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内容祖父の火葬をあつかった自伝的な「骨拾い」、砕け散ってしまった観音像を巡る「弱き器」など、内容のゆたかさ、心理の複雑さ、人間性にせまる鋭さに満ちた、作家・川端康成のあらゆる要素がふくまれた短編全122編を収録。読書備忘録「日向」人の顔を見る癖になったのは祖父と二人きりで十年近く田舎の家に暮らしていた時に、祖父が盲目だから南だけが微かに明るく感じられるのだと、北を向いてほしいと思いながら祖父の顔を見つめていたから・・・「バッタと鈴虫」好きだったんだね。「化粧の天使達薬」え?「屋上の金魚」父の遺言状に千代子は自分の子ではないと書いてあった。彼女が寝室へ泣きに行った時、彼女の母親が金魚を口いっぱいに頬ばって、千代子を見ても知らん顔で金魚をむしゃむしゃ食っていた。頬ばっていた口から大きい尾が舌のようにべろりと下...本・川端康成「掌の小説」