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乞巧奠、天涯に花織らせ7月7日誕生花ブルーポピー青罌粟文月七夕、青罌粟―caelum青い背表紙、あなたの背中だ。「すごいね…ほんとに、」声こぼれた正午の窓、テレビ画像が君を映す。サングラスごし瞳きらめく、切れ長い美しい、あなたの眼。「―無事の登頂は下山こそですから、これから本番とも言えますが、」銀嶺おりなす青い蒼い空、あなたの言葉は硬くて明るい。そして、涯まで徹る。「―ただ気持ちいいです、今は、」低いくせ徹る、美しい声。やわらかいけれど硬い、穏やかだけれど厳しい君の声だ。この声が好きだ、ずっと近くに聴いて、けれど今こんなに遠い。「ね…標高八千メートルは、どんな世界?…」テレビ越し問いかけて、声そっと消えてゆく。それでも画面の笑顔きららかに輝いて、まぶしくて、熱一滴こぼれた。「とおい、ね…」想い零れて唇つた...文月七夕、青罌粟―caelum