『大智度論』と「彼岸」について(1)
今日から、今年度の春の彼岸会である。「彼岸会」の起源や展開の一端については、【彼岸会―つらつら日暮らしWiki】をご覧いただければ幸いである。さて、この期間に関連して、今回は上記タイトルの通り、龍樹菩薩造『大智度論』から、「彼岸」に関する語句を学んでいきたいと思っている。なお、龍樹菩薩と「彼岸会」と言えば、『龍樹菩薩天正験記』という謎の文書が存在しており、『和漢三才図会』(1712年成立)で参照されるなどして大いに広まってしまったのだが、偽書である。今回は同書では無く、『大智度論』巻12「釈初品中檀波羅蜜法施之余」を見ていくため、いわゆる布施行と彼岸の関係について学ぶことになると思う。問うて曰く、「云何が檀波羅蜜の満と名づくや」。答えて曰く、「檀の義、上に説くが如し。波羅(秦に彼岸と言う)蜜(秦に到と言う...『大智度論』と「彼岸」について(1)
2025/03/17 22:33