が よく取り上げられています。 ただ、その内容があまり芳しいものではないのは、まことに残念なことですが。 しかしながら、宗教や信仰に対する解釈には微妙で繊細な一面があるのも事実の ようです。 たとえば、...
幸福の科学って、仏教も包含してるんでしょ。だったら、鎌倉仏教って、どう考えてるの?なーんて疑問もってる人、いませんか?幸福の科学の大川隆法先生は、『日蓮を語る』――『黄金の法』講義(5)(幸福の科学出版)で、以下のように説いておられます。奈良仏教は、大学院のような感じでしょうか。そのように、非常に難しい哲学を勉強するような感じでは、庶民が救われないのです。そういうニーズが時代背景として出てきたわけです。(中略)その背景が出てきたのは、「源平の戦い」あたりです。当時、日本国中が非常に悲惨な状況だったのだと思います。(中略)これは、今の人であるから、昔の歴史としてボーッと見ていますが、実際の目で見れば、屍累々で、あちらにもこちらにも死体の山だと思います。食糧はないし、死体がたくさんあったため、「これを救わなけ...鎌倉仏教の意義って?
2023.2.27 参拝 焼津市城之腰にある「光明山 常照寺」。浜通りの小さなお寺です。----------------------------鎌倉時代に法然上人の開かれた浄土宗に属し、天正十年(1582年)に大蓮社照譽上人常元和尚がこの地に起立す。本尊 一光九品阿弥陀如来 魚籃観音 文久年間(1861年〜1863年)に上連という漁師が焼津の浜で網をあげると、魚に混じって全身塗金された一寸八分の観音様が入っていました。...
『大比丘三千威儀(または『三千威儀経』)』(上下巻)という文献がある。要するに、比丘として修めるべき、諸威儀や修行法などを簡潔に示した文献なのだが、色々と学ぶことが出来るので、見るようにしたいという気持ちがある。今日は、その巻上の冒頭から引用してみた。仏弟子とは、二種有り、一つには在家、二つには出家なり。在家とは、初め五戒を受けて本と為し、三悪趣を遮り、人天の福を求む。以て未だ能く永く捨家・眷属・縁累を捨てざるが故に、更に三戒を加えて前の五戒を助け、一日一夜に未来世に永く出因縁を種えよ。出家とは、行に始終、上中下業有り。下出家とは、先づ十戒を以て本と為し、形を尽くして受持す、家・眷属・因縁・執作を捨て、俗人等に於いて是れ出家なり、具戒に於いての故に是れ在家なり、是れを下出家と名づく。其れ中出家とは、次に応...『大比丘三千威儀』に示す在家と出家の話
父を在宅で介護していた時は、死ぬ瞬間には立ち会えませんでしたが、死の前日、自宅で入浴サービスを受けた父が、気持ちよさそうに微笑んでいたのを思い出します。そしてその夜の深夜、つまり翌日の午前3時ごろに、老衰で息を引き取りました。発見したのは夜明け前で、僕がト
以前、【「赤袈裟」一考】という記事を書いた時、「威儀師」という存在を知った。そこで、この記事では職責などを掘り下げてみようと思う。それで、調べてみると受戒作法の関係で「威儀師」という名称が用いられていることを確認した。明了論疏に、若し已に五夏を得れば、大戒を受く証人と作り及び威儀師と作ると為す。七夏已去は、羯磨闍梨に作ることを得る。既に是れ師位、故に互いに共に床坐を同ずることを得ず。『四分律刪繁補闕行事鈔』巻上之三「受戒縁集篇第八〈捨戒六念法附〉」』この通りなのだが、要するに五夏以上の阿闍梨となれば、授戒の時に証人や威儀師になれるという。つまりは、授戒の現場で作法などを教える立場かと思ったのだが、それを示す文脈も存在している。記、威儀安慰教授師を名づけて威儀師と為すなり。安慰とは、問難の安慰の語なり。照遠...「威儀師」一考
ちょっと遅れた初詣には大きなご利益が… 初詣で巡りあった出来事を少しだけ綴らせていただきますね。 ちょっと遅れた初詣には大きなご利益が… 初詣でついた鐘 ちょっと遅い初詣で訪れたお寺 手厚いおもてなし 本堂のお参り お寺の従業員さんのガイド付き 初詣で除夜の鐘! 鐘の音で吹雪が収まった? 今年も「周りを大切にしなさい」というメッセージ 初詣でついた鐘 突然ですが、除夜の鐘の他にお寺の鐘をつかせてもらった方はおられますか?花水(hanami)の周りでは聞いたことがありません。実は、初詣で訪れたお寺で除夜の鐘でつく鐘をつかせていただいたんです。 (adsbygoogle = window.adsb…
