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昼間の気温は30度。真夏の新潟市内。 ところが、陽が沈むとともに、街にはすずしい風がそよぎだした。信濃川のせいだろうか。 人口は約80万人。日本海岸随一の都会。この街は、その中心に巨大な天然のクーラーを備えている。 金沢のように典雅な町並みが残っているわけではない。名城のそびえる熊本、仙台のように、都市のシンボルに恵まれているわけでもない。 似た規模の街々に比べると、新潟の印象は、気の毒なほどに淡く薄い。 なにしろ「信濃川」である。「新潟川」でもなければ、「越後川」でもない。 街一番の象徴というべき川の名に、他国のそれを戴いてしまっているというのはどういうことであろう。 当の信濃=長野県の方で…