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月夜の猫-BL小説です 月澄む空に145 BL小説 「え、でもオフとかに帰ってくるんでしょ?」 浩輔が思い切り端折って佐々木に聞いた。 「俺にはオフとか、ないで?」 すかさず佐々木がシャープに返答する。 「あ、いや、そのう、盆暮れ正月?」 暗に沢村のオフの時には一緒に帰るのだろうという質問を、浩輔は言い直した
月夜の猫-BL小説です ぶなの森3 BL小説 小林千雪といえば、時折警察にも知恵を貸して解決した事件も多々あるミステリー作家として巷では知られているが、助教としてT大法学部に在籍している。 その彼を一躍有名にしたのが、分厚い黒渕メガネとぼさぼさの髪、超ダサダサのファッションセンスで、学内の女子学生の間では、ダサ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に144 BL小説 良太の周りで、何か大きな波がやってきて全てを流してしまうような、そんな思いが徐々に大きくなっていくような気がしていた。 そして良太自身もまたその波にのまれようとしている。 その波は工藤やこの青山プロダクションにとっても何かしら変化をもたらすのだろうと思われ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森2 BL小説 良太も業界内では彼女の不倫の噂は耳にしていたが、今のところ噂どまりなのは、相手の父親である代議士からの圧力と局側による彼女の所属する大手事務所Aプロへの忖度もあり、マスコミやスポンサー側へはもらさぬよう関係者に厳重に緘口令がしかれている所以だった。 昨今、不倫には
月夜の猫-BL小説です ぶなの森1 BL小説 青森県と秋田県にまたがって数千年前から存在しているぶなの原生林は、世界最大級といわれている。 世界遺産に登録されたこの白神山地には、貴重な動植物が生息しており、手つかずの自然が広がっており、真夏というのにひんやりとした空気は動きを止めていた。 数日前からこの地で
月夜の猫-BL小説です ぶなの森(工藤×良太22) BL小説 良太は海外出張中の青山プロダクション社長工藤の命により、小林千雪原作のドラマ『ぶなの森』のロケで青森にいた。ロケの間中、良太はヒロイン役の人気俳優田辺菜摘に懐かれて、不倫話の相談を受けたりしているうちに、スタッフの間で二人のことを邪推した噂が広
月夜の猫-BL小説です 2024Summer BL小説 2024夏始■夏が来る(井原×響&元気)■Blue Moon(工藤×良太)boys love novel初夏にちなんだエピソードを順次アップしています 以前のエピソードに少し手を加えたり、新しいエピソードもアップする予定です。
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に142 BL小説 「佐々木さん、こっちで仕事がある時は戻ってくると思いますよ」 八木沼を慰めるように言う良太のセリフを聞きつけて、「戻って来たってお前には関係ないからな」と沢村がガキ大将のように喚く。 「ようあんないじめっ子なヤツとずっと友達やっとるわ、良太」 開き直って八
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos19(ラスト) BL小説 東京を拠点に、京都や奈良、伊豆と、観光や温泉巡りを満喫し、新宿や銀座で買い物を楽しんだルクレツィアがやっと帰るという日、工藤は嫌がる良太を無理やり連れて、彼女を空港へ送っていった。 助手席に陣取ったルクレツィアは何だかだと工藤に話し
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に141 BL小説 「俺、たまたま一人でおった時に、黒人の軍団に取り囲まれてもて、向こうは何かぎゃあすか言っとんやけど、俺、何ゆうてるかちっともわかれへんし、小突きよるし、怖うなってもて、にいちゃあーん、助けてやあ、て、でかい声あげたんや」 「え、それで?」 良太もその展開には
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos18 BL小説 工藤は会場からずっと紫紀と何やら話し込んでいたため、その後ろにくっついていた良太も、必然的に小夜子の相手をしていた。 「そうなの。うちにいる子達も原の家にいる子もみんな千雪ちゃんが拾ってきた子なのよ」 確かに千雪とよく似ているのだが、言葉ははん
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos17 BL小説 シャツ一枚でのろのろとじゅうたんから身体を起こし、上着のポケットに携帯を戻してから、良太は散らばったズボンやタイなどを見回して苦笑した。 あーあ、あんなに絶対許さないって思ってたのに、簡単に悪党の手に落ちてる自分が笑えるぜ…。 「んで、その悪党
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に140 BL小説 「いや、浩輔、知らん間に営業しよることあるし、案ずるよりっていうやろ?」 佐々木が慰めるでもなく言った。 「佐々木さんまで、適当なこと」 「大丈夫だって。まあ、何かあったら、河崎に行ってプライベートジェットで飛んでくればいいよ」 藤堂が笑う。 「またそういう
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos16 BL小説 大きな腕に抱き込まれ、わずかに目を開けた途端飛び込んできた工藤の色めいた視線の熱さに貫かれるともう、脳髄まで蕩けていく。 思わず目線を落としたつもりが、工藤の胸に顔をうずめると、フレグランスに混じった工藤の汗の匂いがシャツを通して鼻腔をくすぐり
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に139 BL小説 「先生にもお伺いを立てたらね、週一回は必ず、佐々木ちゃんと一緒にお稽古すること、お稽古の状況を月一回は必ず報告することって」 「それでお許しが出たの?」 楽し気に報告する直子に、良太はちょっと恐る恐る尋ねた。 「もちろん。あ、それでね、そのあと沢村っち、佐々木
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos15 BL小説 小夜子にしてみれば、あの小林千雪ですら「千雪ちゃん」であり、猫を「みーちゃん」と呼ぶように、要するに可愛いものを呼ぶ時のそれだ。 間違っても義弟の京助をちゃん呼ばわりはしない。 末の義弟涼に対しても。 良太の知っている限りでは、彼女の三人の子供
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に138 BL小説 「佐々木ちゃん、沢村っちに仕事のこと話したみたい!」 直子からまた連絡があったのは、良太がミーティングを終えてテレビ局を出ようとしていた時だった。 「それでさ、オフにはニューヨークに行くからって沢村っちに背中押されて、佐々木ちゃん、先生に、一年ほどニューヨ