一切なりゆき〜樹木希林のことば 著者 樹木希林 出版社 株式会社文藝春秋 分類 エッセイ 出版日 2018/12/20 読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい 今月の本は樹木希林さんの『一切なりゆき〜樹木希林のことば』。第2回は、実際の希林さんの言葉に触れてみますね。 一切なりゆき〜樹木希林のことば 人生は思い通りにならない 思い通りの価値は? 今がありがたいとということ 相手にやさしいと思ってもらえること 相手の嫌なところは自分の嫌なところ まず謝ることから始める 本当のやさしさ 現代の仏さまのような存在 人生は思い通りにならない 嫌な出来事、辛い出来事、世の中は自分の思い描く通りにはならない。…
掃除はこころを整えるトレーニング〜『こころを磨くSOJIの習慣』松本紹圭
こころを磨くSOJIの習慣 著者 松本紹圭 出版社 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 分類 実用書、思想と哲学・考え方の本 出版日 2019/7/20 読みやすさ ☆☆★読みやすい こころを磨くSOJIの習慣 高校生の頃の罰掃除を思い出して 著者はグローバルお坊さん 松本紹圭さん MBAの資格を持つお坊さん 松本紹圭さんの他の本の紹介 掃除のなぜに答えてくれる構成と読みやすさ 『こころを磨くSOJIの習慣』の構成 ☆☆★読みやすい 掃除は人生の修行 おすすめの仏教の本はこちら 高校生の頃の罰掃除を思い出して 掃除に思い出がかる方は少ないでしょう。私は、ありますよ。ふとしたときに思い出す…
サードチャレンジ 写経も3度目なら 少しは上手に 仏陀さんのメッセージ 悟りたい 自分のセーター 袖口に墨がベタって付いて うつむく だけなんて ・中森明菜 セカンドラブ 写経も三度目となるとベテランです(自称) なので今回は、カタカナでふりがなもワイルドに書き足してみました 10分 今回も墨をするところから始めます 自称ベテランなので、指もそれ程痛くはなりません 高知県で購入した「モネ」の重り 頑張って書いていきましょう 余裕! 1時間で完成です 写経は始め(1回目)がきついですが、それを乗り越えると 後は楽勝となります はい すみません 今度からはもっと落ち着いて 丁寧に書きますです あり…
「赤袈裟」とは、赤色の袈裟のことをいう。ただ、この扱いは色々と難しい。例えば、「赤」という色が、原色であった場合、使ってはいけない色のはずなのである。色に五大色有り、黄・赤・青・黒・白なり。黄色は、欝金根黄藍染なり。赤は、羊草落沙染なり。青は、或いは藍黛と言う,是れ或いは其の流れと謂い、即ち是に非ざるなり。是れ亦た禁ず、余は未だ其の本を識らず。『薩婆多毘尼毘婆沙』巻8以上は律蔵の註釈書だが、ただ、袈裟の布地の色を書いているように見えるだけだが、実はこれは「禁止された色」であり、「正色」などともいう。そして、用いて良い色は「壊色」とされ、これを指す言葉「カシャーヤ」をもって、「袈裟」と翻訳されている。若しくは比丘、新衣を得れば、当に三種の壊色なるべし。若しくは一一の壊色、青・黒・木蘭なり。若しくは三種、一一...「赤袈裟」一考
仏教版Twitterの般若心経に込められたメッセージ〜だからくぅ(楽)に生きよう
般若心経は仏教版Twitter 少し不謹慎ですが、ふと思ったことがあるのでお話にまとめてみました。仏教のお経の中で、1番有名といわれている般若心経。広まった当時は、仏教版Twitterのように伝わりやすいメッセージだったのではないでしょうか? 般若心経は仏教版Twitter 書き初めで写経をして思ったこと 般若心経とTwitterの文字数は? 262文字に込められたメッセージ 般若心経は仏教版Twitterだった 書き初めで写経をして思ったこと 旅行で観光地のお寺を訪れるようになってから、写経をしてみたいなぁと思い、我が家にあった道具で取り組んでみました。といっても、お手本を写し終えただけです…
