「善来比丘」に関する篤胤の雑感(拝啓 平田篤胤先生26)

「善来比丘」に関する篤胤の雑感(拝啓 平田篤胤先生26)

既に、平田篤胤(1776~1843)の講義録『出定笑語』に見える釈尊「初転法輪」については、【釈尊による初転法輪(拝啓平田篤胤先生24)】の記事にしたところである。そこで、篤胤に於いてはおそらく引っかかったと思われる一事に、「善来比丘」があると思う。阿含部の経典などを見ていくと、「善来比丘」をめぐって、以下のように表記されることがある。仏言わく、「善来、比丘」、鬚髪自ずから落ち、法衣身に著け、便ち沙門と成り、具足戒を獲る。『別訳雑阿含経』巻4何が書いてあるかというと、釈尊が「善来、比丘(ようこそ、比丘よ)」と告げると、ヒゲや髪が自ずから抜け、法衣(袈裟)を身に着け、姿が沙門になり、しかも具足戒(比丘として必要な戒)も得たとしているのである。いわゆる「善来、比丘」は「自動沙門生成の呪文」のような見え方がする...「善来比丘」に関する篤胤の雑感(拝啓平田篤胤先生26)

2023/04/01 12:29