畑90 / 苗半作
種を蒔くと芽が出る。種の大きさからは、考えられないほど大きな芽が出る。逆に言えば、今見ているこの大きな双葉[子葉]は、あの小さな種が作り出したものなのだ。双葉が地上に顔を出した時点[出芽]で種の役目は終わる。ここからは自分の力で育っていかなければならない。双葉は、葉の気孔から二酸化炭素を吸収し、根から水を吸い上げる。これが、光のエネルギーによって養分のデンプンになり、ついでに酸素を放出する[光合成]。四、五日もすると双葉は倍ほどの大きさになり、根の数も増え、より多くの養分を作り出せるようになる。それを見はからって、一週間もすると双葉の間から本葉が展開していく。人間が双葉に最適な光と水を与えれば、三十日ほどで本葉が三、四枚になる。しかし、それほど簡単なことではない。双葉を虫に喰われようものならどうしようもな...畑90/苗半作
2023/09/10 11:53