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ニューヨーク メトロポリタン美術館 The Metropolitan Museum of Art 1000 Fifth Avenue; New York, NY 10028 記憶 (Kioku /Remembrance) - Orange Pekoe 150年続いているそうだ。 ...
イブを二人だけで楽しく過ごせたのは良かったけれど、それでいいのだろうかという罪悪感に気付いたのは、翌朝、突然の銀世界をホテルの窓から見た時だった。子供の頃なら、ホワイトクリスマスはこの上なく嬉しいことだったが、今の状況では車で彼女を送っていけないという不安だけだった。めったに雪が降らない東京では、スタッドレスタイヤに変えている人は少ない。しかも、テレビから流れてくるニュースでは、大雪のために電車も動いていないようだった。彼女の透けて見えるようなドレスでは、この大雪で身が凍ってしまいそうで、とても外に出るわけには行かない。東京の街は雪に弱い。歩く人も、車も、電車も、雪に慣れていない。それでも、彼女は夫が待っているであろう家に、一刻も早く帰宅しなければならない。聞いたところでは、彼女は、昔の同級生との女子会の...【創作】クリスマスイブ後編
クリスマスイブの晩、彼女と二人だけで少し高級な割烹店でふぐ料理をいただいていた。二人でイブの夜に会うのは初めてだ。彼女は人の妻、そして、私には妻子がいるから、かなうことが難しい逢瀬だった。その日、彼女は冬だというのに透けて見えるほどの薄い生地のドレスを着ていた。だから、暖かい店内に入って初めて身体がくつろいだようだった。その服は自分の小遣いで購入したというブランド服だそうだが、今まで着て出かけるタイミングがなかったという。それで、クリスマスの寒い日なのに着てみたかったという。それをファーコートで覆っているだけなのを見て、やせ我慢は健康に良くないと思ったが、彼女にとっては、それが美学のようだった。コース料理をいただきながら、二人の間は楽しい話で盛り上がり頻繁に笑い声が起きてしまうけれど、周りを気にして押し殺...【創作】クリスマスイブ前編
こんばんは!暇人です。今日は大気の状態が不安定で、1日曇り空でした。今…雨が降りだしました。今晩は特に、激しくなりそうなので…用心して、おとなしくおこもりをし…
カランカランカラン。木製の扉を開けて、店内へ入る。コツコツコツとヒールの音をさせながら、一枚板のカウンター席に、まるで当然の如く、スッと座る。程なくマスターが正面に現れる。「いらっしゃいませ。」「いつものを。」と言葉少なめに注文する。週末のバーは、程よく人が入っている。午後六時、待ち人はまだ来ていない。コトッと小さな音がして、カウンターにボトルが置かれる。目の前に置かれたそれは、溶けだしたような赤いキャップがついた、独特な、少々ずんぐりむっくりとしたデザインの瓶だった。メーカーズマーク。ケンタッキー原産のバーボンウイスキー。それからマスターは、アイスピックを起用に使い、氷を丸く削っていく。暫くの間、カツカツカツという、小気味良い音だけが、耳を打つ。綺麗に丸くなった氷を、江戸硝子のロックグラスに入れる。そして瓶を...『ボビー・コールドウェルを聴きながら』
母は今日も静かに寝っている。何も無い、真っ白な部屋の中央に、母が立ったまま、浮いている。素肌に薄いベールの様なものを、纏った母は、今日も相変わらず綺麗だ。浮いている母に手を翳すと、タッチパネルが現れ、西暦2030年12月24日という文字が表示される。日付の下に表れた、十字矢印の左をタッチする。瞬間、海中に部屋中がダイブすると、目の前をシロナガスクジラが、ゆき過ぎる。母は今、海の夢を見ているらしい。母が冷凍保存されてから20年。僕はもう、母をお母さんと呼ぶには、年を取りすぎていた。そして。僕は先程、父を殺してきた。殺す?というよりは、壊してきた、という方が正解なのだが。父は医者だった。そんな父は、母を冷凍保存してからすぐに、母と共に生き返る為、脳だけを人工知能、いわゆるAIに移植して、体を廃棄していた。父を破壊す...『AI(愛)』
先日、「アルファポリス」のサイトに登録しました。このサイトでは、オリジナルの小説・漫画・絵本などを自由に投稿できます。全話無料の公式漫画も多数!Webコンテンツ大賞も多数開かれています。現在、「ホラー・ミステリー小説大賞」開催中!※私も参加しますので応援よろしくお願いします。アルファポリスに登録しました。
「この本なんのため気になる本」-元落語研究会の先輩と後輩の会話-コント風です
「♪この本なんのため 気になる本 見たことがある本だから 忘れていたことを 思いだすでしょう♬」*久々にショートストーリーを書いてみました。男二人の他愛のない話です。時間ある時に読んでみてください。Bは先輩Aのアパートを訪問している。AはBにとって大学の落語研究会の2年先輩であり、当時は上下関係は厳しかったが、今は二人の関係はかなり砕けてきている。先輩の家においてあった「本」にかかわる話です。
今週はイラストを描いてみました。今回はコピックマーカーを使い手書きでキャラクターを描き、スキャナーで取り込んだ後、背景などをデジタル加工で追加処理しました。今後も昔の手法やら、新しい技術などを試行錯誤しながらイラストを追加していきたいと思います。イラストを描いてみました。
いま、そこにいるあなた、誰かのために生きてください。誰かのために生きるという事は、あなたがちゃんと生きているという事。ちゃんと生きるという事は、あなたが自分の行動に責任を持つという事。そう。それは、ある日突然やって来て、私たちの日常を壊し始めました。それを、恐れる人と、そうでない人。そして、今まさにそれと戦っている人。もちろん。一人きりでは戦えないから、多くの人々の力をもらって、戦っているはずです。ただ、忘れてはいけない事が一つ。その多くの人々の後ろには、私たちと同じく、家族がいて、友人がいて。それらすべてをなげうって、私たちの未来のために尽くしてくれているという事。人種や性別、地位や名誉、裕福だったり、そうでなかったり。そんなものは、おかまいなしに、それは襲い来るのです。誰でも、他人事ではないと思います。今、...『誰かのために』
歌う事が大好きな少女と少年がいました。少女の名はヒロミ。少年の名はタツヤ。メロディーラインを歌うヒロミに、ハモったり、ユニゾンで歌ったりするタツヤ。そんな2人の歌声はとても美しく、聴く者は皆幸せな気持ちになりました。始めは友人達だけだった観客も、1人増え2人増えと、歌うたびに増えてゆきました。それを見ていた大人達は、「コンサートをしないか?」と、ヒロミとタツヤに持ち掛けます。そう、お金儲けが出来ると思ったのです。けれど純粋な2人は、その事に気付きません。歌を歌えるという嬉しさだけで、2人はその話を快諾します。小さなハコから始まり、次に屋根にタマネギがついたホールへ。そして野球が出来るくらいの巨大なホールへと、着実にステップアップしてゆきました。気が付くとヒロミもタツヤも大人になっていました。それでも、2人の人気...『歌うたい』