ということで、拙ブログでは「けふ彼岸菩提の種も蒔日かな」という俳句について、江戸時代中期頃の馬場存義の作として強調している。一方で、ほぼ同じ内容の俳句を松尾芭蕉作だとすることは批判していた。それは、昨日までの記事をご覧いただければ良いと思う。ところで、ここで1つ気になった。そういえば、とても似たような彼岸の俳句があるのである。それを見つつ、作者などを考えてみたい。一切の理屈をぬきにして、せつせと働く人々の上に、大いなるみ親の慈光はかゞやいて居る。「まけよまけ、菩提の種も彼岸から」と言はれて居るが、仏道精進の勇気を覚え、仏作仏行に無上の法悦を感じつゝ、万象を生かし育て給ふ大いなるお力を拝む時、浄穢も苦楽も摂取の願力の陰には、迷へる小さな私の断見となつて、淡雪の陽光に消える如く影を没してゆく。真野孝信「おひが...彼岸会の俳句の話其三(令和5年度春彼岸7)
先週、車で10分ほどの場所にあるGPに行ってきた。オーストラリアでは体調が悪い時は、まずはGP (General Practitioner)という一般医に行く…
政治家が無能なときにできること 日本国民は怒っています。新型コロナウイルスに対しても怒っていますが…彼らには意思があるかわかりません。それよりも、失敗を繰り返したり、おバカな対策案を思いつく政治家に対してです。ですが、政治にイライラするのは、イライラを損しているだけなのでしょう。 政治家が無能なときにできること コロナ対策で呆れられる日本の政府 他にできる人がいないから仕方がない 政治家にイライラする国民ができる3つのこと 笑いのネタにして「バカにする」 政治家を「無視する」 初めから政治に「期待しない」 政治にイライラしても仕方がない コロナ対策で呆れられる日本の政府 新型コロナウイルスが世…
昨日の記事によって、「けふ彼岸菩提の種を蒔日かな」という彼岸会の俳句について、大正時代に松尾芭蕉作がかなり疑われていた様子を確認した。だが、それよりも前だと、中々不思議なことも起こる。・星野麦人編『類題百家俳句全集春の部』博文館・明43~44年以上の文献では、とても不思議なことが起きていて、「彼岸」という項目を見ていくと、以下のようになっている。けふひがん菩提のたねを蒔日かな芭蕉〈中略〉けふ彼岸菩提の種も蒔日かな存義・・・いや、だから、これ並べてしまってるけど、多少は疑ったら?!とは思う。この2句はほぼ同じ、一字違いくらいなわけで、そうなると、いや、馬場存義がマネしたんだろ、とかいう話だけでは済まないくらい同じ。とはいえ、おそらくは芭蕉と存義の知名度の違いから(ただし、存義在世時は、江戸俳匠の第一人者とし...彼岸会の俳句の話其二(令和5年度春彼岸6)
どんな命も花と輝け 著者 廣中邦充 出版社 株式会社 宝島社 分類 エッセイ、ノンフィクション 出版日 2013/2/9 読みやすさ ☆☆★ 昨年のちょうど今頃、ある1人のお坊さんが遠い極楽の国へと旅立たれました。ご自分や周りに問題を抱え、自宅では暮らせない子どもたちを引き取り、そして世の中へ送り出していた「おじさん」。家の中で暗い部屋に1人引きこもる子、親子関係で悩み家の中で暴れる子に「もう大丈夫だ」と安心させてくれるお坊さん。お坊さんの名は廣中邦充。多くの人より早く旅立ったお坊さんの生き方に迫ります。 どんな命も花と輝け 廣中邦充さんのドキュメンタリー 廣中邦充さんの紹介 「おじさん」「や…
どんな命も花と輝け 著者 廣中邦充 出版社 株式会社 宝島社 分類 エッセイ、ノンフィクション 出版日 2013/2/9 読みやすさ ☆☆★ 子どもたちを支え続けた「おじさん」、廣中邦充さんの生き方から私たちの生き方の役に立つヒントを取り上げてみますね。 どんな命も花と輝け 諭してくれるような優しいエッセイ 生き方の8つのお手本 正しくものごとを見る〜正見(しょうけん) 正しく考え判断する〜正思惟(しょうしゆい) 他人の悪口や嘘をつかず正しい言葉使いをする〜正語(しょうご) 自分の悪い業を断ち切り、正しい行いをする〜正業(しょうごう) 与えられたこのいっときいっときを大切にする〜正命(しょうみ…