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos14 BL小説 赤坂にある老舗のホテルでKBC主催の創立記念番組成功を祝してのパーティが行われたのは、この夏一番という蒸し暑い週末の夜だった。 メインスポンサー東洋商事社長の綾小路紫紀をはじめ、協力を仰いだミラノ放送局の関係者、制作関係者、もちろん出演者や青山プ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に137 BL小説 沢村のMLB行きは本当のところ野球をやって来た者としてはものすごく羨ましかった。 良太も無論頑張ってほしいとは思ったが、比べるべくもないとは思いつつ、MLBで活躍する沢村と自分との間に大きな隔たりを感じなかったわけではない。 だが、今、このプロジェクトに参加
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos13 BL小説 まあ………しばらくは工藤とは、ぜーーーーってぇ、金輪際、仕事以外口なんか聞いてやらない。 必要以上にハンドルを握り締めた良太は、ぐんとアクセルを踏んだ。 「ちょっと、工藤さん、どういうこと?」 良太が出て行くと、ようやく電話を終えた工藤に、アス
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)136まで更新しました BL小説 Isla De Pinos では、内容的に関係もないんですが、細かいことで、エルミタージュ美術館をルーブルに変えたりしました。 あと、月澄む空にの中で、若干、年齢的に変わってくるかもしれません。 時系列的にこの後のエピソード
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に136 BL小説 「何か久しぶり、直ちゃん」 声をかけながら良太は藤堂の横に座った。 「だねえ」 笑みを浮かべる直子だが、何となく憂いを帯びている気がした。 その原因はおそらく佐々木のことだろうと察しはつく。 「それがさ、できれば佐々木ちゃんに一年くらいはニューヨークでチー
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos10 BL小説 霊感だの予言だの、そんなものは極力信用していないし、現実として目の前に現れない限りは認めることはしない主義だ。 だがいやな予感というのは、工藤の主義主張にかかわらず、そんなはずあるかと思いたい時に限って決まって的中したりするものなのだ。 日本に
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に134 BL小説 来月中には東洋商事本社でプロジェクトについての最終会議が行われるが、それまでに制作会社との打ち合わせを踏まえ、プラグインや佐々木、Nプロダクションとのオンラインミーティングでプロジェクトのフレームワークに沿った準備をする必要がある。 プロジェクトの打ち合わせ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に133 BL小説 「まだ公にはしないから、こっちにくるんだろ。とりあえず俺らに会っておきたいだけじゃないか」 工藤は軽く言う。 「あと、沢村はお前が窓口だから、沢村へのオファーもあるんだろ」 「はあ」 工藤は明後日から『大いなる旅人』のドラマ撮影で北海道に向かうので、明日の午
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に132 BL小説 「研修って何年もですか?」 天野までが勢い込んで聞いてくる。 「待って、研修なんで三か月ですよ。社長もそれ以上好き勝手させる余裕はうちにはないとかって、ハハハ」 良太の言葉に、「なーんだ、よかった」と竹野、「脅かさないでくださいよ」と天野がほっとしたように息
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos6 BL小説 ここのところ例の工藤のホットラインは鳴らないし、波多野とも顔を合わせる機会は今のところないが、いつまた何が起こるかわかったものではない。 波多野はおそらく工藤にとって敵ではないだろうが、得体の知れない男だ。 ……………ちぇっ。 「おい、良太? 寝
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に130 BL小説 良太を離してやろう成長させてやろうなどと思いつつも、自分の手の中に置いておきたい欲がそれをさせてやらなかったのだ。 だがここにきて紫紀からプロジェクトに良太をという話を聞いた時、いよいよきたのだと、工藤は思った。 ネットプライムが契機となり良太は一気に飛躍す
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)129まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)129、かぜをいたみ75、夏が来る37まで更新しました。Blue Moon20(ラスト)、最後までお付き合いいただきありがとうございました。 開始いたしました、Isla De Pinos は、ほぼ、夏のは
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos4 BL小説 「おう、怪しいもんじゃないぞ。よろしくなあ、ナータン」 グラスを二個持ってきて良太が向かいに座ると、小笠原は缶ビールと一緒にジャックダニエルズを袋から出してトンとテーブルの上に置いた。 「氷あったかなぁ」 冷凍庫をのぞくと、かろうじてアイスボック
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos1 BL小説 飛行機から降り立った途端、もわっとする熱風に包まれ、スーツを着込んでいる広瀬良太は思わずうっと息を飲んだ。 仕事とはいえさわやかな知床の夏を満喫してきたばかりで、またこの亜熱帯のビルの群れの中に入って行かねばならないかと思うと、げんなりである
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos(工藤×良太21) BL小説 突然、佳乃という可憐な女性がオフィスに現れたかと思うと、工藤を見つけて「高広さん」と呼んで抱きついた。これまでもよく似た光景が目の前で繰り広げられてきた気がしたが、大概、相手は怒鳴られてすごすごオフィスを出て行くだけだったのが、この佳乃に対
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に126 BL小説 「フーン、ウエストヴィレッジでコンシェルジュ付きならまあ、いいだろう」 工藤は言った。 「いっそ、横浜に残ってるビルを売って、ニューヨークにアパートを買うってのも手だな」 さらにそんなことを言い出した工藤に、「それはまたいつかの話にしてください」と良太は釘