『大智度論』と「彼岸」について(6)
今は今年度の春の彼岸会である。「彼岸会」の起源や展開の一端については、【彼岸会―つらつら日暮らしWiki】をご覧いただければ幸いである。さて、この期間に関連して、今回は上記タイトルの通り、龍樹菩薩造『大智度論』から、「彼岸」に関する語句を学んでいきたいと思っている。なお、全て、『大智度論』巻12「釈初品中檀波羅蜜法施之余」を見ていくため、いわゆる布施行と彼岸の関係について学ぶことになると思う。復た次に、人有りて言く、「一切の物、一切の種、内外の物、尽く以て布施して、果報を求めず。是の如き布施を、檀波羅蜜と名づく」。これは、前回の記事の続きであり、菩薩にとっての布施、つまりは檀波羅蜜の意義を説いたものである。理解のカギは、「一切の」という言葉と、「尽く」ということと、「果報を求めず」という三点である。まず、...『大智度論』と「彼岸」について(6)
2025/03/23 07:07