以前、【「今日彼岸菩提の種をまく日かな」の作者確定(再掲載)】という記事を書いた。良く、各地の御寺院さまなどで、彼岸会の功徳を示す俳句として使われていた、「今日彼岸菩提の種をまく日かな」の作者について、松尾芭蕉説が強かったものの、当方の調査の結果、芭蕉よりは後の時代の、馬場存義の作だと示したのであった。ところで、この俳句は江戸時代の段階で、既に芭蕉作だとされていたが、明治時代以降、その傾向が強まったことが分かったので、その辺を記事にしたい。まずは、明治時代に刊行された芭蕉の全句集的文献で、先の句は掲載され続けた。だが、その方法には、幾つかの違いがあった。・大塚甲山編『芭蕉俳句全集』内外出版協会・明治36年以上の文献では、とにかく「彼岸」という項目で出ている。なお、本書は、更なる典拠を挙げないので、問題は無...彼岸会の俳句の話其一(令和5年度春彼岸5)
春分の日:冬は夜の方が昼より長いのですが、春分を機に昼の方が長くなります。冬の寒さに耐えて忍従している時期から、夏の活動をし、生を謳歌する時期との境目と言う…
大川隆法先生って、お釈迦さまが生まれ変わった方なんでしょ。じゃあ、仏教学者って、「幸福の科学」とか大川隆法先生を、どう見てるのかなあ?なーんて疑問もってる人、いませんか?幸福の科学の大川隆法先生は、『仏教学から観た「幸福の科学」分析』――東大名誉教授・中村元と仏教学者・渡辺照宏のパースペクティブ(視角)から(幸福の科学出版)で、『新釈尊伝』などの著作で有名な宗教学者である渡辺照宏氏の霊の言葉を、次のように紹介しておられます。これは、「仏陀とエル・カンターレの比較思想学」みたいなものになるかもしれないけども、いやあ、それは、明らかに、エル・カンターレの視野のほうが広いわねえ。うーん、明らかに広いし、「霊的な部分の確信」というのは、すごい持っていて、それを明確に説いている。まあ、仏陀も、いちおう、成長はあった...仏教学から観た「幸福の科学」って?
例年、春秋一週間ずつの法会となる「彼岸会」については、強い興味もあるのだが、とはいえ、なかなか伝統的な記述は見出だせないのが実態である。それで、【昨日の記事】の続きとして、朝川善庵の所説について、更に検討していきたい。この彼岸会を暦に載する故に、昔時談義説法は、比叡山の坂本に限り、廿一箇所談議所ありて、能弁の僧出席して、説法することにて、他の寺院などには、絶えてなかりし。故に都鄙善信の男女坂本に群集して、聴聞するもの、彼岸の時節を弁知せずして、毎度迷惑せしゆえ、坂本より暦家を請ひて、暦本に書き載せもらひしより、いつとなく時候の様になりたり。『善庵随筆』この件について、色々と調べたけれども、この比叡山の談義説法が、余りに人気になり人が集まったが、彼岸の時節を理解できずに、なかなか迷惑するから、暦に載せたとい...彼岸会のお話し其三(令和5年度春彼岸3)
例年、春秋一週間ずつの法会となる「彼岸会」については、強い興味もあるのだが、とはいえ、なかなか伝統的な記述は見出だせないのが実態である。それで、【昨日の記事】の続きとして、問題意識である西方浄土を、「彼岸」と呼べるかどうかを検討したい。まず、色々と見ていて気になったのは、以下の一節である。その大悲は深遠微妙にして覆載せずといふことなし。一乗を究竟して彼岸に至らしむ。『無量寿経』以上だが、こちらは阿弥陀仏によって西方浄土に往生した「かの仏国に生るるもろもろの菩薩等」についての話である。ここを素直に受け取ると、浄土と彼岸について重ねられていない。浄土真宗の本願寺を実質的に創建した覚如上人には、以下の指摘もある。「信心歓喜乃至一念」(大経・下)をもつて他力の安心とおぼしめさるるゆゑなり。この一念を他力より発得し...彼岸会のお話し其二(令和5年度春彼岸2)
四苦八苦の原因と苦しみを減らす方法 「人生は辛いなあ」「世の中は厳しいなあ」年代を問わず、誰もが思っていることではないでしょうか?今回は、お坊さん作家さんの本を参考に、私たちが向き合わずにはいられない「苦しみ」の原因を探ってみますね。 四苦八苦の原因と苦しみを減らす方法 四苦八苦(しくはっく)とは? 4+4で8つの苦しみがある 生(しょう)〜生まれて生きることは苦しい 老(ろう)〜年をとること 病(びょう)〜病気になったり、病気を恐れること 死(し)〜死を恐れること 愛別離苦(あいべつりく)〜愛を知ると苦しみも知る 怨憎会苦(おんぞうえく)〜憎しみは自分に向いている 求不得苦(ぐふとくく)〜欲…
