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理綱院慧琳『三余随筆』「二季彼岸」項について(令和6年春彼岸会1)
『三余随筆』とは、理綱院慧琳(1715~1789)という僧侶によって書かれた随筆である。この慧琳とは、近世真宗大谷派の講師で、現在の三重県松阪市内の西弘寺で住持を務めたという。多くの著作が残されているが、『三余随筆』は中でも非常に興味深い。拙僧のような者でも、学びになる著作である。そこで、同書の巻上に彼岸会のことが書かれているので、今日は春彼岸の初日ということで、学んでみたい。第五十三章二季彼岸春秋二季彼岸会のことは、彼岸弁疑の説を是とすべし、その疑濫をえらび正説を彰はす、彼岸といふ名、源氏行幸の巻にもひがんのはじめにて、いとよき日なりけりといひ、乙女巻にもひがんのころほひわたりたまふ、一たびにと定めさせたまひしやと、さはがしきやうなりとて、中宮はすこしのべさせたまふといへり、源氏物語は古き書なり、いま紫...理綱院慧琳『三余随筆』「二季彼岸」項について(令和6年春彼岸会1)