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カンボジアの巨大湖・トンレサップ 豊穣の水平線 <トラキチ旅のエッセイ>第21話
カンボジアという国の地図を開く。国土の真ん中に大きな水面が見える。 トンレサップ湖だ。 ただし、ここで「湖」をつけてしまうと、実は言葉がかさなる。「トンレ湖・湖」という意味になってしまう。 だが、とりあえずトンレサップ湖——と、ここでは呼んでおこう。 東南アジア最大の湖である。 その面積、1万6000平方キロ。琵琶湖の約24倍。四国一島の広さに迫る。 もっとも、それは雨季のピークでのこと。 乾季になれば、この湖は約6分の1の広さにやせ細り、川に還ってしまう。(※) なぜなら、実はこのトンレサップ湖、アジアの大河「メコン」の支流のひとつといっていい。 すなわち、カンボジアに雨季が来る。水かさを増…