安心と不安 不安なこと、多いですよね。今日は、安心と不安をテーマに「思想と哲学・考え方の本」から解決方法を探してみました。 安心と不安 安心は心が落ち着いていること 不安なときは上手くいかない 落ち着いていないと動けない 参考にした本と関連ページ 安心は心が落ち着いていること ぼくたちお坊さんの世界では「あんしん」を、「あんじん」と呼びます。 それは、「心をひとところに留めて安住不動であること」というのが一般的な解釈のようですが、ぼくはこういうふうにとらえます。 「安らかな心が決まっている」ということだ、と。 それが、仏様の教えの「普遍で、誰も変えることができないということ」につながっていくも…
例年、春秋一週間ずつの法会となる「彼岸会」については、強い興味もあるのだが、とはいえ、なかなか伝統的な記述は見出だせないのが実態である。もちろん、以下のような評価があることは承知した上で、このように述べている。古来彼岸と盂蘭盆は我が国に行はる年中仏事の二大行事にして、同時に民間の二大信仰となれるものである。村上正栄『彼岸の信仰』「はしがき」三密堂書店・大正14年明治時代に入ると、江戸時代までは基本、「宗派仏教」だったのが、民間にも開放されて、いわゆる民衆仏教・在家仏教というべき事象が見られるようになるが、その頃からは、宗派内部の言説のみならず、いわゆる「通仏教(或いは通俗仏教)」というべき状況が確認される。その上で、上記のように、彼岸会と盂蘭盆会を、日本仏教の年中行事の二大行事として良いのかどうか、疑問無...彼岸会のお話し其一(令和5年度春彼岸1)
偏らない考え方がストレスを感じにくくする〜中道(ちゅうどう)
中道という考え 今まで読んだ本を読み返して、考え方をまとめる企画を続けています。今回は、お坊さん作家さんの本の中から「中道(ちゅうどう)」と呼ばれる仏教の判断基準のお話をまとめてみました。 中道という考え 「中道(ちゅうどう)」とは? 中道はブッダが悟った物事の判断基準 極端な判断は負担が大きい 人命最優先で安全になるまで自粛をする 経済優先で犠牲が出ても普段通りの暮らしをする 世の中の変化を捉えやすい 参考にした本と関連ページ 「中道(ちゅうどう)」とは? 仏教の考え方に「中道」というものがあります。いたずらに苦しい方向へ進むのではなく、かといって快楽主義に走るのでもなく、極端に寄らず真ん中…
本当にかなり前に、【「四大教示」とは何ぞや?】という記事をアップした。その際、伝統的な仏教に於ける、経や律などの真偽の判断基準について採り上げたわけである。それで、この記事では、「四大教示」の典拠として、北伝の阿含部からも「四大教法」として見出せることを、一応書いた。ところが、その内容を書いた記事を、全くアップしていないことに気付いた・・・それで、とりあえずその文章を確認してみたのだが、そこまでやって思い出した。そう、この「四大教法」は長いのである(辞書的な記述だと短いけど、実際の教えは、という話)。とりあえず、頑張って訓読してみたが、とにかく長いので、1つずつ採り上げて見ることにした。第一は以下の通りである。仏、諸もろの比丘に告ぐ、「当に汝等のために四大教法を説く、諦聴せよ、諦聴せよ、善く之を思念すべし...『長阿含経』に見える「四大教法」について(1)
学者タイプのノウハウ本と現場タイプのお役立ち本 今日のコラムは、私がよく使っている「お坊さん作家さん」についてです。ひと言でお坊さん作家さんといっても、お経の研究をされている方、悩みごとの相談をお仕事にされている方、子どもたちを支える活動をされている方などさまざまです。今日は、お坊さん作家さんのタイプに注目して、おすすめの本の選び方を考えてみましたよ。 学者タイプのノウハウ本と現場タイプのお役立ち本 学者タイプと現場タイプのお坊さん作家さん 学者タイプ 現場タイプ 学者タイプのお坊さん作家さん〜「何で?」を解決してくれるノウハウ本 現場タイプのお坊さん作家さん〜「どうやって?」を教えてくれるお…